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ポジティブな私 ポジ人

本との出会い 「魂の伴侶亅「前世療法」 ブライアン・L・ワイス

自分の性が「女」である事を認識した日の失望を、ハッキリ覚えている。
「えーっ、女だったのかぁー」と。

私がまだ小学校へ入学する前のことだ。

この世に生まれてから、自分の性別を意識して生活していなかったから。

当時の私のお気に入りのテレビ番組は、男の子向けのものが多かった。

古くは「まぼろし探偵」、父と一緒に楽しんだ大瀬康一主演の「隠密剣士」、桑田次郎の「エイトマン」、横山光輝の「鉄人28号」、そして手塚治虫の「鉄腕アトム」と、どの番組も男がヒーローだった。

それで、何となく私も彼等の仲間の様な気になって生活していたので、女である事にちょっと動揺したのだった。

昭和40年代の日本社会は、女は社会に出るより、結婚して子供を生み育て、家を守っていくのを良しとしていた。
父も「女に学問は要らない」と良く言っていた。
女はしとやかに、おとなしくしていれば良かったのだ。

そんな事を刷り込まれて育った子供の私にとっては、女である事はつまらない事だった。

男だったら色んな事が許され、自由に出来たのに、女であるが為に制限され、様々な可能性を奪われてしまう様に感じてしまっていた。
ホントはそんな事は無いのに。

平凡な私はその時代の風潮に簡単に屈する人間だった。

ずっと「男はいいなぁー」と周りの男の子達を羨みながら生活して来た。
男に生まれたかった。

古本屋で「魂の伴侶 ソウルメイト」と言う本と出会った。
著者はブライアン・L・ワイス。

ワイス博士はアメリカの精神科医だ。

博士は出来るだけ薬物に頼らない方法で治療をするため、催眠療法を行なっていた。患者を催眠状態にし、彼等に記憶を遡らせ、現在の症状の原因となった出来事を探り、治療にあたるというものだった。

この本は、ワイス博士が実際に治療を施していた患者の実話である。

生まれも育ちも住む場所も全く違う男女が、ワイス博士の元で、たまたま催眠術による治療を各々進めていくうちに、遡った前世が同時期の恋人たちで、お互いがソウルメイトである事がわかった。

博士は二人を結びつけてあげる事が最善の事と思うものの、医者としての守秘義務により、その事実を伝えることが出来なかった。治療を終え、二人はそれぞれ自国へと帰国してしまうが…その結末も、まさに奇跡のような出来事で、大変興味深く読んだ。

こんな体験は無いだろうか。
初対面で、まだ相手の事を何も知らないのに、何だか好感を抱いたり、あるいは逆に、嫌な感じを受けたり。

それはワイス博士に言わせれば、前世でのその人との関わりの良し悪しが、そう感じさせるらしい。

恋人や家族など、近しい間柄にあった人には好感を持ち、敵対関係にあった人には悪い印象を受けるという。

そして、何度転生を繰り返しても、お互いにかけがえのない存在である、魂の伴侶(ソウルメイト)と巡り会うのだという。

私と夫は前世でソウルメイトだったのだろうかと思わず考えてしまう。

ワイス博士の治療法に興味を持った私は、他の著書「前世療法」も買ってみた。 

こちらの本の方が「魂の伴侶」よりも先に出版されていたものだ。

それは、キャサリンと言う女性を催眠療法で治療していたが、2歳まで遡ってみたが原因がつかめなかった。それで博士が「あなたの症状の原因となった時まで戻りなさい」と指示したところ、彼女が生まれる前の前世にまで遡った事から始まる驚愕の実話だ。

ワイス博士の催眠療法で、キャサリンは前世まで遡った初めての患者であった。その為、博士はその事実を受け入れる用意が無かったので、相当戸惑ったらしい。しかし、キャサリンが語る中に、ワイス博士しか知り得ない事実を突き付けられ、信じるに至った経緯が、誠実に書かれている。

彼女の口から、様々な未知の世界のでき事が語られ、輪廻転生に関する色々な事が判明し、博士もその世界について探求する過程を綴っている。

ワイス博士が、キャサリンの治療によって得られた事実によると、人は死後身体から魂が離れ、ある空間に漂った後、再び新たな生命、つまり次の人生が始まる赤ちゃんの肉体へ宿るらしい。
その魂が辿り着く肉体は、人種も性別も国籍も関係なく様々なようだ。

魂がローテーションによって回っているとは。「人類みな兄弟」は真理かも知れない。
人種差別主義者も前世では毛嫌いしている人種であった可能性もある。もしかすると、前世での出来事が現在の差別を生み出す原因となっているのかも知れない。

本書を読んだあとに、現実的に色々自分なりに考えてみると、様々な疑問が湧いてくる。

例えば、私の家族を遡ると、家族親族は血で繋がっており、当たり前に日本人だ。

でもワイス博士の言う事を信じると、肉体に収まっている魂は、前世が外国人である可能性もあると言う事だ。

専門知識などまるでない私が、これまでの人生でかろうじて得てきた知識で考えてみる。

前世の記憶が残るのは、本来脈々と大昔から受け継がれて来た“遺伝子”の方じゃ無いんだろうか?
肉体が滅びても遺伝子は誰かに受け継がれて行くのだから、過去の記憶が遺伝子に刻まれるという事は無いのだろうか?

遺伝子とはと調べたら、「遺伝子はコンピュータで言う所のプログラム」とか「生命の設計図」と言われている。
そうすると遺伝子は肉体に関する部分だけをつかさどっているのだろうか。だとするならば、肉体は魂の“器”なのだろうか?

私が書けば書くほど、インチキ臭く感じられてしまうようだが、2冊の本を読み、私はワイス博士の体験は、真実だと思う。

そんなに詳しくは知らないのだが、ロバート・モンローの研究による「ヘミシンク」というものがあるが、それで体験する世界にも類似しているなと思った。
突き詰めていくと、どちらも同じ世界の事を語っているのかも知れない。

魂が漂っている世界には、マスターと呼ばれる精霊がいるという。

ワイス博士がマスターに

「人生をよりよく生きるためにどうすればよいか」

と尋ねると

「慈悲、希望、信仰、愛を学ばなければならない。何物も期待しない行為、利己的でない行為の中にこそ見返りがある」

と患者であるキャサリンを通して答えたと言う。
これらを学ぶことは容易な事では無いため、何度も生まれ変わり学び続ける必要があるのだいう。

ちなみにキャサリンは85回生まれ変わったという。

この退行催眠療法により、キャサリンは外見的にも輝きを増し、完治したということだ。

この本は、16章で構成されている。
唐突だが、第6章になんと、
ホスト界の帝王Rolandの語録の一つ
「どれだけ生きたかよりも、どう生きたかが人を決める」
と同様の言葉を発見。

精霊のマスターの言葉
「生きた年月ではなく、どれだけ学んだか、どれだけ成就したかによって人生は計られる」

Roland、人生のマスターかも。

ワイス博士も著書に書いていたが、多くの研究者が超常現象に関して研究し、論文なども発表しているそうだ。
全てが解き明かされるのも、そう遠くない未来かも知れない。

「ワイス博士の前世療法亅と言う瞑想CDブックもある。
そのCDには、ワイス博士の肉声の催眠へと導入する語りかけが録音されている。
前世へ遡ってみたいと思ったのと、ワイス博士の声を聞いてみたくて買ったのだが、一人でCDを体験しても、ただただ、気持ちよく眠ってしまう事にしかならなかった。

英語は簡単な単語なので、中学程度の英語がわかる方なら聞きやすいと思う。
女性の日本語バージョンも収録されている。

前世を遡る事が出来るのは、ワイス博士の患者さん達の中でも数パーセントの限られた人たちだということだ。
霊感が強かったり、特殊な能力、例えば予知能力等をもつ人に限られているのかも知れない。

この本を読み、前世の関わり合いというのは実際にあるかも知れないと、思い始めた私は、自分の前世に思いを馳せてみた。

現在の性別にやや違和感を覚える事。
好きな音楽は、デビッド・ボウイ、ポリス、ユーリズミックスと何故かイギリスのミュージシャンに片寄ってしまう事。
パンを作る事が好きな事。

これらの事実から、短絡的に導き出した私の前世は、

イギリスのパン屋さんで性別は男性。
きっと前世で多くの女性を泣かせに違いない。
それで、罰として女性、それも社会的地位の低かった時代の日本人の女性として生まれ変わり、モテない人生を送らされたのでは無いかと思っている。

この罰が早く終わりを迎え、来世で男に戻りたいものだ。

私とは逆に父は、男社会が辛かったのか「女に生まれたかった」というのが口癖だった。
希望していた女性に生まれ変わっているであろうと信じている。
父は、どんな人種で世界の何処に暮らしているのだろうか。

この世に終わりを告げた時、全てが明らかになるのだろう。

ワイス博士の著作で語られている事が、真実である事を確かめる“来たるべき未知の旅”が楽しみにさえ思われる。

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