Happy go Lucky

美術館・ギャラリー・撮った写真や好きな絵、そしてひとりごと

モナ・リザ

2005-08-24 | 【アート】美術館・ギャラリー・レビュー
見てのとおり、御存知のとおりの「モナ・リザ」である。
これは間違いなく世界中で一番有名な絵だと思う。
私なんぞは、3年次の実験でこの絵をを刺激画像に使用したりもしました。微妙な表情を使いたかったのです。

この絵は謎が多い。書かれた正確な時も、人物名も、場所も、はっきりしていない。
美術史家や心理学者のあいだでは、「眉・目・鼻・口のバランスがダヴィンチの自画像と同じだ(だからこれは実在の女性ではなくダヴィンチの自画像だ)」とか、「背後にあるような風景は自然界にはあり得ない(だからダヴィンチの空想の世界を表したものだ)」とか、
なんかもっとすんごいのは「これは、ダヴィンチの母親に対する幻想(エディプス不安)を抱えた結果だ」とか。ほんとかよ…

これが描かれたと考えられている16世紀頃は、自画像は金持ちが自分のステイタスを誇示するためのものだったらしい。
だとしたら、これもどっかの金持ちマダムだろうか。「ジョコンド夫人」だとか「イザベラ・デステ」だとか、ダヴィンチのパトロンの愛人だとか推測が飛び交っている模様。誰なんだろうね~わからないね~~

そんでまたわからないのは、この人の微妙な表情だ。
喪服を着て微笑む女性……
別に「喪服着てる人は、涙流して悲しんでおれ」なんて思わないけど。けど、絵に描かれるときはやっぱり「あたし悲しんでます!いまこんなに辛いんです!」みたいな風になると思う…わざわざ喪服着てモデルになるんだからさ。
絵の顔の部分を上下半分に遮ってみると、動きがあるのは口もとのある下半分だけだと感じる。口の端がきゅっとあがってるだけで、目のある上半分だけ見ても微笑んでるようには見えないのだ。顔全体で見ると、おだやかに微笑むゆったりした印象なのに。

ーーこれが「目は笑ってない」というやつですか。。
ジョコンドだかイザベラだか知らないが、こいつはなかなかすごい女だと見た。
口元だけで笑うなんて、芸能人のすることですよ…じゃなくて、そのへんにいる(日々の生活に追われる)一般の女性にはできない表情ですよ……
何なの、その余裕の笑みはー!!

トゥールーズ・ロートレック

2005-08-22 | 【アート】美術館・ギャラリー・レビュー
1864年 フランスに生まれる
ロートレックはとってもいいお家に生まれ、何不自由なく育ったようです。
でもそれはお金とか、家柄と言う意味のみ。
近親結婚が続くと、遺伝子の病気にかかりやすくなる?のでしょうか。ロートレックは下半身が異常に弱かったらしく、10代でそれぞれ骨折してしまった両方の足の骨はその後一生つながることなく、成長も止まってしまいました。

ロートレックの父さんは、お金は持っていたようですが家族への誠実さはあまりなかったよう…
さんざん浮気をして、母さんを悲しませていたようです。
その分母親はロートレックへ愛情を注いだのか、それにロートレックも答えたのか、
晩年アルコール中毒で苦しんだロートレックが頼りにしたのは、他ならぬ母親でした。
…てか、アルコールにおぼれた人は母親のとこに戻るのね。。。ユトリロもそうだったよなぁ~
ーー話それるけど。

それでも、絵を始めるきっかけは父親のおかげのよう。
アトリエを見つけてきたのは父親でした。
1880年頃 パリにて絵の勉強を始める
    モデル シュザンヌ・ヴァラドンと恋愛をする(のちに破局)
お家からの金銭的な援助はあるし、作品自体も比較的早い時期から評価されたため、ロートレックはひたすら純粋に自分の世界を模索していったようです。

1890年 親友のゴッホがピストル自殺未遂
ゴッホはこのあと精神病院に入りますが、そこで亡くなります。
1892年~ ムーラン・ルージュのポスターを制作
このころからロートレックは、より人間らしい人々の絵を描くために、夜の盛り場に出入りするようになります。
と同時にアルコールにおぼれる日々。飲みながら描いてたらしいっすよ、すげぇ。

1898年ごろ~ アルコール中毒が原因の発作を起こす
退院後も相変わらず不摂生を続け、3年後にまた発作で運ばれる。

1901 36歳で死亡


ロートレックの好きなところは、「だるい明るさ」です。
作品は明るかったり陽気だけど、決して爽やかじゃない。
アルコールだったり音楽だったりタバコだったり、そういうアイテムを使ってちょっぴり無理してテンションを上げたような、そんなだるーい感じが、好きです。

トゥールーズ・ロートレック    ☆☆☆1864~1901 フランス

理想体型

2005-08-20 | 【アート】美術館・ギャラリー・レビュー
変態ぱこは、きれいな女の人が大好きです(笑)
前にそんな話をしたときに人から指摘されたのは「少しクセのある美人が好きなんだねー」と。
篠原涼子とか椎名林檎とか、キレイだなぁ~~と思います。
……でもクセがあるってどういう意味なのかしら?わからん。。

で、ぱこさん的キレイなおねーさんポイントは、肉付きのいいことです(ほんとに変態トークになってきた…笑)。
あんまり細いと具合悪そうだし、あんまりどーん!としてるとおおいなる母のようだし。
その点このお二人の素敵なこと(>_<) モデルさんとかもべっぴんさんだとは思うけど、スタイル良すぎてリカちゃん人形みたいだし…
肉付きの程よくいいほうが「色っぺー!」 と思う。
ただ、絵に描かれたときは、こういう華奢な感じがキレイに見えるのはなんででしょう?
女の人は、ときに人間くさく、ときに何か物のデザイン画のように描かれてます。
それがいいとか悪いとか私は考えないけど、男性より女性の描かれた作品を見る機会が多いことを思うと、そんだけ女の人の容姿が美術において扱いやすい=美という観点で見られやすいテーマなのだ、と感じます。

まぁみんな自分のことは棚に上げて、あーだこーだ言ってるんだけどね 私を含め。


「耳飾り」   ☆☆☆ヘオルヘ・ヘンドリック・ブレイトネル 1893年


姉妹の船

2005-08-09 | 【アート】美術館・ギャラリー・レビュー
眠れない…
疲れてんのに眠れない……
あたしは、できれば6時間は睡眠のために確保したいのであって。明日は7時には起きるから、いい加減そろそろ寝付きたいのであり。こんなささやかな希望とは裏腹に眠ってはくれぬ私の脳みそ。
窓を開けたらおばはんのしゃべり声がするのはなぜー?(ただいまAM2:00過ぎ)トトロの出そうなこの田舎では、こんな時間に人の声がするなんて気味悪いことでございます。

あ゛ーー眠れないーー(>_<)あたしにおだやかな眠りを!!!




「姉妹の船」    ☆☆☆  エルネスト・ネト 2000年
…人が生まれる前にいた子宮をイメージしたインスタレーション。以前 川村記念美術館にてねむりをテーマにした企画展に、実際に中に入ってねっころがれる作品として展示

エドウ゛ァルト゛・ムンク

2005-08-06 | 【アート】美術館・ギャラリー・レビュー
こわーいです、この方の作品。ただでさえ薄暗い展示室が、さらにひんやりするくらい…

ムンクは、ノルウェーの芸術家です。時代は1863~1944…日本だと明治・大正あたりでしょうか。
いま確認してはじめて知ったんですが、ムンクは後期印象派(独自の画風)にくくられてます。。本当かーー!?
なんかもう独特すぎて、くくらないほうがいい気がするんですがぁ……

載せたのは「絵」じゃなく「版画」です。
「骸骨の腕のある自画像」て作品で、まぁ、、普通の神経してないよなぁと思っちゃう作品です。
だって自分と向き合って自分の姿を描くのに、骸骨描きます?描かないよ フツー。

ムンクといえば「叫び」がとっても有名です。
あれも、人間がとんでもない形になっちゃってて、もうどうしようもなく気味悪い作品だと思います。
でも、ムンクの他の作品も似たりよったり暗いし恐いし気味悪い…
「不安」「病める子」「孤独な人」………タイトルだけで、もう、救いようの無い感じ。


ムンクは小さい頃、家族に恵まれなかったらしい。 虐待とかそんなじゃなくて、親・兄弟が次々病気で死んでしまってるらしく。
次死ぬのは自分かもしれない、みんなが死ぬのに自分が生きる意味は何なのか、自分こそ孤独な人間だ……
こんなことを幼い頃から考え続けた結果が、作品のテーマや独特の描き方につながったのかもしれません。
不安とか死とか孤独とか、誰でも程度の差こそあれ考える問題を、あからさまに作品のテーマにしていて、だからこそあまりの重さに目をそらしたくなる。
でも、少なくとも、私みたいにしんどい問題には気付かないフリしてのんきに暮らそうとする人間にとって、疑問をいちいち投げかけてくるこういう作品は必要なんじゃなかろうか と思う。


ちなみに。
死に対する強烈な不安を持ち続けたムンクでしたが、かなりの長生きでした。
それがムンクにとってよかったのか苦しめたのか……


エドウ゛ァルド・ムンク ☆☆☆ ノルウェー(1863~1944)

「骸骨の腕のある自画像」 1895年