第17回日本山岳耐久レース ハセツネの完走と対策

今回で2回目のハセツネ！

静かな奥多摩の闇を感じながら走る喜び。所々で見えた遠くできらめく街の灯り、

月夜見手前の失速と御前山からのスリリングな下り。そして仲間達の走りと応援。

それらを全部含めてとても贅沢な時を過した気がします。

そんな今回のハセツネを忘れないうちにメモっておこう～。


・試走と準備
夏以降、大会までに2度の試走を行なった。
目的はルート全体の再確認、不慣れなナイトラン＆苦手区間に慣れること。
今年は100K主体の大会に出ていたので脚に疲れを溜めないよう、ハセツネ試走は最小限にした。
ギリギリのタイミングで下りのポイント試走を行なったのは、最後にいいイメージで閉めたかったので。

また、大会1週間前からはプラスイメージを持つために繰り返しアゲな曲を聞きまくった。
同時に、ハセツネ先人らブログや雑誌記事を意識して読み気持ちをハセツネモードにした。
特に、かげマルッ師匠のブログ記事「Final Attack to Hasetsune☆」はまるで大会に参加しているような臨場感で1日1回は読んだ。
また過去ハセツネDVD、特にアドスポ付録の黒ラベルDVD・第14回大会のものを好んで観た。

ウェア・装備・補給食全て他大会と変わらず、特にハセツネSPECIAL的な事はしなかった。
大会を重ねて得た経験に素直に従った。唯一気にしたのはなるべく「軽く」すること。
補水はハイドレーション＋サブでペットボトル(飲み口を100円ショップで購入したボトルキャップに交換済みもの)。この辺もcccや信越と同じ装備。フラスクタイプのキャップで口で簡単に開け閉めが出来その分レースに集中できます。
自分の体力と相談して、無駄を省き、最低限シンプルな装備と持ち物を心がけた。


・駐車場
今年も昨年同様五日市駅前駐車場を利用。2008年度は7時半入りで満車寸前だったので、今回は余裕をもって朝6時頃入った。さすがに空いていた。
駐車場のメリットはマイペースで準備できること。デメリットは会場まで遠いこと(笑)


・スタート前のひと時
途中で買ったカレー丼を朝からがっつり食べた。
早く着いたので受付までの間、車内で2時間弱ゆっくりと寝た。これは良かったと思う。
遅まきながら初めてセカンドシートを倒してフラットにして寝たら案外気持ち良かった。
車内で準備中な時もアゲな曲を繰り返し聞き、集中するよう心がけた。


・スタート～CP1
僕は12時間カードの真ん中ぐらい、JUNはkurisukeさんらがいる10時間前方の列からスタート。入山峠やトレイルのいたるところで、昨年と比較して渋滞が長かった気がした。
発電所ロードではざんくろうさんのピッチに付いていけなかった。
5Kくらいで早くも脚数箇所で痙攣。気にしたらきりがないので「走り始めのアイドリングだろ」と気軽に流した。以後「生かさず殺さず」の速度を心がけた。
暑さで多い発汗量。しかも流れる汗が濃い。あんきもさんからいただいたエンライテンをこまめに利用。CP1以降のパフォーマンスダウンに備える。
処々でごうやすさんやランブラーさんなど仲間達と出会って元気が出た＆ペースの確認が出来た。
昨年のバテ度と比較しながらなるべく押さえ気味に走った。相変わらず三国峠からCP1までは長く感じた。
CP1ではりマネさん・あんさん・TOMOさんの応援がとても嬉しかった。この辺からハセツネを走っている実感が湧いてきた。


・CP1～CP2
昨年と較べて余力があることを確認。とまらず歩きながらナイト装備を行なった。
補給間隔は時間に関わらず空腹感を感じる前、またある程度距離を進んだら摂る様にした。
補給はウィダー1/2→メイタン→ウィダー1/2→VESPA→ウィダー1/2のパターンを繰り返して摂るようにした。レース後残ったのはウィダー1/2だった。
西原峠前後は少しダレた。ストックを持つ小柄な女性に軽快に抜かれた。ストック使いが上手い。CP2でそれがもりもりさんだと判明(笑)
この辺りから下りで右足甲が何かに当たって痛く感じるようになった。上りは問題なし。
三頭山手前の下りでも右足甲改善せず。痛さで下りが走れない。また痺れも感じたので急遽頂上で靴を脱着した。原因は何だろう？靴下やテーピングのよれではなかった。たぶんRSタグが当たっていたのかな。
風張峠～月夜見CP2はダレて歩きが入った区間。何でもないロードをてくてく。たぶん三頭山上り区間で疲れからか、補食を忘れて間隔が空いてしまったツケが出たような感じ。CP2でポカリ500ml一気飲み＋1分横になったら復活。


・CP2～CP3
昨年は脚も気持ちも終わった嫌な区間。腿筋をセーブして腰で上る、ハムストを使うイメージを心がけた。
小河内峠あたりでハンド閃305の灯が突然弱くなった。早くも電池交換？と思ったがとりあえず御前山先までは急な下りがないと判断してヘッドライトのみで行くことに。
またCP2の水補給の際、ハイドレーションの空気を抜き忘れてたっぷんたっぷん状態に。惣岳山手前で右足がピクリと来たので小休止を兼ねて止まって空気抜き。
気が付けば御前山までの上りはダレることなく行けた。集中しているからか、眠気も襲って来なかった。
御前山でハンドの電池交換。だが下り始めるとすぐに暗くなる。頭に来てバンバン叩いたら直った。以後数回その繰り返し。道中コケた際に手にあったハンドライトが倒れる衝撃を受け止めてくれた代わりに、内部回路の接触部が不安定になったのだろう。
御前山下り～大ダワはポイント試走が効を奏した。この区間、どこに脚を置くかレベルでサーフェイスを覚えていたので安心して飛ばせた。
勢いで、また脚を信じて大ダワ・大岳山をスルーしてCP3に向かった。
この頃から時計を見なくなった。見ても心拍数のみ。以後ゴール地点で初めて自分のゴールタイムを知った。
綾広の水場ではペットボトルの500mlのみ補給。体内の水分バランスが急に崩れないよう飲みすぎないことを心がけた。
念のため、ここで眠気防止のUP錠剤を投入した。


・CP3～ゴール
CP3での女将さんの応援、御岳山道でのikeさん、日ノ出山頂でのあんさん＆TOMOさん、金屋さんらの応援から最後の下りを行く元気をもらいました。
生かさず殺さずの走りで残り5K越えてもペースを崩さず走った。
コンクリ橋を渡り、金比羅神社階段からは苦しかった。以後ゴールまでスピードが一段落ちたと思う。数人に抜かれる。
最後の最後、ロードで抜かれた選手に「最後まで頑張ろう」と声をかけられ何とか付いていった。No.4159の方、ありがとうございました！


・ウェア＆バッグ
レーススタート時は暑いが、夜気温が下がることを考えMACPACのウール素材ロングTで臨んだ。立ち止まると寒かったがラン中は快適だった。
アンダーはアディダスのハーフスパッツ。暑くなったら下をたくし上げて走れたのは便利だった。また脚からも放熱効果があることを今回初めて知った。速乾素材が快適だった。

今年から投入しているサロモンXT WINGS 10L+3を使用。ベストタイプで体に密着、便利なメッシュフロントポケットと利点が多いが、何よりレース中特に気に入っているのが背負ったまま盲牌状態でハイドレーションの残量を確認できること。
背面下部の中央に指が入る程度の穴が開いており、ハイドレーションパックを直接指で触れます。ふくらみを感じれば、ある程度残量はあり、張り付く感じだと間もなく切れるというサインが僕なりの経験則。
本来は背面に空気を通すエアーベント用のダクトホールだが、僕はその用途以上に魅力を感じる。

・ハセツネに棲む魔物
今年大一番のレースUTMBは途中リタイヤだった。大会の雰囲気に完全に呑まれての完敗だ。そして今年最後のレース・ハセツネではCCCリタイヤしたためか、気を引き締めて走ることが出来たと思う。はり天さんからいただいた言葉「リタイヤは力のもと」が心に響く。
その一方、この大会に向け準備してきても不本意な成績や無念のリタイヤに終わった友人知人らがいる。皆僕よりも数段レベルの高いランナー達だ。外因内因含めて、改めてハセツネに棲む魔物の怖さを今回思った。


・昨年の完走と対策　第16回日本山岳耐久レース　完走と対策


・完走タイム
13時間08分25秒（-152分：対昨年比）
第1関門　4時間07分08秒 (+8分)
第2関門　8時間06分49秒 (-22分)
第3関門　11時間25分14秒 (-129分)


今年も仲間達の力強い走りに刺激され、そしてたくさんの応援を受けました。次回のハセツネでは、その時のベストパフォーマンスで望めたらと思います。大会を盛り上げてくれたスタッフの方々、大会関係者の方々そして奥多摩の山々！ありがとうございました。