私は中学生になった。
3つの小学校が集まり、新しい
友達がたくさん出来た。
ほみみ、というあだ名のほんわ
かした雰囲気の友達ができた。
ほみみのお弁当はいつも可愛ら
しく、愛情いっぱいといった感
じだった。
初めて一緒にお弁当を食べた時
にそのお弁当を見て「かわい
い、美味しそう💞」
と心からそう言った。
それから毎日ほみみはお弁当を
見せてくれた。
席替えをしてお弁当を一緒に食
べなくなっても、遠くの席から
お弁当を見せに来てくれた。
そのたびに「ほみみのお母さん
上手だねぇ」等と私は絶賛し、
満足そうにほみみは席に戻る。
ある日、お弁当が終わる頃に
ほみみが「てのちゃん見てー」
と自分の席から叫んできた。
フルーツにホイップクリームが
のせてあるデザートが、別容器
に入っていた。
「こんなに食べられないー」と
ほみみは苦笑いしていた。
私はチラッと見ただけで、それ
を無視した。
その日から私はほみみを避け
た。
普通なら、一緒に居て楽しいは
ずの友達。
何でもキャッキャ笑い合える友
達。
私は人の喜びや感動を共感出来
ない、意地の悪い人間に育っ
た。