この写真は、2003年12月31日、ヘルシンキの大聖堂前でニュー•イヤー•カウントダウンを見るために、ラップランド地方にあるイヴァロ空港から飛び立つ飛行機のタラップで撮った写真である。空が赤らんでいて、まるで早朝か夕方のようだ。
でもこの写真の撮影時刻は、なんと12時30分44秒なのだ。時計の合わせ間違いではない。
もちろん、昼の12時である。
北極圏に属する地域では、冬至の前後の期間にカアモス(kaamos = polor night)と呼ばれる時期を迎える。
邦訳すると『極夜』であろうか。
この時期は、太陽が地平線からまったく顔を出さないのである。朝焼けから直接夕焼けになり、夜になる。ただ真っ暗になるまでには時間が掛かる。
カアモスは、緯度によりその期間が異なる。高緯度であればあるほど、カアモスの期間は長い。
撮影地のイヴァロあたりでは、1月7日位までがカアモスが続く。
短い滞在では、太陽が恋しくなる気持ちが湧くほどでもなかったが、現地に住む人々には、とても待ち遠しいことだろう。だが、彼らは半年もするとこの逆の現象である『白夜』(yötön yö)を迎える。
北極圏は気温の変化だけでなく、光の変化においても、結構過激な環境なのだ。
あの時の空の美しさは感動的でした。
日本から8,000Km以上離れたところで、顔見知りの人に突然会うとなんか感動しますね。
サーリセルカ滞在中は雪や曇りだったので、カアモスが意識できなかったのですが、この日は天気が良かったので、それが実感できました。