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SuperDryな一徹の徒然草

自称・アサヒビール・スーパードライのアンバサダー 見たり、聴いたり、触ったり、歩いたり、走ったり。呑む他に暇なしの徒然草

複眼思考

2012-09-07 08:40:21 | アサヒビール
地球上でもっともさかえている生物は昆虫だそうだ。ここまで繁栄できたのは、体が小さいこと、空を飛べることが大きいという。そんな虫の世界を、昆虫写真家の海野和男氏は撮り続けている。時には魚眼レンズを手に、地面に這いつくばることも。氏は「そこには上から見下ろす視点とは全く異なる非日常的な昆虫の世界が広がっています」(「DAYS JAPAN」8月号)と語る。大局的な視点を「鳥の目」、ここに目を配ることを「虫の目」によく譬えるが、実際、「虫の目」は数百から1万以上ものレンズが集まる「複眼」という構造を持つ。遠くのものまで見通す「視力」は人間の目に劣るが、目の前で動くものを捉える「動体視力」は人間よりもはるかに高い。ハエには、ダルビッシュ投手の剛速球も止まって見える。同じものを見ても、見え方は種によって全く違う。そこから人間は、固定観念にとらわれず、異なる視点から物事に光を当ててみる“複眼思考”を学ぶことができる。仏の智慧を「如実知見」と説く。森羅万象を見通し、衆生を救済するための智慧を持つのが仏である。目の前の人を、どう励ますか。どういう社会を築いていくか。日常生活の中で磨いていきたい。

本日の読書:1/1,736冊目 対論・勝利学 二宮清純著 第三文明社
対論・勝利学対論・勝利学
価格:¥ 1,260(税込)
発売日:2012-07-06



こうなればいいな

2012-09-03 08:57:31 | アサヒビール
広島の児童らが1947年に描いた書画48点が、米ワシントンDCの協会の地下室から偶然に発見された。傷んだ作品はボランティアの手によって修復され、2010年に広島へ里帰りする。この日米交流が、記録映画「ヒロシマの校庭から届いた絵」になった。原爆投下から2年後、被害の爪痕がいまだ深い広島に、米国からクレヨンなどの文具や教材が届いた。惨劇に心を痛めた人々からの真心の贈り物だった。48点の書画は、生き残った児童らが善意に応えようと、屋根のない学者で書いたものだった。青空を泳ぐ鯉のぼり。遊具で遊ぶ児童らの笑顔。桜や青々とした草木も画用紙いっぱいに描かれている。力強く色鮮やかに描かれている。原爆で親友や家族を失った子も多くいた。しかし、絵は何処までも明るく、苦境の中にあったことを全く感じさせない。「皆が『こうなればいいな』という夢を無意識のうちに描いていたのでしょうね」。描いた児童の一人だったご婦人が目に涙を湛えて語っていた。生きよう、伸びよう、未来に向かって進もうとする無限の生命力を、本来、子供たちは持っている。子らを巡る悲しい事件が後を絶たない時代だからこそ、生命の尊さを語りたい。それが大人の責任である。

本日の読書:1/1,732冊目 中年心得帳 林真理子著 講談社
中年心得帳中年心得帳
価格:¥ 1,000(税込)
発売日:2012-07-25




心の薬

2012-08-31 08:40:06 | アサヒビール
大阪の大学で教鞭をとる民族音楽研究者の話を聞く機会に恵まれた。インドネシア津波の時は現地へ飛び、民俗芸能の復活に取り組まれた。東日本大震災以降、岩手県の民俗芸能の復興支援に尽くされている。「民俗芸能や伝統文化の復興なんて後でいい。まずは道路や建物などのインフラだ」と、しばしば批判されるらしい。もちろん、それらは不可欠なものだ。しかし「芸術・文化の復興」も「同時に大切」と語る。「なぜなら、文化は『心の薬』だから」被災地出会った支援団体の中心舎も語っていた。「建物も大事。でもそれだけだったら、ミニ東京ができるだけ。若い人が『東京の方がいい』と、去っていくのも当然。文化の再生が大事です」その研究者は「東北、沖縄、アジア、世界各国、優れた芸術が残っているところを回って、一つの発見をした」と言う。「何度も、災害や災難に会ってきた地域の文化・芸術は強くて深い」。なぜか?「深い絶望の中で、生とは何か?、死とは何か?、自分はなんのために生きているのかを、きっと先祖たちは何度も考え、未来への強い意志を持って生みだした。それが芸術に深みと強さを与えたのです」復興と再生に向かう人々に、心を合わせたい。その深い思いを共にするとき、未来は少しずつ変わっていくだろう。

本日の読書:1/1,729冊目 国民の修身 渡辺昇一著 産経新聞社
国民の修身国民の修身
価格:¥ 1,050(税込)
発売日:2012-07-18




向日葵

2012-08-29 08:30:09 | アサヒビール
夏休みの宿題で孫娘が向日葵と朝顔の観察に頑張っている。特に向日葵は青空と入道雲を背景に伸びゆく姿はいかにも夏らしい風景。一輪に見えるヒマワリの花は実は多くの花々が集まった珍しい植物。外側の黄色い“花びら”は「舌状花」と呼ばれ、虫を引き付ける働きがある。一方、褐色の中心部分も「筒状花」と呼ばれる独立した花で、雄しべと雌しべがあり種を作る。機能の違う多くの花々が集まって、鮮やかな姿となり、補完し合い、子孫を残していく。そして、降り注ぐ陽光や雨、過分を運ぶ虫など、何かが欠けても、花を咲かせることができない。テレビカメラマンとして活躍する人の話を聞いた。中学時代不登校となり、卒業後、自宅に引きこもってしまったという。彼を知る先輩が連日のように訪ねてきた。親戚は車で外に連れ出し、心を癒してくれた。両親は無言であったけれど優しく接した。やがて“僕は一人じゃない”と実感した彼は、社会へ一歩踏み出した。「数えきれない多くの支えがあって、今の自分があります」人は、多くの人と支え合い、励まし合う中で、希望を見いだし、前へ進んでいける。いつも太陽に向かって咲くヒマワリの花は、どんな時も希望を見つめて生きること、そして感謝の心、助け合う心を教えてくれるとそっと孫に語った。収穫した種はまた来年、苗床を作って大輪のヒマワリを咲かす約束をしてくれた。

本日の読書:1/1,727冊目 スケッチトラベル 飛鳥新社
スケッチトラベルスケッチトラベル
価格:¥ 3,150(税込)
発売日:2012-08-11



ヘンな“きまり”

2012-08-27 08:37:46 | アサヒビール
岐阜県にある中小企業の、創業者の講演を聞いた。「残業なし」「営業ノルマなし」さらに「全員が正社員」「休日は有給休暇を除き年間140日」など、型破りともいえる経営で、創業以来46年間赤字なし、平均経常利益率15%を維持してきた電設資材メーカー。業務改善案を出した人には、その内容にかかわらず報酬も出す。他社との“差別化”を常に意識し、「いちいち上司のお伺いを立てていると自由な発想も自主性もなくなる」(『日本一社員がしあわせな会社のヘンな“きまり”』山田昭男著、ぱる出版)と、「やりがいを持って幸せに働ける環境」づくりにこだわり続け、社員の“常に考える”力を引き出してきた。一見、非常識に思える経営も、“社員を大切にする”“社員の自発性を重視する”という強い信念に裏打ちされている。すべてを一般化することは出来ないにせよ、この会社の好業績は、「自分が大事にされ、信頼されている時に、人は最大限の力を発揮する」という事実を示している。「一人」を大切に・・・ここに、時代を超えた「発展」の鍵があるように思える。

本日の読書:1/1,725冊目 佐川男子 飛鳥新社編集部
佐川男子佐川男子
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2012-08-11