偽史倭人伝 ~ Carnea Historia

march madness の次が April Foolなんて小粋ぢゃないか。

志村けんさんの死でバイアスについて考える

2020年03月31日 06時55分27秒 | ◎ツッコミ思案neo
「有事」の時こそバイアスは排さなければならない。
まず、命は等価であるということ。
 有名人の死によって「無自覚」のものへの戒めの効果があるというような意見をよく聞くが、勢い余って、ないことまであるように(またはその逆)思いこんでしまうことは避けなければならないし、また人気者であったがゆえにつっこみずらいというのもマイナスの側面だ。
 たとえば志村氏は60本/日というヘビースモーカーだったことはリスク評価という面でかなり重要な判断材料だと思うのだが、あまりそこに触れるとまた反嫌煙筋が「不謹慎」とか騒ぎそうだ。
 むしろこれを機に、副流煙問題だけでなく吸ってる本人の病気や死も「おいらの勝手でしょ」でははすまないということを哀しみから学んでほしいものだ。
 以前、オピニオンリーダー制(ご意見番として根付いている)は正しい判断の妨げだと書いた。
 「この人は信用できる」などと言いきってしまうこと自体がバイアスだからだ。逆もまた真なり。
 個人的には木村太郎、ビートたけし、三浦瑠璃、橋下徹といった人たちの意見に共感することは少ない。正確にいうと三浦瑠璃氏については「項目数」でいえば8割がたは論理的で正しいと思えるのだが、いくつかの重要な項目で賛成できないという感じだ。ここらへんが重要で、なんだかんだテレビに出てる人はアタマもいいのだろうし、独自の情報網もあったりするから意見そのものに共感できなくても判断材料になりうる新たなヒントや知見を与えてくれることもある。
 今回に限っていえば橋本氏の「集団免疫論」には共感できたし、未だに有効な施策候補といえると思う。
 氏がフリップでインフルや交通事故などとの死者数比較を示したとき、屁理屈というツッコミがあちこちでおこったが、コロナが未知だというだけで比較の対象にすらならないとはいえない。
 なぜなら冒頭でも触れたように「命は等価」だからだ。この「命が等価」という主張に関しては今回、三浦瑠璃氏も力説していた。つまり経済がコケれば自殺者も増えるという視点だ。日本はもともと自殺大国だということを忘れちゃいけない。
 もうひとつ「社会的コスト」という考え方だ。ことばヅラに面と向かうと残酷な響きがあるが、社会はそうして「損切り」をしてきた。高度成長期は「交通戦争」などという言葉があったくらいで、交通事故の死者は多かったが、それで強権的な交通規制がされることもなかった。ゆるやかに安全対策がすすめられるのに任せて経済発展を優先させてきたわけだ。
 時代が違う?そう、たしかに交通戦争を容認してきたようなリスク意識ではまずい。が、より死者の少ないほうを選択すべきということはいえる。
 最近になって、急激に感染者が増えたのは単に検査自体が増えたからだと思う。実際、テレビに出ていた医師が知り合いの保健所職員が「うちではPCR検査を断ってるのでうちの管轄からは感染者は出ない」と言っていたことを暴露していた。「めんどくさいから」でも大問題なのに現場はさらに向こう側をいっていた。
 つまり、市中感染はもっと前に進んでいて、それがやっと「可視化」されただけではないか?
 スキャンダルでテレビ出演がなくなってしまった岡田晴恵さんだが、もし市中感染しきってしまっていたら自粛は意味がなくなるというようなことを言っていた。つまりその場合は集団免疫という方向にいくしかない。
 さっき時代がちがうかもしれないが、と書いたが日米貿易摩擦の解消との引き換えに国民の健康を差し出したといえる輸入果物に振りかけられた防かび剤はいまだ「進行形」だし「損切り」の究極は原発だろう。
 フジのザプライムという番組で解説員でもあるキャスターが日本はうまくやっていて外国も見習おうとしているというトンデモ発言をして、木村太郎からこっぴどくツッコまれていたが、マスコミがこれでは先が思いやられる。
 トイレットペーパーはいまだに朝のうちに売り切れてしまっているが、これもマスコミのせいだと思う。空の棚を映されたら買っておこうと考えるのは「合理的」な行動で、卑しくもなんともない。むしろ心理効果を無視してそうした画づくりで目をひこうというマスコミが癒しい。
 在庫は足りているという業界の情報も伝えていると言い訳するかもしれないが、ひとこと添えれば煽る画作りの免罪符になるということもない。それはメディアの不祥事を伝えるときの「襟を正さなければなりません」というくらい軽い。

 安倍首相はギョーカイに人工心肺エクモの増産を要請したというけど、いまさら間に合わないとわかっていて言ってるところが責任転嫁的でむしろ卑劣だ。やっているアピールしたいだけだろ。(そもそもブツがあっても扱えるスキルをもったスタッフが足りないだろう)

 特攻隊から原発に至るまで、この国は常に「失敗はない」ことを前提にしているのでプランBがない。天災に至ってはいつも「想定外」で逃げ切ってきたが、今回ばかりは世界に晒されてしまったのでカッコつけなきゃならなくなった。

 各国のリーダーの国民に呼びかける「演説」見ていていると安倍さんがいちばん「弱い」。プロンプターを追う目は泳いでるようにしかみえない。この方は国民と向き合っていない。まさかの時の友は真の友というけど、有事の時には正体がみえるものだ。

追記:三浦瑠璃氏が、「しめっぽい話ばかりですけど、志村さんがやっていた、他の人なら叩かれそうなエロなことかについてもこれを機に考えたらいい」みたなことを言ったの対し「志村さんだと許されちゃうみたいな?」と返したら瑠璃氏はあきらかに呆れ顔をしていたが、恐らくは志村氏なら許されちゃうってことで放置していいのかと問題提起したかったのでは?同じようなことを星野仙一氏の鉄拳制裁について感じたことを思い出した。
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