偽史倭人伝 ~ Carnea Historia

march madness の次が April Foolなんて小粋ぢゃないか。

超いまさら祝!セインツ優勝、スーパーボウル新聞見だしコレクション・前編

2010年02月24日 03時21分22秒 | ◎海外スポーツ&ニュース見出しdeポン
 そんなわけでこのブログの基幹コンテンツ?である見だしネタ。
 感動のスーパーボウルからはや2週間以上(笑)。いまさら感210%だけどヤンキースの優勝は扱っといてスーパーボウルをパスしたりしたらブログ名がスタルヒンっつーわけであえて投稿。

 見だしを調べる前に新聞記者になったつもりであらかじめ予想をつけてみよう。
 まずは今年の優勝ニューオーリンズ・セインツのチーム名にひっかけて「聖者の行進」もしくは宗教テーストな語句をからめたもの。そして応援の「Who Dat」にひっかけたもの。あとは選手…っていうかズバリピンポイントでドルー・ブリーズにひっかけたもの。

 …そんなとこだろうか?

 さて、では見ていこうか。
出ましたぁ!聖者の行進ネタだぁ。

【The State Journal Register】
Saints March past Colts

 直訳すればセインツが行進して、もしくは聖者の行進がコルツの前を通り過ぎてったってことだけどPASTはスポーツの見だしではよく使われる勝利の表現の1つ。Yanks psat Phills 1-0みたいに使われる。だからこれはセインツがコルツに勝ちましたということを少しだ飾って書いただけ。でも新聞の見だしはこういう小技が大事。

【Toronto Sun】
Saints march in

【New York Daily News】
SAINT"S GO MARCHING IN

【Tyler Morning Telegraph】
When The Saints Went Marching In

 これらは3つは直球で「聖者の行進」の歌詞にひっかけた表現。ただの入場行進かよ、試合前みたいぢゃんって思うかもしれないけど勝利の行進というニュアンスを含んでいるんだろう。

【The Province】
Saints March to Victory

 こっちは勝利への行進というより具体的な表現。

【The Appeal-Democrat】
Saints march into historic Victory

 これも同種だけど歴史的勝利という表現の裏に初優勝と乗り越えたハリケーンカトリーナの悲劇が垣間見える。ひすトリ、びくトリとちょっとだけ韻も踏んでるかも。

【The News Tribune】(Tacoma)
SAINTS MARCH OFF WITHE TROPHY

 今度はinでもintoでもなくOFF。“MARCH OFF”は堂々と出ていくこと。セインツはビンス・ロンバルディ杯と共に堂々とスタジアムを後にしたとさ…ってか。

 ↓勝利を持ち帰ったという意味ではこれも同類

【The Spokesman-Review】
SAINTS BRING TITLE HOME

 ちょっと見では面白くもなんともないんだけど、カタリーナの悲劇を想起するとHOMEの4文字が重みを増す。

 ここらで恒例の?敗者視点の報道をウォッチ

【The Star Press】
SAINT IT AWFUL

もちろんこれはAin't it..をSAINTにかけている。
「どうだい、ひどいだろ」…っというくまだまさしみたいなニュアンスか。

リード文はこう続く
A GUTSY CALL BY NEW ORLEANS AND AN INTERCEPTION BY PEYTON MANNING DOOM THE COLTS IN SUPER BOWL XLIV

 ニューオーリンズ側の勇気あるプレイコールとコルツにとどめをさしたペイトン・マニングのインターセプト。

 勇気あるプレイコールとは早々のオンサイドキックやら2ポイントコンバージョンなどか。あの反撃の火を消し去ったインターセプトによりマニングは戦犯になってしまったようだ。

【The Times】(South Lake County)
BLUE STEAL

 ぱっと見なんだかよくわかんないけどリード文が
A Manning interception returned touchdawn dooms Colts as underdog Saints take first Super Bowl

と続くのでSTEALはこれまたインターセプトのことを表しているんだろう。
 BLUEはコルツのチームカラーで馬のマスコットの名前でもある。そしてBLUE STEELというスラングに音だけひっかけたんだろう。ちなにBLUE STEELは拳銃のこと。
 響きはかっこいいがしっくりこない語呂合わせだ。まぁ負けた方だから見だしにしまりがなくっても仕方ないか(笑)。
 拳銃を想起させる表現っていかにも銃社会アメリカっぽいよなぁ、でも日本人の感覚からすると少し違和感あるよなぁと書いていたらテレビにロックバンドの9mm Parabellum Bulletが…。なんかテレビに突っ込まれた気分だ。奇しくもBLUE STEELは拳銃の中でも9mmのハンドガンのことをさすんだそうだ。
 まぁ表現の自由だし地雷だの核弾頭だのといった兵器をからめた慣用表現はあふれているので9mm弾にいちいち違和感を覚えるのは神経質すぎるのかもしれないけど9mm Parabellum Bulletは一体どういう理由でこの名前をつけたのか聞いてみたいものだ。


 同じブルーネタでもこちらはしっくりくる。
【Kokomo Tribune】
BLUE MONDAY

 スーパーサンデーの翌日の憂鬱な月曜日ということ。そういえば「月曜日は嫌い」といった銃乱射事件の犯人もいたっけ。結局こっちも火薬の匂いがする?

【The Herald-Times】(Bloomington)
TOUGH LOSS

 「厳しい敗戦」とひねりもないけど、さっきあったようにunderdogであったSaintsに負けた、つまり下馬評圧倒的有利な中負けたのだからショックもでかいといった思いが見える。


 さて、お次

【Sun Herald】
BELIEVE IT


 ひねりがないぢゃん。しかもビリーブってもう勝ったぢゃん。
いや、これは冒頭でも予想した宗教臭いフレーズの1つだろう。
だから「私たちのチームを信じなさい」というよりは目の前で起きた優勝劇(奇跡)を信じなさいということだろう。

もちろん信じますよということで。
【Daily World】
WE BELIEVE

 いやもう少し深読みをすると優勝劇だけでなく、やはり今もセインツ教を信じているという宗教チックな日本人にはわからない距離感もあるのかもしれない。

【La Opinin】
Existen los milagros

 奇跡は存在した!…ってだんだん宗教色が濃くなってきましたよ(笑)


 信仰といえば天国ですな。

【Press-Telegram】
SAINTS IN HEAVEN

【Detroit Free Press】
SAINTS IN HEAVEN

【The Florida Times-Union】
HEAVEN SENT

【Observer-Dispatch】
HEAVENLY VICTORY

【The Philadelphia Inquirer】
HEAVEN FOR THE SAINTS

 一見、地味な見だしだけど主語がSAINT(聖人)となると向こうの人々にとっては雰囲気出るんでしょ、きっと。



カナダはフランス語圏もあるっつーわけで

【Le Journal de Montr饌l】
LES SAINTS AU 7e CIEL

【Le Soleil】
LES SAINTS AU SEPTIEME CIEL

 この2つは7が数字か文字かという違いだけで全く同じ見出し。
CIELってどっが見たことない?
そうL'arc~en~Ciel(ラルクアンシェル)だね。
これってどういう意味だったっけ?
そう虹だ。そのココロは天空(Ciel)にかかるアーチ(arc)ってことだよね。

 そもそもセインツのニューオーリンズはフランス語も公用語の1つとされているからおフランスなネタも話題としては悪くないだろ?
 セインツのロゴにしてもあのダ・ヴィンチ・コードでもお馴染みの「フルール・ド・リス」だったりする。

さぁ、見だしを具体的に見てみよう。
7番目の天空ってどういう意味だろう?
あれ?どっかで見たことないか?そうだね、このブログを見てくれてれば思い出すよね。
ヤンキース優勝の見だしをやったときに出てきたSeventh Heavenだね。
 あんときはヤンキースの二十七回目の優勝だったんで27th Heavenとうまいぐあいにかかってたんだけど、セインツは7はかんけいないよね?ま、いっか。

 ところで「SEPT」って「7」って意味なんだよね。ほらSEPTEMBERっていうぢゃない。
え?9月だろって?でもOctoberのOctは8でDecemberのデカは10って意味だから順番はあってるだろ?
 まぁクイズ&雑学ブームだからこんなカレンダーネタはすでにテレビで何度もやったかもしれないからここらへんのうんちくはやめとくよ。知りたい人はシーザーだのアウグストゥスだのを暦といっしょに検索窓にぶちこんでゴー…だ(笑)

そのかわりにCIELネタをもうひとつ。

【El Nuevo Herald】
SANTOS TOCAN EL CIELO

 こっちはスペイン語なんでCIELOだけど意味はいっしょ。セインツは天国に届いた…って7番目の天国よりはまだ手前って感じだね。
天国ネタの最後は尻つぼみになっちゃったかな(笑)
 そういえば白髪染めでシエロってあったよね。シエロは人に対して使うときは天使とか「マイダーリン」みたいな意味もあるらしいからそのへんかと勝手に思ってみたけど、これまた真実を知りたい人はメーカーに直接聞いてくれ。

 フランス語といえばさっきも言ったようにセインツの地元ニューオーリンズは元々フランスからの移民も多いお土地柄でマルディグラというフランス語の名前がついたお祭りがある。いやお祭りの名前というよりは謝肉祭がクライマックスに達する最終日のことだ。
 まぁ有名なんで当然のようにそれをからめた見だしもとび出た

【Montgomery Advertiser】
Mardi Gras comes early for Saints

【Arizona Daily Star】
MARDI GRAS STARTS EARLY

 どっちもマルディグラが早めにきちゃったよ…ってことだ。
日本風にいうとお盆と正月が同時にきちゃったよ…って感じか。
きょーびお盆も正月もそうは盛り上がらないけどね(笑)

ちなみに今年のマルディグラは2月16日だそうだ。ああ、なんてこった!マルディグラもとっくにおわっちゃってるよ(苦笑)

【Daily Herald】
Miami Mardi Grass

 マイアミの奇跡ぢゃないけど、開催地とマルディグラをかけたのね。あ、これもいってみりゃマイアミの奇跡ぢゃん?今後、アメリカでマイアミの奇跡っていったらサッカー日本代表ぢゃなくってセインツのほうだね、きっと。まぁサッカーのほうは最初っから有名なはずもないけどね。

【The Citizens' Voice】
MARDI BOWL

 これも見ての通り

 ちょっとひねったのが
【Philadelphia Daily News】
FAT SUNDAY!

実はMardi Grasってのはフランス語で「fat Tuesday」という意味なのだ。
Mardi Gras on Super Sunday = FAT SUNDAYってことなのね。

 宗教的な祝祭日ネタといえば

【Houston Chronicle】
【Sun Sentinel】
【New York Post】
【Pensacola News Journal】
【The Windsor Star】
【Albuquerque Journal】
【Metro - Philadelphia Edition】

ALL SAINTS DAY

 ちょっと調べただけでも7紙がこの見出し。

 ALL SAINTS DAYはカソリックの祭日らしいが、WASPという言葉があるくらいでアメリカではカソリックは少数派なので全国的にはメジャーな日ではないようだ。
 ぢゃあ、ただの思いつきの安易な見出しかといえばそうでもない。ニューオーリンズがNFLのフランチャイズ権を獲得したのが44年前の聖者の日なんだ。

【Journal Star】
SUPER SUNDAY ALL SAINTS DAY

 これはスーパーサンデーを足しただけだけど、聖者の日は11月の第一日曜日だから、SUNDAYもそれなりにかかっている。

 さて宗教的見だしのきわめつけはやっぱこれだろう。

【The Times-Picayune】
AMEN ! AFTER 43 YEARS, OUR PRYERS ARE ANSWERED

アーメンて…。

エーメン!43年目にして私たちの祈りは届いたのだ


 さぁてお待ちかねの「DAT」の登場だよ。DATっていってもDigital Audio Tapeぢゃないよ…って狭いボケをしたところで、もう冒頭で書いちゃったっけ。

 セインツのお決まりの応援文句

 「Who dat? Who dat? Who dat say dey gonna beat dem Saints?」

 やつらがセインツに勝てるなんて誰が言ってるんだい?

つまりこれは漢文の教科書でもお馴染みの反語表現なわけで、
「誰もセインツには勝てやしないよ」って意味。

 これを縮めた「Who dat?」ってサインボードを中継で目にした人も多いだろう。

「DAT」は「That」のこと。シンプルだから使い勝手もいい。

【The Advocate】
BELIEVE DAT


【The Town Talk】
DAT'S RIGHT

【American Press】
WON DAT!

【The Mississippi Press】
DAT'S INCREDIBLE!

【The Detroit News】
HOW 'BOUT DAT !

【Press-Register】
DAT'S WHO
WHO DAT WON THE SUPER BOWL? THE SAINTS...

【RedEye】
Dat's Dat

【Arkansas Democrat-Gazette】
Ain't Dat Something

【The Arizona Republic】
BIG WIN FOR THE BIG EASY

【The Miami Herald】
AIN'T DAT SOMETHING

【The Daytona Beach News-Journal】
WHO DAT?
WON DAT!

【Marietta Daily Journal】
WHO DAT? SAINT DAT

【Cape Cod Times】
SAINTS ALL 'DAT'

【The Patriot Ledger】
TAKE DAT! SAINTS WIN FIRST SUPER BOWL

【The Fayetteville Observer】
DAT'S ALL FOLKS
【The Salt Lake Tribune】
Dat's all, folks:Saints win

【Wyoming Tribune-Eagle】
AIN'T DAT GREAT?

【The Virginian-Pilot】
TRUE DAT

 それこそ枚挙のいとまがない。



 さてさて冒頭で予想した選手の名前にひっかけたものもちゃんとあったぞ。

【Toronto Star】
SUPER COOL BREES LIFTS UP NEW ORLEANS

 超イカしたブリーズがニューオーリンズをひっぱった。

COOLのカッコイイと涼しい、breesとbreeze(そよ風)にひっかけた見だしだ。

【The News-Press】
A GULF BREES SWEEPS IN

湾岸のそよ風が吹き荒れた

 こっちもそよ風ネタだけど、ここではもう一つかかっているのかもしれない。今回のスーパーボウル&プロボウル開催地であるフロリダ州にはGULF BREEZEという名前の町があるのだ。もっともそこはマイアミからもこのNews-Press紙があるフォートマイヤーズからも州の反対側だから、単純に湾岸のそよ風とブリーズだけの意味かもしれないがいずれにせフロリダ色を出した見だしであることにかわりはない。
 フォートマイヤーズといえばレッドソックスのキャンプ地として有名だけど、日本ゆかりのスポーツネタをからめるならここは阪神が4億円ドブに捨てることになってしまったあの助っ人外国人のマイク・グリーンウェルの故郷でもあるということ。

 フォートマイヤーズというのはその名の示す通り対セミノール・インディアン用の砦だったところだ。セミノール族の名は地元のフロリダ州立大のスポーツチーム名にも冠されている。
 このセミノールズをめぐるネタは過去に●NCAA vs FSU~“征服されない”セミノール魂は誰のもの?p訣p戟ニいうエントリーで扱った。w, ちなみに今話題騒然の?東尾理子が留学していたのはフロリダ大学(University of Florida)のほうでこっちのスポーツチームのニックネームはゲイターズ。つまりワニだ。

 さてハナシがそれたところでさらなる「Brees→breezeネタ」。

【The Town Talk】
DAT'S RIGHT
SAINTS' FIRST SUPER BOWL WIN A BREES

 さっき出たDATとの複合ワザだ。
実はbreezeには簡単なコトという意味がある。
直訳するなら

「そうなんです、セインツははじめのスーパーボウルをあっさり勝っちゃったんです!」(by ジョン・カビラ)

ってところか。

あっさりぢゃないぢゃん、手に汗握ったぢゃん…って思うかもしれないけどそこはコトバ遊び。
まぁ、最後は突き放したし、インターセプトでとどめさしたし確かに最終的にはセインツがコルツを翻弄していた感はあった。

【Rockford Register Star】
For the Saints, the first time's a Brees

【Daily Press】
First win a Brees

【Austin American-Statesman】
First time a Brees

この3つも同じような感じか。

【The Augusta Chronicle】
WHAT A BREES

 こうなると単純明快。
訳するとしたら「楽勝!」ってとこかな。
いや、こういうときこそ参考書を捨てて意訳をすべきなんだろうな
さっき振り返ったみたいに

「最後は圧勝!」

ってのが一番しっくりくる訳かも。

 うっかり忘れてしまいそうだけど、なんてグレートなやつなんだというブリーズへの賞賛もかけてある。


 ちなみにカリフォルニア州のトーランスにその名も【Daily Breeze】という新聞があるんだけど、こちらは

A SAINT-SATIONAL WIN

というセインツとセンセーションをかけた見だしで残念ながら「Breezeネタ」ではなかった。
前回のワールドシリーズネタでもこんなこと言ってたなぁ…
たしか「HERALDING THE HEROES」っていう【Asbury Park Press】紙の見出しの時に…

【Daily Breeze】のwebサイトをのぞいたついでにアンケートをやってみた
Will you watch winter Olympics ?ってやつ。
別に投票したかったわけではなく結果が見たかったから。
で見えた結果が

投票数:380
yes 199票(52.36%)
no 181票(47.63%)

 予想通り米国人の関心度の低さがうかがわれるが、これでも今回は隣国で行われているということで高くなっているんだと思う。
 オリンピックの見だし特集もやろうと思って一応、集めてはあるんだけどやるかどうかはわかんない。…っていうか多分やんない(笑)。グレツキーが1面にドカンと載っているカナダの新聞の画像だけ紹介するかも。


…と脱線しながらお調子に乗って書いて投稿したら10000文字を超えてしまったらしいので、この続きは次の投稿…っつーことで。

★★→後半へと続く●●●●





セインツ初優勝





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