偽史倭人伝 ~ Carnea Historia

march madness の次が April Foolなんて小粋ぢゃないか。

売れっ子コピーライター谷山雅計はなぜペケだったのか

2010年01月22日 22時22分22秒 | ◎ツッコミ思案neo
 フジテレビのバラエティ番組「ペケポン」「ペケポン川柳」というのコーナー。これは巷で募集された川柳の入選作の上の句だけを見て下の句を当てるというクイズコーナーだ。

 レギュラー芸人チームに対するゲストチームには「ことばのプロ」という枠があるようで各界から様々なゲストが呼ばれるが売れっ子コピーライターの谷山雅計は今回で3回目の登場らしい。
 で、結果はといえば今回もペケだったので3回の出演での正解はただの1回ということになってしまった。
 これは芸人たちの正解率と比べれば恐ろしく低い。いや他の芸能人ゲストの平均と比べても低いだろう。この差はどこからくるのか?

 結論からいえ売れっ子だなんだといってもコピーライティングなどというのはサラリーマンの職能だということだ。

 下に谷山雅計氏が担当した主だった仕事を並べてみた。(含ネーミング)


【新潮社】
必ずもらえるnewYonda?CLUB

【日本テレビ放送網】
日テレブランド?

【サントリー】
スパチュー・ゼッコーチュー

【キリンビバレッジ】
キリンチビレモン

【トヨタ自動車】
世界には二種類のクルマがある。
セルシオか、それ以外か。
CELSIOR

【日本興業銀行】
ワリコーのきっかけ
さあ、ボーナスではじめよう。
ワリコー

【日清食品】
イメチェン。
チキンヌードル

【三楽】
一度でいいから、飲んでくれ。
オーシャンホワイト

【キリンビバレッジ】
KW乳酸菌を知ってますか?
ムズムズする季節の春対策!
特定アレルゲンフリー

【ナイキジャパン】
Why Baseball?


 どうだい、どれもパっとしないだろ?(笑)「Why Baseball?」なんて「Got milk?」のパロディみたいだ…

まぁ、広告のカラクリというヤツをふまえればいくらでも反論はあるだろう。
例えば「三楽」のやつは実は「一度と言わずに、オーシャンホワイト」と続くシリーズ企画になっているし、そもそもコピーというものは写真や映像などのビジュアルとの組み合わせを前提としているのでそれだけ見てつまらないというのは正当な評価ではないという言い方もできる。
 実はそこが本件のキモでもある。つまり広告なんて共同作業の産物であって時にヒットコピーは巨大企業の物量戦の成果だったりする。

 だからコトバのプロといっても所詮はサラリーマン。今はフリーで活躍しているといっても博報堂という看板のもとで築いた実績なしにできるものではないはずだ。

だから谷山氏の連敗は決してまぐれではない。

 ついでにいえば谷山氏は前回、敗戦のバツゲームとして「タダで番組キャッチコピーを書いて」といわれた時「ノーギャラっていうのはちょっと…」と躊躇していたがここも芸人との差が見てとれる。芸人、特に若手芸人なら金よりも自己顕示欲が前に出るだろう。谷山事務所はシゴトには困ってないから別にフジテレビで宣伝してもらわなくってもいいんですよってことなのだろう。
 ここで疑問に思うのだけど、ぢゃあ、なぜ谷山氏はのこのことテレビに出てきたのだろう?
 低いモチベーションで凡人ぶりをアピールすることにメリットなどないはずなのだが。ひょっとして芸人をさしおいて大活躍できるとと思ったのだろうか?

 そして人間、迷った時は最悪の選択肢を選んでしまうものだ。
番組の流れにのせられ書いたキャッチコピーが

「ペケな気持ちも、ポンとふっとぶ」

 出演者たちに「さすが」と褒め称えられる構図が痛々しかった…。





コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

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Unknown (なんだかなぁ)
2010-01-23 01:38:33
んーそもそも広告をわかってないないなぁ。
批判するならもうちょっと深堀して欲しい。。
返信する
>なんだかなぁさん (管理人)
2010-01-23 04:29:14
コメントありがとうございます。
別に彼の本業をまるまる否定しているわけではありませんよ。
列挙したコピーのいくつは完成品をみればそれなりに説得力はあるとは思いましたし。
それに彼がトップに君臨しているのは、それなりにプロセスをふふんでこられた結果ですし。

「川柳クイズ」と「コピーライティング」は違う種目なので彼が全敗したところで何の不思議もないし、それで彼のコピーライターとしての能力を疑われるものでもありません。
ただ軟式野球と硬式野球のように浅はかな視点で見ると同じに見えてしまうような近さはある。番組側がそれを意図しているのは明白でしょう。バラエティ番組とはあさはかな視点で楽しむものです。
 番組側としてはどちらにころんでもいいわけです。“ことばの専門家枠”のゲストが正解を連発すればさすがということになるし、連敗すれば芸人にいじらせて面白おかしくする。
 どちらかといえば専門家の負けの割合が多いほうがこの手の番組としてはしまる。

 罰ゲームのキャッチ依頼にも当初は渋っていたということを考えると、谷山氏はどういう意図で番組出演をしたのだろうと疑問に思ったのです。タレント活動もしていきたいと考えていたのでしょうか。(今回の三回目については前回終了後に書いたコピーのお披露目だということはわかりますが。)
 今回、ひとつだけ挽回した場面があったとすれば番組キャッチを発表するところで企画意図を説明するプレゼンテーション部分も見せたことです。コピーライターの能力の半分はこの企画意図や広告展開の方針を伝えるプレゼンテーション能力にあるのだと思います。
 ここらへんが芸人と違うところであり、それ故、単純なコトバ遊びでは芸人ににはかなわないと言いたかったのです。
批判コメントする前に読み返して下さい…と言いたいところですがわかりずらい書き方をしたことは認めます。
悪文というのもあるんでしょうが実際のところ全否定はしないまでもど批判的には見ていますし。

まず単純に今回の番組キャッチはやはりいまいちだと思いました。
あと「日テレ営業中」も…。
こういうものについて思いつきそうでシロウトには思いつかない「コロンブスの卵」だと力説する人がいますが。

もうひとつ彼はペコロジーというコピーも書いているのにガラスビン協会のコピーも書いています。
ビンテージワインというのは表面的には上手く逃げたつもりでしょうが、ガラス協会もワインの瓶だけでは困るでしょうし、彼のほうもワインの瓶だけ売るつもりでこのコピー書いたわけではないでしょう。
 そもそもワインとてはじめからビンテージなわけもないので「ワインはすべてガラス瓶で」という意図が含まれている。
 でも世界的にペットボトル入りのワインが発売されている流れを考えればエコという立場をとる場合、一部のワインはビンのままでよいが全体的な比率は減ってしかるべきというのがあるべき姿でしょう。

 箭内道彦氏は父親が銀行に酷い目にあわされた経験から、金融屋とのシゴトはしないと発言していました。これはモラルから出たものではなくむしろ怨みから出たものかもしれませんが一貫性は感じられます。
 拙ブログでホリエモンのボイコットまで表明していたタモリ氏がいまも「過払い問題」を抱えている、街金のCMに出ていることを批判しましたが谷山氏も同じように見えます。

 これでテレビのコメンテーターなどを勤めるようになって社会批判などしていたら失笑ものです。

 あなたは「そもそも広告をわかってないないなぁ。」とおっしゃいましたが、広告というのは最終的にエンドユーザーと対面するものです。
 だから少なくとも「ペケな気持ちも、ポンとふっとぶ」がダサいと思うことに説明義務はないはずですし、ついでに言えば途中出てた「正月のような」とか「出てるほうが楽しい」とかはバラエティやお笑い番組のヘヴィ・ユーザーにとっては失笑ものではないでしょうか。
 正月番組はつまらないものですし、出演者が楽しいなどというのはベッキーをはじめとして最近のタレントの口癖みたいなものですから。


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通りがかり (通りがかり)
2012-11-10 23:19:45
管理人はやっぱりコピーの本質をわかってませんよ
返信する

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