話の種

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女性の浴衣姿と祭りの踊り(「山鹿灯篭祭り」を見て)

2024-09-02 13:00:56 | 話の種

「女性の浴衣姿と祭りの踊り(「山鹿灯篭祭り」を見て)」

今年ようやく念願がかなって8/15-16と熊本の山鹿灯篭祭りを見てきた。
見どころは「千人灯篭踊り」で浴衣姿の千人の女性が灯りのついた山鹿灯篭を頭にのせ、「よへほ節」の唄に合わせて中央の櫓の周りを輪になって踊るというもの。

*Wikipediaではこれを次のように記述している。
「「千人灯籠踊り」がこの祭りの最大のクライマックスである。頭上に金灯籠(かなとうろう)をのせた浴衣姿の女性千人による優雅な踊りは圧巻であり、ゆったりした「よへほ節」が会場に流れるなか、薄暗闇に千の灯が浮かび、櫓を中心にして渦のように流れ揺らめく。(途切れないカメラのフラッシュを除けば)とても幻想的な光景である。」

今年の観客数は13万人だったとのことだが、例年人気があることより、当方半年前から飛行機および山鹿市内のホテルを予約しておいた。しかし千人灯篭踊りの特別観覧席についてはうっかり予約のタイミングを逃してしまい、当方が気が付いた時は全て売り切れとなってしまっていたが、運よく僅かに残っていたカメラマン席というのを予約することが出来た。(これは立見席(場所)で座席はないが、スタンドの最上部で全体を見渡せ、眺めは一番よいところ。但し料金は一番高い。)

当方が何故この千人灯篭踊りに拘ったかというと、踊りの輪が千人というスケールの大きさとともに、「揃いの浴衣姿の女性の幻想的な灯りの舞い」ということに魅力を感じたから。
ちなみに浴衣は薄紅色で女性らしく、踊りも「よへほ節」に合わせて優雅でしなやか、腰をやや屈め首を少しかしげる姿はこれまた女性らしい。この点富山の「おわら風の盆」の踊りと共通したものを感じた。

というのも、山鹿は温泉街として栄え、唄も踊りも元はお座敷唄、お座敷踊りだったとのこと。(この点が「おわら風の盆」と共通している。)
ちなみに「よへほ節」の元唄は下世話な内容だったようだが、昭和8年に野口雨情によって改作され、「灯籠踊り」は昭和30年ごろに藤間流の藤間勘太女がお座敷用の踊りとして考案した振り付けを屋外用に改変したものとのこと。
また「よへほ」の意味だが、熊本弁の「酔へ(え)、ほー(ほら)」からきているようである。
(「ほー」というのは熊本では他人に何かを促す時によく使われる言葉。つまりここではお酒を勧めているわけ。)

そして頭にのせる灯りのついた灯篭だが、今はLEDがあるのでそれだろうと推測はつくものの、昔はどうしたのだろうかとの疑問が湧く。(まさかロウソクを灯しているわけではないだろうから)
これについては、灯篭を頭に載せるようになったのは昭和29年からで、これは市の女性事務員の発案によるものとのこと。
また頭上の灯篭に灯りをつけるようになったのは昭和32年からで、当初は豆電球を使用し電池は帯のところに挟んでいたと。
因みに灯篭は全て和紙でできており、重さは卵一個分。電池を入れても卵三個分とのこと。(山鹿灯篭民芸館の係の人の説明)

*これらについては山鹿市役所商工観光課の人も次のように説明している。
「灯籠まつりの由緒は古く、今から約2,000年前の第12代・景行天皇の九州御巡幸にまで遡ります。」

「灯籠を頭に掲げて踊るようになったのは昭和29年、旧山鹿市合併の年からです。さらに『千人灯籠踊り』が始まったのは昭和32年、地域の伝統行事に光を当てて山鹿を盛り上げようと婦人会の方々が奮闘して1,000人の踊り手を集めたのだそうです。当初は、金灯籠も婦人会で手作りしていたとか。女性の力でここまで大きくなった祭りなんですよ。」


(参考)「よへほ節」

(現在のよへほ節)
ぬしは山鹿の骨なし灯籠 ヨヘホ ヨヘホ 
骨もなけれど肉もなし ヨヘホ ヨヘホ

洗いすすぎも鼓の湯籠 ヨヘホ ヨヘホ 
山鹿千軒たらいなし ヨヘホ ヨヘホ

心荒瀬の蛍の頃に ヨヘホ ヨヘホ
溶けし想ひの忍び唄 ヨヘホ ヨヘホ

山鹿湯祭り月さえおぼろ ヨヘホ ヨヘホ
花は夜桜袖に散る ヨヘホ ヨヘホ

袖にほんのり湯の花も香る ヨヘホ ヨヘホ
山鹿湯の町 忘らりょうか ヨヘホ ヨヘホ

肥後の小富士を 吹き来る風に ヨヘホ ヨヘホ
立つは浮名と 湯のけむり ヨヘホ ヨヘホ

山鹿灯籠は 夜明かしまつり ヨヘホ ヨヘホ
町は灯の海 人の波  ヨヘホ ヨヘホ

(歌詞の内容)
「骨なし灯籠 骨もなけれど 肉もなし」(山鹿灯籠の作り方を唄っている)
「山鹿千軒 たらいなし」(山鹿市の温泉の湯量が大変多いことを言っている)
「町は灯の海 人の波」(頭にのせたたくさんの「金灯籠」がゆれて、美しい波のようだと、祭りの幻想的な美しさを唄っている)


(オリジナルのよへほ節)
ぬしは山鹿の骨なし灯籠 ヨヘホ ヨヘホ
骨もなければ肉もなし ヨヘホ ヨヘホ
裏の山椒の木や仏か神か ヨヘホ ヨヘホ
忍び男のかげかくす ヨヘホ ヨヘホ
今宵忍ぶなら裏からおいで ヨヘホ ヨヘホ
表くんぐり戸ガラガラチャン音がする ヨヘホ ヨヘホ
裏の窓からこんにゃく投げて ヨヘホ ヨヘホ
今夜来るとの知らせかな ヨヘホ ヨヘホ
逢ひに来たもの何のただかへそ ヨヘホ ヨヘホ
裏の割木でどやてやれ ヨヘホ ヨヘホ
松の枯葉アレ見やしゃんせ ヨヘホ ヨヘホ
私もあの世に二人連れ ヨヘホ ヨヘホ


(参考)

山鹿探訪ナビ(山鹿市観光課)
https://yamaga-tanbou.jp/about/toromatsuri/#ticket

山鹿灯籠まつりDVD(山鹿市観光公式チャンネル)
https://www.youtube.com/watch?v=QPKQT-WlN14

夜がメインの山鹿灯篭まつり(千人灯篭踊り)(2024年)(低位置)
https://www.youtube.com/watch?v=N0wpoAorjFU

山鹿灯籠まつり『千人灯籠踊り』(2024年)(高位置)
https://www.youtube.com/watch?v=VXp0w-KSmC8

MY PHOTO(山鹿灯篭祭り)
https://photos.app.goo.gl/6hVHULCLLc6YV6739

 

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