S.A.M. Sound Tool Report

楽器・機材についてのレポート

パネルの背景色まで自由に変更出来る個性派シンセ~AXONS~

2009年05月26日 18時58分40秒 | VSTi
 NOVAFLASHのAXONSは音色だけではなく、パネルの背景色まで自由に変更出来るVSTインストゥルメントです。まだベータ版と言う事ですが、すでに実用には問題ないレベルの出来だと思います。
 ぱっと見のパラメーターはそれほど多くありませんが、3種類のフィルター(LP、HP、BP)にそれぞれ9種類のバリエーションがあったり、3基あるアルペジエーターの組み合わせが選択出来たりと実際に設定出来るパラメーターは充実しています。2基あるオシレータはFMモジュレーションが可能で、どちらかと言うと素直な音よりも癖のある音を作る方が向いている感じがします。
 このAXONSのポイントはちょっとしたステップ・シーケンサー並のフレーズの作れる3基あるアルペジエーターとモジュレーション・マトリックスではないかと思います。下部中央にひっそりとあるアルペジエーター部はSWINGまで付いていてなかなかの性能ですし、5×6のモジュレーション・マトリックスはLFO以外にもノイズやアルペジエーターからのモジュレーションも可能で、どんな音になるのが想像出来ないくらいです。
 やや信号の流れが分かりづらい感じはありますが、使いこなせると面白い音が作れそうなVSTインストゥルメントです。


FREE ★フリーVST ★製造・公開 NOVAFLASH
HP : http://www.numerisson.com/novaflash/

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2つの波形とサブオシレータだけでも多彩な音が作れる~MS2008~

2009年04月07日 11時33分57秒 | VSTi
 GTG SynthsのMS2008は2つの波形とサブ・オシレーターだけとは思えない位、多彩な音が作れるVSTインストゥルメントです。
 全体的にパラメーターは少なく、シンプルな感じのMS2008ですが、波形のシンクやエンベローブによるモジュレーション、ハイパス・フィルターやコーラス、ディレイなどの搭載で想像以上に幅広い音作りが可能です。
 特に揺らし系は少ないパラメーターながら充実しています。PWM、VIB、LFOそれぞれにRATE(スピード)の調整が可能で、実質LFOが3つある感じです。アンプ部に揺らし系がないのは残念ですが、おそらくコーラスがその代わりで言う事だと思います。それにしても2つのスイッチのオン/オフしかないコーラスとはRolandのJUNO6あたりを意識しているかもしれませんね。
 クラシックなアナログ・シンセをモチーフにした最近のラックマウント・シンセといった趣きのあるMS2008。好感の持てるVSTインストゥルメントです。


FREE ★フリーVST ★製造・公開 GTG Synths
HP : http://www.gtgsynths.com/

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4つのLFOとエンベローブで自在に変調出来るシンセ~polyIblit~

2009年03月22日 07時46分59秒 | VSTi
 Andreas ErssonのpolyIblitは独立した3つのオシレータと2つのフィルター、パンも設定出来る2つのDCA、ノイズを搭載した2つのミキサー、多くの波形を持つ4つのLFO、ADSRタイプの4つのエンベローブと言った豊富なモジュールを搭載するVSTインストゥルメントです。
 この最大32音ポリのpolyIblitの特徴は、まるでモジュラー・シンセのパッチングの様な自由度の高い各モジュール対してのモジュレーション・アサインだと言えます。大袈裟に言うと殆どのパラメーターがLFOとエンベローブ、ホイールなどによるモジュレーション(変調)が可能な感じです。あまりに自由度があり過ぎて使いこなすには時間がかかりそうですが、信号の流れと音の変化が理解できると楽しそうなシンセです。
 モジュレーション系が充実している為か、エフェクト関係は搭載されていないのと数値で指定するパラメーター(transposeなど)がパソコンの数字キーからしか入力出来ないのは少々残念ですが、その辺を割り引いても十分魅力あるVSTインストゥルメントです。

FREE ★フリーVST ★製造・公開 Andreas Ersson
HP : http://www.bostreammail.net/ers/vstplugins.html

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ヴィンテージなハードウェア・シンセを彷彿させるVSTi~JXSynth~

2009年01月30日 18時13分12秒 | VSTi
 JXPlunginsのJXSynthは以前、シェアウェアとして販売されていた事もあるVSインストゥルメントです。
 登場から10年近く経つJXSynthは、今と比べるとまだまだコンピュータのCPUパワーが非力だった時代に作られた為か、エフェクトは搭載しておらず、2つのオシレーターに1LFO、2エンベローブとシンプルな構成のバーチャル・アナログなソフト・シンセになっています。音の方は以前、販売もされていた事もあるのでとても上質ではないかと思います。フィルターは4タイプを、LFOは4波形を選択する事が出来ます。また最大32音のポリフォニックをモノで鳴らせる「ユニゾン」や2つのオシレーター出力をかけ合わせて出力出来るモードもあり、パネルのシンプルさからは想像出来ない位、音作りには幅があります。
 残念ながらこのJXSynthじゃなと作れない!と言ったほどの強烈な個性も機能もありませんが、機能がシンプルな分、使い方に戸惑ったりする事はないと思います。特にヴィンテージなハード・ウェアのアナログ・シンセを触った事のある人ならすぐにでも音作りが出来そうです。

FREE ★フリーVST ★製造・公開 JXPlungins
HP : http://www.jxplugins.co.uk/

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音色データがあれば即戦力になるサウンドプレーヤー~KORE PLAYER~

2009年01月21日 09時26分29秒 | VSTi
 NATIVE INSTRUMENTSのKORE PLAYERは同社の製品「KORE2」の機能限定版として無料配布されているソフトシンセサイザー/VSTプラグイン・エフェクトです。
 「REAKTOR」「MASSIVE」「ABSYNTH」「FM8」「KONTAKT」「GUITAR RIG」の6つの同社製品と同等のサウンドエンジンを持つKORE PLAYERは大雑把に言うと幾つかの主要パラメータでエディットも可能なプリセット・サウンド・シンセサイザーです。
 使い方は「SOUND BROWSER」と呼ばれるプリセット音色一覧から好きなものをダブル・クリックまたは左上部にあるマーク部分にドラッグして音色を読み込ませて演奏します。エディット出来るパラメータは読み込んだ音色によって変化しますが、最大8つのツマミとON/OFFスイッチ、最大8つのモーフ・バッドで行えます。モーフ・バッドは最大8つのサウンド・バリエーションを最大4つまで任意のバランスでミックスする事も可能なので、同じプリセットでも色んな表情の音が作れそうです。エフェクトとして使用する際も同様のエディットが可能です。
 肝心の音は、上記の6つのシンセサイザー/サンプラーで作られた30個の音色が搭載されているのでいい音ばかりです。ただ、実際の使用にはやや少ない感じがします。別売りの「KORE SOUNDPACKS」を読み込むで追加する事も出来るので「音が気に入ったら音色を購入して使ってください。」的製品です。実際の使用には2008年年末にクリスマスプレゼントとして無料公開された「KORE SOUNDPACK COMPILATION VOL.1」(100音色搭載)を追加すればそれなりに遊べると思います。(いつ公開が終了するかわからないので気になる方はお早めに。)
 機能限定版なのでフルスペックの「KORE2」には及びませんが、音作りが面倒だと思う人やNATIVE INSTRUMENTS社の高品位なサウンドを手軽に楽しみたい人には打って付けのソフトシンセサイザー/VSTプラグイン・エフェクトではないかと思います。

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HP : http://www.native-instruments.com/

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シンプルながらアイデアが光るドラム・サンプル・プレーヤー~Virtuadrum~

2008年10月19日 12時10分15秒 | VSTi
 ANGULAR MOMENTUM VSTのVirtuadrumはシンプルながら使い勝手の良いドラム・サンプル・プレーヤー・タイプのVSTインストゥルメトです。
 8つのパッドに16または24BitのWAV形式のサンプルを読み込む事が出来、パッドごとにボリューム、パン、ディケイ、ピッチ、ベロシティが設定出来ます。また4つタイプ(Low Pass、High Pass、Band Pass、Notch)が選べるフィルターも装備されているので音のバリエーションも作れます。チャンネルは固定ですが8つのパッドのマルチ・チャンネル・アウトも可能なのでパッドごとのエフェクト処理も出来そうです。
 これだけだったらそれ程珍しいドラム・サンプル・プレーヤーではないのですが、右から2番目のパッド(CHANNEL 13+14)にちょっと便利な機能が隠されています。ここにハハイハットのサンプルを読み込むと3つのノート(デフォルトは42/44/46)でクローズ、オープン、ペダルの音色をコントロール出来る様になっています。恐らくプリセットされたディケイで同じサンプルを鳴らす仕組みではないかと思いますが、少ないパッドを有効に使うとても良いアイデアだと思います。
 Kick、Snane、Hihat、Tom A、Tom B、Clap、Crash、Ride、Perc A、Perc Bに分類された10種類×25バリエーションのサンプルも付いているので、他のサンプル・プレーヤーを使っている人でも手に入れて損はないVSTインストゥルメトだと思います。

FREE ★フリーVST ★製造・公開 ANGULAR MOMENTUM VST
HP : http://www.amvst.com/

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自由度へのこだわりが操作パネルに見て取れる~Artemis~

2008年09月14日 13時22分49秒 | VSTi
 B.SerranoのArtemisは豊富な操作系とモジュレーション・マトリックスを持った8ボイスのVSTインストゥルメトです。
 オシレータ自体は2つしかありませんが、それぞれ3ボイスのユニゾンが可能なので分厚い音も作れます。また、OCS2にはX-Modがあるほか、独立したノイズジェネレータ、リングモジュレーター、レゾネーター、2つを直列に繋げて使う事も出来るLPとHP、12dbと24dbが切換え可能なフィルターがあるのでいろんな音が作れそうです。LFOとエンベローブは2つずつありますが、モジュレーション・マトリックスでアサインする事で初めて使える様になるタイプです。自由度はありますが、やや分かりづらいかもしれません。
 その他にもエフェクトもコーラスとディレイが内蔵されていたり、フィルター毎にパンが設定出来たりと機能盛りだくさんです。
 操作出来るパラメータや自由度の高いモジュレーション・マトリックスがある分、信号の流れを理解するの少し時間がかかるかもしれませんが、プリセットがよく出来ているので、それを参考にしながら音作りを楽しめるのではないかと思います。

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HP : http://bserrano.free.fr/

音楽コミュニティ発のオリジナル・ソフト・シンセ~MT-1V~

2008年08月30日 08時43分06秒 | VSTi
日本の音楽コミュニティ「musictrack」が発表したMT-1Vは初心者でも理解しやすい様にと制作されたVSTインストゥルメトです。
 学研から発売された「シンセサイザー・クロニクル」の記事「ソフトウェアシンセ 初体験」との連動企画で製作された様で、記事ではスタンドアロン版が使用されています。波形の変化やエンベローブの設定が視覚的に確認出来るスコープがあり、入門版としては最適かもしれません。
 肝心の音の方ですが、5つの波形を選択出来る3つのVCOに加え、VCF、VCAそれぞれにエンベローブがあり、LFOはVCO、VCF、VCA用にそれぞれ装備されているので音作りの幅も広く、エフェクトもコーラスとディレイが内蔵されているので入門版としてだけではなく、実際の音楽製作でも十分に使えるシンセです。
 入手には「musictrack」に会員登録しなといけませんが、その手間をかけても手に入れる価値はあるVSTインストゥルメトだと思います。

★フリーVST ★製造・公開 musictrack
HP : https://musictrack.jp/

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クラフトワークも使ったスタイロフォンのサウンドを再現~styrofoam~

2008年08月24日 03時27分45秒 | VSTi
 de la manchaのStyrofoamは70年代に人気を博したチープな電子楽器スタイロフォンを再現したVSTインストゥルメトです。
 実機にあったビブラートSWすら無いので完全な再現ものではありませんが、恐らくそのチープな音の感じは上手く再現されているのだと思います。
 操作出来るパラメータはまったく無く、ブザーの様な音が出るだけなので汎用性はありませんが、実機同様、何か捨てがたい魅力があるVSTインストゥルメトに仕上がってます。

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HP : http://www.delamancha.co.uk/

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コルグ700をモダンにアレンジしたリードシンセ~S3K~

2008年06月08日 23時19分53秒 | VSTi
 Krakli SoftwareのS3Kはコルグの初期のシンセ「700」を手本にエフェクターやアルペジエーターなどを追加したリード系のVSTインストゥルメトです。
 基本の操作系はコルグ700に準じているようで、「トラベラー」と呼ばれるハイパスとローパスフィルタが組み合わされたフィルターやスイッチでオン/オフするビブラートやリピートなど、独特の機能が並んでいます。
 追加された機能はリバーブ、エコー(ディレイ)、アルペジエーター、ピッチベンドとモジュレーションホイール関係のコントロール、リングモジュレーターなどがあります。これらの追加で単なるレトロ・シンセのエミュレーションものでなく、実用的なリード・シンセになっています。
 一応、ポリでも音が出る様ですが、コルグ700を手本にしている点や操作系、音質、プリセットからするとモノ・シンセとして使うのが正当な使い方だと思います。
 ただ、使いこなすには操作系が独特なところがあるので多少の慣れが必要なシンセかもしれません。

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http://krakli.wordpress.com/

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