S.A.M. Sound Tool Report

楽器・機材についてのレポート

エレハモの個性的なミニシンセを再現~Mini-Synth~

2008年03月10日 18時29分49秒 | VSTi
 EFM(electronics for music)のMini-Synthは個性的なエフェクターを世に送り出し続けているエレクトロハーモニックス社(ELECTRO-HARMONIX)のMini-SynthesizerをエミュレーションしたフリーVSTiです。
 実機はプリントタイプの25鍵盤に7本のスライダーと6個のスライドスイッチ、スピーカー内蔵で電池駆動可能なモノフォニックシンセでした。サブオシレータ付きのVCO、1FLO、1VCFとシンセに必要なモジュールは最低限ありますが、VCOとFLOの波形はパルス波のみでVCAのエンベローブすらないと言うなんとも潔いとしか言いようがないシンセです。後期のモデルにはディレイとリボンコントローラーを搭載したものがあったそうです。
 EFMのMini-Synthはディレイとリボンコントローラーが搭載されていない最初のモデルのエミュレーションの様です。もちろんモノフォニックです。
 音作りはボリュームを除く6本のスライダーとスライドスイッチ6個だけなのでそんなに複雑な音は作れませが、ちょっと不思議なフィルターコントロール部には戸惑うかもしれません。
 汎用性のあるVSTiではありませんが、チープでレトロななシンセサウンドが必要な時には活躍しそうです。

★フリーVST ★製造・公開 electronics for music
http://ele4music.blogspot.com/
※残念ながら公開が終了している様です。

マニア心をくすぐるSH-101風モノシンセ~TAL-BassLine~

2008年03月02日 12時12分13秒 | VSTi
 TAL-BassLineはRoland SH-101そっくりのUGIを持つモノフォニックVSTiです。SH-101の完全エミュレーションものではありませんが、音のニュアンスはかなり実機に近い感じでマニア心をくすぐります。
 サブオシレーターを装備した1VCOに1VCF、1ENV、1LFOとSH-101とほぼ同じ構成ですが、FLOの波形が追加されていたり、実機では三角波固定だったパルス波へのモジュレーションが搭載されている全ての波形が使えたり、ベロシティでフィルターのカットオフ周波数がコントロール出来たりと実用的な変更がなされています。
 名前が「Bassline」となっていているのでベース専用音源かと思いきや、実機同様の音が作れます。アナログライクなベース音源としては勿論、SH-101風な音が欲しい時には活躍しそうなフリーVSTiです。

★フリーVST ★製造・公開 Togu Audio Line
http://kunz.corrupt.ch/

地味ながらドイツの職人気質が感じられるアナログ系シンセ~Free Alpha 3~

2007年02月11日 21時57分02秒 | VSTi
 Free Alpha 3はLinPlugのソフトシンセAlpha 3のフリー版です。シェアウェア版のAlpha 3にはリングモジュレータやノイズオシレータ、3基のLFOなどが搭載されている様ですが、フリー版のFree Alpha 3はそのあたりが省略されていて、2つの波形が選択できるオシレータが2つに4種類のタイプが選択出来るフィルター、1LFO、コーラスと言うオーソドックスな構成です。Voice数も32VoicesのAlpha 3と比べると8Voicesとやや寂しですが、自由度が高いモジュレーション・マトリックスがあるのでそれなりに凝った音作りも可能です。
 全体的に派手さや個性には欠けますが、実用性は十分あるのでもっていて損はないシンセだと思います。

★Windows XP ★フリーVST ★製造・公開 LinPlug
http://www.linplug.com/

※Free Alpha 3は「demos」ページにあります。

初めてブレスコントローラーに対応したシンセを再現~HAHAHA CS01~

2006年11月18日 22時55分16秒 | VSTi
 pethu musicのHAHAHA CS01は82年に発表されたコンパクトなボディにミニ鍵盤、オプションのブレスコントローラー使えばVCOやVCFをコントロール出来る電池駆動可能なYAMAHA CS01を再現したフリーのVSTiです。
 1VCO、1VCF、1VCA、1LFOと言うシンプル構成のシンセなので凝った音作りは出来ませんが、逆に素朴な音が欲しい時に重宝しそうです。実機のCS01はモノフォニックでしたが、HAHAHA CS01の方は6音ポリで使えます。また実機はビッチベンドが高音方向に1オクターブしか出来ない様ですが、ソフトの方はボタンの切り替えによって低音方向にもベンド出来たりします。他に効果は固定ですが、リバーブも付いてたりと「便利な機能」が追加されています。
 実機の目玉のひとつだったブレスコントロールも再現されています。手元にはブレスコントローラーは無いのでシーケンサーからのMIDI信号(CC#2)で確認しましたが、ちゃんと機能しました。ボタンひとつでエクスプレッション信号(CC#11)でのコントロールに切り替えられるのも便利です。
 実用性を考えると一緒に圧縮されていてレゾナンスが自由に設定出来るYAMAHA CS01Ⅱを再現したHAHAHA CS01Ⅱの方が良さそうですが、UGIは実機同様やや野暮ったい気がします。

★Windows Me/XP ★フリーVST ★製造・公開 pethu music
http://www.pethu.se/music/instruments.html

個性的な操作系を持った名機を再現~Oddity~

2006年10月22日 23時10分16秒 | VSTi
 GForce社製のOddityはとても個性的な操作系を持ったARP社のOdysseyを再現したVSTiです。音色のプリセットなど幾つかの機能は追加されていますが、PPC非搭載のOdyssey Rev.2を忠実に再現してあります。最近のエミュレーションものでは当たり前のポリフォニック化はされておらず、実機のモノ/デュオフォニックを頑なにまで再現しています。GUIの縦横比が実機とは違うが残念でなりません。
 音作りの幅はかなりありますが、実機同様に操作系が他のシンセとは全然違うので最初は戸惑ってしまうかもしれません。なのでオンラインマニュアルは読んだ方がよさそうです。

★Windows Me/XP ★スタンドアローン/VST ★製造 GForce ★販売 M-AUDIO

オープンソースのDX7モデリング・シンセ~Hexter~

2005年10月30日 20時16分13秒 | VSTi
 CuteVSTのHexterはYAMAHA DX7をモデリングした6オペレータのFMソフトシンセです。UGIにはDX7らしさはありませんが、サウンドの方は実機のDX7が無いのでNIのFM7との比較ですが、ほとんど違いがありません。と言う事は実機のDX7そっくりの音がする事になります。DX7のSysExも読み込めると言う事なのでDX7の音がほしい時にはもってこいのフリーVSTインストルメントです。
 エディット画面は切替式で4画面あり、2画面が音色関係のパラメーター、もう一つがコーラスやリバーブ、ディレイなどのエフェクト関係、最後の画面が音色プリセット関係の画面になってます。実機には無いエフェクトが装備されていて単なるDX7の再現に終わっておらず、使えるVSTインストルメントになっています。ただエフェクトのパラメーター値がプリセットには含まれていないのが少々残念です。(各エフェクトの表示には『From Freeverb』や『From TAP plugins』などとあるので外部のフリープラグインを組み込んでいるのかもしれません。その辺の関係で保存出来ないのかも?)
 フリーの上オープンソースで公開されているので、しばらくするとカスタマイズされたHexterが登場するかもしれません。DX7のクローンとしては勿論、そう言った楽しみも予感させるフリーVSTインストルメントです。


★WindowsME/XP ★フリーVSTi ★製造・公開 CuteVST http://cutevst.sourceforge.net/

NORD LEAD2を手本にした国産ソフトシンセの名機~Synth1~

2005年10月16日 13時29分49秒 | VSTi
 日本のDaichi Laboratoryが無料で公開しているSynth1はClavia NORD LEAD2を手本にして作られた国産ヴァーチャル・アナログ・ソフト・シンセサイザーです。今更紹介するまでもない位あまりにも有名で優秀なソフト・シンセなのでご存じの方も多いと思います。今月、約2年ぶりにバージョンアップされたので今回取り上げさせて貰いました。
 FM変調、シンクロなどが可能な2つのオシレーター、12dbと24dbのタイプが用意されているLPFとHPF、2FLO、アルペジエーター、ディレイ、コーラス/フランジャー、Qコントロール付きのEQなど、シンセサイザーとしては十分な機能を持ってます。また最大1280音色が保存出来る独自のプリセットバンクもよく出来ています。
 よほど音のこだわりがなければ、シンセサウンドはこれ1台で間に合いそうな感じです。DXiにも対応しているので大抵のDAWやDTMソフトで使用でいるのではないかと思います。今回のバージョンは「完成度・品質にはまだ自信がないため、アルファ版」だそうですが、実用レベルでは全く問題ないと思います。

★WindowsME/XP ★フリーVSTi/DXi ★製造・公開 Daichi Laboratory
http://www.geocities.jp/daichi1969/index.html

全パラメータが見渡せるFMシンセ ~Oxe FM synth~

2005年10月02日 11時13分07秒 | VSTi
 Oxe Music SoftwareのOxe FM Synthはパラメータの殆どをツマミにして表に出しましたと言った感じの16マルチティンバーFMシンセサイザーです。フィルターとノイズジェネレーターを含む8オペレーターで、すべてにDelayとTimeのコントロールが可能なEGが装備されています。他はLFOが1基とディレイ、リバーブが装備されています。
 サウンドの方はこれぞFMシンセと言った感じの音です。パラメータの構成から見るとヤマハDX7を参考にしているのではないかという感じがします。ツマミが多くて最初戸惑いましたが、慣れると意外と使い易いかもしれません。なにせパラメータの状態がひと目で確認出来ると言うのは音作りにおいてこれほど便利な事はありません。但し、FM合成の原理が解ってないとちんぷんかんぷんです。
 取っつきにくいですが、フリーで使えてこれだけ本格的な音作りが出来るFMシンセはあまり聞いた事がありません。アナログ・シミュレート系のソフトシンセでは出せないキラキラした音がほしい時にあると便利な1本です。

★WindowsME/XP ★スタンダアローン/VSTi ★製造・公開 Oxc Music Software
http://www.oxesoft.com/music.php

モジュラーシンセの代名詞を見事にソフト化~moogmodularV~

2005年09月18日 14時59分37秒 | VSTi
 モジュラーシンセの代名詞、moog modularをパッチケーブルまでリアルに再現したのがアートリアmoog modularVです。YMOのライブ映像や写真を見た事のある人だったらYMOの3人の後ろで、第4のメンバーと言われた松武秀樹さんが操作していた壁の様なシンセと言えばピンと来ると思います。でも演奏者として一番有名なのはELPのキース・エマーソンでしょうね。
 9個のVCO、2基のLFO、4種類のフィルターモジュールから選択して使える3つのフィルター、最大24ステップのシーケンサー、強力なトーンコントローラーの様なフィルターバンク、デュアル仕様のコーラス、ディレイ、そしてキーボードモジュールと沢山のツマミとパッチング用のジャック、スイッチが並んだGUIは圧巻です。あまりにも縦長過ぎて1画面では表示しきれませんが、シーケンサー部、フィルター&オシレータぶ部、キーボード部の表示を切り替えるスイッチと自由にスクロール出来る機能があるのでそれほど問題ではありません。また、パッチングは繋げられる所が黄色い四角で表示されるので便利です。
 肝心の音の方は本物とほとんど変わらないそうです。最大64音ポリフォニックでも仕様出来るので効果音からシーケンス、リードからバッキングまでこれ1台でOKと言った感じです。


★Windows Me/XP ★スタンドアローン/VST ★製造 アートリア ★販売 アイデックス

フリーでも十分MinimoogなVSTi~MiniMogueVA~

2005年09月04日 15時29分25秒 | VSTi
 Brooks&StegnerのMiniMogueVAはMoogのMinimoogをベースに改造された様なモノフォニックVSTインストルメントです。
 一番気になる音の方ですが、残念ながら実機のMinimoogは持っていないので前回のアートリアminimoogVと比較してみたところ、MiniMogueVAの方がくっきした感じですがかなり近い音がします。コントロール系は全体的にはMinimoogに似てますが、配置の変更やエンベローブがADS方式からADSR方式に変更されているなどの機能の変更・追加が行われています。また独立したLFO、オーバードライブ、ディレイ、コーラスも追加され実用性も十分です。
 全く同じ音が出る訳ではありませんが、金をかけずにMinimoog風の音がほしいと言う方にはオススメのフリーVSTインストルメントです。

★WindowsMe/XP ★フリーVSTi ★製造・公開 Brooks & Stegner http://glenstegner.com/home.html
※ヴァージョン2.0より5音ポリ+アルペジエーター搭載になっています。