大相撲

大相撲についての想い

プロ

2007-01-05 13:06:09 | Weblog
昨年の部屋創設資格制限規定の導入により、今後部屋付の親方の数が相対的に増えていくことになる。逆に、部屋持ちの師匠が減っていくので、親方衆全体が各部屋のマネージメントに割く時間の割合が減っていくことになる。

これを何かに有効活用する打ち手はないのか。

そもそも、親方衆の中でも理事クラスの幹部級はともかく、それ以外では勝負審判、地方場所担当、巡業担当、木戸担当、広報担当、警備担当、テレビ・ラジオの解説、といった役割で登場する親方の名前はだいたいいつも決まっていて、百人以上いるはずの親方衆のごく一部はしょっちゅうその名跡を耳にするが、全く名前を聞かない親方も相当数いるように感じられる。この人たちは日々どんなことをしているのか。中には部屋持ちの師匠が協会業務や勝負審判で多忙であり、替わって稽古をみたり弟子育成に専念している人がいるのもわかっている。そうでない人がどれくらいいるのかわからないが、リソースとしてフル活用されていないような気がしてならない。

日本相撲協会は偉大なる素人集団として基本的に力士出身者のみで経営管理と現場オペレーションを行ってきた稀有な団体である。ただ、特に最近は全てをin-houseで運営することの限界が見えてきているように感じる。特にそう感じられる機能を挙げれば...

営業機能:九州場所は茶屋に依存できないため協会の営業能力の真価が問われるが、これまで十分に機能していないように思われる。特に九州における潜在的ファン基盤が少ないわけではないと思われるので、やり方次第で改善機会は十分にあるはず。プロフェッショナルな企画とスキルがあるかないかで大きく差が出る分野

広報機能:営業と連動する機能としての広報が効果的に稼動すれば強い。広義の広報としてマーケティング機能も包含した活動によって大相撲というものの存在感を高める余地は大きいはず。クリアファイルや携帯ストラップ配布だけがプロモーションではないだろう。理事長もあんな木で鼻をくくった協会御挨拶を繰り返すのもどうかと思うがこれを内部で諌められる人もいないだろう。NHKですら大相撲放送の充実にそれなりに力を投入しはじめているように感じられるが協会はNHKに依存しないで独自の工夫もしていくべきだ。素人でも思いつきがいくらでもできるので怖い分野である。しかしそういう分野こそプロの力を借りることが必要

HR機能:冒頭に記したように現在の内部人的リソースは親方衆+協会員しかいないのだから、これを最大活用する方策と、足りないところを外部を活用する方策を併せて考えることが必要。こういう改革は内部からはやりにくい。親方に対する協会業務上の目標設定と成果主義による評価などもあってもよいのではないか。

こうした機能はプロに任せながら内部リソースとのミックスの最適化を図った方がいい。こういう機能の上位概念として日本相撲協会の戦略というものが存在するはずだが、それは明確だろう。国技である相撲道を発展させるため、人気を高め競技人口を増やし、日本人力士と外国人力士の適切なバランスを取りながら技術の強化・土俵の充実を図っていくこと以外にはないのではないかと考えられるので。

一番根幹の、弟子の発掘・育成と、協会戦略の各施策への落とし込みについては大枠は協会内部で決めていくべきものだと思うが、横審が機能不全であり運営審議会もあまり実体感を感じないので、本当は別途助言者が必要には思う。

もう初日と二日目の番付が発表されて、何気なく今年の大相撲も始まっていくようだが、若い力士が結構日本人も含めて伸びてきて今年あたりは人気が伸ばせるか踊り場のままか大事な年だと思うので、それを支える協会の体制も強化が必要な気がしている。

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