大相撲

大相撲についての想い

九月場所十四日目

2006-09-24 10:46:23 | Weblog
国技館にて向正面側より観戦。

優勝は安馬が栃東に負けたことで決まったものの、結びの朝青龍-千代大海戦はそれ一番だけをとってみると観戦している者が思わずのめりこんでしまういい一番だった。なんとなく優勝が決まって、いつものように横綱が圧勝して、だとお客様も釈然としないまま帰途につくことになっただろうが、座布団投げはいただけないとしても大変盛り上がる好取組だった。その立役者は言うまでもなく千代大海。二番前の安馬と栃東の取組で控えに座った頃から、明らかに気合の入り方が違っていた。打ち出し後の九重審判長の言葉で、張り手で千代大海の闘争心に火がついたのではないかとの話があったが、そうではなくて千代大海の心に期すものがもともとあったのだろう。まだ「オーラの泉」効果は持続していると見る。そもそも四敗して横綱の独走を許したという戦犯の一人ではあるのだが、この結びの一番をゼニのとれる取組としたのは、大関の責任を十分に果たしたと言える。もう一歩再精進して、あと二番くらい勝ち星を上積みできることができたなら、大関在位記録の更新を断念せざるを得ない話題が出てくるのではないか。

実はこの日は結び以外も比較的のこもった相撲が見られた。琴欧州-白鵬のがっかり組同士の対決も、白鵬が左上手を例によって取り損ねたおかげで大男同士ががっぷり組み合って投げの打ち合いとなる対決だった。白鵬、今日負けて七敗となるか、横綱に対して意地を見せるか。

安馬も栃東によく抵抗した。今の力では、やはりそういう評価にならざるを得ない。調子を戻してきている栃東はやはり総合的に見て角界ナンバー2の力はまだまだある。

そのほか十文字と玉春日がお互い攻め切れなったためではあるけれど、熱戦となった。そういう時に大抵負ける十文字が勝った。また、普天王と嘉風も土俵際の投げ合いとなり、差し違えで普天王となったが腰を強打したようだった。安美錦は立合いしっかり当たってからの技の展開が冴えて稀勢の里にも勝った。稀勢の里は七敗となってしまって意外に勝ち越すのに苦労している。千秋楽は普天王戦だが普天王の腰次第ではあるが熱戦を期待したい。しかし、一時期立合いの尻振りは封印しかけていたのに、また堂々とやりはじめたようだ。なんとなく小気味悪いのは事実なのだが。

正面の審判長すぐ脇のテレビに写らないあたりで感染していた内舘審議委員は稀勢の里のお尻はどうご覧になったか。

あと、現場で見ると、朝青龍の膝のテーピングがまかれていないあたりの痣はかなり広範に紫になっているのがよくわかる。稀勢の里に負けた時にいためた部分だろうが痛々しい。痛いからというより痛々しく見えるからテーピングしているのではないかと思った。同様に、安馬の左足甲の肌色のテーピングはかなりぐるぐる巻きになっている。白くないので目立たないが、これも結構痛めているに違いない。

この日はどすこいFMに北の湖理事長と武蔵丸親方が登場。明日もユニークな配役で、優勝決まっても会場に足を運ぶファンへの還元をしてほしい。

千秋楽の興味としては三賞と入れ替え戦か。
まず三役は稀勢の里の勝ち越しがかかる。稀勢の里が勝ち越して三役陥落者ゼロとなったときに筆頭の露鵬の扱いは?露鵬は今日負けて九番だと東筆頭へ半枚昇進据え置きもあるだろう。今日勝って二桁だと張り出し小結もあるかもしれない。調子のいい栃東戦だけに露鵬が先場所千秋楽と同じく露骨に立合い変化する可能性もある。やたらに「心が成長した」と報道されて、ここまで引き技も封印してきた露鵬だけに、千秋楽も真っ向からの勝ちで返り三役を掴んでほしい。さらに、三枚目の安美錦が仮に十一番勝った場合、筆頭据え置きなのか張り出して新三役となるのかも興味の対象である。これも黒海戦なので安美錦にとっては楽ではない。

三賞は安美錦、安馬、露鵬あたりが候補か。稀勢の里はもう少しでも勝っておけば殊勲賞だっただろうが、やや弱いか。北勝力は例によって忘れたころの二桁勝利だがまあ今場所は別にいいだろう。

幕内陥落候補者は結構いる。若の里、琉鵬、霜鳥は確実だろう。千秋楽の星と、十両成績優秀者数との兼ね合いでは、白露山、十文字、嘉風、春日錦、寶智山も危ない。

これに対して十両からの昇進候補者は、確実なのは鶴竜、豊桜か。豊桜は先々場所に次いでの優勝がかかる。皇司もほぼ当確か。加えて可能性ありとしては、安壮富士、潮丸、片山、北桜。八枚目の隆乃若が十二番勝てば、ありえなくない。個人的には安壮富士に勝たせてあげたい。安治川勢は何か勢いが違うのでいけるのではないか。

次に、十両陥落候補者だが、出羽鳳と、まだ初日の出ない武雄山。北勝岩も今日負けると危ない。ということで最大三人か。

これに対して幕下からの昇進候補者は澤井が確定。十四日目の準入れ替え戦で北勝岩を下した三枚目で五勝の玉飛鳥。北勝岩も十両から落ちるようなら、二枚目で四勝の白馬が三人目の昇進者だろう。この場合、陸奥部屋は、十文字・琉鵬・豊桜と、地味な三力士に加えて四人が関取となる大勢力になる。

ということで、本日も見逃せないのだ。本日も向正面で観戦予定。

国技館のちゃんこだが、十四時の部については十五分くらい前から列が並んだのでそれに加わっておいてよかった。そのあと長蛇の列ができ、数十人ずつの入れ替え制なのでなかなか前に進まなかっただろう。

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2 コメント

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Unknown (kimuhaji)
2006-09-24 14:32:04
横綱、やはり足も相当に悪いのでしょうね。

何も言い訳しないのは流石です。

今日は本割り3連敗の相手に、快勝して欲しいと思います。
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Unknown (sumo-dough)
2006-09-25 20:47:05
少なくとも場所前に首を痛めていたという影響は感じませんでしたね。
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