大相撲

大相撲についての想い

張出

2006-09-26 22:31:36 | Weblog
安美錦は今場所すばらしかった。一時期膝がガクガクでもうだめかと思ったけれど、一時期よりもつよくなった。おそらくそれは、技だけでなく、立合いのあたりが出るようになったからだろう。三役から幕内上位に強豪犇く今、できれば今度は小結に上げてあげたい。

しかし、つらつら考えると今度の九州は筆頭止まりではないかという気がしてきた。

今場所は中ー下位での負け越しが多かった。このあたりで勝ち越した力士は、安馬、岩木山、琴奨菊、普天王、豪風、垣添、北勝力。さらに、負け越したけれど負越数が少ないのが、時天空、出島、栃乃洋。若干負越数は多いが、平幕中位くらいで止まりそうなのが把瑠都、玉乃島、旭天鵬。ここまでで十三人。あとは十五枚目で勝越点1の春日王だけ。これ以上は上に上げる人はいないのだ。これらの人で幕内上位を埋めても七枚目までしか埋まらない。

とすると、九枚目で負越点1の高見盛や朝赤龍を負け越したのに八枚目にすえなければいけなくなってくる。これは流石にありえない。代替案は二つ。上位で大負けの玉春日をこのあたりにとどめるのがひとつだが、流石に一勝十四敗ではもう少し下げないとバランスが悪い。もうひとつの手は、十両からの昇進組の大抜擢だ。しかし、十両三枚目で勝越し七の豊桜などいるとはいえ、全勝優勝でもないのにいきなり前頭八枚目も厳しい感じはある。それでもなんとか、昇進組を埋め込んで、高見盛ほか七勝八敗組は負け越したものの番付は据え置きとなるようにしてみよう。そうするとこうなる(勝越点・負越点からの単純計算)。躍進した露鵬と安美錦は張出小結に上がるという前提である。

1 安馬 岩木山
2 琴奨菊 時天空
3 普天王 出島
4 豪風 垣添
5 栃乃洋 旭天鵬
6 北勝力 把瑠都
7 玉乃島 春日王
8 豊桜 鶴竜
9 高見盛 朝赤龍
10 旭鷲山 潮丸
11 豊真将 北桜
12 豊ノ島 土佐ノ海
13 安壮富士 栃乃花
14 皇司 白露山
15 玉春日 嘉風

これだと、負け越したものの番付が半枚すら落ちない力士が七人も出てしまう。かといってそれを調整するためには十両からの昇進組への異例の大盤振る舞いでバンバン番付を上げないと帳尻が合わない。しかしこれでは秩序がもたないと協会は考えるのではないだろうか。

そこで審判部は奥の手を思いつく。そうだ安美錦を筆頭にして半枚ずつずらそう。そうすると、七勝八敗の力士は軒並み最低半枚は落ちるようにすることができるのだ、と。

そのときの仮想番付はこうなる(十両からの昇進組が極端に上がらないように微調整を加える)。

1 安美錦 安馬
2 岩木山 琴奨菊
3 時天空 普天王
4 出島 豪風
5 垣添 栃乃洋
6 旭天鵬 北勝力
7 把瑠都 玉乃島
8 春日王 豊桜
9 鶴竜 高見盛
10 朝赤龍 旭鷲山
11 潮丸 豊真将
12 豊ノ島 北桜
13 土佐ノ海 安壮富士
14 栃乃花 皇司
15 白露山 玉春日
16 嘉風

これでもまだ豊桜や鶴竜が八・九枚目とかなりアンバランスなのだが、果たして誰と調節するのだろう。でもとにかく負け越して落ちないということはないという秩序は保たれた。

こうならないでほしいのだが、現時点では大きな方向性はこうなりそうな気がする。もちろん露鵬は張出小結として再昇進。というのも、今後しばらくは三役・幕内上位で勝ち越す力をもった力士が目白押しだろうから(言い換えると大関が取りこぼすのと、平幕中位グループ以下がぼろぼろ負ける)、張出三役は復活させないわけにはいかないのだ。そうしないとそれはそれで秩序がもたない。筆頭で二桁の露鵬を半枚上げというわけにもいかない。三枚目で勝越七の安美錦が二枚半しか上がらず筆頭止まりも不条理でないわけではないのであげてもいいのだが、上記のような理由で安美錦を妥協の産物の犠牲にすることで、番付全体の秩序は保たれる。というシナリオ。もちろんこうあってほしくないのだが。

大乃国とか北勝海とか北尾とかいたころはごろごろ張出三役がいた。今のあの頃のような一強戦国時代なので、張出三役は問題なしとしてよいのではないのか。

安美錦よりももっともっとへぼい力士でかろうじて最高位小結というのは、過去にも何人もいて、それだけに安美錦には早く上がってもらいたいのだが、どうなるだろうか。

いずれにしても、嘉風は隆乃若との争いだろうが、またもや番付運良く、幕尻でとどまりそうに思えている。

稀勢の里が張出関脇になるか小結筆頭かはわからない。千秋楽戦わずして勝越しと三賞をゲットしたので、その反動で地位は据え置きかなという気もする。

いずれにしても、春日王が最も番付上得をしそうな九州場所。

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