フレドリック郡の橋
さっき新聞を見て気づいたんだけど、
NHK BSプレミアムで映画『マディソン郡の橋』が放送されていたようだ。
詩的な美しさに満ちた映像や豊かな自然、情感溢れる演出が素敵な大人のラブ・ストーリー。
公開されたときは「不倫ものじゃん!」と切り捨てていたけれど、何年か前に観たときはちょっと違った。
大人になって観ると、全体的に古めかしい印象といい、雰囲気はすごく好きな作品だった。それでも、実は恋愛ものは苦手です^^;
ただ、大好きな屋根つき橋がとても素敵に、重要な役割をもって登場する。
Covered bridge
カタカナで「カバード・ブリッジ」という方が普通になってしまっていますが、
「屋根つき橋」の方が趣きがあって好き。
「覆い橋」もいいかも。
いや正しくは覆われ橋…
それはともかく、
雨や雪から守って長持ちさせるために、屋根と壁で覆われた木の橋です。
横からは、まるで川のうえに建てられた小屋のように見える。
映画のマディソン郡(アイオワ州)だけでなく、
アメリカにはいまでも各地に、わりとたくさんの屋根つき橋があります。
写真はアナポリスに住んでいた頃に撮った州内の屋根つき橋です。
はじめてこの建造物を見たときのあたたかな感動を覚えている。
素朴で、
美しくて、やさしくあたたかな建物。
秋には紅葉と
冬には雪と
春や夏には美しい緑と
そしていつでも川の流れとに調和して佇む姿はほんとうに美しく、
とても自然で、
眺めていると幸せな気持ちになれた。
なつかしく、いとをしい思い出がたくさんある。
橋にはそもそも「物語」が付き物だと思う。
人や物を渡すという性質ゆえだろう。
どの国のどの町の、どんな橋にも別れがあり、出会いがある。
悦びがあって、涙もある。
だから橋には物語が付いてまわる。
名もない小さな橋にだって、物語は付いてまわる。
そこを渡るモノがある限り。
もともと川や橋に思い入れがあるから
アメリカで出会ったあの覆われた橋をよけいに好きになったのかもしれない。
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