昨日みた夢

小栗旬さんの魅力に触れて、
舞台の面白さにはまった管理人の独り言

初・・・・・・藤原竜也さん『ヴェニスの商人』

2007年10月09日 | 舞台・映画の感想文^^
行って来ました

え・・・・・・?アレでしょ?って?(^^;)笑
何ですか?アレって・・・・(爆)
ええ、ええ・・・・・行きましたよ
行きましたとも!!!
うちの近くの劇場で公開された・・・・・初日に、ね(笑)
愛しの家元さんに会いに・・・わたくし、10回目「キサラギ」観賞に行って参りましたですよ(注:うち7回は割引で^^;爆)
・・・・・・・・・・・・回数言っちゃった(^^;)笑
もう、みなさん私の「キサラギ」好きは重々ご存知なので(笑)開き直りました(爆)
やっぱり面白かったぁぁ~~~~~~~~~~~~~
家元さん、可愛かったし・・・・カッコ良かったし
早くDVD発売してほしいなぁ~~~~~~(・・・・どんだけ?)




で・・・・行って来たというのはですね、キサラギではございませんで・・・・(^^;)
7日の日曜日に、「ヴェニスの商人」観劇に行って来ました
初・・・・生、藤原竜也さん舞台です

<公演プログラムです。ヴェニスの海を表しているのでしょう・・・ね^^>


えっと、ちょこっとストーリーのご紹介を。


『舞台は、貿易都市として栄えた16世紀末のヴェニス。
 アントーニオ(西岡徳馬)は、この街で貿易商を営む裕福な紳士。
 ある日、彼の元に、年下の親友バサーニオ(藤原竜也)が借金の申し込みにやって来ます。
 ベルモントに住む才色兼備の令嬢ポーシャ(寺島しのぶ)にプロポーズをするために。
  が、あいにく全財産が海を渡る船の上にあったアントーニオは、自らが保証人となり、
 バサーニオにユダヤ人の高利貸しシャイロック(市村正親)を紹介します。
 そんなふたりにシャイロックが出した条件は・・・
 「もしも3カ月の期限までに借金が返せなかったら、アントーニオの肉1ポンドをもらう」というもの。
 常軌を逸した申し出にアントーニオはたじろぎますが、期限内に船が帰還すると信じる彼は、この条件を承諾。
 おかげで、金を手にベルモントへ旅立ったバサーニオは、難しい結婚の条件をクリアしてポーシャと結ばれます。

 そんなとき、アントーニオの輸入品を積んだ船が難破。
 借金返済の目処が立たなくなった彼と、約束どおり1ポンドの肉を要求するシャイロックの闘いは、
 法廷の場に持ち込まれることに……。』(こちらから拝借しました)



「きっかり1ポンドの肉を!」・・人肉裁判として有名なシーンのある「ヴェニスの商人」
私の中では決して「喜劇」というような印象はなかったのですが
どうやら・・・・「喜劇」という扱いのようです。
観終わって・・・・・確かに面白くて大笑いしたのですが、後半にいくにつれて・・
形相を徐々に変えていき、私の中では「喜劇」を観た・・・という印象は、やはり薄れました。
かと言って、「悲劇」か???と言われると・・・
やはり「悲劇」としては「ハムレット」「タイタス・アンドロニカス」等が浮かぶので・・・
それと同じ扱いか??と言うと、決してそうではないので、やはり「喜劇」の中に入るのかなぁ?と思いますが・・。

今回、蜷川さんの演出ではない舞台というのは、私には初めての事で
シェイクスピアの「オールメール」ではない舞台を生で観るのも初めてで
公演場所の兵庫芸術文化センターに行くのも初めてでしたし
いろいろな意味で、新鮮でした



観劇の前にご一緒させていただいたお友達と一緒に、劇場にあるレストランで昼食を取ったのですが
すごく綺麗なレストランで、お味も


カボチャのスープです~~




んでもって・・・こちらが・・・・・メインの・・・・・えっと・・・(^^;)
なんだったっけ?(笑)
なんか・・・・・・・・お魚でした(爆)
こちらも美味しかったです~~~~


お友達が事前にお席の予約をしてくれたのですが、もしもこれから行かれる事があるなら
予約はしておいた方がいいかもです^^
お茶くらいなら、恐らく大丈夫だとは思いますが、食事となると・・お席はお昼時という事もあり
結構混雑しておりましたよ
恐らく、皆さん・・・・観劇される方ばかりだったのでは?という感じでしたが・・。


実は私、結構ドキドキしていたんですね(^^;)
初めて藤原さんの舞台を観るというので、前の日から結構なドキドキ感があり
すごくすごく楽しみにしておりました
食事を終え、いよいよ劇場へ・・・・^^
行くと、ロビーからはすでに音楽が聞こえており、ザワザワと混雑する観客の中に、
仮装した役者さんたちが・・・・たくさん!!!
舞台がヴェニスという事で、仮面をつけ、着飾った煌びやかな人たち。
顔にメイクをしたピエロのような道化たち・・・・。
音楽隊も演奏していて、そこはさながら・・・・仮装舞踏会の面持ち。




一つ所に止まっているのでなく、ウロウロ歩き回られるので・・・(^^;)
なかなか上手く写真が取れませんでした


ロビーにはこんな感じでごった返しているし、音楽はあるし・・・で、もう気分はまたもや夢の世界に
早々と飛び立ちそうになりました(笑)


舞台は、とても小さく・・舞台小屋の雰囲気。
それが更に私の気持ちを加速させ、どんどん気分が高まって行き・・・始まった時にはすっかり心はヴェニスへ・・(笑)
事前にサラリと一度、本を読んだだけで行ったので・・・なんとなくのストーリーが頭に入っているという感じで観ました。
本を読んだ時に感じた、激しいユダヤ人差別。
観終わった今でも、その部分が強烈に心の奥に刺さっているので、「喜劇」と思い難い気持ちが消えないのかもしれません。
その差別されていた側の・・「金貸しのユダヤ人・シャイロック」市村さんは、ユダヤ人の持つ悲しみ、怒り、痛み・・・
そういう理解し難い、苦しみを、お顔から・・仕草から、その雰囲気から、
見事に演じられていて・・・その存在から・・・胸を突くような激しい怒りが滲み出ているようでした・・。
市村さんが出ているだけで、なんだか空気が薄暗くなるような・・・まるで空調の温度まで違うような・・
そんな苦しい雰囲気を・・・私は感じ、ちょっと身の引き締まるような思いで観ました。


一方・・・その市村さんと全く対象的なのが藤原さんだったように思います。
とにかく明るい(笑)
面白い!!!
そして可愛らしい!
初・生藤原さん舞台だったので、すごく楽しみだったのですが
観終わって、その期待は1ミクロンも裏切られる事なく、むしろ「次も観たい」「他の作品も観たい」と思わせてくれました。
藤原さん演じるバサーニオは、軽薄そうで・・だけどとても純な気持ちの持ち主で(←「誠実」ではなく「純粋」というのがミソ笑)
明るくて、可愛らしくて・・男女問わず好かれるだろう人物。
可愛らしく、明るい性格のために、許され愛される軽薄さ(笑)
でも決して「悪巧み」の出来る人ではなく・・むしろ純粋な心をもった・・・人。
そういう印象を受けたのですが・・・
これって、かなり難しい役どころではないのかな?と思います。
軽くなりすぎても・・・浅い人物になってしまってダメだろうし、
明るいだけでも、これまた薄っぺらになってしまいダメだろうし・・・。
軽薄で、でも純粋・・・という人物像に深みを持たせるというのは、なかなか凄いと思います。
・・・・って、何様?発言ですが(^^;)どうぞお許しを


そして、藤原竜也という人はとにかく可愛らしく、とても色気のある・・方だなぁ・・・と思いました
色気・・・という点では、小栗さんもまた負けてないとは思うのですが、両者はタイプがホントに全く違いますね。
友人である年上のアントーニオは、恐らくバサーニオの事が好きだった・・同性愛者
という設定なのですが・・・西岡徳馬さん演じるアントーニオと、藤原さんのバサーニオ。
この二人の雰囲気は、なんだかホントにドキドキするものがあり(笑)
藤原さんバサーニオが、アントーニオの手や肩や頬に触れる・・その仕草がもの凄く色っぽく
とても可愛らしく、アントーニオがバサーニオを好きなのが分かるわぁ~と思うくらいです
後半、裁判になって・・・囚われの身になっているアントーニオに駆け寄り、抱きしめるバサーニオ。
シャイロックにナイフを突き立てられるために、脱がされた服を優しく着せてあげるバサーニオ。
なんだか観ていて、ドキドキして・・きっと私がバサーニオの妻のポーシャだったら
その様子に嫉妬して、怒ってしまうだろうなぁ・・・・・・というくらい^^
でも、藤原さんのバサーニオの仕草は決していやらしくなく、軽くなく・・・
その端正な顔と、貴公子然とした佇まいがより一層・・
紳士的で美しい、人の心と目を惹き付けるバサーニオを愛らしくさせ、うっとりしました。


初めて生で藤原さんの舞台を観て・・終始思ったのは、藤原さんのなんと品のある事か!!という事。
とは言え、今回は今までにない藤原さんだったそうで・・・古くから藤原さんをご覧になっておられる方には
かなり新鮮な・・・驚きの・・藤原さんだったようですが・・。
舞台に立った時に、すぐに目が行く華やかさと、品のある美しさ。
セリフを口にした時の、澄んだよく通る声。
そして、何より・・・以前「ハムレット」を観た時にも感じた・・言い回しの素晴らしさ。
当然と言えば、当然なのですが、全くセリフを噛みませんね(笑)
その上、もの凄く早口に一気に捲くし立てるような・・長台詞の時ですら
はっきり本当にクリアに台詞が聞こえ、しかもきちんと抑揚があるので、感情も聞き取れる。
明るく話したかと思えば、すぐさま低音に変わり、それが時には搾り出すような声にも変わる。
瞬間、瞬間・・で変わっていくその声、絶妙な緩急のつけ方。
今回、私はこの藤原さんの声、台詞の言い方・・・そういうものにちょっと、イエ、かなり見惚れましたね・・。
これがこの人の魅力の一つかもしれない・・・・・と感じました。



なんだか藤原さん褒めまくり~~~~になってきましたが(笑)
もう少々・・・・お付き合いを(笑)


もう終焉した舞台なので、書いてもいいと思いますが・・・(ネタバレなので、読みたくない方はスルーしてください)



今回、長年・・藤原さんの舞台を観てこられた方々も、「初めて観る藤原さん」だったようですが
喜劇・・・というだけあって、やはりかなり大笑いする場面もたくさんあるんですね。
で、その笑いの大半を、藤原さんが請け負ったというか・・・・担当というか(笑)
「お気に・・」の時のような「ついプッと噴出しちゃう笑い」というわけではなく
「笑わそう」として取った笑い・・・・だったので、思いっきり笑っちゃいました(笑)
そのたくさんあった笑いポイントの中でも、一番爆笑が起きていたのは・・・
藤原さんが一人三役をされた場面だと思います。
藤原・バサーニオが恋する相手、寺島さん演じるポーシャに求婚に向かうのですが
受けるポーシャはポーシャで、父からの遺言で、結婚相手を選ぶ時に3つの箱を使って選ぶように・・・
と言われているので、そのようにするのですが・・・・
求婚者はバサーニオだけではないんですね・・・。登場するのは3人なのですが・・・
一人目はモロッコの大公で・・・二人目がアラゴンの王様で、そして三人目がバサーニオ・・・という事なのですが
その3名を、藤原さんが服を変え、メイクを変え、一人三役演じられたんです
最初にモロッコの大公が出て来た時には、顔は黒塗り(笑)髪はアフロ(爆)
見た目には全く藤原さんと分からなかったので、気付かなかったのですが
一言話した途端に「ん??あれ??もしかして藤原さん???(笑)」と思って、慌てて双眼鏡で確認(笑)
もう~~~~~大爆笑でしたよ(笑)
台詞回しも、動作も、もうなにもかもが可笑しくて、笑いが止まらない場内(笑)
ポーシャと結婚するための箱を引き当てられず帰って行き・・・次に登場したのがこれまた私は大・大爆笑です(笑)
服装がなんていうか・・・・スペインの闘牛士?みたいな感じで、でもヨボヨボのおじいちゃんで
杖を突きながら、声もしゃがれ声で、倒れそうにフラフラよたよた歩きながら求婚に来たアラゴンの王様(爆)
ね・・・・?
ちょっと想像してみてください(笑)笑っちゃうでしょ?それだけで(笑)
なんか、「吉本新喜劇」観てるみたいでしたよ(爆)
もう、モロッコ大公もアラゴン王も、見た目・台詞の言い回し、全てが可笑しくて
ちょっと笑いをその後も引きずってしまいました(笑)


で、三人目の求婚者が、ポーシャも一目惚れをした麗しいバサーニオ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これ、さっきと同じ人?????
・・・・・ってな感じ(笑)
いやぁ~~~~~~面白かったです藤原さんってこんな事も出来るんだ?って思って、ご一緒した方に聞いたら
「こんな藤原さんは今回初めて(笑)」との事でしたよ
新境地でしょうか?(笑)
色を持たない市村さんシャイロックと、七変化も八変化も・・ころころと美しい色を放つ、藤原さんバサーニオ。
この両者の闇と光が、本当に綺麗なコントラストを放っていて、とても素敵な演出だったと思いました^^
(・・・・・・・・・・・・・また何様?発言??笑)



こんな感じで、初・・藤原竜也さん舞台を終えたわけですが、
何度も書きますが、そのオーラ・上品さ、これが先日もちょこっと書いた蜷川さんの言われている「清潔感」なのかな?
という印象を受け、なんとなく・・・その魅力が分かったような気がします
小栗さんと本当に、見た目も演技の仕方も、全く違い、タイプの異なる役者さんだと感じましたが
同じように「清潔感があり」「そこに居るだけでオーラを放ち」「佇まいで魅せる」という点では
お二人は、甲乙つけがたい魅力をもっておられると思います
・・・・・・・・ですが・・・・・・・(^^;)
こりゃぁ・・・大変ですね、小栗さんって思いました。
こんな強敵が、自分より一歩も二歩も前を進んでいては・・・・。
この冬、挑まれる「カリギュラ」を演じきる事が、ご本人の言われている通り「正念場」になるのだろうな・・・・
藤原さんにとっての「ハムレット」のように(ご本人がそう言われていたのを読んだ事があります^^)
と、素人ながらにもそんな事を思い、何故だか身の引き締まる思いがいたしました
な、なんでアンタが???ってな、感じですけども(笑)ね・・・


ええっと、舞台の感想・・・・を書くつもりが、藤原さんの感想になってしまいました(^^;)
舞台自体は「人種差別」を色濃く出すのを控えているようにも感じましたが、
十分に「差別」がテーマとされた舞台のようにも感じました。
演出家のグレゴリー・ドーランさんは「この作品は『人種差別をしているのではなく、人種差別とは何かを問うている』」
と仰っているのですが
そしてそのために、ユダヤ人差別だけでなく・・モロッコ大公の姿によって黒人差別を
また身体的障害をもったランスロットという人物が出てくるのですが、そのことへの差別・偏見を
そういう事も描き、問うていたようなのですが・・・
あまりにもユダヤ人のシャイロックの抱える苦しみや怒りが激しく、悲しくて
やはりその事へ目が行ってしまい、それが最大に描かれた後半の裁判の様子から
気持ちが戻らないまま、ラスト・・・明るく和気藹々としたような「喜劇」の部分には
正直、気持ちが少々ついていけず、その笑い合うバサーニオやポーシャ・・アントーニオら
裕福なキリスト教信者たちの姿が、むしろ滑稽にさえ見えました。私には。
なので、やはり・・・・・・・・・・観終わった今でも、「喜劇・・・・・?」という思いが消えないのです(^^;)



やはり舞台を観るというのは、いいですね~~~~~~
非日常の世界に、ほんの一時身を置く・・・とてもリラックスできた幸せな時間でした。
家に帰ると、お腹を空かせた毛むくじゃら3猫と人間1名
一気に現実に引き戻されましたけども(笑)
ま、これもまた幸せを感じる瞬間でもありますかね・・・・・?(笑)
長々お付き合いいただきまして、読んでくださってありがとうごいざいました^^





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