わんぱく坊主の日記帳Ver.002

TRPGと少年キャラ萌えを等価値に考えるヘンな日記

「──でも、お前はやりきったろ。できたじゃないか」

2005年02月26日 | アニメ一般
「ガンダムSEEDデスティニー」感想でーす。
この日はNHK教育が特番を放映したため、「MAJOR」がお休み。なので、

5時30分~ 信越放送で18話を録画
6時00分~ TBSで19話を録画

という自分だけの「SEEDデスティニー1時間祭」を開催(爆)。まあ、19話感想の方は来週に分けますけどw
てなわけで、早速感想です!


PHASE-18「ローエングリンを討て!」


さて、前回の続きということで、ガルナハンの途中に存在する地球軍の拠点を叩くことになったミネルバ。既に現地のラドル隊が失敗しているため、二度の失敗は許されない所でしょう。現地協力員を呼んでのブリーフィングが開始。

シン「子供じゃん」

相変わらず空気を読めないシンの一言ですが、確かにその通り、現地協力員はコニールという名の少女。
さて、副長アーサーさん(NPC)がいきなり説明を丸投げしてしまったため、PC5であるアスランがハンドアウトに書いてある文章を読みあげますw
ガルナハンへの進行ルートである狭い渓谷内を完全に射程距離に収めるローエングリン砲に加え、陽電子リフレクターを装備したモビルアーマーまで配置した布陣。はっきり言って、攻略は非常に難しいでしょう。
が。

アスラン「そこで今回の作戦だが──」
シン  「そのモビルアーマーをぶっ飛ばして、砲台をぶっ壊し、ガルナハンに入ればいいんでしょう?」

ブリーフィングの意図を全く理解していないPC1(爆)。
先週のセッションで困ったちゃん扱いされたのがよっぽど頭に来ていたのでしょうかw 明らかにアスランへの当てつけが感じられます。しかしその感情的ロールプレイによって、「ザフトのエリートの一員」という初期設定を逸脱していることにシンは気づいていない様子…orz
隣のレイやルナマリアも呆れ顔です。

アスラン「それはそうだが、俺たちは今どうしたらそうできるかを話してるんだぞ、シン」
シン  「やれますよ。やる気になれば」
アスラン「じゃあやってくれるか? 俺たちは後方で待っていればいいんだな。突破できたら知らせてもらおうか」
シン  「えっ!? あ、いやぁ、それは……!」
アスラン「──というバカな話は置いといて」

シンの態度が突っ張っているだけだと見抜いたアスラン、いきなり見放すようなことを言ってからかってます。さすがのシンも今回のセッションのボスキャラ相手に単身特攻するような真似はできない様子w
しかし、ここでコニールさんからシンへの不信を顕わにする展開。まあ、無理もないところではありますが。ここでもアスランが上手く収めようとするのですが、またもシンがひねくれた態度を!

シン  「自分の方が上手く(PC1枠を)やれるって、あんただってどうせ、そう思ってるんだろ?」
アスラン「シン! 甘ったれたことを言うな!!」

アスラン、ついにキレる!

アスラン「あいにく俺はお前の『オレカッコイイ』ロールプレイとやらに配慮して、無理と思えるPC1枠でもやらせてやろうと思うほど馬鹿じゃない。無理だと思えば始めから自分でやるさ。だが、お前なら出来ると思った。だからこのPC5枠を取った。それを、(プレアクトで)あれだけでかい口を叩いておきながら、今度は尻込みか!?」

この一言に、シンは反発した態度を取りつつも納得したようです。
というわけで作戦開始! アスランたちが敵を引き寄せてから、現地の人間しか知らない極秘ルートを通って敵エンゲージへと単身飛び込むのがシンの役割。この登場判定のタイミングが早すぎても遅すぎても駄目、というなかなか難しい指示が出ています。
ところが、この極秘ルートは真っ暗闇な上に幅もかなり狭い坑道! コアスプレンダーでもギリギリ、というかいつ壁面に激突してもおかしくありません。これにはシン、激怒!!

シン「なぁにが『お前にならできると思った』だ、あの野郎!! 自分でやりたくなかっただけじゃないのかァッ! やってやるさ……ちくしょおおおおおっっ!!!

すいません、素で笑いました(爆笑)。
本当にバカっ子だな……こいつはw まあ、それはともかく、シンの頑張りもあって敵拠点を見事に撃破! ガルナハンの人々も平和を取り戻して喜びに沸いています。無事与えられた任務を果たした喜びもあって、シンもいつになく饒舌でした。

さあ、来週はグフ・イグナイテッドが! そして西川さんが!


……って、あのピンクのザクは何だァァァァァァッッッ!!!

「竜のすむ星」第三夜

2005年02月20日 | TRPG
遅くなりましたが、オンセ感想~~!!!
堀野さんRLによる「トーキョーN◎VA The Detonation」オンラインアクト「竜のすむ星」最終回! クライマックス・フェイズからエンディング・フェイズまでをやりました。
で、感想。

燃え尽きました~~~っっ!!!
いわしまんさん演じる“死の卿”アレックス・タウンゼントさんは、特殊部隊相手にまたも素敵なカッコよさを演出しつつ、ディックを見守る大人の立場に徹しておりました。あの渋さは真似できない~!! やはり“死の卿”の背中は遠いっ!w
takaさん演じる“夢紡ぎ”那岐さんは、巫女エフェクト全開! <ブランチ:シャーマン>の御力が今ここに!w しかもエンディングでは予想もしなかった見事な演出をしてくださいまして、あの時はマジで感服しました。

で、KIDはというと。

……アレックスさんのエンディングの途中で寝落ちorz

うあああああああっっっ、俺の馬鹿馬鹿バカバカバカーーーーーーーっっ!!!!
ううっ、こんなことじゃPC1村の住人を名乗るには100万光年くらい早いです(涙)。原因は、ですね。クライマックス・フェイズで興奮しすぎて、その反動が来てしまったんだと思いますorz 
まあ、寝落ちは論外として、他にも色々と問題点はありました。とりあえずリアクションの遅さは何とかしないとなあ、と思ってます。

なお、この「竜のすむ星」のリプレイが、いわしまんさんのサイト「RI財団」にて公開準備中です。楽しみで楽しみでたまりませんよ!!(ハァハァ)
というわけでKIDも「盟約の剣」を早く完結させたいと思います。ひゃっほー!(←バカ)


何はともあれ、RLの堀野さん・いわしまんさん・takaさん、お疲れ様でしたー!!!

「盟約の剣」 第五章

2005年02月20日 | 駄文
2人の足音が広大な空間に響き、吸い込まれていく。ローランドが用意した携帯用のライトが階段を下りていく度に不安定に揺れ、視界はひどく狭かった。何とか闇に慣れ始めたディックの目に映るのは、岩石そのものを削り出して作り上げられた街並みだ。
「すげえ……」
優美な芸術品でも、技術の粋を凝らして建てられたものでもない。しかし、ディックは感嘆するより他に無かった。
「たいしたもんだろう?」
周囲にすっかり気を奪われているボディガードへ、ローランドは若干困ったような笑みを向けながら口を開いた。
「“災厄”の最中、何とか生き延びた連中が辿り着いたのがこの地下都市なんだとよ。地上が地獄に変わっている間、誰が用意したかも分からないこの場所で人々はひたすらに祈りを捧げたらしい」
「ふぅん……」
その手のことに関心を持てず、ディックは生返事を返すだけだった。ふと壁に手を触れてみると、岩の壁は驚くほど綺麗に成形されており、滑らかな感触を彼の指に残した。
余所見をしている青年を放って、ローランドの説明は続く。
「やがて“災厄”は終わりを迎え、生き残った者たちは神に感謝したんだそうだ。自分たちを選び、救い出してくれた大いなる存在に」
「選ぶ?」
「そう錯覚してもおかしくない代物だろう、この街は」
些か皮肉げな台詞に、ディックは少し考えた後、頷いた。ローランドが見つけた伝承によれば、この地下都市には水や食糧が充分に蓄えられており、明らかに災害に対する備えが完備していたという。当時の人々がそれに何らかの超常的な存在を夢想したとしても無理はない。
「どうだ? お前さんは何か感じないのか?」
「別に。俺、そういうのには疎いから」
期待されても困る、といった風にディックは答えた。
そして素っ気ない自分の態度に苦笑するローランドへ、今度は自分が問いかける。
「それより、あんたの目的……そろそろ教えてくれないか」
「宝探しさ」
「……ふざけんな」
「俺はいたって真面目なんだがね」
とても真面目に言っているとは思えない口調が、ますます気に障る。アーマーギアで武装してくるような連中と戦って、今度も勝てるという保証はどこにもない。そもそも受け身に回ること自体、ディックの気性には向いていない。反撃の機会を得るには、連中の狙いを知る必要があるのだ。
だというのに──。
しかし当のローランドは気にした様子もなく、目を細めた。
「ガキの頃に見た映画のヒーローに憧れてなぁ……未知の遺跡に足を踏み入れ、危険な罠の数々を潜り抜け、遺跡の奥で眠る秘宝を手にする……あれにすっかり騙されちまった」
「騙されたって分かってるくせに、今でも続けてるんだな」
「まあ、な」
明かりに照らし出された顔に刻まれた、隠しきれない老い。世界最高の冒険家と謳われた男は確実に衰え、だがそれでもなお彼の双眸は強く輝いていた。
「結局、俺にはこの道しかなかったんだろうよ。……現実にゃ宝の眠る遺跡なんざ滅多にないのが少々残念だが」
「……この道しかない、か……」
「お前さんだってそうだろう?」
問われて、ディックは何も言えず押し黙った。それは彼がずっと自分自身に問いかけていたことだ。
進むべき道が決められているような感覚、そのことに対する感情的な反発──しかし本当に夢を叶えるためなら、それが正しいはずなのだ。
何故、自分はその道を選ぶことを恐れている──?
「俺は……」
「──着いたぞ」
ローランドがかざしたライトに照らし出されたのは、巨大な白亜の門だった。扉には向かい合うような形で2頭の竜のレリーフが描かれ、2人を睥睨している。また扉の各所に文字が刻み込まれているが、ディックにはまるで理解できない代物だった。が、その複雑な配置には見覚えがある。
「……魔術回路……なのか、これ……」
「そういや答えてなかったな」
門を見つめるディックに、ローランドが今思い出したかのように言った。
「この奥に眠るお宝を手に入れるのが、俺の目的だ」
「お宝?」
「“盟約の剣”──そいつは、そう呼ばれてるらしい」

「けど、その力を手にしたその時から、今度は自分が誰かを泣かせる者になる──」

2005年02月19日 | アニメ一般
「ガンダムSEEDデスティニー」感想~。


PHASE-17「戦士の条件」

現在潜伏中のアークエンジェルからスタートと思ったら、いきなり衝撃的映像が!!!

これまでのイメージを一新し、ノリノリで歌うラクス・クライン!!!(註.偽者です)
揺れる乳! 
つーかデカい!! 
そして、きわどすぎる衣装!

ミーア「勇敢なザフト軍兵士のみなさーん♪ 平和のため、私たちもガンバリまーす☆」

ノリノリすぎです(爆笑)。
でもってザフトの皆さんもかなり娯楽に飢えているのか、

ザフト「L・O・V・E ら~~ぶ!」

などと熱い声援を送っています。……もうダメだ、この軍隊orz
しかし何より笑えたのは、このバカなコンサート映像を、黙って見続けているアークエンジェル一行w 本物のラクスさんは歌姫ですから、

ラクス「皆さん、元気で楽しそうですわ」

と余裕の微笑み。すごく怖いデス(ガクガクブルブル)。 


一方、ミネルバはマハムール基地に到着。
マハムール基地の司令官ヨアヒムさん、アスランの名に反応してPCを持ち上げつつ、大人の態度を見せることで自分のカッコよさも演出(笑)。けっこういいおっさんだー! と思っていたら、この人もコーヒー好きっぽいですw きっと虎と仲良くなるフラグかと思われ(マテ)。
さて、ミネルバは地球軍に占領されているガルナハンという街を攻める予定。ここを通らないことにはジブラルタルに行けないとか何とか。
どーでもいいですが、一人でチェスをやりながら微笑む議長の姿を映すのは、悪役フラグと考えていいんでしょうかw むっちゃクロマクです、議長w


作戦会議のシーンを終えたアスランは、ようやくシンとの会話シーンに。
やたら突っかかってくるシンに対し、自分の非を認めるような態度を取るアスラン。
→開き直って反論開始
→シンの暴走ロールを指摘
→シンの過去から、彼の行動原理を推測
→自分にも類似した過去があったと匂わせる独白


上手い具合にシンを翻弄するアスラン。やっぱり前回キャンペーンからの連続出演組は、思わせぶりな台詞や経験者の重みが無条件に出せるのが強みですw

アスラン「俺たちは卓としての合意で進めているんだ。喧嘩をしているわけじゃない」
シン  「そんなことは……分かってます!」
アスラン「ならいいさ。それを忘れさえしなければ、確かに君は優秀なPC1だ
シン  「!?」
アスラン「──でなきゃ、ただの困ったちゃんだがな」

持ち上げておいて落とす。さすがアスラン、なかなかのテクニシャンですw
次回はガルナハン攻略! 果たしてシンはPC1としての責任を果たせるのか!?

「呪怨」

2005年02月16日 | その他
見ました。

以前から黒犬クロくんに「見よーぜぇ(ぐへへ)」「見なきゃダメだよぉ(にたにた)」と脅迫されていたものの(一部嘘)、のらりくらりと逃げていたわけですが。
TVで放映するので怖くなったら即座にチャンネル変えればいいし、たとえビビッて情けない姿になったとしても誰にもバレません(爆)。というわけで、ドキドキしながら見ることに。

心の安全弁として、ネットに繋いでいましたが(←ザ・臆病者)w


で、感想~。
怖かったよーーーーーーーー!!!(ガクガクブルブル) これがTVだったから最後まで見ることができましたが、たぶん映画館で見てたら…………。ただまあ、結局何が何だか分からないまま終わってしまったなあ、という感じで。いや、ホラーってのは何が何だか分からないからこそ怖いんですけど。
んで、思わずこんなアクトトレーラーやらハンドアウトを考えてしまったり。


10年前、平穏な住宅街で起きた殺人事件。
妻と息子をその手にかけた男は、自らも命を落とした。
10年後、血塗られた事実は人々の記憶から忘れ去られ、
真相を知る者もほぼ死に絶えた今──。
それでもなお、怨念は消え去ってはいなかった。
一人のトーキーが惨劇の邸宅に足を踏み入れた時、

恐怖は

解き放たれる。

トーキョーN◎VA The Detonation「The Curse」
悪夢の螺旋は、運命さえも歪めていく──。


PC1:トーキー   コネ:九条政次
:君は九条政次からの提案で、過去にトーキョーN◎VAで起こった殺人事件の『今』を再取材している。
家族を失った者の悲しみ、事件が終わった今でも噂が消えぬ事件現場……そうしたものをカメラに捉えながら、君は10年前、家族を殺して自らも命を絶った男の家へと辿り着いた。
 ここが最後の取材場所だ──君が見上げた空の色は、不吉な暗雲に染まっていた……。

PC2:マヤカシ   コネ:霊体の少年
:君はアストラル界を介して人には見えぬものを視て、人には聞こえないものを聴くことができる者だ。そんな君の許に、最近少年の霊体が姿を現すようになった。弱い力しかないのか、彼の声は小さく聞き取ることが難しい。だが彼が必死で何かを伝えようとしていることは分かった。
 彼に導かれるまま向かった先には、ひどく不吉なオーラを放つ邸宅があった……。

PC3:イヌ     コネ:五十嵐重蔵
:10年前、斑鳩で起きたあの忌まわしい事件を、君は今も忘れることが出来ない。幸せだったはずの家庭を鮮血に染め、一家の主だった男は自らも命を絶った。結局、その真相は明らかにされぬまま、事件は忘れ去られていった。それは仕方のないことだ──そう思っていた。
 だが、君はふとした偶然から再び事件を追う。あの惨劇は、終わっていない……。


ちなみにノリで書いているだけなので、シナリオなんてありません(笑)。
誰かこれを元にアクトやってください(マテコラ)w

「盟約の剣」 第四章

2005年02月13日 | 駄文
「──報告いたします」
その部屋にやってきた秘書官は緊張を滲ませながら、窓の前に佇み風景を眺めている上司を見つめた。男は秘書官の言葉に何ら反応を示さず、背を向けたままだった。それが男の了承の意であると判断し、秘書官は極秘回線で送られてきた内容を報告した。
「例の特殊部隊から組織されたチームは全滅。目標の奪取に失敗したとのことです」
「……全滅?」
微かにだが男が反応を示す。
「はい。間違いありません。……未確認ですが、ローランド・ガイエは東京新星市で“銀の守護者”と会っていたようです。おそらく護衛を雇ったものと」
「たかが一介の護衛程度に、か……。使えん連中だ」
男の口調に混じった嘲笑の響きに、秘書官は自らに向けられたものではないと理解しながらも冷たい汗が流れるのを止めることはできなかった。男がその気になれば、自分はすぐにでも命を奪われる──比喩ではなく、言葉そのままの意味で。
「こちらの手間を省いてくれたことには感謝せねばならんだろうがな、その有能なボディガードには」
「ですが、このままでは……」
「構わん」
意見を口にしようとした秘書官より早く、男が鋭く言い放った。
「ローランド・ガイエは所詮、宝探し気分の老人だ。万が一“あれ”を手に出来たとしても、奪い返す手段などいくらでもある」
「は……」
「役立たずどもにつけていた監視をローランドに回せ」
「承知しました」
恭しく頭を下げた後、秘書官はその場から去っていった。廊下に出た彼が小さく安堵のため息をついたことも、その歩みが逃げるような速さであることも、部屋の中にいながらにして男は全て把握していた。彼にとって秘書官は、己の影響力を測る物差し程度の存在でしかない。
恐怖による支配──だが、中途半端な恐怖は反発も招きやすい。屈服させるには絶対的なものでなければ、無力な人間でも牙を剥く。男はそれをよく知っていた。だからこそ、わずかでも反抗の手がかりになりえるものは排除しなくてはならない。
「忌々しいものだな……人間如きが作り上げた代物に手を打たねばならんとは……」
男は部屋に広がる闇の中へと姿を消した。
そう、窓の外では陽光が降り注いでいるというのに、この部屋には闇が渦巻いているのだ。
決して見通すことの出来ない、深い闇が。



寒い、という言葉を知ったのはいつ頃だろうか。
彼女は白に覆われた世界にただ一人立ちつくし、そんなことを思う。冷気を帯びた風の中で、彼女はわずかにでも身を震わすことがない。その身に纏った雪色のコートも翻ることはなく、彼女を守っているかのようだった。
寒いとは、寂しいことだ。
彼女はそう理解している。後に“災厄”と人々が名付けた地球規模の異変で、多くの大地は氷に覆われた。そこに住んでいた人間たちも、街も、何もかも飲み込んだ。彼女はそのほとんどを目の当たりにしてきた。それが彼女の役目だったのだから。
死んでいく人間たちは、「寒い……」と洩らすことが大半だった。そして涙を流しながら「……寂しい」と言い残して息絶える。多少の違いはあっても、人間は寒さに身を震わせる時、その傍らに誰かがいないと寂しいと感じるらしいのだ。
寂しければ、人は死ぬ。
彼女はそう理解している。人間たちは孤独に耐えられない。耐えられなければ、死んでいく。あまりにも弱く、脆いものだ。
「──あるじよ」
彼女が携える古風な長剣。その柄の部分に器用にとまっている一羽の鴉が、人の言葉を嘴から紡ぎ出した。
「あるじは、何を思う?」
「…………」
「あるじが何を告げようとしているのか、分からない」
鴉の言葉は、どこか悲しげだった。
彼女は自分を見つめる鴉の背に、そっと指を滑らせた。漆黒の羽根は暖かく、温もりを失っていた彼女の手を優しく包む。
「…………」
「あるじよ、北へ向かおうというのか」
彼女はこくりと頷いてみせた。

「…寒い…。もう歩けないよ…」

ずっと心に引っ掛かったままの言葉。あの時の少女の姿。
あれが始まりだったのだ。彼女の心にできた小さな傷が、時を経ていつしか傷口を広げていた。寒さなど感じないはずの自分が、その身を震わせたのは何故なのだろう。寂しさなど感じないはずの自分が、傍らに寄り添う誰かを求めたのは何故だろう。
そして──。
「…………」
「……承知した、わがあるじよ」
鴉が翼をはためかせ、剣の柄から彼女の肩へと移った。
「北へ行こう。あるじの望みを叶えるために」
彼女は赤い瞳を細め、自らが向かおうとする地──人間が聖母領と呼ぶ、どこまでも続く氷原を、ただじっと見つめていた。

「竜のすむ星」第二夜

2005年02月13日 | TRPG
「トーキョーN◎VA The Detonation」オンラインアクト「竜のすむ星」第2回、参加してきましたー!!
今回はリサーチ・フェイズをたっぷりと堪能! 表舞台はカッコよく、そして舞台裏ではひたすらダメな会話で盛り上がりましたw 夜10時に開始して深夜3時に終了したので、プレイ時間は5時間! オフだと普通に1本アクトが出来ます(爆)。

それはともかく、聖母領を走る巡礼列車の中で再会を果たしたキャストたちが、一頭の竜とそれを巡る陰謀に直面。秘めた目的を抱く少女や、謎の特殊部隊、真実へと導く魔性の姫、そして舞台の裏側で糸を引く巨大な存在……と魅力的なゲスト陣はもちろんのことですが、キャストもすごいのです!

“死の卿”アレックスさんは若者を見守る大人的ポジションをしっかりキープして、何かとPC1枠のディックを助けてくださいましたー。プロのカブトとしての発言と、夜の魔法を扱うバサラとしての台詞が違和感なく両立してるところはさすがだなー、と尊敬してしまいましたw 決して正面に立つわけではないのに存在感が違うなあ、とか。この辺の脇に回った時の動かし方は学習していきたいかと。

一方、“夢紡ぎ”那岐さんは舞台裏での熱烈なラブコールに根負けしたのか(笑)、ついに隠し属性である巫女属性を発揮! クライマックスに向けて話を大きく盛り上げてくれました。それにしても何がスゴいって、巫女モードの台詞をばっちり用意してあるのですよ! カッコイイ!! 僕なんか未だに“盟約の剣”の真の名で苦しんでいるのに……w

で、僕の方はというと、第1回でヒロインに会えなかったのでウハウハしながら邂逅ロール(違)をやったりとか、重い病から脱却したアレックスさんの後を継いでヒロインにPC1台詞をぶつけたりとか……色々とナニでアレなことをやっておりましたw 問題点としては、“盟約の剣”の真の名を考えるあまり、序盤の反応が遅かったことでしょうかorz

やはり「ドゥームズデイの雪」のキャストが再会したこともあって、その辺りの繋がりを意識した台詞回しが多かったですね。こういった物語の設定やキャストの人生が繋がっていく雰囲気がKIDは大好きなので、ひたすら大喜びしてましたw 


さあ、いよいよ来週はクライマックス&エンディング!
竜殺しの新たな伝説がニューロエイジに甦るのか!? そしてKIDは“盟約の剣”の真の名を考え出すことが出来るのか!? これを逃したら“レジェンダリー”は取れないぞ!(爆)

「ぶったね! 妹にだってぶたれたことないのに!」

2005年02月12日 | アニメ一般
「ガンダムSEEDデスティニー」感想~。
先週は総集編で本当に語るべきことが無かったので、パスしました(笑)。オーブの位置なんかは初めて知りましたけどw


PHASE-16「インド洋の死闘」

さあ、来ましたよ! メカ戦です!! やはり男の子が燃える要素の1つ、MS同士の戦いがなくては!
強引な≪M&A≫(?)によってウィンダム30機を引き抜き、ミネルバに攻撃を仕掛けるネオさん。「飛べねーし、泳げねーし」なガイアはお留守番ですw
対するミネルバはインパルスとセイバーを出撃。問題児のPC1・シンを、前回キャンペーンで経験を積んだPC5・アスランに任せる艦長さんがステキ。そして当然のようにアスランに反抗的なシン(笑)。

アスラン「シン! 出すぎだぞ! 何をやっている!」
シン  「へっ、文句言うだけなら誰だって!」

しかしアスランもカオス相手に苦戦を強いられており、映像からの判断だけだとシンの方が撃墜数が多いかもしれませんw ネオはシンを翻弄し、海中から攻撃を仕掛けるアビスには水中戦仕様のザクでレイ&ルナマリアが出撃。
シンはネオに集中しますが、お留守番ガイアがここで乱入! 

アスラン「シン、下がれ! 乗せられてるぞ! シン!!」
シン  「うるさい! やれる!!」

上官の命令を無視するどころか、この言葉遣い。なぜシンがザフトのエリートの証である赤服を着ているのか、スゲー疑問です(爆)。
しかし、ここで借りてきたウィンダムが全機撃墜。ネオさん、最初は少し指示を出していましたが、後半指揮官としての役割を放棄したことが響いたようです。まあ、パイロットやりながらじゃ大変ですけど。というわけで、あっさりと退却。アビスが土産代わりにミネルバの護衛艦を落としていきましたが、まあ予想の範囲内だったので省略(ぇー)。

シンは基地で労働させられていた民間人を助けたりしていましたが、反面、軍人たちは情け容赦なく殺しているわけで。彼はその辺の矛盾に気づいてないような感じで、少々不安が(汗)。
んで、命令違反を犯したシンに、アスランがビンタ2連発。

アスラン「自分だけで勝手な判断をするな! PC1枠に入った者なら、その役割を自覚しろ!

卓の総意に対し、感情的に反発するシンを見かねた模様(笑)。
果たしてアスランはシンを真っ当なPC1にできるのでしょうか!?w

「盟約の剣」 第三章

2005年02月10日 | 駄文
「──3つ!」
両刃剣が閃く。“シュトロハイム”の装甲は厚く、並みの剣では傷をつけるだけで精一杯だ。しかしディックの振るう戦神の剣は、最新式のアーマーギアを易々と切り裂いた。本来なら重さで叩き潰す両刃剣で。
全身の力を失った灰白色の鎧が、失速しながら後方へ流されていった。
「ちい……っ!」
「小僧が!」
敵を斬り捨てた勢いそのままに、ディックは剣先を列車の屋根に突き立てる。時速300kmで走る巡礼列車の周囲にはエネルギー・スクリーンが展開し、極寒の冷気と風を緩和しているが、速度による足場の不安定さはそのままだ。迂闊にバランスを崩せば、一瞬で列車から放り出される。
だが、それでもディックの表情から笑みは消えない。
「小僧呼ばわりするのは勝手だけど、負けてるのはあんたらの方だぜ」
「──殺せッ!」
おそらくはこの部隊のリーダーであろう男──のはずだ──が叫び、同時に機関砲が唸りを上げる。が、それよりも早くディックが動いた。刺していた剣を抜きながら、そのまま円を描くように一回転。屋根の装甲板が刃とぶつかって火花を散らす。
「おおおおおおおっっ!!!」
吹き荒ぶ風の音を打ち消す咆哮。半ば強引に間合いを詰めたディックが“アレス”を振るった。
ギィィィンッ──!
しかし、刃は虚しく空を切る。敵はディックの動きを把握しつつあった。これまでは不安定な足場から強引に攻撃を仕掛け、彼らが“シュトロハイム”の性能に甘えて回避行動を疎かにしていたことを利用していただけだ。
それを見抜かれ、飛行能力をフルに使われてしまうと、空を飛べないディックは手も足も出ない。
(くそっ、連中も馬鹿じゃないか)
せめてあと1人倒せていれば──ディックは舌打ちしながら、意識を集中させた。
「鋼の護りよ! 堅牢なる大地の意思を、我が身に在れ!」
次の瞬間、無数の機関砲弾がディックの周囲で炸裂した。


「──やはり集中の仕方に無駄があるようだな、ディック」
「そう言われてもなぁ」
ディックは流れる汗をタオルで拭いつつ、隣に佇む黒衣の男を見つめた。珍しく稽古相手をしてくれるというから思う存分付き合ってもらったのだが、汗まみれのディックに対して彼は涼しい顔をしている。彼我の実力差を思い知らされたようで、ディックは溜め息をついた。
男──“死の卿”は淡々とした口調で告げる。
「流派によるところもあるが、多くの魔術で必要とされるものは2つしかない」
「2つ?」
 コンセントレーション イマジネーション
「  集中力  と  想像力 」
「……俺の“力”は魔術じゃないぜ、兄貴」
そんな大層なものじゃない。人間が造った、偽物の能力だと吐き捨てるディックに、しかしアレックス・タウンゼントはゆっくりと首を横に振った。
「超常能力も魔術も、根本においては同一のものだ。どちらも自我を制御することにより発動するのだから」
「じゃあ、俺の“力”も兄貴と同じようなやり方でもっと上手く扱えるようになるってこと?」
「さあ、それはどうかな」
アレックスは苦笑した。
「俺のやり方が100%流用できるとは限らない。要はディック、君の意思を制御しやすいキーを作り出すことだ」
「キーって何さ?」
「呪文や魔法陣の類がそれに当たる。ああいったものの多くは、それ自体には何の効力もない。使うことで己の意思を制御する、力を行使するための触媒であり、術を発動に導くための数式だ」
夜色のコートが風に翻る“死の卿”の姿は、まさしく魔術師と呼ぶに相応しい雰囲気を放っていた。
「魔術は人の心そのものだ、ディック。心を解き放て」


「……馬鹿な!」
「悪いね」
肉塊に変わったはずの人間が、硝煙をその身からたなびかせながら走る。
信じられない光景に、“シュトロハイム”の動きは無様なまでにぎこちなくなった。そこへ一気に接近し、剣を振るう。
「俺、結構頑丈なんだ。“鋼”って名乗るのも伊達じゃない」
「が、は……っ」
自分の肉体を硬化させ、機関砲弾のダメージを最小限に食い止めたのと同じやり方で、ディックは“アレス”を強化している。呪文による意識の集中を用いるようになって以来、彼の力の行使は以前とは比べものにならないほどスムーズになった。
(悔しいけど、こりゃ兄貴に感謝しないとな)
越えるべき目標である男の背中を思い出し、ディックは敬意と悔しさの混じった想いに口元を歪める。
「さあて、あと2人!」
「調子にのるなよ、小僧が──!」
「待てッ!」
リーダーの制止を振り切り、部下が“モータルストーム”を撃った。半ば恐怖に駆られての行動。最新型のアーマーギアと30mm砲弾を以ってしても倒れない人間など、いるはずがない。だが目の前の青年は笑みさえ零しながら、こちらへ向かってくる──!
「うあああああああっっ!!」
恐怖に耐えかねたのか、迫るディックから逃げるように後退。決して刃の届かない位置まで下がった。
「……ふ。はは、ははは……」
これでもう奴は何も出来ない。その安堵から漏れた笑い声は、しかし。
「さすがに訓練されてる奴は違うね。──間合いの取り方が完璧だ」
悪魔のように嘲笑うディックを見た瞬間、絶望へと変わった。
「喰らい尽くせ!」
ディックが吼えると同時に、雪に覆われた地面が爆発した。いや、隆起したのだ。まるで生き物のように蠢きながら、空に浮かぶ“シュトロハイム”目掛けて一直線に。
「……っ!」
獰猛な肉食獣の顎の如き形状になった土砂が、アーマーギアを咥え込んだ。ぐしゃり、という耳障りな音。わずかに土砂からはみ出した左腕が二三度痙攣し、だらりと垂れ下がる。不気味なオブジェをその場へ置き去りにしたまま、列車は走行を続けていく。
リーダーはあっという間に視界から消えていった部下の姿を見送った後、大きく呻いた。
「バサラか……!」
「残りは1人。あんただけだ……いや」
剣を突きつけたディックは、小さく肩をすくめた。
「もう、終わりか」
「な──」
銃声。
つい数十秒前、乗客たちに不意の死をばら撒いた男が、自分もまた己が撃たれたことを信じられないまま息絶えた。
彼が倒れると、腹這いの状態で銃を構えるローランドの姿がディックの目に映った。手筈通りだ。アーマーギアの装甲の薄い部分を狙った彼の腕ならば、確かに生命力旺盛なヒルコをも一発で仕留めることが出来るかもしれない。
「やるね、おっさん」
「何、英雄は最後に決めるもんだからな」
不敵な笑みを浮かべたローランドは、しかし屋根に倒れ伏す骸を見て表情を改めた。
「一体どうなってやがる……こんな連中が」
「詳しい話は後にしようぜ」
列車の向かう先に視線を向けていたディックが言った。
「もうすぐ駅に着く。大騒ぎになる前に退散しないとな」
「……つくづく思うんだがな。お前さん、ナイト・ワーデンとコネのあるカブトにゃ見えんぞ」
「苦情はブロッカーに回してくれよ」
“鋼の衛士”は振り向き、悪戯に成功した少年のような笑顔を覗かせる。
          スタイル
「これが俺のやり方なんだからさ」

「竜のすむ星」第一夜

2005年02月06日 | TRPG
この日は待ちに待った「トーキョーN◎VA The Detonation」オンラインアクト「竜のすむ星」の第1回が行われました~~!!!
RLは「ロケット屋ダンデライオン」管理人の堀野さん。今回も堀野コズム全開の素敵なシナリオ! そしてPLはかつて「ドゥームズデイの雪」で集まった、takaさん&いわしまんさん! そう、夢のドリー夢チーム再結成ですよ! これでハァハァしない方がどうかしています!w

僕は“鋼の騎士”ディック・リューベルツで出撃! な、なんとカタナ枠! 竜殺しの宿命に導かれ、聖母領へと向かう超燃える導入です!! 
takaさんは新作サプリメント「ストレイライト」軌道進出を果たし、チャイローン・ジャンクションで事務所を開いた迷探偵、“夢紡ぎ”那岐さんで参加! カブト枠をアレンジした、オリジナルなフェイト導入がキタ────! 
いわしまんさんはRI財団の代表キャスト、“死の卿”アレックス・タウンゼント氏で登場! カブト導入で参加と思いきや、「女性を護衛することが多い」というカブトにはよくある重い病(笑)から逃れるため、バサラ枠で参加ですよ!? 

この日はオープニング・フェイズとリサーチ・フェイズ序盤をやったのですが……。
やっぱりN◎VA楽しいぃぃぃぃっっ!!!(笑) アレックスさんはオープニングでプロフェッショナルな動きで謎の(ズキューン)と渡り合い、那岐さんはヒロインといい感じになりつつ(えぇー)、キャスト合流時においしい登場をしてきたり!
そんな中、ディックはというと(バキューン)に突然同席されてガクブルしたり、竜殺しの魔剣に(勝手に)翻弄されたりと微妙に活躍してません(笑)。よ、よーし、クライマックスで頑張るぞー!w

続きが楽しみで夜も眠れません~♪