わんぱく坊主の日記帳Ver.002

TRPGと少年キャラ萌えを等価値に考えるヘンな日記

キャスト分析……になるのかなぁ

2005年04月25日 | TRPG
【RI財団】さんを始めとして、数々のN◎VAサイトさんでキャストの集計を取っているのを見て、面白そう&TRPGカテゴリの話題を補給すべく、KIDもちょこっと計算してみました。ただ、僕は回数的に見たらさほどN◎VAをやってないので(特に「Detonation」後は)、あんまり参考にならないかもしれません。寂しさを再確認するだけで終わらないようにしたいデス……w

☆セッション回数:

PL:19       オンセ:7 =26 
RL:13           :0 =13

合計で39回……orz こんなんでもN◎VAラーを名乗っていいでしょうか?(笑)
オンラインセッションは、これはもうtakaさんが始めてくださったおかげでひたすらPLばっかりやってますねw そろそろ感謝の気持ちを還元したらどうだと思いつつ(汗)。
オンセを除けば、RLの回数も結構やってることになります。が、実は身内では「Detonation」の評判がやや悪くて、RLをやってくださる方がいなかったということもあります。Rの頃は鬼のようにやりまくってたのになあ……と当時を思い出してみたりw


☆各シナリオで拾ったPC枠


1枠:9回  2枠:1回  3枠:8回  4枠:4回  5枠:3回  不明:1回

というわけで、予想通りPC1村に住んでいることが判明w 驚いたことに2枠が1回、しかもこれは堀野さんRLによる「ドゥームズディの雪」のディックくん。物語的には1枠っぽい雰囲気もあったので、そう考えるとKIDさんはPC2村と相当縁がないことになってしまいます!w

・PC1枠が多い理由
:これはヒロインといちゃいちゃしたいわけでは決してなく(笑)、ストーリー的な立ち位置が明瞭でやりやすいからだと思います。ぶっちゃけ、複雑に考え込まずに出来るというか……決して考えないわけではないんですけどね!w

・3~5枠に入る理由
:えーと、これは僕のプレイスタイル(?)で、『他のPLさんが枠を選んだ後、残った枠を担当する』ことが多いからです。どうしてかというと、

身内で卓を囲む
→手持ちキャストのいない、N◎VA経験の少ない人から枠を決めてもらう
コンベで卓を囲む
→枠を選ぶ際の会話から、その人の嗜好などを知ろうとする

からかなあ、と。1、2枠は自分から入るPLさんが意外といるものなので、残る枠に自ずと限定されることになるわけです。つまり、僕の場合は3~5枠をそれほど意識してないみたいです。


☆各シナリオでどのスタイル枠を拾ったか


6回:フェイト
4回:トーキー
3回:カブト・イヌ・カタナ
1回:カブキ・バサラ・マヤカシ・アヤカシ・タタラ・アラシ・カゲ

回数が少なくてアレですが、主人公枠が多い「フェイト」、永遠のPC5枠「トーキー」、ヒロイン救助装置「カブト」、事件があるところ必ず「イヌ」、そして戦闘系枠の定番「カタナ」と、公式シナリオでも多く採用されがちなスタイルが上位を占めました。
ちなみに“鋼の騎士”ディック・リューベルツはカタナ枠でのエントリーが多いという、個人的に笑える事実がはっきりしてしまいましたw 15点は痛いけど、カブトの特技増やそうかなあ……w



というところで、ひとまず終了。
キャストの年齢分布などが次に控えてますが……少年キャストばっかりだからなぁ(爆)。


5周年!

2005年04月21日 | その他
サイトの一言にも書きましたが、“KID’S-FRONTIER”は5周年を無事迎えることができました!
最近ほとんどサイトの方に手をつけておらず情けない限りですが、見捨てないでいただけると嬉しいですw ていうか、見捨てないでぇーっ!!(泣)


……まあ、こっそり某野球漫画にハマってしまったせいで、色々とやってしまっているのも理由と言えば理由ですが……w 


近頃はオンセ中心になってしまっていますが、TRPG熱は衰えてませんし、これからも末永く遊んでいきたいなーと思ったりしてます。親にはぶっ殺されそーですが(汗)。ま、まあ、バレなきゃ大丈夫かなあ……(←反省の色なし)w
とにかく、就職している方々よりは時間がある程度空いているので、気合入れ直して頑張っていこうかと。


てなわけで、今後ともよろしくお願いいたします!

「うわぁ! 本だぁ!」

2005年04月17日 | 少年キャラ萌え
というわけで「ゾイドジェネシス」感想でーすw


第2話「バイオゾイド」

ムラサメライガーで謎のゾイドを一機倒したものの、崖の上から新手の2体が登場。戦い慣れていないルージくんの悲鳴が! も、萌え!(おいおい) その後も家についた火を消して回ったりするわけですが、まだ操縦がおぼつかない様子がw
一息ついたところで、自分がゾイドを操縦していることを再確認するルージくん。

「オレ……ゾイドに乗ってるんだよな……。
 (頬を伝う一筋の涙)
 ……っ……泣くことないじゃないか……っ

キ、キタ────!!!!

いい子だよルージたん!(ハァハァ) 今後もアレですね、ルージくんがゾイドに乗る喜びを演出してほしいなあ、と思います。ルージくんの父上曰く「ゾイドに乗ると独り言が増える」そうなので、ムラサメライガーにいっぱい語りかけてくれると激萌えですw
さて、新手の2体は味方で、ルージくんを助けてくれたわけですが。その内の1人、おそらくはヒロイン候補のレ・ミィの剣幕にタジタジのルージくん。

レ・ミィ「もう少しちゃんと動かしてよ。初めてゾイドに乗ったわけでもないでしょ!」
ルージ 「……初めて、だけど」
レ・ミィ「ふぇ?」
ルージ 「ゾイド動かしたの、さっきが初めて……」

そこで何故、頬を赤らめるんですかルージたん!(笑) くそうっ、やるなスタッフ!w
この後もレ・ミィのペースに押されまくってるルージくんが可愛すぎますw この2人が仲良くなってくれると、これまた王道好きなKIDにはたまらんものがあるわけですけどw

んで、翌日。
ラ・カンさんからさり気なく「村から出て、私と一緒に来ないか?」という誘い(違)を受けたにも関わらず、まったく気づかないルージくんは、商人に化けて村に入り込んだゾイド乗りザイリンと正面衝突。外の世界に興味のあるルージくん、本に興味津々。しかし弟に呼ばれたからって、ザイリンの落とした本を抱えたまま行くのは駄目です! 泥棒ですよ!(笑) 何気に天然かもしれませんw
ザイリンの正体が早々とバレて、さらに再びバイオゾイドの襲撃が! 素早く撤退しながら、ザイリンがこの一言! 

「本は君にあげるよ、ルージくん!」

会ったばっかりで親しげな! しかもいきなりプレゼント攻撃とは、手が早いですね(マテ)w
ルージくんはムラサメライガーに乗り込んで、バイオゾイドと戦おうとするものの、やっぱり頼りない!

レ・ミィ「素人は引っ込んでなさいよ!」
ルージ 「自分の家が焼かれたんだぞ! 黙ってられるか!」

おお、男らしい声に萌え~!w 
などと思っている間に、ザイリンが乗り込んだバイオゾイドが! 悲鳴を上げるルージくん! 

って、これ1話と同じ引きなんですけど!!(笑)


いやー、それにしてもルージたん萌えが急激に高まってしまいましたよ!w 次回はいよいよ旅立ちということで、家族とのお別れをしっかり演出してくれると嬉しいです。いや、涙ぐむルージたんが見たいとか言いませんヨ(笑)。

「信じる力は、現実になるから──」

2005年04月17日 | 少年キャラ萌え
レントンきゅんキタ────!!!


……えー、朝っぱらからすみません。
し、しかし萌え狂うかと思いましたよ(ハァハァ)w 何の話かというと、今日始まったアニメ「交響詩篇エウレカセブン」。この作品の主人公レントンくんがモロにKIDのツボにハマッちまいました(笑)。
夢を抱きながら叶える術を持たない少年とか、突然現れた謎のロボットと少女とか、女の子に一目惚れしちゃう少年とか、彼女のために奔走する少年とか……あああっ、何かもう色々とKIDの琴線に触れるものが……!w

レントン役の三瓶由布子さんは「ギャラクシーエンジェル」のココモを演じていた方。今回もばっちり元気な少年ボイスが……!w レントンくんはお調子者っぽいですが、お姉さんのこととかできっと切ない表情を見せてくれるんじゃないかと激しく妄想してますw

やー、「ゾイドジェネシス」に加えて、日曜朝のアニメはすげーや!w

日曜日に期待の星がッ!!

2005年04月10日 | 少年キャラ萌え
春といえば、入学・進学の時期。

……というのは世間一般の話で、僕からすれば新番組開始の時期!(おいおい)
今期はどんな萌え少年キャラが登場するのか、いつも以上にレーダーを張り巡らせなくてはなりません。見切って視聴中止していたアニメでも、最終回だけは律儀に見ながら新番組の予告をチェックし、録画予定を組むわけですが。

さて、毎週日曜朝8:30放映、というと。
身内だと「ふたりはプリキュア MaxHeart」を見ている人がいるような気がしないでもないというか、僕も最近は見ていたんですが(笑)。えー、ごめんなさい。たぶん「プリキュア」は録画枠から外れましたw

なぜなら、「ゾイドジェネシス」萌え少年主人公が出たから!w

「ゾイドジェネシス」は「ゾイドフューザーズ」の後番組。「ゾイド」シリーズ(と言っていいのかな?)の4作目になりますね。僕は元気な少年バン・フライハイトくんが主人公の第1作目が未だに忘れられず、続く「新世紀/ゼロ」「フューザーズ」はキャラ萌えはあったものの、作品としてはイマイチだったりしたわけで。
しかし、来ましたよ! 「ゾイドジェネシス」!!

新シリーズの主人公ルージ・ファミロンくんは、これまでの「ゾイド」シリーズの主人公に比べるとやや大人しい感じの少年。得意なことは素潜り計算(設計含む)。しかもゴーグルっ子ですよ!(ハァハァ) おまけに第1話から清々しい脱ぎっぷりを披露してくれたので、今後にも期待が(マテ)。
このルージくん、お父さんをゾイド乗りに持っているものの、まだゾイドを動かせないらしく。弟ファージ(お母さん似で、これまた萌え)に「お兄ちゃんは乗らないの?」と聞かれ、

ルージ 「これまで色んなゾイドで試したみたけど、ダメだった。お兄ちゃんはゾイド乗りに向いてないんだ。……みんな知ってる
ファージ「でも、ひょっとしたら…!」
ルージ 「……(少し悲しげに笑いながら、首を振る)」

や、ヤバ……! このやり取りだけで萌えてしまった……! つーかアレですよ、父の跡継ぎとして期待されながらゾイドを動かせないことに、もう何度も悔しい想いをしてるんですよルージたんは!(←調子に乗ってたん付け) 大人たちの失望や嘲笑の類も、ずっと浴び続けていたりとか……!(妄想中)

とまあ、KIDの妄想は置いておくとして。
突如村を襲ってきた謎のゾイドを倒し、村を救うために湖から引き上げたゾイド・ムラサメライガーに乗り込むルージくん! 先祖代々伝わってきた大刀をライガーの背に装備し、敵ゾイドを一刀両断! カッコイイ!! ブレードライガーを彷彿とさせますなあw


さあ、これで日曜日に楽しみが増えましたよ!!(笑)

思いやる心が、2人を繋ぐ。

2005年04月10日 | 少年キャラ萌え
えー、「名探偵コナン 水平線上の陰謀(ストラテジー)」を見てきましたー。
今回は推理色が濃く、なかなか楽しめましたよ~。シリーズ初の「二重(デュアル)サスペンス」とのことで、メインの舞台である船上の事件と、陸地で起こった事件の2つが関係していくわけですが……船の事件の方が多く描かれていただけに、「二重」というほどではなかったかな、と。地上と海上で同時進行するような話だったら、そう思えたかもしれません。まあ、あくまでメイン舞台は海ですし、仕方がないところかも。
ちなみに事件だけでなく、あるものにも二重の罠が……! KIDは当然のように犯人の罠に掛かりましたw ぐぬぬぅ。
アクションもところどころにありました。定番となったコナンくんのハワイ習得スキルもありましたしw しかし「迷宮の十字路」でもありましたが、コナンくんの超人的な運動能力やりすぎだと思いますw いや、萌えたけど(マテ)。

コナン君と蘭のラブっぷりは本編早々から拝めますw 今回は「好きだよ新一……」「らーーーーーん!」という恋愛ループがない代わりに、幼い頃の2人のラブっぷりが拝めます。つうか、お前らさっさとくっつけよ!(笑) でも原作も進展ないしなァ……orz

ま、いつもの展開はさておいて。
今回はおっちゃんですよ! 毛利小五郎が魅せてくれましたよ!! ドジっぷりはいつものことですが、それを覆す大活躍! 小五郎ファン(…いるのか?)の人は必見です!w 


クライマックスがちょっともたつき気味というかハラハラ感が足りないな、という部分があったり、犯人のトリックに「ちょっと無謀なんじゃないか?」と思うものがあったりしたものの、全体的に見れば結構よかったんじゃないかと思います。阿笠博士と少年探偵団の会話は、まさに子供へ向けたメッセージだなあ、という感じで。それに繋がった今回のラストは、心温まる内容で個人的に好きですね。


うーむ、もう一回見に行くべきか……(笑)。

「光速のランニングバック──アイシールド21!」

2005年04月06日 | 少年キャラ萌え
さあ、始まりました! 「アイシールド21」!!
これで水曜日の7時枠は「アイシールド21」&「NARUTO」で、KIDさんウハウハです(笑)。
というわけで簡単に感想~♪


第1話「光速の脚をもつ男」

なんと初っ端からアイシールド21が登場! 原作とはちょっと変えてますね。でもここのラン、もうちょっと大袈裟なくらいに足音を激しくしてほしかったなあ、と思ったり。土煙も派手だし。
作画についてはよく分からないのでパスw しかし栗田さんがすげー色黒でびっくりしましたw 

んで、一番問題だった声ですが。
瀬那役の入野自由さんは「D.N.ANGEL」の大助役で十二分に萌えさせてもらってたので、OKっすよ! やっぱり気弱な役似合うなぁ……w 後はどんどん出てくる瀬那の男っぷりをしっかり演じてくれれば!
ヒル魔さんは……うん、放映前のアレでちょっと凹んでましたが(笑)、アニメで見ると何とか大丈夫みたいですw これから頑張ってほしいなぁ、と思います。
栗田さんは……微妙に声太すぎ? なんか脳内イメージがもうちょっと高めだったからかも。この辺は慣れかなあ。

あと、モン太がちょこちょこ出てたので嬉しかったですよ! しかも声は山口勝平さんだし! 期待が高まろうってもんですよ!w

お、おまけに、何!? あのEDのモン太!!!
めっさ可愛いじゃねえかよ、おい!!!(←マテ)
小結君がモン太より先に出てたのには疑問が残りますが(いや、小結君好きだけどw)、2順目に回ったお陰でドアップのモン太が拝めたと思えば……。
よし、許す!(笑)


ああ、早くモン太出ないかなァ……!w

「我々は個別の11人──」

2005年04月06日 | アニメ一般
深夜枠で、「攻殻機動隊S.A.C. 2ndGIG」が始まりましたねー!
これでN◎VA分を補給できますよ!(ハァハァ) まー、実のところKIDの頭では理解できない内容があったりして、お前は本当にN◎VAに向いてるのかと疑問に思うこともありますがw まあ、足りない脳味噌をフルに使って、ああいう雰囲気だけでも出せたらいいなあ、とか思います。

つか、政治ネタとか難しいよ! カコイイと思うだけで精一杯さ!(←それはどうか)

黒犬クロくんが重い腰を上げて(←比喩表現です)「N◎VA-D」のルルブを購入してくれたので、現在オンセを準備中……なのですが、最近シナリオ作ってなかったからなァ……。


……しまった。アニメ一般カテゴリなのに、TRPGになってるよorz

と、とりあえず……クシャナ殿下&ハマーン様声の女性総理は燃え萌えですネ!(笑)

散りゆく花、彷徨う雷鳴

2005年04月03日 | 駄文
「──嘘、だろ……?」
自分でも信じられないほど、唇から漏れ出た声は動揺していた。
そもそも客が来ない店ではあるが、今はたった一人──雨宮響の他に客の姿はない。彼女とカウンター越しに話している青年・志生蛍の術で、普通の人間はこの店には近づけないようになっているからだ。
「……本当だよ」
蛍の穏やかな表情が、苦しげに歪んでいる。これまで仲間たちを優しく諭してきたリーダー格の彼も、今回のことでひどく憔悴していた。
「絵理香ちゃんは……死んだ」
「……っ」
響は息を呑んだ。高樹絵理香。この店“ID”に訪れる者たちの一人であり、大切な仲間。その正体は現代において創造された、森の高貴な妖精たるエルフ。儚い印象を与える少女ではあったが、その芯の強さは誰もが惹きつけられる輝きを放っていた。
その、彼女が。
「何で!」
バン、と両手をテーブルに叩きつけ、響は腰を浮かせた。その表情は怒りと、これまで誰にも見せたことのないもう一つの感情が滲み出ていた。込み上げてくる感情の迸りを抑えるように俯くと、艶やかな黒髪が流れ落ちて彼女の顔を隠す。
「何であいつが死なないといけない!?」
「……君が前から言っていた通りのことだよ」
「……?」
相対する青年にも怒りや悲しみがあったが、その眼差しは穏やかだった。数百年の時を過ごしてきた蛍は、数多くの別れを経験してきている。無論、それで悲しみに慣れてしまうわけではないが、激情を押さえ込むことだけはできた。何より目の前の、まだ二十年ほどしか生きていない響がいる前で、彼が感情に振り回されてしまうわけにはいかない。
「絵理香ちゃんは優しすぎた。目の前に自分を傷つける者がいても、それが本意でないと知ってしまったら……彼女は傷ついてでも戦いを止めようとするから」
「あの……馬鹿……!」
絞り出すように、響が声を上げた。
「だから言ったんだ! いつかその優しさが命取りになるって……! なのに、あの子は……!」
妖怪によって母を殺され、その復讐を誓った響にとって絵理香は甘すぎる考えの持ち主だった。戦いを好まず、敵にさえ情けをかけてしまいかねない少女が、響には理解できなかった。戦わなくては殺される──理屈も感情も関係のない、それが真理だ。
だが、絵理香は響の考えに賛同しなかった。最後の最後まで。
「……馬鹿だよ、本当に」
「でもそれが彼女の選んだ道だよ、響」
蛍がそっと、項垂れる響の肩に手を置いた。
「後悔がなかったわけじゃないだろう。彼女にはまだ多くの時間があったんだから……。それでも、彼女には譲れないものがあったんだ。たとえ命を懸けることになっても、退くことができない理由がね」
「だからって死んだら何の意味もない! 生きていなきゃ声は届かない! 触れ合うことも、この手で止めてやることもできないだろう!? 死んだら、それで終わりなんだ!」
ぽたり、とテーブルに滴が零れ落ちる。
涙を流したのは、母を殺された時以来だ──激しく悲鳴を上げる心の、まだわずかに残された冷静な部分がそう囁いていた。誰かのために流せる涙があったことが、響には信じられなかった。こんな弱々しいものは、とうに捨て去ったつもりでいたのに。
「くそっ……なんでオレが……」
「響」
目の端を拭う彼女を見つめながら、蛍は悲しみを帯びたまま微笑んだ。
「君のその涙が、絵理香ちゃんのいた意味の一つじゃないのかな」
「…………」
「君はまだ怒りに全て染まってしまったわけじゃない。君には友人の死を悲しむ優しさが……絵理香ちゃんと同じものが残っている。だったら、その想いを大切にすべきだ。彼女の死を、無意味なものにしたくないのなら」
「勝手なことを言うな……っ!」
顔を上げた響の瞳から、もはや涙は完全に消え去っていた。
「オレはあいつとは違う。優しさなんか……必要なものか!」
背を向けて立ち去っていく響。
蛍はそれを黙って見送った。彼女が駆るバイクのエンジン音が遠ざかっていくのを耳にしながら、蛍は小さく溜め息を洩らした。高樹絵理香の死がネットワーク“ID”に与えた影響は計り知れない。特に若い妖怪たちの動揺は大きく、彼らの心に暗い陰を落としている。
「……動くべきなのかもしれないな」
可能性は低く、望む全てを取り戻せるかどうかも分からない。
だが、それでも賭けてみるべきだと蛍は感じていた。何より絵理香の周りには、大切な人間たちがいる。自分たちの失策のために彼らが悲しむのは、あまりに不条理だ。
「たとえ命を懸けることになっても──」
蛍は決意を宿した瞳で、淡い輝きを放つ己の右手を見つめた。


「くそっ……くそっ……!」
制限速度を大きく超えたまま、響と彼女の駆るバイクは夜の道路を走り抜けていた。
全身に吹きつける風はひどく冷えきっており、普段感じる爽快感など欠片も感じられなかった。自分の鼓動と重なる瞬間が楽しみだったエンジン音さえ、今はただ不快なだけだった。
「くそっ……くそっ……畜生ぉっ!!」
叫んだ。今はもう会うことのできない、友人に向かって。
響はひたすらに吠え続けた。

己の中にある怒りを、より高めるために。
己の中にある弱さを、二度と見せぬために──。

「盟約の剣」 第六章

2005年04月01日 | 駄文
それは──運命だと思った。
今こうして目の前に立っていること、いや……ここへ来ること自体があらかじめ定められていたことなのだと、天啓のように閃いた。そうした考え方が嫌いなディックでさえ、それを見つめた瞬間に魅入られたように動きを止めていたのだ。
盟約の剣。
神殿と呼んでも構わない巨大な建築物の、その最深部に眠っていた両刃剣。
鈍い輝きを放つ刀身は深々と床に突き刺さって半ばまで姿を隠しており、柄には入口で見たものと同じ2匹の竜が意匠化されていた。だが何よりもその気配──神々しいとも禍々しいとも言えない、独特の雰囲気がディックとローランドをその場に縛りつけていた。
「本物だな……こいつは」
微かに震える手で、ローランドは頬を伝う汗を拭う。
「“聖杯”に“聖銃”……その手の代物はいくつか見てきたが、こいつも同じ匂いがしやがる」
「おっさん、本気でこれをいただいていくつもりか?」
「……いや」
ディックの問いに、ローランドはお手上げだと言わんばかりに首を横に振った。
「こいつは、無理だな。俺が持つには重すぎる」
「……だよな」
同感だと、ディックも頷いた。武器に限らず、美術品などにも強い力を放つ物品は多く存在する。そして、そうした物品は往々にして持ち主に奇妙な運命をもたらすのだと、聞いたことがあった。
「どうする?」
「まあ、仕方ねえ。映像記録だけでも録って──」
「──それはできぬ」
「!」
不意に現れた気配に、2人は振り向いた。だが、入口の方には誰の姿もない。
一瞬、気のせいかと緩んだ意識の隙間を、その声は嘲笑った。
「ここだ」
「っな!?」
再び盟約の剣へ向き直ると、その傍らには2人に無防備な背を晒して白い人影が佇んでいた。馬鹿な──ディックは戦慄が走るのを感じながら、突如として現れた存在に対して身構える。背後にいた時の気配も、それどころか剣に近づかれた動きさえディックには感じ取れなかったのだ。尋常な存在であるはずがない。
「愚かな侵入者よ、招かざるべき定命の者よ」
そう口にしたのは、人影の肩に止まっている鴉だった。
「この地は汝らのものにあらず。早々に立ち去るがよい」
「……おい、鳥が喋ってるぞ」
「おっさんは黙ってろって」
ローランドを後ろに下がらせ、彼を庇うように立ちはだかる。この状況でも全く怯えていないのはさすがに冒険家らしい胆力だが、目の前にいる者は危険すぎるとディックの本能が警鐘を鳴らしていた。あの独特の雰囲気には覚えがある。人間の世界の裏側に潜む者、深い闇の世界で蠢く魔性の存在。
アヤカシと称される、人外のモノ。
「特殊部隊の次は化け物かよ……ったく、ブロッカーの目算狂いすぎじゃないのか……」
ディックは強がるように笑みを浮かべながら、“アレス”を抜き放つ。
「お前は……誰だ?」
「…………」
雪色のコートが静かに翻り、振り向きざまの冷たい眼差しがディックを射抜いた。
まるで雪か氷の結晶から作り出されたような整った美貌。唯一色彩の異なる真紅の双眸。どこか危うい儚ささえ漂わせながら、身体に纏うのは濃厚な死の匂い。化け物と呼ぶには何かが不釣合いで、それでいてこの世ならざる雰囲気が漂う女だった。
「あるじはこう言いたいのだ」
依然として沈黙したままの女に代わり、鴉が再び告げる。
「私は定命の者に冷たき運命をもたらす使者。幾千幾万という儚き終わりを見届ける傍観者……。故にお前たちは私をこう呼ぶだろう──“雪色の死神”と」