「ぼくら党」のブログ

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自民党の政権担当能力-(1)内政問題

2006-09-20 00:51:20 | 自民党・公明党
■政権担当能力とは、行政の継続性や当事者責任のことを指しているのではないだろうか。大幅な現状変更によって生じる歪みを考えれば、そのような政策を主張するのは政権を担当する事の責任を自覚しておらず、そのようなあり方を「無責任」として、自民党は野党に対して「政権担当能力無し」と批判してきた。

■従来から彼らの語っていた有り方(政権担当能力)で考えれば、現在のような手法はあり得ないものであり、行政の継続性や当事者責任があるならば、大幅な外科手術的な政策変更はあり得ず、忍耐を要する漢方療法的な手法によって、現状変革を成し遂げるべきものである。

なぜなら、従来の考え方であれば、大幅な変更によって生じる多数の被害者(負け組と言われている人々)が生じる事のないように、対処しなければならないからであり、その制約があるなかで、政権を担う能力を「政権担当能力がある」といってきたはずである。 また行政の継続性を重要視するのも、「最小限の被害者にとどめる制度変更」という制約を前提に導き出されるものであったからではないか。

しかし、小泉氏が首相に就任してからの自民党は、彼らのよく語る自民党にあって民主党にない「政権担当能力」(と、彼らは主張している)が、大幅に失われた感がある。小泉内閣は大幅な現状変更によって生じるひずみを是正しようとはせず、それによって生じた「格差社会」を逆に称揚している。

また、数々の不祥事に対して何ら責任を取ろうともせず、「責任」という言葉を全く無意味なものに落としめてしまった。これらを見ると現在の自民党には、行政の継続性や当事者責任は殆どと言っていいほど無い。

■― 党政調正副会長会議で、中川秀直政調会長が小沢ビジョンについて「無責任さが随所に出ている」と指摘。― と有るが、現在の自民党には「最小限の被害者にとどめる制度変更」という前提がないのだから、自民党も無責任であると言える。

■次期総裁である安倍氏の政策には、「再チャレンジ」があるが、このような政策では殆どの負け組とされている人たちを救いだすことはできず、ごく少数の人々を救いだすことしかできない。殆どの人間はワーキングプア的な生活を強いられることとなる。

しかし、「再チャレンジ」と主張している人々はこの事に気づいていないわけではなく、そのことは完全に織り込み済みで有るようだ。

■とあるテレビ番組で、自民党議員の世耕氏は「年収150万の人々はどうやって生活すればよいのか」。という問いに、「スキルアップによって、そのような地位から抜け出せるようにする」。と答えていた。これは裏を返せばスキルアップできない人間は永久に負け組であるという事だ。(しかもスキルアップしたとしても勝ち組になるとは限らない。)

■その他にも、「格差が無いなどあり得ない」。と発言していた。確かに格差があるのは当然であるが、底辺の人々が、憲法第25条にあるような、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む」ことが出来なければ問題であり、底辺の人々が第25条的な生活ができるという前提での格差容認でなければならない。

しかし、彼らの語る格差容認論の前提は、全ての国民に第25条的生活を営めるように努めなければならない政府の義務を放棄した上での格差容認なのだから一般国民の立場で考えれば、とても容認できるものではない。

■この「格差が無いなどあり得ない」という発言は、あたかも、もっともらしい一般論を語っているようだが、実はとんでもない責任放棄を主張しているのではないか。 そして政府は、その原因を社会構造ではなく、「スキルアップ」できなかった個人に責任を転嫁することによって、当事者責任すらも国民に押し付けようとしている。「再チャレンジ」とは、責任隠しであり、政府の責任を覆い隠くすためのアリバイ作りでしかない。―――――(続く)



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-以下引用記事-
http://www.asahi.com/politics/update/0912/007.html
小沢ビジョンは「無責任」 自民が民主検証チーム発足
2006年09月12日20時42分 
自民党が12日、「民主党政策検証チーム」を発足させた。民主党との政策論争に打ち勝つため、小沢代表が発表した基本理念・政策の「小沢ビジョン」や過去の発言を分析し、党首討論などの場で活用する。10月の衆院補選をにらんで、今月中に報告書をまとめる。  

この日の党政調正副会長会議で、中川秀直政調会長が小沢ビジョンについて「無責任さが随所に出ている」と指摘。「政府・与党が野党の政策を問いただすのは大人げないと感じた時代もあったが、野党第1党の政策を検証することは重要な責務だ」と強調した。  会議では、小沢ビジョンが打ち出した格差是正のための社会保障政策や、農家への戸別所得補償について「大きな政府型ばらまき財政だ」と批判が集中した。


2 コメント

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スキルアップと自己責任 (こま)
2006-09-20 17:01:18
自民とか今現在良い位置にいる方は、元々、底辺の底上げなど考えていないと思います。むしろ上がって来てもらっては困るのでしょう^^;残念ながら・・

この国は、ますますレールが敷かれてしまい出して、

レールを外れては、生きられない様になりつつあると思います。レールは其々、上層部レールと下層部レールとに分けられていて、交わる事などない仕組みです。名ばかりの”再チャレンジ”なんて、チャレンジにエントリーすら出来ない層が増えているのに何を暢気なおぼっちゃん発想なんでしょうね@@
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こまさん、コメントありがとうございます。 (管理人)
2006-09-21 23:35:11
まったくその通りですね。再チャレンジというなら、全ての既存勢力を解体してから言うべきでしょう。そんなこと不可能です。奴隷制があって初めて機能する構造を変えない限り、格差社会に向かう傾向は変わる事が無いでしょう。



ローマ帝国では、一部の奴隷はライオンに勝って市民になったようですが、再チャレンジの構図はそれと同じじゃないですか。
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