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経済同友会の靖国提言と小泉首相の対応について

2006-05-13 12:27:40 | 靖国神社・愛国心・天皇問題
■5月9日、経済同友会が首相の靖国神社参拝についての提言をおこなった。これに対する小泉首相の対応は、いつも通り「商売と政治は別」というもので、頑ななまでに参拝中止を拒否している。参拝する、しない、のやり取りは数え切れないほど行われてきたが、そのなかにあって、小泉首相は靖国参拝の意味合いを変えてきている。

当初は、8月15日の靖国参拝について「内閣総理大臣小泉純一郎として参拝する」と明言するなど靖国参拝に政治的意味合いがあることを自覚しての発言であったが、現在では一人の国民としての心の問題として靖国参拝を説明している。

■小泉首相は「財界の人から商売のことを考えて『参拝してくれるな』という声もたくさんあったが、『それと政治は別だ』とはっきりお断りしている」と言うが、現在は、一人の私的な宗教的感情から参拝していると説明しているのだから、「それと政治は別だ」はおかしい。本来なら「一人の国民として参拝しているのだから、とやかく言われる筋合いはない。それによって商売に影響がでても関係ない、私の宗教心の方が大事だ」というべきだろう。

■小泉首相は、参拝の意義を、政治的意味合いとしての靖国参拝と、一人の私的な宗教的感情からの靖国参拝を、その場その場で使い分けるので、安部官房長官が言うように「首相は国のために戦った方に手を合わせ、追悼の意を表するためにお参りしている。靖国参拝の意義が誤解されているなら、しっかり説明していかないといけない」といったところで理解される分けがない。

■「不戦の誓いを込めて靖国神社を参拝している」と主張しても、靖国神社は現在でも、明治期から昭和期までに行われた帝国主義的海外進出を自衛戦争として解釈しており、正しいものであると主張しているのだから、よく言われているように、靖国神社に対する参拝は、遊就館的歴史観(世界観)を肯定していると理解されても仕方がない。いくら説明しても中国・韓国が理解することはないだろう。

靖国神社は、戦死者を顕彰するためのものなのだから、靖国神社に対して、不戦の誓いを込めて参拝するには適していないと思う。やはり、経済同友会の提言のように不戦の誓いを行う追悼碑を国として建立するべきだ。

記事には、「政府高官は提言が国立の追悼碑建設を求めたことに対し「遺族の心境を考えるとせんえつだ」と批判した。」とあるが、当然、個人の宗教感情として靖国参拝は自由であるし、個人が靖国神社をどう捉えるかも自由である。それに対して、まったく異論を挟む余地はない。しかし、個人の感情と国家の意思は別ではないか。国家の意思として、先の大戦に対しての反省と不戦の誓を形として表明すべきだと思う。

■その他の記事には、自民党国会議員有志(平和靖国議連)は、「経済的利益の追求に偏し、国家存立の基盤である精神文化の尊厳を見失う」と非難する声明を決議した。とあるが、靖国神社は「国家存立の基盤である精神文化」なのだろうか。

靖国神社は、政府が戦争を遂行するうえにおける、戦意高揚と、その戦死者の顕彰という政治的な役割を担っていたのだから、国家存立の基盤である精神文化と言うよりは、行政機関の一部であると思う。

現在の状況は「経済的利益の追求に偏し、国家存立の基盤である精神文化の尊厳を見失う」というよりは「日本の代表たる総理大臣が、一宗教団体の靖国参拝に偏し、国家存立の基盤である実質的国益を見失う」ことになっていると言えるだろう。


-以下参考記事-

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060510-00000188-kyodo-pol
ポスト小泉選びに影響 応援団の参拝中止提言で

経済同友会が悪化した日中関係打開のため、首相の靖国神社参拝中止を求めた提言をめぐり政府、与党内で波紋が広がっている。参拝を続けてきた小泉純一郎首相は相変わらず強気だが、小泉改革「応援団」の財界からの“苦言”だけに、首相の後継選びにも影響を与えそうだ。 

小泉首相は10日、靖国参拝について記者団に「日中の経済関係は今までになく拡大している。影響ないよう努力するのが双方大事ではないか。この一事で首脳会談を行わないことがいいとは思わない」と従来の立場を繰り返した。 

首相周辺は「下手に反発を強めると問題が大きくなるだけ」と提言をめぐる応酬を沈静化させたい考えだが、経済同友会から事前に提言に関する十分な情報提供がなかったようで、官邸サイドには不快感も強い。政府高官は提言が国立の追悼碑建設を求めたことに対し「遺族の心境を考えるとせんえつだ」と批判した。 (共同通信) - 5月10日20時24分更新

http://www.sankei.co.jp/news/060509/kei094.htm
「政治とは別」首相が経済同友会提言に不快感  

小泉純一郎首相は9日夜、経済同友会が「今後の日中関係への提言」として、首相の靖国神社参拝の自粛や不戦の誓いを行う追悼碑の建立を求めたことについて「ひとつの意見でしょう。靖国は外交カードにはならない。財界の人から商売のことを考えて『参拝してくれるな』という声もたくさんあったが、『それと政治は別だ』とはっきりお断りしている」と述べ、強い不快感を示した。官邸で記者団の質問に答えた。 (05/09 19:46)

http://www.sankei.co.jp/news/060510/sei101.htm
経済同友会の靖国自粛提言に批判相次ぐ 首相も不快感

小泉純一郎首相は10日夜、経済同友会が首相の靖国神社参拝自粛を求める提言を出したことについて、「日中間の経済関係は今までになく拡大しているし、交流も深まっている」と述べ、自らの参拝が経済に与える影響を否定した。首相官邸で記者団の質問に答えた。  

安倍晋三官房長官は記者会見で、「首相は国のために戦った方に手を合わせ、追悼の意を表するためにお参りしている。靖国参拝の意義が誤解されているなら、しっかり説明していかないといけない」と述べ、提言に不快感を示した。  一方、自民党国会議員有志の「平和を願い真の国益を考え靖国参拝を支持する若手国会議員の会」(平和靖国議連、今津寛会長)は、「経済的利益の追求に偏し、国家存立の基盤である精神文化の尊厳を見失う」と、経済同友会を強く非難する声明を決議した。 (05/10 20:46)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/yasukuni/tachiba.html
外務省・靖国神社参拝に関する政府の基本的立場

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4 コメント

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その通りですね! (コウタ)
2006-05-14 07:07:56
どうも、こんにちは!

オレもそう思います。

記事で「~だろう。」と言う部分、もっと断言するような言い方でも全然OKだと思うほど、しっかりとしたご主張だと思います。

今後も応援していきます!

では、また。

返信する
TBありがとうございます (寒北斗)
2006-05-14 16:26:04
「政治とは別」との意見に対しては、政治として参拝しているなら、日本政府の謝罪が嘘だったということになります。

「遺族の心境を考えるとせんえつだ」に対しては、昭和天皇の意思を無視して靖国神社が勝手にA級戦犯を合祀したために、それまであった天皇の参拝がなくなったことを、遺族たちはどう考えているだろうかと反論します。僭越なのが誰かは言わずもがなです。

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お願い (BlogStation69)
2006-05-15 22:39:58
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コメントありがとうございます。 (管理人)
2006-05-15 22:48:10
コウタさん、寒北斗さん。コメントありがとうございました。
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