目先の感情 「気持ち」ってのは時々刻々変化するものであって 一貫性がない
無差別殺人犯の報道があったりすると 「何だコイツ死ねばいいのに」なんて思うこともあれば
服役囚の6割が幼少期に暴力を伴う虐待を受けて育ったという事実を知れば 罰だけでは問題の解決にはならんのじゃなかろうかとも思うだろう
「天使と悪魔」じゃないけど 一人のヒトの中には様々な感情気持ちが渦巻いていて それは目先の状況とか環境とかに左右されてコロコロと変化するものでもある
どんな情動行動バイアスが「天使」で どんな情動行動バイアスが「悪魔」なのかは 本当は「知って」いて だからこそ「天使」か「悪魔」かが区別できる
ところが 冷静さを失うとこの区別もできなくなる
パニック状態のヒトというのは 自分の感情が意識の全てになってしまって 客観的に物事を検証する冷静さを失って 非合理な行動に異常執着することがある
振り込め詐欺師に騙されている人とか 「ワクチンは危険」クラスターのデマに洗脳されている人とか カルト宗教の信者とか
別に単純に「多数だから正しい」ということにはならないのだけれど
「自分が主観的に信じたいと思っている」ことが「正しい」ことにもならない
入手できる様々な情報全体像から 客観的根拠を伴った合理性ある情報がどれなのかを判別することで 本当に安全な行動選択もできるようになるのだけれど
ヒトはどうしても一度信じ込んだ話に都合の良い情報だけを集めてきて 一度信じ込んだ自分の判断を事後正当化する形でデマや嘘を鵜呑みにするようになる
そうしておかないと 「一度信じ込んだ自分」の愚かさまで認めないといけなくなるので これが気分を害するので 都合の悪い話には耳を貸さなくなる
これがいわゆる「認知的不協和理論」である
一度何かを信じ込んでしまうと 自分の気分にとって都合の悪い嫌な話の全ての方を「嘘」だとみなすようになるので 客観性を失ってヒステリックに他人の説得も拒絶するようになる
振り込め詐欺師に騙されている人は 「嘘でも良いから振り込ませてくれ!」などとまで言い出すことがあるという
ヒトという種の生物には 先天的に嘘やデマを信じ込んで疑わなくなる習性が存在しているのである
進化的な「説明」をすれば 特定の統率者の命令に疑いを持たずに唯々諾々と服従することによって 協調的に「大きな力」を発揮することができるため これが「種の保存」にとって適していた結果だと言える
歴史書をひもとけば 武力で多民族を制圧し 巨大国家を作り上げ 様々な巨大遺物を作り上げた痕跡も多数見つかっている
ヒトという種の生物は 一色で塗りつぶすことが安心で 多様性を受け入れたがらない習性があるのだ
統率的な協調性は 他民族を武力制圧することが可能であり 人類の歴史の大半は戦争による侵略の歴史でもある
自分達と異なる文化や習慣を持った他民族の存在が不安で気に入らず 武力制圧して自分達の文化や風習を押し付けておくことが安心なため ヒトは戦争をしなければいられない
ロシアでのキツネの人工繁殖実験では ほんの数世代で多様な変異が起きることが立証されているのだが 実際の自然界でのキツネは極めて特定の種類しかおらず 変異した個体は観測できない
これは キツネが集団組織に馴染めない個体が発生した時に 排除する習性を持った個体種への淘汰圧力によって 多様な変異体が死滅しているからである
キツネの生息環境においては 多様性を受け入れてしまう行動習性を持っていると 生存や種の保存にとって不利な状況になったため 結果的に淘汰され 多様性を受け入れない行動習性を持った個体種だけへの「進化」が生じたためである
それなら変異が生じにくい変異が生じても良さそうなものだが 「変異が起こりやすい」かどうかは先天的に決まっているのであって これは望むと望まざるに関わらず変えることが出来ない
変異とはランダムに発生するものであって 統一的な「目的」がないからだ
COVID-19ウイルスが 様々な変異を起こすことによってヒトへの感染拡大能力が高まり「種の保存」に適することも 「生存戦略」や「目的のため」ではなく 単なる「結果」でしかない
変異というのは結果的に「種の保存」にとって適していたから変異するメカニズム機構が組み込まれているのであって 変異を起こしにくい個体種が死滅した結果でしかなく 「種の保存」を目的として意図的に変異しやすいゲノムを戦略的(主体的)に「選択」したわけではない
そもそも変異している時点で「種の保存」にはなっておらず 変異の先で絶滅するとしても変異を止めるような構造や機構や淘汰圧力が働かない以上 変異は暴走的に起こり続けるのである
キツネの遺伝子が変異しやすいことも もはやキツネにはどうしようもない「結果」であって 民族浄化バイアスを持った個体種への淘汰圧力が働かない個体種以外が生息環境に適応できない以上 変異種は全て排除死滅せざるを得ない
ゲノムも習性も 主体的には選択不可能なのである
客観的に見れば武力戦争には何の合理性もないことは明らかなのだが ヒトは主観的に「気に入らない相手を排除差別して民族浄化をしておかないと不安」な習性があるため 死刑を伴う刑罰で「全てが解決」したことにしなければいられないのである
武力紛争の全ては 他民族や他国家に対する「懲罰」である
終いにゃ自国民にまで暴力を振るうようにもなる
ミャンマー軍事政権や香港警察による国民弾圧は 太平洋戦争に突入していった日本政府のやっていることと構造は同じである
ヒトはかつて 祖先の時代には統率的な協調性によって他民族を差別排除することで生き延びた生物の末裔なのである
だから戦争や暴力や刑罰や差別排除がいつまでもなくならない
ヒトはイマヌエル:カントが言うような叡智界になど属していないのである
多くの大衆や「哲学者」達は 訳のわからぬ実証不能の謎の屁理屈を大量に陳列された後に 「人間は叡智界に属しているのである」などと言われれば 根拠もない勝手な決め付けであるにも関わらず 主観的に満足することで鵜呑みにし 何の疑いも持たなくなる
これは洗脳そのものである
洗脳されている人々は 気分的に満足で安心だからこそ 洗脳だと自覚できない
「人智を超越」し「絶対に知覚することができない」叡智界なんぞを鵜呑みにして信じている方が頭が どう考えてもおかしい
現状の哲学界というのは そういう頭のおかしいキチガイの巣窟なのである
多くの大衆やマスコミは そうは「思わない」だろう
主観的に「思わない」自分を事後正当化する形で 疑いすら持とうともせず 誰一人検証もしない
「自分だけは絶対に間違えてなどいない」と主観的に「思って」いるからである
自分の主観を絶対だと「思って」いれば DaiGoのように「ホームレスは殺せ」という主張にも簡単に陥るし 梅沢富美男のように「相模原障害者施設虐殺事件の犯人など死刑にしちまえぇ!」と怒鳴り散らして大衆人気を得ることも簡単である
それらはとても簡単なことなのである
Ende;