goo blog サービス終了のお知らせ 

書き逃げアンドロイド。

副交感神経が優位になるような写真が好き。

モスマイト。

2013年01月23日 15時16分31秒 | ネタ帳
三菱レイヨンでは、モスマイトっていう低反射フィルムを開発したそうです。

http://www.mrc.co.jp/rd/research/result.html
ページのかなり下のほうにチョコッと書いてあるので、スクロールしまくってください。


 カメラメーカーのキヤノンがレンズに用いているNanoStructureCoatingと同じ原理の反射防止フィルムらしい。黒い板に貼付けて遮光フードをこさえるとか、プロテクターフィルターに貼付けるとか、いろいろ応用できるのかもです。

 サンプル配布してもらえないかな。

 ◇追記:ナノ構造による反射防止フィルムはあちこちの会社で取り扱っているもので、ことさら三菱レイヨンだけの専売技術ではなかた。



Ende;

インターネプコンジャパン2013。

2013年01月23日 13時56分11秒 | ネタ帳
○インターネプコン2013。(1月17日に行ってみた。)

 DOWAホールディングスがCNT(CarbonNanoTube)を用いた電界効果型蛍光照明を開発したとのこと、実物を見てみたいと思って何度かブースに立ち寄ったんですが、試作実験段階の装置の安定性が良くなかったようで、結局光っているところは直接見ることは出来ませんでした。http://www.dowa.co.jp/

 結局テレ東のWBS「トレたま」で点灯状態を放映していました。
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/trend_tamago/post_33689/

Fig:
 やたらと大袈裟な機械ですが、真空槽と真空ポンプで空気を抜くためのものなので、製品ではこんなに大仰な装置は必要ないと思います。何度も空気を出し入れしていたために塵芥が混入して点灯しなくなったのかも知れません。意外と展示場は埃っぽいのかも。

//-----

 朝日ラバーは透明なシリコンゴムを用いたLED用のレンズや、蛍光材を混入させた青色LED用の白色系蛍光チップなどを出展していました。シリコンゴムはエポキシ樹脂と比べて紫外線透過性能や耐熱性能が高いとのこと、

http://www.asahi-rubber.co.jp/products/led/index.html
 主に日亜のLED用に製品化しているそうで、1万色以上の色が作れるとのこと。サンケン電気がファンシーカラーLEDっていうのを出していて、特注色も受注していたけど、発色の原理としては同じもののようです。

 ちなみに蛍光材料というのは赤色が高価なんだそうで、可能な限り蛍光材を少なくする工夫をするんだとか。

//-----

 日本電気ガラスも蛍光材を混入させたガラスというのを出展していました。プロジェクターなどで用いる点光源を蛍光材に青色レーザーを照射して作るためのものだそうです。
http://www.neg.co.jp/epd/elm/product/other02.htm
 点光源が作れれば自転車の前照灯の反射鏡や集光レンズの小型化が出来ると思うんだけど、青色半導体レーザーっていうのは秋月電子通商では扱っていない。

 誘電体多層膜らしき反射板を用いた展示もありました。誘電体多層膜というのは普通の色ガラスと全く異なるトリッキーな性質があるので不思議な見え方をします。
Fig:

 ちなみに誘電体多層膜についての詳しい説明は、シグマ光機のサイトが参考になります。
http://www.products-sigmakoki.com/category/opt_d/opt_d03.html#02
 やんわりとなら曲げることの出来るガラスリボンというのも出展していました。
http://www.neg.co.jp/epd/opt/jap/seihin/glass-ribbon.html
 そういえば以前、ドイツのガラス材料メーカーSCHOTTもスマホのタッチパネル用薄板ガラスをプラスチックフィルムみたいに丸めて展示していたことがありました。ガラス原料によってはある程度の柔軟性が得られるみたいだけど、割れる時には破片が飛び散って危険なのに変わりはないんだと思う。

//-----

 ニデックは誘電体多層膜形成用の大型真空蒸着槽を持っているらしくて、アクリル製ヘッドアップディスプレイ用反射板を展示してた。
http://www.nidek.co.jp/index-j.html

 家庭用フライトシミュレータにHUDつけたらマニアが喜びそうな気もする。マニアしか喜ばないような気もする。

 バイクや自転車のヘルメットにHMDつけるのは流行りそうな気もする。Googleが計画している次世代端末はメガネ型ディスプレイだし。

//-----

 浜松ホトニクスが小型分光器というのを展示していました。低価格化されているとの話でしたが、PC接続制御回路基板とセットで20万円くらいするそうです。結局波長分解能を維持するためには価格はそんなに下げられないらしいです。
http://jp.hamamatsu.com/products/sensor-ssd/pd186/index_ja.html

 プリズムを用いた簡易式の分光器なら安価に作れるのかも知れない。スマホのカメラに装着して、アプリで分析させれば面白いかも。

 浜松ホトニクスはハンドブックも充実していた。こういうのは勉強になってありがたい。
http://jp.hamamatsu.com/sp/ssd/tech_handbook.html

//-----

 三菱電子ビーム加工装置というのが出展されていました。
http://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/products/mecha/ebm/case/index.html
 新開発の加工機械かと思ったら、20年以上前からある技術だそうで、勉強不足でした。資料には1969年に開発したと書いてあった。

 ブースには加工サンプルがいろいろ展示されていたんですけど、サイトの方には装置の紹介しか載っていないので、用途や能力が伝わり難いかも知れない。精密な溶接の他に、電子ビームの出力を制御することで金属表面を梨地仕上げにしたり、熔融した時の表面張力を利用して鏡面仕上げにしたりすることも出来るとのこと。装置の価格が高いので加工賃も安くはなさそうですが、精密な表面処理加工を施す時には良さそうな技術です。

//-----

 ファナックの微細加工機の加工サンプルがたくさん展示されていましたが、撮影禁止だったので写真はないんですけど。

 ○フレネルレンズ金型 ピッチ0.1㎜ 溝本数200本 加工時間1パス45分

 ○金属ブロック幅15㎜全長60㎜の上に凸R25㎜から凹R25㎜へと連続的に変化する曲面形状が削り出され、しかも後研磨は一切行っていないのに鏡面仕上げ。

 ○回折格子金型 溝ピッチ1μm(0.001mm) 溝本数50,000 加工時間5.5時間

 ○球面への微細穴アレイは直径1㎜の球面上にΦ0.1㎜の穴が25個加工され、素材が超硬材(Cemented carbide)なので穴一つ加工するのに2時間掛かるとのこと。

 ○金属シリコンブロック上にΦ3㎜の曲面加工、加工時間1.5時間 レンズ金型?。

 ○交差回折格子 素材ニッケルーリンメッキ[Ni-P Plate] 大きさ9㎜角 ピッチ10μm V開き角90度 突起数810,000 加工時間2時間(*従来の加工時間:22時間)

 ○微細突起アレイ Φ150μm 高さ250μmの段つきスパイクが0.5㎜ピッチで380個並んでいて、しかも削られた底面も鏡面状仕上げにされている。加工時間30時間

 ○再帰性ミラー金型 ピッチ14μm 溝本数1400×3 加工時間19時間

 などなど、肉眼で見ても虹色の光干渉しか見えないような加工サンプルばかりでした。文字で説明しても伝わり難いかも知れないけど、直接見てもやっぱりよくわからないかも知れない。

◇追記:ファナックのpdfカタログに詳細写真が載ってました。
http://www.fanuc.co.jp/ja/product/catalog/index.html

 中小零細企業でもCAD/CAMデータを作れば都産技研で加工してもらえるとのこと。切削工具にはアライメントの限界があるので、何でも削り出せるというわけではないようですが。
http://www.fanuc.co.jp/ja/product/robonano/index.htm
 都産技研は基本的に時間貸しなので、加工時間で加工賃が決まるようです。

//-----

 横河電気株式会社 LSIや液晶パネルの生産工場などで用いるDirectDriveMotorの老舗だとか。一番強力なものは500ニュートン、ニュートンっていう単位自体に馴染みがないのでピンとこなかったんですが、例えるとフェラーリに匹敵するらしいです。あぁ恐い。
http://www.yokogawa.co.jp/ddm/ddm-toppage-ja.htm
 設定によってはモーターにかかる負荷を検出することも可能になるんだそうで、ギアを介さないためバックラッシュがほとんどない高精度ロボットとしても使われているそうです。

 他社製のものと比べて駆動効率が高く、熱の発生も少ないので出展者から「触ってみて。」とか言われて内心ビビりながらも触ってみたんですが、動作中にほんのり暖かい程度なのは横河だけなんだそうです。他社製だと火傷する程熱くなるものもあるらしい。

 電気自動車の動力につこたら凄そう。一瞬で駆動系かタイヤがねじ切れそうだけど。

//-----

 都立産業技術研究センターのブースに摩擦撹拌接合の紹介があったんですが、都産技研のサイトには掲載されていませんでした。ちょっとお役所的な応答性の悪さがあるようです。
Fig:
 摩擦撹拌接合というのは既に新幹線の床板にも用いられ、実用化されている金属板の接合加工技術です。溶接とは異なり熱による歪みや劣化が少ない上に、融点の異なる異種金属同士の接合も可能な接合方法なんだそうです。

 都産技研に配備されている機材の紹介パネルは、サイト上には掲載されていないので、どういう機材なのかがわかりずらくて利用しずらいところがあります。
Fig:
 こういうのもサイト上に掲載して欲しいって文句言っておきました。

//------

 NATECが樹脂インサートレス専用タッピングビスを紹介していました。樹脂用タッピングビスっていうのはサイマがこさえてたけど、こっちは更に性能が向上しているらしい。ねじ込む相手の樹脂の種類によっても違いが出るかも知れない。
http://www.natec1886.co.jp/products/ejotDELTA.html
http://www.saima.co.jp/cgi-bin/saima01/siteup.cgi?category=2&page=1
//-----

 DID 大同工業っていうのは、バイクの駆動チェーンで有名な企業らしいんだけど、今回の展示では板材からマグネシウムホイールを作り出す技術や、押出材のスェージング加工も紹介していました。バイクのフレームとかスイングアームって、こうやって作るんですね、しらなかた。バイク関係のパーツを主に手掛けているようですけど、他にもいろいろ応用が出来るんじゃないかと思う。
http://www.did-daido.co.jp/

//-----

 守谷刃物研究所ではSTCという特殊な放熱板材料を紹介していました。
http://www.moriyacl.co.jp/STC/STC.html
 銅の熱伝導率が400なのに対し、STCでは最大630もあるんだそうです。ちょっと面白いのが内部のグラファイトの方向によって熱伝導率が11倍~18倍も異なっていて、放熱の方向を間違えるとあんまり熱が逃げてくれないみたいです。断熱という程でもないんだけど、放熱の方向を限定したい場合にも使えそうです。

//-----

 古河電子株式会社では熱伝導シートを紹介していました。
http://www.furukawa.co.jp/ELC/thermal/thermal-seat.htm
 一般的なシリコンゴムの熱伝導シートでは低分子シロキサンとかいうガスが発生して、電気接点の接触不良の原因になるらしいんですが、ここの熱伝導シートは低分子シロキサンがほとんど出ないんだそうです。

//-----

 HenkelはLOCTITEブランドの方が通りが良いかな。 液晶パネルとかに用いる光学透明接着剤も作っているそうです。
http://www.loctite.jp/cps/rde/xchg/henkel_jpj/hs.xsl/Benefits-3179.htm
 接着シートっていうのもあるらしい。

 スマートフォンやスレートPCは普及が著しいので、部品や材料が豊富になりました。もしかするとオーダーメイドのスマホやデジカメ受注も不可能ではないかも知れない。

 iPad miniみたいなスレートPCやスマホはどの程度価格を下げられるんだろう。正直いってiPhoneが6万円っていうのはボッタクリです。多分材料部品だけなら1万円もしないんじゃないかと思う。

//-----

 HOTTY POLYMERっていう会社が超極細ポリイミドチューブを製造していた。
http://www.hotty.co.jp/products/#hottyBrand
 極細ものっていうのは、以前金属ワイヤーが艦船模型用に商品化されていたけど、工業用プラスチックの極細パイプっていうのも模型用途で引き合いがあったりするのかしら。でもポリイミドとかPEEKって接着が効かないから使えないのかな。

//-----

 ロームが超指向性LSIを紹介していた。
http://www.rohm.co.jp/web/japan/news-detail?news-title=2012-09-26_news&defaultGroupId=false
 超指向性マイク信号処理LSI -BU8332KV-Mはビームフォーミング技術を用いて2つの無指向性マイクからビームを形成するディジタル信号処理LSIです。ビームを形成することで、指向性を持った集音が可能となるため、目的音の明瞭度を上げることができます。従来の単一指向性マイクと比較し、指向性が強くなり、またポーラパターンの制御が可能となります。そのため、マイクを用いる幅広いアプリケーションの音声品質向上に貢献します。

 っていう話なんだけど、おいらはアナログ回路にうといのでどうすれば使えるのかさっぱりわからない。

 水平配置した二つのマイクで音声合成しても、垂直方向の指向性は得られないような気もするんだけど。そもそもアルゴリズムさえ実装すればアプリでも出来そうな気もする。あ、スマホだとステレオマイクはついてないのかな。

 ちなみにマイクの間隔は10㎜って書いてある。

//-----

 フルヤ工業でエラストマー(軟質アクリル樹脂)蒸着メッキを紹介していた。塗膜自体は非常に強力で素晴らしいものだけど、色味がイヤゲモノ金プラ風味なのが残念。そういえば以前シリコンゴムのメッキ技術っていうのがあって、iPhoneカバーが大量に売れ残って安売りしてました。軟質材料へのメッキ加工っていうのはあんまり市場のウケは良くないみたい。使い方次第だとは思うんだけどね。
http://www.furuyainc.co.jp/
Fig:
 デジタル一眼の望遠レンズっていうのは太陽光の熱で鏡筒が膨張して光軸やピントに狂いが生じてしまうので、メタリック系の白で塗られていることが多い。だけどピントリングなどのゴム部分は黒いままの場合が多いので、これを艶消しメタリックに置き換えたら良いのではないかと思う。ちゃんと赤外線熱が反射出来ることが条件だけど、極端な話、色は黒くても熱さえ反射させられれば良いってことでもあるんだけど。

 そういえば、デジタル一眼が夏の炎天下でヘソを曲げたっていう話を何度か聞いたことがある。メーカースペックによると大抵は40℃以下での動作保証しかしていないので、カメラ本体を太陽熱から守る軟質ケースかカバーがあると良いのかも知れない。

 ペンタックスK-30ってメタリックボディが売りなので、グリップとかレンズのピントリングも同じようにメタリックになっていたらカッコイイのではないだろうか。

//-----

 ダイセルに高耐熱性柔軟導光材という商品があって、これにUV印刷でイラストや文字を印刷して窓ガラスに貼って光らせたら面白いのではないかと思っている。ダイセルさんに現状在庫を聞いたら幅50cmのロールがあるとのこと、パナックの自己粘着材料「ゲルポリ」をコーティングするか、或は自動車の窓ガラスにフィルムを貼るスプレーが応用可能なのか、その辺りは実験してみないとわからない。
http://www.daicel.com/research/activity.html
 厚さ0.4㎜のフィルム内部に光を入れるための光源もこさえねばならないので、ちょっと零細個人企業にはハードル高め。

 イラストレーターのキンシオさんが横浜の阪急モザイクモールの観覧車のゴンドラ4基に直接ライブペイントするイベントをやっていたらしいんだけど、他のゴンドラの窓にも小さな光るイラストが貼ってあったらかわいいかなと思う。

 横浜の夕景や夜景をバックに天使が光っていたら素敵。

 ただ、観覧車のゴンドラで火災が発生したら大惨事になりかねないので、電気系統を組み込むのは慎重にやらないといけないと思う。やっぱりハードル高いかな。ううむ。

//-----

 CLD株式会社が平面スピーカーを出展していた。 外寸86㎜の小型ウーハーユニットも開発中で、効率が80dbとかなり低いけど最低共振周波数が低いので、小型ながら低音も出せるようです。ウーハーユニットはまだ開発段階だけどスマホ用アクティブスーパーウーハーに利用出来るかも知れない。現物の写真を撮り忘れてたけど、現物ではダイアフラムの中央にある突起はありませんでした。
Fig:
http://www.cld.co.jp/

//-----

 MOLD MODEL 石膏鋳造の会社だけど、石膏型自体はご家庭でも作れそうな気もする。最寄の鋳造工場に持ち込んでアルミとか流してもらえば自由形状の金属部品も作れるかも知れない。
http://www.mold-model.com/

//-----

 東京R&Dが無人飛行機用の小型ジェットエンジンを展示していました。
Fig:
http://www.r-d.co.jp/

//-----

 展示会とは無関係だけど、ビッグサイト前の公衆トイレの便器がステンレス製でした。
Fig:




 ◇追記:そういえば以前掲載したサンワファンがマブチモーターRF300系用モーターマウントを新発売していました。でもRF300系っていうのは省エネタイプの出力の小さなタイプなので、あんまり送風機の動力としては適さないような気もする。
http://www.sanwafan.co.jp/

 なによりΦ2㎜の軸に対応したシロッコファンが未だにサイト上には掲載されていないので、モーターマウントだけ掲載しても誰も買わないんじゃないかと思うんだけどな。



Ende;

「人災」。

2013年01月23日 13時50分18秒 | 意識論関連
○原因究明。

 テロや戦争っていうのは「人災」です。ヒトという種の生物の危険性を検証し、暴力性や論理的思考の放棄のメカニズムを解明し、再発防止策を企てなければ永遠にテロや通り魔などの無差別暴力は構造原理的になくなることはない。

 安易に「脳に良い」などとそそのかして人気取りに励む現在の脳科学者達は極めて無責任であり、脳の数理モデル化なんぞ実際には無意識な条件反射モデルを再現しているに過ぎないのである。そもそも結果と目的の区別が全くしてこなかった脳科学者達内部での評価など全くアテにならない。

 試験成績が上がることを短絡的に「頭が良くなった。」と規定する文科系大衆観念に基づいた知能論を基盤にしている限り、ヒトが人間として振る舞わない行動のメカニズムには言及不可能なのである。それはあらゆる「人災」の放置を意味するものであり、極めて無責任なことなのである。

 ヒトの多くは責任を多数で分配しておけば、如何なる危険性も気分的安心満足によって平気で危険な暴走行為を行うようになる。サブプライム問題のメカニズムにも見られるように、ヒトという種の生物の危険性であっても多数で放置しておけば気分的に安心満足していられるために、現在の脳科学界の無責任さも放置されているのである。

 何ら落ち度のない人達が人災によって多大な被害を被ってなを、ただ「ご冥福をお祈り申し上げます。」などとご機嫌取りをしても、具体的で合理性のある原因究明や再発防止策を立てないというのは、口先で丸め込んでいるだけに過ぎないのである。そもそも「冥土」の実存を証明不能である以上、言葉上での社交辞令/機械条件反射的プロトコルに過ぎないのである。



 ヒトという種の生物は暴力や権力を用いた報復や懲罰が大好きである。しかし、これらの行動は単なる本能習性的な気分的安心満足を与えているだけであって、具体性のある合理的再発防止には全くならない。どんなにテロリストや通り魔に厳罰を与えてもテロや通り魔自体の根源的再発防止には全くならないのであり、こうした文科系大衆観念に基づいた司法制度にお任せしておいても、原理的にあらゆる「人災」の再発防止策にはならないのである。

 司法が決定するのは懲役年数や罰金金額だけであって、犯罪や事故の原因究明や再発防止にはならない。そもそも判事が決定した懲罰によって犯罪者が再犯しないことの何ら保証もなく、再犯しても司法システムは一切責任もシステムの問題点も改善することはない。すなはち、現在の司法システムというのは犯罪や事故の原因究明や再発防止のためにあるのではなく、あくまで刑法に基づいた機械条件反射的手続きとして事務的に「処理」しているに過ぎないのである。

 ヒトの多くは法手続きに基づいた権力による統率こそが社会の安定を維持しているものであると勘違いしたがる。ヒトという種の生物には権威への服従による気分的安心満足によって自律的な判断を放棄する性質があるからだ。だから「権威に服従しない社会は崩壊する。」などという論理的根拠のない観念を簡単に鵜呑みにしたがるのである。

 カール:ライムンド:ポパーが「プラトンの呪文。」による権威への盲目性を批判したのも、それが個人から自律判断を奪い、社会を崩壊へと導くからに他ならない。

 ヒトの多くは自律的に社会的責任判断を行うよりも、権威に服従することばかりを優先する傾向があり、それが本能的にも安心で満足だからである。これこそが社会的「甘え」というものであり、社会を暴走や崩壊へと導く根本的原因なのである。

 「首輪がないから噛み付く。」というのはイヌや野生生物の「結果」である。権威からの法的規制や、多数からの強迫観念的抑圧がなければ自律的には社会安全性を追求しないというのであれば、これはもはやヒトであっても「人間」とは言えない。



○ミステリー。

 現実にヒトが犯す殺人の動機のほとんど全ては、非常に下らないものであり。また、殺人の手法においても極めて短絡的で安易なものばかりである。

 ミステリー小説に登場するような、巧妙で複雑なトリックを用いた殺人事件というのは、現実には存在しないお伽話に過ぎず、複雑で巧妙なトリックを用いた犯罪を行う犯罪者への観念的恐怖感を利用した作り話上での演出に過ぎない。

 バカで短絡的な殺人事件を小説にしても、読者が頭を使ったような錯覚によって気分的安心満足感が得られないからである。

 どんなに複雑な犯罪トリックを解明出来ても、それはヒトという種の生物が犯す殺人の根源的原因究明にはならないのだが。ヒトの多くは犯罪トリックを解明することだけで自分は頭が良いと錯覚し満足する。

 マイケル:サンデルの講義のように、特定の条件に基づいた思考を促されると、バカな学生の多くは自分の頭が良くなった、頭を使ったと錯覚するのと同じである。

 予め答の用意された問題をどんなに解いても、それまで誰も発想することの出来なかった解答には到達することは出来ない。

 特定条件に基づいた思考を他者から促されても、これは本質的な自発的思考にはならず。所詮はクイズの答程度の意味しか存在しないのである。

 難解で複雑な問題を解くことが出来さえすれば、ヒトの多くは自分の頭が良いと錯覚する性質がある。

 しかし、現実にはヒトが殺人を犯す根源的原因自体を究明した者はいない。だからこそ合理的で具体性ある有効な犯罪への対策は全く行われず、感情論に由来する機械的な刑法手続きが漫然と繰り返され続けるのである。

 本当のミステリーは、ヒトの多くが犯罪や事故の根源的原因究明や再発防止策を放棄し、目先の感情的懲罰程度の決定だけで安心満足してしまう頭の悪さの方である。

 殺人事象において、最も社会的に解明されなければならないのは、個々の殺人トリックの解明でもなければ、殺人の個人的動機でもなく。ヒトが殺人を犯す根源的原因である。しかし、現状の司法制度下においては犯罪者の科料程度を規定することが目的として扱われ、ヒトという種の生物自体の危険性について合理的で一貫性のある解明など一切されることはないことには、ヒトの多くは触れたがらないのである。

 犯罪者の科料程度が決定しさえすれば、犯罪自体の再発防止になるわけではない。そんな極めて当然なことであっても、ヒトの多くはそれを問題だとすら誰も思わないのである。

 ある殺人犯には更正の余地があると判事の裁量で20年の禁固刑が処されたとする、しかし、その刑罰自体によって殺人犯が殺人を今後一切犯さないことの合理的根拠も保証はなく。再犯による被害者が出た場合の責任も司法は一切負うことはない。その不毛性にヒトの多くは異議を唱えないのである。

 ヒトの多くは論理的にどんなに不毛で無意味であっても、長い間慣れさせられた制度慣習による気分的な安心満足によって、論理的安全性の証明の有無に関わらず不毛な制度習慣に依存する性質があるのだ。

 他人から促された思考の範囲内で思考している限り、思考を促している他者の脳を超える思考は成立しない。他者の脳を超えることが出来るのは、他者から促された思考範囲に思考を制限されない本質的な自発思考だけである。


○Cyberneticsの間違い。

 ある特定の行動習性や先天的性質が、結果的に生存に適していたとは言うことが出来る。ところが生物学者達の多くは結果的に生存に適していた行動習性や先天的性質には目的が存在するはずであると言い張る。

 結果的に遺った行動習性や先天的性質が、どんなに生存という結果に適していようとも、これらは共に結果であって、これらから目的を抽出したり証明することは論理構造的に不可能なのである。

 ある特定の行動習性や先天的性質に目的が存在しなければならない論理的根拠はない。なぜならこれらは徹頭徹尾「結果」に過ぎず、何らかの個体や神による意図目的など最初から存在しないからである。

 本能的行動習性というものは、結果的に生存に適した行動として遺ったものであり。先天的性質においても同じである。

 従って結果的に遺ったあらゆる習性性質というのは、偶発的に生存してさえいれば遺されるのであって、遺った習性性質に何らかの意図目的が存在「しなければならない。」論理的根拠など存在し得ないのである。

 生存にとって意味のない習性や性質が遺されていたとしても、何ら不思議なことではない。クジャクの飾り羽に意味があろうとなかろうと、ウロコタマガイが硫化鉄の外皮を持っていていようとも、それらは結果であって目的や意味の必要性はない。

 生物の行動習性や先天的性質の全てが、生存などの意図目的に適しなければならないわけではない。あくまで結果的に生存してるかどうかに過ぎないからであり、生存というものを絶対的な目的正義だと思い込むのは科学的とは言えない文科系観念に過ぎない。

 行動習性の全てに後から事後正当化のための意味をこじつける限り、ヒトの残虐性や非合理的行動においても正当化がされ続けることになるのである。これが現在の生物学(脳生理学や社会心理学などを含む)における無責任性を作り出しているのである。

 ミルグラム(米)らによる服従心理実験におけるCyberneticsの観点からのヒトの行動習性を正当化するための断片的解釈は重大な誤りである。

 進化というのは常に「過程」であり、最終的目的を持った完全形など最初から存在しないのである。時折発生する先天的疾患なども、最初から目的が存在しないための偶発的結果に過ぎず。多剤耐性菌発生の変異過程における多数の犠牲の全ても、最初から目的が存在していないことの左証である。

 ヒトのオス、男性のY染色体が将来的に破綻する運命にあるのも、ヒトのメス、女性が暴力的な男性と繁殖したがるのも、これらは常に結果であって目的が最初から存在しないからである。

 単に生存だけを目的とするのであれば、嘘も暴力も暴走破綻も正当化されてしまうのである。そんな横暴な生物学のこじつけを放置すべきではない。

 相手が学術であろうと権威の言うことを無為に鵜呑みにしておいてはならないのである。学術権威というのはイデオロギーや法律によって規定された権力ではなく、あくまで科学的、論理的な検証によって担保されなければならないのであり。科学的権威性というのはあらゆる人民にとって平等に論理的検証の権利と義務があり、これを放棄してしまえば科学でも何でもなくなるのである。

 故に現在の生物学においては、ヒトという種の持つ危険性に対する科学的原因究明が一向に進まないのである。




○ホタルが光る理由。

 「ホタルが光る目的が解明されつつある。」などと生物学は述べるが、これは嘘である。

 ホタルが光ることというのは、ホタル自身の意図的「目的」が存在するわけではなく。あくまで「結果」的に生存していた種の「結果」以上の理由は存在しない。

 結果の傾向性をどんなにたくさん多数抽出してきても、そこから意図的目的の存在を証明することは原理的に不可能であり。あらゆる生物の「目的」は論理的に証明することは不可能なのである。

 原理的に証明不可能な「生物の目的。」を「解明されつつある。」などと言い張るのは、生物学者達の勝手な妄想に過ぎず。これは「嘘」なのである。



 ホタルの卵や幼虫が発光する遺伝構造的な「理由」の説明をどんなにたくさん枚挙しても、それは全て「結果」の説明に過ぎず。どんなにたくさんの「結果」を枚挙してもホタル自身の意図的「目的」の証明には一切ならないのである。

 こうした間違ったパラダイムに基づいている限り、生物学は科学としての存在価値はなく。社会的にも意味のない「現在の生物学者達の妄想。」に基づいた「嘘。」の列挙が続くだけであり、これは放置すべきものではない。

 どんなに自然界が「素晴らしい」などという抽象的形容詞を枚挙しても、それが科学的論証には一切ならないのである。

 ヒトの多くは「素晴らしい。」などという形容詞によって気分的に安心満足することと。論理的な安全性の論証を簡単にはきちがえ、錯覚する性質があり。現在の生物学界というのは多数大衆のご機嫌窺いのために科学的論証を放棄して身勝手な妄想によって大衆の論理的思考を撹乱しているだけなのである。

 虫だのキノコだのを研究しているだけならそれでも害はないように見えるであろうが、こと「人間」についての研究においては、こうした結果と目的を混同した大衆観念に迎合することは論理的検証性を撹乱し、科学的論証を不具にする犯罪行為なのである。

 茂木健一郎のようなペテン師を、「脳科学者」扱いするというのは、マスコミ自体の無責任性でもある。脳神経の数理モデルなどいうのも、結局は株式市場の数理モデルと同様に傾向性を予測することにしかならず、複雑系を数理モデル化することには実は大した意味は存在しないのである。

 複雑系における多数傾向性を予測するだけでは、単に脳神経回路の演算結果を導くだけであって、無意識的な脳の「結果」以上の何も導き出すことは出来ないのである。

 数理モデルを用いてアイヒマン実験に引っ掛かるヒトの傾向性を導き出すことに、一体何の意味があるであろう。重要なのはこうした無意識的傾向性の予測ではなく、あくまで無意識性に流されることない本質的「目的」意識であって、数理モデルを用いた株式市場の予測による目先の金儲けをすることや、権威性を用いたペテンで人気取りをすることに意味や価値はない。

 ヒトの行動傾向なら既に社会心理学的に検証されており、これを数理モデルで再現しても意味はない。バカな多数の投資家の行動結果だけを論ずるのであれば、これはミミズの行動予測とさしたる違いはないのである。バカの行動予測に意味などなく、あくまでバカではない行動選択にこそ価値があるのだ。

 目先の欲望を満たすことに意識を奪われているからこそ、統合的な人間としての「目的」を見失う意識狭窄を引き起こすのであって。どんなにマイケルサンデルの講義を受けても、それは目先の気分的満足を獲得しているだけであることには誰も気付くことはない。サンデルの講義ではサンデルが提起した前提に基づいてでしか思考を促すことはなく、その前提自体が間違っている可能性についてはバカ学生のほとんど全員は誰も気付くことは出来ない。

 サンデルが提起する前提というのは、もはや取り返しのつかない状態に陥った上での選択でしか正義を語ることはない。本当に必要なのは「取り返しのつかない状態。」に陥らないための論理的原因究明と対策であって、「一万人と百人の犠牲を選択すること。」などではない。福島第一原発の暴走状態において、どのような選択が正義であったのかを議論することは不毛であり、むしろ暴走状態に陥らないためにはどのような対策が可能であったのかこそが重要なのである。

 ヒトの多くが前提自体が間違っていることに気付かないのは、それが他者から促された思考に過ぎず。個人の主体性による考えではないからである。残念なことに他者から促された思考によって、あたかも自分の頭を働かせて頭が良くなったかのような錯覚を促すことである。

 認知症患者に小学生向けの学習ドリルをやらせると認知症が改善するというのも、それは他者から促されなければ自発的には何も考えようとしない無為性/本質的自発性の欠落こそが認知症の根源的原因であることの証明でもある。サンデルに促された思考以外に何も主体的に考えることの出来ないバカ学生である以上、サンデルの講義は認知症予防程度の意味しか存在しないのである。





Ende;