高次脳機能障害ピアサポートセンタースペースナナのブログ

スペースナナは、NPO法人脳外傷友の会ナナが運営する高次脳機能障害者とその家族を支援するための施設です。

スペースナナ通信52号

2013年03月12日 12時38分44秒 | スペースナナ通信

【誕生会・料理体験・恵方巻き】

 2月の誕生会は、2名の方が対象でしたが、利用日が違うために2回に分けて行いました。1 今年度は利用者も徐々に増え、1日の利用者も一番多い月曜日は13名になっているので分担して料理を作るのも大変になってきています。料理作りはなるべく材料の種類が多く、皆で作る作業が多い料理を工夫していますが、大量に一度に作るので、焼く料理より煮込み料理が多くなっています。そうなると料理の種類も限られてくるので一番多い料理は、やはりカレーになってしまいます。季節に合わせて夏カレーや和風カレーなどバリエーションを工夫しないと飽きてきてしまうのでメニューを考えるのが難しくなってきました。他には肉じゃが・けんちん汁・シチュー・キ2 ムチ鍋などをローテーションさせて工夫をしています。これから春から夏にかけて蕎麦やうどんなども考えていますが、10人以上を一度に茹でるのも大変で、60㎝の大鍋でも足りない状況になりそうです。
3  2月5日の誕生会では、季節の料理作り体験で恵方巻きを皆で作りました。具材の種類を多くして自分なりの恵方巻きを作ってもらいましたが、皆さん具材を多く入れすぎて巻き切れない人が続出し、ギュウギュウにしてなんとか巻いても食べている途中で崩れてしまう恵方巻きもありました。残ったご飯と具材で後ほど職員がハーフサイズの恵方巻きを巻いて、全員に家へのお土産として持ち帰ってもらいました。中にはお腹が減って途中で食べてしまった方もいたようですが?恵方巻きはスペースナナの大切な季節の行事として今後も続けて行こうと思っています。

【曽我梅林で観梅】

4_2  まだ寒さの厳しい2月22日(金)に曽我梅林での観梅に参加希望者と犬3頭で行ってきました。ほぼ5分咲きの状態で紅梅などは満開の木が多く見られました。メインの別別所会場でお弁当を広げ、花を見ながらの昼食は、いつのもお弁当に一味添えてくれる気がします。ソラ・ナナミ・太郎も広い会場を走り回り、気持ちよさそうに寒梅を楽しんでいるような気がしたのは犬好きの私のひいき目でしょうか?別所会場は食堂・出店・トイレまで完備されているので、とてものんびり寒梅が楽しめます。
下曽我が梅の名所となるのは温暖な気候だからで、松田町で冷たい風が吹いていても曽我5 梅林に着くと風もなくポカポカと感じます。別所会場から隣の原会場に移動し、ここではお土産が売っているので皆さん足を止めお土産を見たり試食をしてみたり、私も今晩のつまみになりそうな物をいくつかと大好きな梅抹茶と唐辛子茶を購入、スペースで時々血圧を気にしながら楽しんでいます。皆さんもお茶をふるまってもらい、腰をおろしてのんびりムード、その中で二人がひそかに購入したビールをプシュッとしていたりもしました。スペースナナ開設当時から今年で6回目、これも大事な行事として毎年続けて行きたいと皆さんの表情とともに感じました。

【松田山河津桜お花見】

6  3月1日に予定していたお花見ですが、当日天気が良くなかったので8日(金)に延期をして行ってきました。当日、カフェ事業はお休みとし、職員4名、利用者10名、ご家族4名の合計18名+犬5頭での行事となりました。今回初参加となったのは、前日に三浦市からやってきたアプリコットのトイプードルの男の子「マル君」でした。今まであ
まり外で過ごすことが無かったようで、最初は広くて人が多く他の4頭の犬たちが一緒にいる環境に戸惑っている様子でしたが、慣れてくると初めて会う利用者にリードをひかれてお花見散歩を楽しめるようになっていったようです。
 この日もビール持参の方が二人いて、プシュッとやっていましたが、運転手である私は初め7 てノンアルの黒ビールを飲んでみましたが、飲んでみてビックリ!テイストは黒ビールそっくりで1本飲み終える頃には何となく酔いがまわっているような気分がしてきました。この日は全国的にも気温が上がり、外は20℃以上あるように思えました。私も途中からは半そで1枚で過ごせるほどでしたが、そのかわり山北から風に乗ってスギ花粉が飛んできて大変なことになってしまいました。花粉症の参加者はティッシュが離せない状態で、私も含め途中からはお花見どころではなくなってしまったようです。
8  この日は参加費をお一人500円集めて、お昼はスペースナナで用意させてもらいました。お花見の定番五目ちらしとエビピラフそれとチキンピラフとポテトサラダ、鶏のから揚げ2種、肉団子とノンアルビールとお茶、コーラなどでお花見昼食を食べてもらいました。食事の後は各自に過ごしてもらい、下まで河津桜の坂を下る人、お土産屋巡りをする人、好きな犬を選んでお花見散歩をする人とさまざまでしたが、ビールが入った方はお昼寝タイムになっていたようです。実にのんびりとした時間と風景で、これもまたこの時期にスペースナナには犬達とともに欠かせない存在となっているなあつくづく感じました。

【今年の春の温泉旅行は箱根経由熱海泊まり】

 毎年年度末に企画している旅行を今年は箱根観光しながら熱海の温泉ホテルに泊まる計画で参加者を募りました。利用者7名、ご家族3名、職員2名で男女6・6の合計12名で行っ9 てくる予定です。3月26・27日に皆でスペースナナの春の大掃除を実施して、28・29日で温泉旅行!年度を締めくくる季節の行事です。過去にはこの旅行で受傷後初めてカラオケがまた歌えるようになった方、寝食を共にすることで互いの見えていなかった姿や考え方、経験談などを通して自己や他者の理解を深める事が出来た人など、スペースナナにとってそれなりに歴史のある存在になっています。今回もどのようなエピソードや展開があるか、楽しみにしています。

【4月は秦野運動公園でお花見と釣りを再開】

 いよいよ新年度に移行する時期がやって来ました。スペースナナにとっては開設して7年目10 の節目になります。秦野運動公園は、地面での直火でなければ火を使うことが出来るので4年前からここに決めています。他の団体も例年沢山来ていますが、そばで火を使って暖かい物を作っていると、匂いとともに暖かさが伝わり羨ましそうに覗いていきます。こちらもちょっと自慢げに料理に力が入ったりもします。昨年は焼きそばだけでしたが、参加者からウィンナーが無いと寂しいとの声があり、今年は参加費を300円頂き料理のボリュームアップをしていきたいと思います。今年は桜前線の様子を見ながら4月3日頃を予定しています。
 釣りはいつも安全な平塚港に行っていますが、寒くなる12月から3月はお休みしています。利用者の中にも釣りの行事をとても楽しみにしている方もいるので、3月までは毎月「釣りはいつですか?」と聞かれます。この方はいつもキス狙いで根気強く打ち込み、必ず数匹のキスをゲットしてきます。釣りを通してこの方の根気強さとポイントを狙う戦略があることがうかがえます。タックルの組み立ては遂行機能が必要で、自分で組み立てが出来るかどうかでその方の遂行機能の状態がうかがえます。など、釣りを通して高次脳機能の状態で注意力はどうか失認や失行はどうかなど支援に必要な情報を得る事が出来ます。釣り好きの私にとっても楽しみな季節がやって来ました。

【県との今日事業終了】

 平成20年度から開始したかながわボランタリー活動推進基金21県協働事業負担金対象事業も5年目を迎え、終了をむかえようとしています。毎年3回実施してきた講演&シンポジウムも2月の海老名市会場での開催で終了し、残っているのはこのスペースナナ通信の3月発行を残すのみとなりました。県との協働事業の実績によって高次脳機能障害ピアサポートセンタースペースナナは、1年早く事業を自立し、県の指定事業所である就労継続支援B型事業へ移行することができました。県との協働事業の成果がなければ、実現できていなかったと強く思います。そのおかげで、施設では現在、週延べ50名以上の当事者の支援をすることができるようになりました。5年間を通して、深く感謝しております。(施設長)