さよなら土曜ピアノ教室

入社以来毎週土曜日、子供を中心にしたピアノ教室で教えてきて、今月で丁度20年目。本日を以てその任を解かれる事になりました。
始めは平井の島村楽器本社の一室でレッスンしていましたが、'99年11月から駅前の教室に移転しました。温かい雰囲気の外観は何か「ぼうや商店」に似ています。

作曲で行き詰まっている時も毎週ここに来ることで、必要とされている自分を確認することが出来ました。
作曲家ではない「裸の自分」に何が出来るのか、ここに来ると一つの答を得られました。
子供たちにピアノを教えることと、自分が現代音楽の作曲家として貪欲に成長することとの折り合い…それは作曲家として自信が無かった時期にこそ難しかったです。
もちろん今でも自信などありませんが、今よりもっと不安だった時期には、ここでのレッスンに費やす時間（下準備も含め）が「作曲の時間を食いつぶしている」と思ったものです。実際は逆なのに。
作曲に疲れた自分を癒し、励まし、成長のみを目指すことの醜さを優しい微笑で諭してくれるのが、この教室のスタッフ、そして生徒たちでした。
入社当初は「優秀な生徒を一人でも増やそう」と血走っていた僕が、やがて心の底から「そんな事はどうでもいい」と思い始めたのです。そんな矢先でした…。

後任の講師は僕と名前がそっくり。一字しか違いません。イケダサト…先生です。うまい人が来てくれたものです！
今後は代官山や池袋に拠点を移し、技術面、精神面で一層質の高いレッスンを目指していきます。今後もよろしくお願いします。
ありがとう。またきっとお会いしましょう。