池田 悟≪作曲家≫のArabesque

・・・深くしなやかに・・・(音源リンクしてます)

渋谷区鶯谷町

2009-08-11 | まち歩き・自然

JR渋谷駅、南改札西口。ホームレス風の人達に混じり、手拭いを頭にまとった逞しい靴磨きのおばさんが、日に焼けたパラソルの下、正坐している。
目の前の首都高速に架かる巨大な陸橋に、通勤時間帯は人が群がる。
陸橋を山手線方向に降り、献血センターのあるビルの前を抜けると、代官山音楽院に通じる山手線沿いの一本道(→地図)。
話し方教室やバイク屋、エスニック料理屋、小物衣料品店など、小さな店が軒を連ねる。
半分以上過ぎると製図専門学校、豆腐料理屋、写真専門学校など、大きな建物が続く。「幸福の科学」の豪華なビルを過ぎると、音楽院の裏。

そば屋や中華料理屋がある道路はいつも仕入れのトラックが停まっていて、通行の妨げになる。
愛想の良い客引きに誘われ、一度この料理屋に入るという過ちを犯した。酢豚定食だったか…。
ご飯は古く、酢豚はまるでチキンナゲットのように衣が分厚く、料理もご飯も二人前程あり、なるほど店内は肉体労働者で賑わっていた。
初心者にはこのルートがお勧め。だが一本道は労役のような気分になる。すれ違い様、狭い歩道をはみ出す事も多く、片側通行で背後から車が通るので危ない。

そこで別ルート。駅前の陸橋を反対側、さくら通り前に降りる。
恐らく油やガムやたばこで黒ずんだであろう広い交差点は、カフェや桜並木に囲まれ、その汚さも相まって一瞬パリの雑踏を思わせる。
信号の無いその交差点を強気で横断し、線路沿いの道にジグザグに並行する路地を進む。

とんかつ屋の入口に「ライスにカレーも無料でかけます」とある。
YAMAHAエレクトーンシティのビルを見上げる位置に、大正時代の由緒ある旅館風の建物。
小さな不動産屋のドアには「道案内はお断り」の張り紙。
緩やかに右カーブする坂を上り、予備校や日本発明振興会館が隣接する岐路を左に進むと、小奇麗なすし処の先に、また分かれ道。
左右の距離は同じだが、内回りの左を選ぶと坂を下って突き当りの通りを右に上る。外回りを進むと、同じ到達点まで緩やかに下るだけなので楽。

通りの内側にはランジェリー店の隣に渋谷高等学院があり、今風の少女らが出入りする。
向い側、東京工業専門学校横の小さな階段を下り、バイク駐輪場と化している裏庭を抜け、「みのや」という団子屋の看板を右手に見つつ、鉄扉に閉ざされた精肉店の角を折れる。
臨時休業の多い気ままな花屋の先が音楽院前の通り。時間にして2分ほど回り道になるが、秘密の通勤ルート。



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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
先生、いつもお世話になっております。norisukeです。 (norisuke)
2009-08-22 10:56:11
渋谷区鶯谷町ですか、この通りは去年からよく歩いています。というのは、日ごろからその通りにあるビストロ、ChezAzumaさんにお世話になっているのでよく食事に行くことが多いからです。今年はワインをたくさんお買い上げいただきました。それにしてもこのあたりは猿楽町と代官山にはさまれていてややこしいですね。また代官山音楽院さんがChezAzumaさんとちょうど向かい側にあるのは驚きでした。
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norisukeさん、 (I)
2009-08-24 00:46:58
Chez Azumaはお昼時は学生で一杯ですね。
来月、お待ちします。
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実は、25年ほど前に、短大の寮にすんでいた、今は... (かつてのシオンの乙女)
2009-12-01 19:02:07
急に昔を懐かしく、渋谷駅から寮への道をぜひともたどりたいと思い、
友人たちに聞いていましたが、
やっとあつめた手がかりは、団子や、精肉店、モヤイ像 のみでした
ネットで検索していましたら
貴方様のこのブログにたどり着き、
思わず声を上げました。
「そうそう、みのやだ!」
まだまだ、ハッキリとはしませんが、この道はたくさんの人が通っていたので、多分昔とあまり変わっていないのでは?と思います
音楽院からは近いです
ありがとうございました
おかげで、近々尋ねてみようと思います
本当に楽しみです
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