勤務医の心配事

新型インフルエンザについて

インド発熱患者続報待ち9

2008-01-30 22:34:25 | Weblog
「高病原性鳥インフルエンザ海外報道抄訳集の海外報道抄訳集」2008年1月(1)
http://homepage3.nifty.com/sank/jyouhou/BIRDFLU/2008/1tukino1.html
から、この24時間のニュースから目にとまった事は

・インドの続報で、西ベンガル州の感染拡大はまだ止まらないようです。人感染の続報無しでした。相変わらず情報がインドネシアに比べると少ないです。

・バングラデシュからの明確な報道無しです。現地は何が起きているのか、心配がくすぶります。

・インドネシアではN5H1感染した人の死亡が継続しています。
Indonesian dies of bird flu, doves might be source Reuters India, India (インド) インドネシアで鳥インフルによる死者発生、鳩から感染した疑いも
http://in.reuters.com/article/worldNews/idINIndia-31665820080130
インドネシアの死者の合計は101人に達しました。1月30日は世界のインターネットニュースもインドネシアの感染死者の継続のニュースの掲示が多いようでしたが、WHOがインドネシアの人感染報告を1月29日に報告した事によるようです。
Avian influenza – situation in Indonesia – update 35(29 January 2008)(http://www.who.int/csr/don/2008_01_29/en/index.html
しかし、気になるのは、WHOが相変わらず、インドとバングラデシュの感染状況について、報告を出さない事です。

・タミフルに耐性のあるインフルエンザ株の報告が出てきました。
WHO studies Tamiflu resistance after new report Reuters AlertNet, UK (英国) WHO、タミフル耐性株の調査に
http://www.alertnet.org/thenews/newsdesk/L29123765.htm
 今冬ヨーロッパで流行している季節インフルエンザのH1N1株の148検体中19株に耐性を認め、これまでに無かった耐性率と問題になっています。インフルエンザウイルスがタミフル耐性を獲得する可能性がいつでも有る事実が確認されました。
 今のところ鳥に猛威を振るっているH5N1株の耐性はそこまで認めておらず、新型インフルエンザ対策に大きな変更がある訳ではないのですが、いつまでタミフルに頼れるかはわからない状態で、大事に使う必要があるのは間違いなさそうです。
 また現在まで人に感染したH5N1株の治療では、WHOのフレドリック・ハイデン氏によると「タミフルを投与されなかった鳥インフル発病者の90%近くは死亡し、投与された発病者の50%は生存しているとコメントしている。」とあります。新型インフルエンザがこのままの死亡率を示すか不明ですが、重い言葉です。タミフル頼みだけでは不安があるのは間違い無いです。