遜文侍のweblog

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佐々木正美さんの至言

2011年03月09日 01時31分13秒 | 箴言・苦言
自分の職場が作る月刊誌でも唯一の熟読しているコーナーが、佐々木正美さんが保育者へ贈るメッセージ「喜びと悲しみを分かち合って」でした。ついに4年の連載を今日で終えました。
最後が非常に警笛を鳴らす内容であることに、100%共感しました。
そして、本当にこのこと以上に今の時代が問題視すべきことはないのではないか、とも思います。
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いつも共通した視点を、“人間は人間関係の中で生きていくのが健常なことだ”という原理をはずさないよう心がけてきました。

“家族に頼れる時代”が訪れて、“独居で未婚”が増え続ける社会になったとあります。

人間は他者と喜びや悲しみを分かち合って生きる力や習慣を身につけていかなければ、些細なことで相手にいらだちや怒りを感じてしまうものなのです。稚い我が子を死に追いやるほどに、怒りを感じてしまうおとなたちは、一体どのような生い立ちをもって成長してきたのか、考えてみてください。

周囲の人々と共感的な感情を共有できなくなったとき、そして生きる希望を失ったとき、相手への喜びや悲しみの感情ではなく、怒り、苛だち、憎しみなどの感情を大きくしてしまうのです。無差別な殺傷事件は、そのようにして起きるものなのです。

人間は個人的な学業の良否では、自分の生き方は見えてこないのです。家族をはじめ周囲の人々との、深い関わりを通じてでしか、自分という人間の真の意味や価値は実感できるようになってこないのです。

新聞やテレビで、日々報道されるニュースや論説などを、注意深く見守ってください。人間の“個”は“孤”であっては人間味を充実させていくことが出来ないという事実が、どれほど数多く目にとまることでしょう。

私は診療室や相談室をはじめ、数々の地域社会の場で、40余年間の臨床活動を行いながら、そういう我が国の現象の流れに、深く心を痛め続けてきました。経済や国自体が崩れる前に、人間性そのものが崩れてきたのです。



「保育の友 2011年4月号 喜びと悲しみを分かち合って」第48回

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