I’m hungry

おもにAmazonでの衝動買いや技術的な話をぼちぼちと。

面白いビジネス小説、あります(黒木亮)

2008-12-20 21:05:31 | 本の紹介/レビュー
読んだのは11月くらいかな。本屋でふらっと買った小説たち。あまりのおもしろさに出版されてる小説(ハードカバーは邪魔なので基本買わない)をAmazonで揃えたですよ。

まずは一番最初に買った本。本屋で面白そうだったので衝動買い。

トップ・レフト ウォール街の鷲を撃て

角川文庫

黒木 亮
角川書店
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日系自動車メーカーのイラン工場建設のため、一億五千万ドルの巨大融資案件がもちあがった。大手邦銀ロンドン支店次長・今西は、国際協調融資の主幹事(トップ・レフト)を獲得すべく交渉を開始するが、かつての同僚で日本を捨て、米系投資銀行に身を投じた龍花が立ちはだかる。そこに突如、世界を揺るがす敵対的買収 - TOB - が・・・。弱肉強食の国際金融の現場を持て余すところなく描いた衝撃のデビュー作。
本書背表紙より

邦銀上層部に蔓延する「事なかれ主義」「減点主義」「リスク回避」に辛酸を舐めされられ米系投資銀行へ
転職した龍花に感情移入してしまうのはひねくれ・はねっかえり精神を持つ次男坊(※)の宿命なのか。。
主人公は邦銀という制約の中、必死にトップ・レフトを奪取しようとしている今西なので龍花はそれを怨恨から
邪魔する悪役として描かれ、最後は...。

人種、文化、性別、ロジック、感情、ビッグ・マネーが蠢く投資ビジネスの息吹を素人が楽しめる一冊。オススメ。

(※)
ちなみに、「白い巨塔」で、財前先生に感情移入しすぎて訴訟で不利になっていく
あたりから嫌になって読まなくなってしまったくらいのヒネクレ度合いです>自分

巨大投資銀行(上)

角川文庫

黒木 亮
角川グループパブリッシング
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巨大投資銀行(下)

角川文庫

黒木 亮
角川グループパブリッシング
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狂熱の80年代なかば、米国の投資銀行は最先端の金融技術を駆使し、莫大な利益を稼ぎ出していた。旧態依然とした邦銀を飛び出してウォール街の投資銀行に身を投じた桂木は、変化に戸惑いながらも成長を重ねる。一匹狼の日本人起業家に翻弄されながら進めてきた買収案件に調印する寸前、世界を揺るがす金融不安が・・・。虚々実々の駆け引きから、複雑な取引の仕組みまで、投資銀行業務をガラス張りにした経済小説の金字塔!
上、背表紙より

個人的にはトップ・レフトよりこっちの方がよりオススメ。
一応主人公は邦銀を辞職し米系投資銀行へ転職し、クビにおびえながら懸命に
出世していく日本人「桂木英一」なんですが、米系投資銀行のトップトレーダー「竜神宗一」
やその他、異国で証券・投資銀行で生きるタフネスな日本人ビジネスマンの姿が泥臭く描かれていて非常に面白かった。
なんでこちらの方がオススメかというと、トップレフトが比較的わかりやすい「正義 vs 悪」のような構図で描かれていたのに対し、こちらは正義でも悪でもない生き馬の目を抜く金融ビジネスで騙し騙され攻め守りを繰りかえす構図によりリアリティが感じられたから、かな。

一社会人として短くない年数を生きてきた者として色々考えされられる1冊。
それなりに(日本企業で)社会経験を積んだ方に是非。

※いずれも日本企業の駄目っぷりと外資のドライさが生々しく描かれている点が既視感を思い起こさせるんでしょうなぁ...

アジアの隼 (上)

祥伝社文庫

黒木 亮
祥伝社
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アジアの隼 (下)

祥伝社文庫

黒木 亮
祥伝社
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こちらもトップ・レフトと似た物語構造。ベトナムにおける巨大プロジェクトの入札を巡る邦銀の主人公の物語。
こちらも悪役として米系銀行に籍を持ち、アジア経済の暗部を知り尽くした男、が登場する。
強くオススメするほどではないが、タイ・バーツ暴落時のアジア近辺のビジネス環境の息吹を感じられる一冊。

青い蜃気楼―小説エンロン

角川文庫

黒木 亮
角川書店
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エンロン破綻、大手会計会社アーサー・アンダーセンのお取潰しが何故起きたか、
どのようにして起きたかを生々しく描いた一冊。
前述のものと比較して、「どのように粉飾したか」を描くため金融商品の仕組みを細かく
(かなり簡潔化してだと思うが)解説している。
そこの理解にちょっと頭を使うので、wktkしながら読む本ではなかった。

とりあえず「巨大投資銀行」(上)(下)はオススメです。
他のハードカバーも早く文庫化しないかなぁ...。

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