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ならおうは穏やかに語る

Fly Fishingを中心に難しい話からヨタ話まで支離滅裂な雑文。
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燃費向上グッズと本当の技術

2006-02-20 21:29:19 | クルマ
ちまたに溢れる燃費向上グッズ。なんとなく判ったような気になるクラスターの崩壊理論を活用したモノが多い。

磁界系
放射線系
超音波系

さて磁界系、放射線系は信じたい人は信じればよい。私は信じない。
そして、こういう技術に感銘して導入したくなるのだ。

なぜか。

一般的なポート噴射系で考えてみよう。十分暖機されている平衡状態とする。
ガソリンは燃料噴射ノズルからポートに噴出されて混合気となり、燃焼室へ吸い込まれていく。霧状に噴出することが重要である。
ここで目詰まりしているとどうしようもないが、そういうことはないとしよう。
いかに小さなサイズの液滴の霧を噴出するかが重要であるので、先の様な加工技術が進むわけだ。途中で面白いデバイスをつけるとどうなるか。何も変わらない。
仮に面白いデバイスでクラスターを小さくしたとしよう。表面張力が変わる(と言う理論があるのなら教えて欲しい)わけではないので、噴出されたガソリンの霧のサイズは変わらない。霧が小さくなれば燃えやすくなるが、そうでなければ何も変わらない。(霧が小さくなると燃えやすくなるってのは表面積の増大に基づく)
つまりそういう面白いデバイスは燃焼結果ではなく霧が小さくなることを実証しないと意味がない。誰か実証して欲しいものだ。

さて、燃えやすくなったら燃えやすくなったでガソリンエンジンは結構面倒である。
なぜなら点火後燃焼ガスは未燃焼ガスを圧縮する。未燃焼ガスは断熱圧縮で高温になり、燃えやすい未燃焼ガスはその温度で自己着火する。コレがノッキング。
ハイオクってのは高温でも自己着火しないガソリンであり、言うなれば「タメ」が効く燃料だ。
先のように微細な燃料噴射装置で霧が小さくなっても着火温度に違いは生じない。

さて、おもしろいデバイスで仮にクラスターサイズが小さくなって(当然霧の液滴よりも小さいサイズが集まっている)燃えやすくなったとしても、残念ながら完全燃焼はありえない。それは先の燃焼経路に必然の答えがある。

圧縮して点火したら火種が燃焼ガスとして拡張する。燃焼ガスの膨張に伴って未燃焼ガスが圧縮されていく。未燃焼ガスは徐々に燃えていくが、ある程度まで燃えたらピストンが下死点に達する。そしてバルブが開き、ピストンは上昇して燃焼ガスも未燃焼ガスも排出。未燃焼ガスはピストンヘッドに残っているからピストンヘッドが溶けない。もし、完全燃焼したらピストンヘッドは溶けてしまう。

ターボ系では空気を十分送り込むので希薄燃焼になってしまうことがある。
そうなると燃料が少ないので完全燃焼になるだけではなく、混合気(霧は液体)が気化する時の気化熱による冷却が効かないのでピストンヘッドが溶けるという事が生じる。だから高圧縮の過給系エンジンでは絶対ハイオク仕様になっている。

わけのわからない燃費向上グッズをつけるよりも摩擦と重量を減らした方が理にかなっている。
・タイヤの空気圧を少し高くする。
・くそ重いばかでかいインチアップホイールをやめる。
・意味のないハイグリップタイヤをやめる。
・車内の不要物搭載をやめる。
・スポイラをつけない。
・比較的低粘度のオイルにする。
・エアクリの清掃をしっかりする。
・ラジエータ系の空気の抜けを良くする。
こういう地道な(殆ど金のかからない)方法が効果的なのだ。
何も純正にしなさいと言っているのではない。無駄なモノを削ぐことが大事なのだ。



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