乾酪庵 Cottage de fromage

スピブログとして発足しましたが、ただの日記になりつつあります。
最近は芸人さんの話題が多いです。

萩尾望都・考.3.5 ~ドラマ版 イグアナの娘~ 今度こそ完結編

2022-07-27 20:05:00 | 家族について考える

その3、として一度公開しましたが、読み返したところあまりにも長いので記事を分割しました。以前に公開した時と内容は変わってないです。

毎度の事、素人が印象だけで好き勝手に語ってます。ふわっと読んでくださいね。

萩尾望都・考 その1その2その3

 

 以下、イグアナの娘、最終回を視た感想。

最終回にカップル乱立する展開ってなんか名前ついてなかったっけw
ところで、かをりや伸子の母がやったように、気の弱い子を叱り飛ばすやり方って、実際には奮起するよりキズを拡げる場合の方が多いと思う。

 上記についてはドラマではカタルシスが必要なので、ある程度強い言葉を遣わないと伝わらないんだろうなと思います。現実でやるならば注意が必要と思いますが。

しつこくイグアナの話し。 子供を愛したいのに愛せない母。さぞや辛かったろう…みたいなラストになるんだけど、それは確かに辛いんだろうけど、その事に正当性を持たせちゃいけないよね。だってそれ小さい子には関係ないじゃない。 

あの時、親はああするしかなかったってのは実際あるだろうけど、それをなぜ子が受け止めなければならないのだろう。 少なくとも十代の子にはできなくて当たり前。多分九十過ぎても苦しんでる人いくらでもいると思う。

子は親を受け止める必要ないと私は思ってますが、ではああするしかなかった親はどうすればいいのか。 ん~、やっぱり自分の中で自分の親(祖父母)と決着する事だと思います。子に積み残すべきではないと思う。

親子の関係としては私はかをりの「恨んでる訳じゃないけど距離をおいて付き合えばいい」ってのが現実的だし、製作者の回答のひとつかなという気がします。 ただ、それだとリカのキャラ、というかこのドラマの温度と合わない感じがしますね。だからあれでよかったんでしょうね。

何度か書いてますが、私母子の問題の事あれこれ書きますけど、若いお母さんを責めたりプレッシャーを与えたりしたい訳ではないんです。 ちょっとの知識や心構えで防げる事があるかもしれない。子育てを若いお母さんだけの責任にせず社会全体で考えたい。大体この二つでしょうか。

そういう意味ではまず母親を救う社会であってほしい。それによってしか子供は救われないだろうと思います。 逆に(事例として分りやすいのでつい引き合いにしてしまいますが)イグアナの娘では、娘が母を理解する事で双方救われる話しなので、お話としては分かるけど順序が逆なのではと思ってしまう。

 双方救われる、というか、主人公が母親を理解するのは母親が亡くなった後なので、母親が救われたかは分からないのですが、それこそBGMや台詞などで、天国のお母さんにもきっと主人公の気持ちは届いてる…と視聴者に思わせている。これぞ正に演出の力。

これって主人公の年齢も関係ありそうですね。
原作 主人公が娘を出産➡母(祖母)の死
ドラマ 母の死(主人公まだ十代)➡後に結婚して出産
原作の順番だったら、母もまたイグアナだった、それによって苦しんでた事に主人公が気づく展開に無理がない。

 

 写真AC
ガラパゴス、で検索したらケータイの写真がいっぱい出てきて、ち、がーうってなった笑

 

日付を見ると私の実母が亡くなる直前なんですね。もういつ何があっても…、と言われてた時期です。

 

大人になり、母になって『イグアナの娘』に対する感想が変わった。っていう意見も拝見します。感想が変わること自体はいいとして、それで下の世代に『あなたも大人になれば分かる…』ってやってしまうのは、何も学習してないのと同じなのではと思えます。結局後の世代に積み残してるじゃない。

全く積み残さないというのも不可能なので、そこは塩梅を探るしかないのでしょうけどね。

 

女子美術大学特別公開講座「仕事を決める、選ぶ、続ける」レポート - ニュース:萩尾望都作品目録
 後半の方でイグアナ~の話

 

以上、長々とありがとうございました。


萩尾望都・考.3 ~ドラマ版 イグアナの娘~ ネタバレあるよ

2022-07-27 20:00:00 | 家族について考える

カテゴリー変わってますが前回の続きです。最終話です。

(…の、つもりでしたが、読み返したところあまりにも長いので3を分割して後半を3.5とします。以前に公開した時と内容は変わってないです)

毎度の事、素人が印象だけで好き勝手に語ってます。ふわっと読んでくださいね。

萩尾望都・考 その1その2その3.5

 

ドラマ版、『イグアナの娘』。
昨年、某所で再放送をしていたのを視て、その感想など Twitter に投げていたのですが、せっかくなのでまとめてみます。

 

 イラストAC

 

 おそらく2~4話辺りを視た感想。

原作だとイグアナは母の妄想なのか、実際そうなのかぼかしてる(と私は思う)んだけど、ドラマだとがっつりイグアナなんだね。ちょっと意味が違ってくる。 つまりイグアナがメタファ(暗喩)の役割をしなくなる。ドラマは分かりやすさを優先したのか…。

 '22.8.12 追記。むしろ『がっつりイグアナ』の方が暗喩になるんじゃないか。ややこしくて長い話になるから深堀りはしませんけど。

 

 4話。陸上の試合で怪我をした主人公の想い人について。

てっきり「もう走らないで❕」って言うかと思ったら、「最後まで走って❕」って言ってびっくりした。 時代かねぇ。今だったら走らせないよね。

 走らないのはあり得ないという意見も見かけたんですけど、例え棄権に終わっても、BGMやカメラワークなどで納得感を出すことは可能です。てゆうかそれをするのが演出なのでは。

 

 多分最終回か、その直前の感想

タイムラインでネタばれするのやめてけれ。知ってたけど😂
あと親友の死はストーリー展開として安易な気がしてあまりいいとは思わない。なつぞらで天陽くんが亡くなった時みたい。
そうでなくてもこの後(以下自粛

 おそらく最終回で主人公の母親が亡くなる展開を示唆してると思われます。

原作読んだの何年も前だけど、多分ドラマの方が主人公が自覚的に自立してる点は評価できる。

 エラそうですみません

 

次回、3.5話。萩尾望都・考、完結編。イグアナの娘、最終回の感想。


萩尾望都・考.2 ~トーマ、イグアナ編~

2022-07-26 20:00:00 | マンガ、アニメ

毎度の事、素人が印象だけで好き勝手に語ってます。ふわっと読んでくださいね。

あと、いずれもマンガをちゃんと読んだのはおそらく20年以上前なので正確ではないところがあるかもしれません。ご了承ください。

萩尾望都・考 その1その3その3.5

 

萩尾先生はよく『少女マンガの神様』みたいに紹介されがちですが、私はあんまりこの方の作品少女マンガっぽくないよなぁって思ってます。

と言いますのはあんまり恋愛が出てこないので。出ても形だけ。読者サービスみたいというかそれ出しとかないと少女マンガの形にならないからみたいな。

この方の描きたいのはおそらくそこじゃないんだろうなと思いますね。

対比として分かりやすいですが、ベルばらが結局もう全部全部全っ部恋愛に帰結するのとはある意味対照的だ。

もちろん萩尾先生が技術的な面(コマ運びとか)、その他で後の少女マンガ界に多大な影響を与えたことは論を俟たないですが(今、《待たない》ではないと知って衝撃を受けてますがそれはともかく)。

 

個別に挙げていくとキリがないですが、例えば『トーマの心臓』('74)。

 写真AC
ギムナジウムっぽい建物を探しましたが別にギムナジウムじゃないと思います。

私、他のところでもちょっと書いたのですが、当時で言う《や◎い》、今で言うびーえるですね。それって男性の体を借りて女の子にさせられないことをさせるための装置だと思っているのですが。

トーマの心臓の場合、むしろ性の匂いを消すために機能してるという気がする。びーえるには違いないのかもしれないけど恋愛ものとは思えない。

この辺は時代の空気とかもあるのかもしれないから何とも言えない。当時はや◎いと言えばああいうのが普通だったのか…?

 

『イグアナの娘』('92)。

母娘の対立とか娘が母親にかけられた呪いって、それこそシンデレラ、白雪姫の時代から定番というか、枚挙にいとまなく語られてるテーマだと思います。

昔話だとその呪いを解くのって結局王子さまなんですよ。良い悪いとか抜きにしてですよ。

イグアナ~だと、主人公と結ばれるのって どことなくルイ16世っぽい、家庭を大事にしてくれそうな男性ですが、少女マンガの主人公の相手役っぽくはないなぁ。あれは少女より上の年齢層をターゲットにしてるからもあると思いますが。

この件(くだり)に関しては、描きたいのは恋愛じゃなくて母親の下から少しでも早く離れたい娘心なんだろうなという気がしますね。

あと、『母→主人公→娘』っていう世代論を描きたかったので、極端な話、旦那さんのキャラは、それほど重要じゃないんだと思う。

 

呪いを解くのは原作では主人公が母親の死に向き合った時です。

ドラマ化されている作品ですが、そちらでは正に恋愛によって解放される展開になります。

 

次回、最終話。『イグアナの娘』、菅野美穂さん、川島なお美さん主演、ドラマ版の感想など。

27日、20時予約投稿済みです。

 

※注:次回の記事(その3&3.5)、カテゴリーが『マンガ、アニメ』から『家族について考える』に移動します。紛らわしくてすみません。

萩尾望都・考 その1その3その3.5


萩尾望都・考.1

2022-07-25 20:00:00 | マンガ、アニメ

前回の記事ですが、そんなごちゃごちゃ言う前にさっさと書いちゃえばいいじゃんと読まれた方のほとんどが思われたと思いますが、その前にまず数年前の自分が何を書こうとしてたのか思い出すところから始めないといけないのでそう簡単な話しでもないのですよ。
あと多分超長文になるしな。気合入れるの面倒くさいぜ…

 

そんなわけでどんなわけだ今回は萩尾望都先生の話。
毎度の事、素人が印象だけで好き勝手に語ってます。ふわっと読んでくださいね。

※思ったより長文になったので本日から毎日連投になります。
 全3回。毎20時、予約投稿済みです。

 

最初に言っておくと、別にキライじゃないけど特別ほめてないです。ただ、印象に残る作品が多い作家さんだなと思っています(エラそう )。

 

萩尾望都さん、米漫画賞受賞で殿堂入り「漫画という文化を世界の人々が愛して下さり感謝」 : 読売新聞オンライン

 

米国の権威ある漫画賞のアイズナー賞で、漫画家の萩尾望都さん(73)が、「コミックの殿堂」を受賞した。小学館が23日、発表した。

とのことであるらしく、SNS でもたくさんのおめコメを見かけました。いや水を差すみたいで申し訳ないのだが、アイズナー賞を知らないのでピンとこない。

それにモノは COMIC である。MANGA である。

日本人が外国の賞をいただいて喜んでる場合だろうか、と思ってしまうのは私だけか。

わかんないけどぉ、私が知らないだけかもしんないけどぉ。

これがスポーツとか映画の賞だったら私も素直におースゲーってなるんですけどね。

まぁ、いただけるものはいただいておいたらいいとも思いますけど。

あと多分、萩尾先生は、もらう側ではなくあげる側なのではとも思います。キャリア的にも実績的にも(エラそうパート2)。

ああでもおそらく生涯プレイヤー(現役)を貫くのでしょうからこれはこれでよいのかもしれない。

萩尾望都・考 その2その3