Yuki's Feeling Time・・・

しあわせのかけら
大好きな音楽 出来事
少しずつ紡いでいきたいと思います

『赤・・・黒・・・』

2011-05-06 | listen!!!
『赤と黒』と言えばスタンダールの作品
一言で言えばどろどろの愛憎劇・・・
学生の頃 読んで「なんだこれ^^;」と思った思い出が・・・(笑)
でも割りと古い文学作品には多い“どろどろ”
人間の深層心理を学習するよい教材でした・・・

と この話は全く関係ありません
共通点は“赤”“黒”

西日本各地で嵐を起こし続けているピアニスト工藤隆さん
3月Duoでライブをさせて頂いたことはご報告済みですが
今月9年ぶりにリーダーアルバムを発売!という嬉しいお知らせです

タイトルは・・・『Gratitude』

意味は“感謝、感謝の気持ち”ですが
この言葉に込められた工藤さんの思いは工藤さんのそのこころの深い場所に。。。
どんな作品になっているのかとてもとても楽しみです!

そこで

9年前に発表された工藤さんのアルバム『Red...Black...』
わたしなりの表現にてですが紹介させて頂きたいと思います

Red...Black...
クリエーター情報なし
HAO RECORDS


わたしがこのアルバムを手にしたのは6年程前
工藤さんの激しく優しいピアノに魅了され通っていたライブ会場で
この赤と黒は工藤さんの好きな色
羽織るジャケットはその色合いで和紙を使ったデザイン
その中には丸くてやわらかい音の粒

このアルバムはトリオでの録音となっています
工藤隆(P.)
Larry Grenadier(B.)
Scott Goulding(Ds.)
B.の方がブラッドメルドーと活動していると知りブラッドメルドーのアルバムを買って聴いてみたり
“音楽が音楽を呼ぶ”
そんな広がりを生んだりして

このアルバムの幕開け
万華鏡を覗いてくるくる変化する世界
まさにそんな感じの『Freedom Jazz Dance』
beatの変化でこんなに音楽の印象って変わるんだ!
そんなわくわくする音楽の扉を大きく開ける1曲目

開いた扉の向こうには工藤隆の繊細な世界が広がります
『Cinema Paradiso』
映画『New Cinema Paradise』の劇中曲
日本で公開されたのはわたしが学生の頃
わたしこの映画大好きで最初の公開から数年後完全版が公開された時も劇場に足を運びました・・・
優しくも切ない 
ひとが生きる時間の中で成長していく悦びと苦しみを目の当たりに
その映画の世界が甦ります

『Angel Eyes』
天使の瞳 でしょうか
失恋ソングです・・・
愛するひとに去られ 若干混乱ぎみの心情
そのこころは何処へ
惑う魂が鍵盤の上を彷徨っているような・・・

『Joanne』(Interlude)
工藤さんのオリジナルです!
ベースソロで渋すぎます
これは序章にすぎません・・・!

『Moon River』
『Night and Day』
多くのひとに愛されるスタンダード
わたしも大好きで2曲共よく歌わせて頂いています
・・・というか先日のDuoライブでこの2曲それぞれに演りましたね!
今気付きました^^;

『Roulette』
福岡を代表するギタリスト田口悌治さんのオリジナルアルバム『Out of The Line』より
素晴らしいと感じるものを素晴らしい!と表現する
そのストレートさが好きです
お互いを尊敬する気持ちはひとつひとつ輝石となって積み重なっていきます

『The Shower』
この曲はクレジットにデザイナーの方のお名前があるのだけれど
何か事情がありそうだ・・・
幾何学模様な旋律の動き
歌うのは大変だな(笑)
いろんな色の音の雫が不規則なリズムで落ちてくる
それはパステルではなく刺激の強い色の組み合わせ
ますます謎は深まる。。。。。

『Joanne』
さぁここで4曲目の謎が解ける・・・ぃゃ・・・解けるのか???
工藤さんのオリジナルです
冒頭の駆け引きはスリリングで
この表現の譜面の仕組みを知りたい
このテーマは脳裏に焼きつきます
でもVo.としてののわたしの目線からは絡みづらい(笑)
息を抜くと置いて行かれるそんな緊張感が心地よいです

そして工藤さんのオリジナルもう1曲
『Snow...and then...』
この曲はファンが多いです
寒い季節になるとこの曲を求める方多し
タイトルに“Snow”とあるから冬の曲と思ってしまうのかな
情景が浮かぶメロディ
わたしももれなくそんな感じで
以前この曲に歌詞をつけたことがありました
実はいつか共演させて頂けたらなぁなんて思いも込めて当時書いたのですが
工藤さんの繊細な部分が手のひらに触れては溶ける雪のように伝わる曲です




この作品の発表から9年
今月発売を控えた新作はDs.左海誠司さんとのDUO!!
過ぎた年月が工藤さんに何を加え何を引いたのか
そこに切り取られた世界が何色に光るのか
とても楽しみです*^^*