SMILES@LA

シェルターからやってきたミックス犬のニコとデカピンのニヤ。どちらの名前もSMILEの犬姉妹の思い出を綴ります。

ドッグフードの原材料を見てみよう POCHI

2019-06-28 01:41:43 | ドッグフード原材料シリーズ
ドッグフード原材料シリーズ第16回目は日本の会社POCHIのフードです。
 
POCHIさんはプレミアムドッグフード専門の通販ショップとしてスタートした会社で
犬グッズのセレクトショップとも言える、こだわりの商品を取り揃えています。

今回ご紹介するのはPOCHIのオリジナルフードとして販売されているドライフードのうち
ラムとワイルドサーモンについて。

このフードもキアオラ やアーガイルディッシュのように、海外で特別製造された製品を
日本の会社がパックして販売しています。
原産国はオランダなので、栄養基準はEUの欧州ペットフード工業会連合に適合しています。
日本で販売されているフードの大半はAAFCO(米国飼料検査官協会)基準なので
その点はちょっと違いますね。



「じゃ、ラム+エイジングケアの原材料から見ていきまーす」

ラム生肉 ソラ豆 フィッシュペプチド(タラ ニシン スズキ)  エンドウ豆  

セルロース リンゴ 動物性脂肪(ビーフ チキン ターキー ダック ホロホロ鳥) 

キャロブ繊維 ミネラル類(炭酸カルシウム リン酸一カルシウム 塩化カリウム)

アルファルファ サッカロマイセス・セレビシエ(プロバイオティクス) 香味料(自然由来)

エンドウ豆プロテイン ケルプ サーモン油(EPA・アスタキサンチン源) 

エイジングケアブレンドハーブ(カレンデュラ ダンデライオン ネトル ローズマリー
パセリ カモミール マーシュマロウ セージ タイム ペパーミント コリアンダー リコリス)

ボラージ油(γリノレン酸源)  イヌリン(プレバイオティクス・フラクトオリゴ糖源)

クランベリー イーストカルチャー(バイオジェニック・βグルカン源)

緑イ貝(グルコサミン源) MSM ボスウェリア抽出物 酸化防止剤(植物由来トコフェロール) 

●栄養添加物
ビタミン類(A D3 E K3 チアミン リボフラビン ナイアシン パントテン酸 
ピリドキシン B12 ビオチン 塩化コリン 葉酸 C)  
ミネラル類(Fe Mn Cu Zn I Se)  Lカルニチン  タウリン

最初の原材料はラムの生肉というのは理想的ですね。ラムは英国産だそうです。
ただし生肉は水分を多く含むので、加工後に水分が失われた状態ではかなり嵩が減ります。
ですから、実質は2番目以降の原材料の占める割合が高い可能性も考えられます。

2番目のソラ豆、豆が使われているドッグフードは多いけれどソラ豆は珍しいですね。
ソラ豆はタンパク質が豊富で、さらにビタミンB群や各種ミネラルも多く含みます。
食物繊維も豊富で、人間のオヤツやおつまみには理想的ですが、犬が食べる場合はちょっと注意が必要です。
豆のタンパク質には犬に必要なアミノ酸が全種類揃っていないこと、
不溶性の食物繊維は腸内の環境を整える一方で
ミネラルやアミノ酸の吸収の邪魔になることもある、などは知っておきたい点です。

フィッシュペプチド(タラ、ニシン、スズキ)
聞き慣れない原材料名ですよね。私もフードの原材料一覧では初めて見ました。
まずペプチドとは何かというのを、ごく簡単に説明します。
肉や魚、豆など各種タンパク質がありますね。
それぞれのタンパク質は様々な種類のアミノ酸が結合して構成されています。
アミノ酸は一定のルールの元に結合して、50個以上のアミノ酸が結合したものがタンパク質。
2個以上50個未満のアミノ酸が結合した小さい塊はペプチドと呼ばれます。
このフィッシュペプチドは多分タラ・ニシン・スズキのアラ部分を加水分解(タンパク質を酵素または酸で加工分解)したものだと思います。
なぜアラ部分かと言うと、普通の身の部分ならペプチドにまで分解する必要がないし
製品価格から見てもアラ部分だと考えるのが妥当だと思うからです。
フィッシュペプチドは犬の体内で速やかにアミノ酸として活用されるので、消化吸収しやすいタンパク源と考えて良いでしょう。

エンドウ豆はグレインフリーフードの炭水化物、植物性タンパク質源の定番です。
良質な原材料ですが、注意する点はそら豆と同じです。

セルロースは、植物性の不溶性食物繊維です。腸内環境を良好に保つ働きを持つ一方で
ミネラルやアミノ酸の吸収を邪魔する可能性もあります。
このセルロースが何にに由来するものかが分からないのは残念な点です。

リンゴは説明不要ですね。フードの原料として期待できるのはカリウムと食物繊維です。

動物性脂肪はオメガ6脂肪酸の摂取源でもありますが、これも特徴的ですね。
どうして5種類もの脂肪が使われているのかな?と考えたのですが
もしかしたらペットフード添加用の脂肪としてミックスされた製品があるのかもしれないですね。
私が普段見慣れているのは原産国がアメリカやカナダの製品なので、
こういう細かい点に違いがあるのかもしれません。
種類の違う脂肪が使われることで、違う種類の脂肪酸が摂取できるのはメリットです。

キャロブ繊維、キャロブというのはマメ科の植物で豆とサヤの部分が食用にされています。
ほのかな甘みと苦味があるのでカフェインを含まないチョコレートの代用品としてよく使われます。
犬用ケーキのデコレーションなどに多く使用されます。
ここで使われているのは繊維ということですが、サヤ部分を主に使っているのかな?
キャロブ自体は鉄分やカルシウムなどミネラルを多く含みますが、
これは繊維と書かれているのでその点はあまり期待できない気がします。

アルファルファは和名ウマゴヤシ、草食動物の飼料として多く使われます。
ビタミンやミネラルなど栄養豊富な野菜です。

サッカロマイセス・セレビシエはプロバイオティクスと書かれているとおり、酵母です。
パンを焼く時の酵母もビール酵母もサッカロマイセスの一種です。
できれば、分かりにくいカタカナよりも◯◯酵母と書いてもらえると消費者としてはありがたいですね。

香味料は、◯◯エキスとかタンパク加水分解物と表示されることもあるものですね。
大豆または動物性タンパク質の副産物を加水分解して、旨味や香りの素として吹き付けているだと思います。

エンドウ豆プロテイン、これもグレインフリーフードの定番ですね。
エンドウ豆のタンパク質ですが、ドライフードではつなぎとしての役割もあります。

ケルプは昆布です。ヨードの摂取源になります。

サーモン油が入っているのはオメガ3脂肪酸摂取のために良いですね。

エイジングケアブレンドハーブはこのフードの名前にもつながるアピールポイントだと思うのですが
「うーん、これはちょっとどうかなあ」と思う部分でもあります。   
いつも書いているように、フードにハーブが配合されていると5日摂って2日休むのリズムが作りづらいというのが一つ。
さらにブレンドハーブの中にタイムとリコリスという長期摂取は避けたいハーブが含まれている。
そういうわけで、どうしてもこのフードを使いたいという方は、他のメーカーのフードと1ヶ月毎くらいのローテーションをお勧めします。

ボラージ油はガンマリノレン酸というオメガ6脂肪酸を含む数少ない植物性オイルです。
ヒマワリ油などに多く含まれるリノール酸は体内でガンマリノレン酸に変換されるのですがこの変換能力は年齢とともに低下します、
ですからシニア用のフードに変換の必要のないガンマリノレン酸が含まれるボラージ油が使われているのは良い選択です。

イヌリンは水溶性食物繊維です。腸内細菌のエサとなって腸内環境を整えます。

クランベリーは抗酸化物質を多く含むフルーツで、泌尿器系の健康をサポートすると言われています。

イーストカルチャーはイースト菌を発酵させたところに穀物を混ぜてさらに発酵させたもので
通常は牛の飼料として使われます。
プロバイオティクスとはまた別のバイオジェニクスという物質として配合されています。
プロバイオティクスは腸内細菌と細菌たちが作り出す物質が腸内環境を整えていますが
バイオジェニクスは、細菌が作り出す物質そのものをダイレクトに摂取します。

緑イ貝はグルコサミンを多く含む貝で、関節炎に緑イ貝サプリが処方されることもよくあります。
オメガ3脂肪酸も豊富です。

MSMはメチルサルフォニルメタンの略で、食品に含まれる有機イオウ成分です。
体内でタンパク質やコラーゲン生成に関わる成分で、関節炎などにサプリが利用されます。

ボスウェリア抽出物は植物ボスウェリア(別名フランキンセンス)から抽出した物質で、抗炎症鎮痛作用があります。
インドのアーユルヴェーダでよく使われるそうですが、これも毎日摂取してもいいのかなあ?

酸化防止剤は天然由来のトコフェロール(ビタミンE)ですね。   



「もう一つ、サーモンも」

サーモン生肉 フィッシュペプチド(タラ ニシン スズキ) エンドウ豆 スイートポテト 

エンドウ豆プロテイン リンゴ キャロブ繊維 アルファルファ サーモン油  

アマランス サッカロマイセス・セレビシエ ミネラル類(リン酸一カルシウム 炭酸カルシウム) 

香味料(自然由来) セルロース ヒマワリ油 ケルプ イヌリン 

ブレンドハーブ(ペパーミント カレンデュラ カモミール マシュマロウ根 ダンデライオン) 

マンナンオリゴ糖 クランベリー スピルリナ イーストカルチャー グルコサミン(軟体動物・甲殻類由来)

コンドロイチン硫酸塩  酸化防止剤(緑茶抽出物 植物由来トコフェロール)

ラムがサーモンに代わっていること以外はだいたいよく似た内容です。
ソラ豆ではなくスイートポテトと雑穀のアマランサスが入っていますね。
それからこちらはオメガ6脂肪酸源が動物性脂肪ではなくヒマワリ油です。

関節炎などの痛み対策が、ラムが緑イ貝+MSMなのに対し、サーモンではグルコサミン+コンドロイチン
一番違うのはサーモンのブレンドハーブは種類が少ない点ですね。
タイムとリコリスが入っていないのは良いのですが、他のハーブはラムと重なっているので
ローテーションをする際は他のメーカーの方がお勧めです。

ミール不使用、グレイン&グルテンフリーなど、こだわりを持って製造されており
高品質なフードだと思います。
欲を言えば、原材料の表示の仕方がもう少しわかりやすいとありがたいですね。
多分ですが、オランダで表記されているものの直訳なのかな?という気がします。

どちらも食物繊維を多く含むので、ウンチの量は増えるかと思います。



「ウンチョスいっぱい出るんだってー!」

どちらの製品もトッピングしても程よいバランスの「トッピングフレンドリー」と書かれていますが
私個人の感想としては「トッピングフレンドリーかなあ?そうでもないかも」という感じです。
全体としては色々工夫された良いフードだと思います。
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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2020-04-11 14:00:29
前に異物混入あってメーカー対応がいまいちな印象です。むしろ悪い印象かも
お名前が入っていないようです (あが)
2020-04-12 17:59:42
そうだったんですね。情報をありがとうございます。

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