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SMILES@LA

シェルターからやってきたミックス犬のニコとデカピンのニヤ。どちらの名前もSMILEの犬姉妹の思い出を綴ります。

ドッグフードの原材料を見てみよう プラチナム

2021-06-18 16:21:03 | ドッグフード原材料シリーズ
今やレアアイテム化しているドッグフード原材料シリーズです。
今回はプラチナムというドイツのドッグフードです。
ちょっと「ノルウェイの森」の主人公になった気持ちで
「やれやれ、またドイツか」と呟いてみたりしています。


「ノルウェイの森がなんでドイツなの?」

村上春樹のノルウェイの森の冒頭で、着陸した飛行機の中で主人公が
「やれやれ、またドイツか」って春樹節を炸裂させてるんだよ。
犬のブログと全然関係ない話だけど。


さて、話をプラチナムに戻しましょう。
今まで取り上げてきたドイツのフードの中では異色な感じで
グレインフリーをアピールしています。

また豚肉がメインというのもちょっと珍しいので
他にチキン、ビーフ、ラムもあるのですがポークを取り上げます。
 

フレッシュポークミート(70%、イベリコ豚のみ使用)

乾燥ポテト、乾燥フィッシュ、乾燥醸造酵母、乾燥リンゴパルプ

サーモンオイル、ユッカ抽出物、コールドブレス アマニオイル

コールドブレスオリーブオイル、ミドリイガイエキス

乾燥キャロット、乾燥トマト、乾燥マリーゴールド

乾燥タンポポ、乾燥ブロッコリー、乾燥緑茶、乾燥カモミール

乾燥オレガノ、乾燥オオアザミ種子、乾燥クランベリー種子

海苔、塩化カリウム

鉄(硫酸第一鉄、七水和物)75mg、ヨウ化カリウム1.5mg、
硫酸銅(II)五水和物19mg、硫酸マンガン(II)一水和物40mg、
酸化亜鉛190mg、亜セレン酸ナトリウム0.3mg

原材料の一番最初にフレッシュポークミート、
つまり原材料の時点では加熱していない生の豚肉ですね。
含有量70%と記されているので、かなり多めに感じますが
生の肉の約7割は水分なので、加熱調理後の割合はずっと低くなります。
イベリコ豚というのは、スペイン原産で放牧で飼育されている豚です。
放牧地に落ちている木の実を多く食べているため肉の風味が良いとされています。

2番目は乾燥ポテト。ジャガイモですね。
豚肉とは反対に水分が飛んでいる分、実質量はかなり多めになると思います。
ジャガイモのデンプンは犬には消化しきれない難消化性デンプンを含みます。
(全てが難消化性というわけではない)
消化できる分はエネルギー源となり、難消化性のデンプンは
血糖値が急激に上がるのを防いだり、腸内環境を整えたりと言った
不溶性食物繊維と同じような働きをします。

乾燥フィッシュ、これは一見フィッシュミールか?と思いますが
英語版の原材料にもdried fishと書いてあるのでミールではないようです。
ミールは魚を加熱して脂を搾った後に粉状に挽いたもので
乾燥フィッシュは多分日本の魚の干物みたいなものだと思います。
この点が曖昧で申し訳ありません。
乾燥している分、タンパク質の含有量は多いです。

乾燥醸造酵母はビール酵母ですね。
ビールを醸造する時に発酵のために加えられる酵母です。
ビタミンB群をはじめとするビタミン類や必須アミノ酸を
豊富に含む栄養食品です。

乾燥リンゴパルプ、その名の通りリンゴの繊維ですが
アップルジュースなどを搾った後の残りが利用されています。
水溶性と不溶性の両方の食物繊維が含まれます。

サーモンオイル、体内では合成できない必須脂肪酸である
オメガ3脂肪酸(DHA,EPA)の摂取源として理想的なオイルです。
免疫機構を健康に保ち、皮膚や被毛の維持に欠かせないものです。

ユッカ抽出物、リュウゼツラン科の多肉植物ユッカの地下茎のエキスです。
ユッカの地下茎は海老芋のような見た目と食感で食用にされますが
そこに含まれるサポニンが抗炎症作用や抗腫瘍作用を持っており
そのため関節炎のサプリメントにもよく使われています。
また便のニオイを抑える働きもあります。

コールドプレスアマニオイル、亜麻仁と漢字で表記されることが多いですが
フラックスシード とも呼ばれるアマ科の植物の種子のオイルです。
必須脂肪酸であるオメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸を含みますが
植物性のオメガ3脂肪酸は犬の体内ではほとんど活用されないので
このオイルはオメガ6脂肪酸の供給源として考えることができます。
コールドプレスというのは低温圧搾とも呼ばれ、オイルを搾る際に
30℃以上の温度にならないよう管理されているため、
栄養素の損失や酸化のリスクが抑えられます。

コールドプレスオリーブオイル、オリーブオイルを含むフードは珍しいですね。
豊富に含まれるオレイン酸(オメガ9脂肪酸)は必須脂肪酸ではありませんが
血中コレステロールを適正に保つ働きがあります。

ミドリイガイエキス、二枚貝のミドリイガイの抽出物です。
オメガ3脂肪酸の他、強い抗炎症作用を持っているため
関節炎のサプリメントとしてよく知られています。

乾燥キャロット、乾燥トマト、乾燥ブロッコリーはそのまんまですね。
この製品では乾燥と表記してありますが、他の製品では単に
ニンジンとかトマトと書かれている場合が多いです。
ドライフードに使用されている野菜類はフレッシュと書かれていない限り
乾燥品がデフォルトと考えてOKです。

乾燥マリーゴールド、ここからハーブ類が続きます。
マリーゴールドは抗炎症作用のあるハーブですが抗菌作用もあるため
犬のためという目的の他に、製品のために配合されているのかもしれません。
防腐剤として認められている成分ではありませんから、そのような効果をうたうことはできませんが。

タンポポ、使用されているのが葉なのか根なのか両方なのかが不明ですが
利尿作用や健胃作用、肝機能をサポートする働きがあります。

乾燥緑茶、お茶の葉の健康作用は日本人ならよく知っているところですが
犬にはどうなんだろう?という疑問を感じる原材料ですね。
茶葉の抗菌作用や抗酸化作用は犬にとっても良いものですが
カフェインを含むものですから、毎日食べるフードに使うのは
あんまり歓迎しないなあという気がします。

カモミールはおなじみのハーブですね。
胃腸の不調を整える、抗炎症作用、鎮静作用などの働きがあります。

オレガノ、料理のスパイスとしておなじみのハーブです。
消化促進、抗菌作用などの働きがあります。

オオアザミはミルクシスルという名前でも知られます。
非常に強い肝臓強化作用を持っているので本来はスポット的に使うハーブです。
ワクチン接種やフィラリア薬投与の後や肝機能が落ちている時に
非常に頼りになるハーブなので、毎日食べるフードに使うには
あまり相応しいハーブではないと思います。

クランベリー種子、クランベリーというと尿路感染症の予防という
イメージが強いかと思いますが、それは赤い実の方の効果で
ここで使われている種子はまた別の働きがあります。
ビタミンEを豊富に含み、強い抗酸化作用を持ちます。

海苔、英語ではdried seaweedと書かれています。
海苔というのはseaweedの加工品で、そんな高価なものが
使われているとは思えないので、何らかの海藻の乾燥粉末だと思います。
ヨードの補給の他、海藻の種類によっては歯垢を防ぐものもあります。
(この製品に使われている海藻の種類は不明)

塩化カリウム、食品添加物でカリウムの摂取のために配合されます。
カリウムはナトリウムとバランスをとりながら細胞の機能を
正常に保つのに不可欠なミネラルです。

その後に並んでいる難解な名前はミネラル類です。
数値は全てフード1kgあたりの含有量です。

「では全体的な感じと、注意事項などをどうぞ」

このフードがアピールしているのは「無水調理」
水を一切加えずに肉の水分だけで調理しているのだそうです。

原材料が100%ヒューマングレードだと書かれていますが
プラチナムのヨーロッパ向けのサイトにはそのような表記はありません。
日本では「ヒューマングレード」の基準が定められていないので
日本の販売元の判断でこのようなことがよくありますね。
とは言え、原材料が人間も食べられるものというのは悪いことでありません。

お肉70%というイメージと比べて、粗タンパク質23〜24%は
ちょっと低めと言えます。
しかしミールが使われていないのでアミノ酸の損失が少なく
栄養摂取の効率は良いのではないかと思います。

良いフードだと思うのですが、ハーブの配合については
上にも書いた通り緑茶やミルクシスルに関して小さい不安があります。

ハーブ類を同じ種類で長期間摂り続けないためにも
他の全く違うメーカーとのローテーションをお勧めします。

日本での販売は代理店ではなく日本支社という形なのは安心感があります。
製品の公式サイトもきちんとした作りで好感が持てます。
ただし栄養に関する表記はちょこちょこと間違いがあるので
その点は今後に期待という感じですね。

もしもこのフードが身近で買えるなら、私も一度買ってみると思います。


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32 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (おやつまだ?)
2021-06-20 00:13:42
真偽が分からないのですが、プラチナムは原料として人工保存料は使用しておりませんが、
なんとなく、原材料の保存にソルビン酸を使用している可能性あります。
昔は堂々と使用していたはずですが、今はキャリーオーバーで保存料として入れているようですね
それにしても、天然のソルビン酸ってのは存在するものなのでしょうかね
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Unknown ()
2021-06-20 12:17:33
原材料シリーズ、おかげさまでだいぶ知識が身に付き、最近では「あがさんは、ここをこう突っ込むだろう!」と予測しながら読むようになりました(笑)
クラムがフード受け付けないので買うことはなくても、手作りする際にもとても参考になります。
これからも楽しみにしてます♪
返信する
お二方、コメントありがとうございます (あが)
2021-06-21 02:39:56
・おやつまだ?さん
原材料の時点で使用されている食品添加物は表示義務がないので
その可能性はほぼ全ての加工食品に当てはまりますね。
ソルビン酸は水に溶けにくいため、保存料として使用されるのはほとんどがソルビン酸カリウムです。
元々は野生のキイチゴなどに含まれている成分なので
天然のソルビン酸およびソルビン酸カリウムは存在します。
個人的には、知っておいて悪いことはないが保存料不使用で発生するカビの方が毒性が高いし
多少入ってる分にはしょうがないなくらいに考えています。

・希さん
いつも読んでくださってありがとうございます。
おかげで私の方まで読まれてしまった(笑
私自身もニヤに与えられるフードはごく限られているのですが
いろんなフードのことを知るのは楽しいです。
返信する
Unknown (まるママ)
2021-06-26 13:07:57
はじめまして。 このシリーズが大好きです。
待ちに待ったプラチナム、ありがとうございます。

我が家の我儘息子のドッグフード嫌いは大変なもんなんです。 飼い主の責任と言われても仕方ないのですが…。
ドッグフード嫌いは生まれつきって思う私です。 過去にいた子供達でそう思えるようになりました。
ジウィは最初の1ヶ月で全く食べなくなり、K9は見向きもしませんでした。
ウェットフードもなかなか好き嫌いが激しく、食べても直ぐに飽きるのです。
ところがこのプラチナムだけはなんとか食べてくれるので助かってます。
プラチナム、ウェット…全てトッピングする条件は同じです。

プラチナムでお肉ローテーションができれば有難いのですが、牛豚鶏とアレルギーで禁止なんです。
検査はしてないのですが、鶏は確実と獣医に言われ、ついでに人間がよく食べている牛豚もやめた方がイイとの事でした。
お陰様で足の毛抜け治り、少しづつ毛が生えてきてます。


プラチナムが粗悪なフードならどうしよう と思いながら読ませて頂きました。
また、読ませて頂きますね。
返信する
まるママさん、コメントありがとうございます (あが)
2021-06-26 17:25:43
プラチナム大変お待たせしてしまって恐縮です。
ドッグフードの選り好みが激しいのは全然飼い主さんの責任ではないです。
好き嫌いがあるのもワガママとか贅沢とかでもないと思います。
アレルギーのある子は皮膚や消化器官の症状に目が行きがちですが
舌や口の中も敏感で、合わないフードだと不快感があって食べない可能性もありますので。
プラチナムは良いフードだと思います。ご愛犬の体にも合っていて本当によかったです。
返信する
Unknown (pikko)
2021-06-28 22:54:43
はじめまして。
いつも勉強させて頂いております。

こちらのコメント欄で質問させて貰っていいのか分からないのですが、、、
5ヶ月のミニチュアシュナウザーを飼っています。
アカナパピーをあげているのですが、来月には避妊手術を予定しているので、犬種の特性や今後を考えると少し早めにカロリー少なめのものを与えた方がいいのかなと考えています。

タンパク質23%〜28%、脂質15%以下、灰分7%位のものを探しています。理由としては尿路結石とシュナウザー面皰症候群と膵炎の心配です。(今何か兆候がある訳でもないのですが)
最初灰分がなるべく少ないフードを探していたのですが、それは逆効果だと知り、多くても少なくてもダメかなと思っています。
あと面皰症候群と膵炎については脂質に気をつけた方がいいのかなと思っています。

今のところ食欲旺盛で食いつきなどは心配ないのですが、うんちが硬めで便秘手前?という感じです。一度も下痢をした事がないです。
尿が強酸になりやすいようで、濃い色をしているので水分取らせる様にしていますが、あまり飲みたがらないのでいつもハラハラしてます。
あと空腹だったりすると吐き気があったり、ドライであげると消化不良なのか少し吐いたりという事はありました。
それでアカナより少しタンパク質が低い方がいいのかなと思いロータス、アボダーム、アーガイルディッシュ(フィッシュオイル添加)、ペットカインドあたりで考えていますが、主人が普通にアカナアダルトでいいのではないかと言ってきて迷い出しました。
主人は今の状態をそのまま維持できるからと思っているようです。

シュナウザー特有の病気を考えると不安で仕方ないのですが、検索するとシニア犬の事が沢山出てくるので心配するのが早いのかなと思ったりもしています。

沢山質問してすみません。汗
要するに犬種の特性をパピーの頃から気にかけるべきなのか、シニアになった頃に考えていくべきか、どう思いますか?
長文で申し訳ないのですが、宜しくお願いします。
返信する
pikkoさん、コメントありがとうございます (あが)
2021-06-29 17:15:31
はじめまして!いつも読んでくださってありがとうございます。

まず最初に大切なことから。
5ヶ月でパピー用フードをやめてはダメです!来月の避妊手術の後でもまだダメです!
避妊手術をすると太りやすいと言いますが、そこは間食の量や質を気をつけて
早めにパピーフードを切り上げるというのは危険です。
子犬用のフードはタンパク質やカロリーだけでなく、
その急激な成長に合わせてミネラル類を調整したりしているので
早すぎる時期にやめてしまうと、骨の成長に支障が出る可能性があります。
小型犬の場合は9ヶ月くらいがアダルト用に切り替えの目安と言われており、超小型犬でも7ヶ月くらいが目安です。
9ヶ月くらいまではパピー用のフードを続けた方が良いと思います。

ドッグフードの脂質で気をつけなくてはいけないのは量よりも質です。
フードによっては、オメガ6脂肪酸の割合が多すぎるものもあり
そういうフードは炎症反応を引き起こしやすく皮膚のトラブルにつながりやすいです。
健康な若い犬が普通にフードに含まれる脂質だけで膵炎になることはほとんどないと思います。
アカナのフードの脂質は良質ですが、成犬になってからはフードもローテーションした方が良いので
他のフードで体に合うものを見つけておくのは良いことですね。

水分は尿路結石対策で考えていらっしゃるのだと思いますが
ウンチが硬めなのも、あまり水分を取らないからかもしれないですね。
これからの季節は特に水分補給が大切なので、お水にヨーグルトをちょこっと混ぜたり
(ほんのちょっと、白く濁るかな?程度で良いです)
カップ1杯の水にカツオブシ小さじ2分の1位を入れて煮立てたものを
冷やしておいてあげるなどはどうでしょうか?
味のついたものを与えると水を飲まなくなるという人もいますが
人間だって水よりも麦茶の方がいいという人もいるのだし
何よりも水分を取ってくれることが大切なので、私は味付け推奨派です。
味付けと言っても、ほんのちょっと香りと風味が加わる程度でだいぶ違うと思います。

犬種特有の病気は確かに気になるものですが、まだ5ヶ月のパピーちゃんです。
内臓も皮膚も新品のピカピカですから、この時期不安で仕方ないなんてもったいない!
必要な気配りだけして、心配は後に取っておいてください。
(尿路結石なら水分補給とか、面皰症候群ならしっかり運動して新陳代謝を良くするとか)
どうしても心配な場合は、遺伝子検査も比較的安価にできるようになっていますので
成犬になってから考えてみても良いかもしれないですね。
返信する
Unknown (pikko)
2021-06-29 19:03:18
検索しているとペット保険などが上位に上がってくるのでついつい不安になったり、(やたらと病気を強調してくるので)ネットのアバウトなアドバイス?を鵜呑みにしてたかもしれません。あがさんの言葉でハッとしました。
言われてみればピカピカなんですよね。

とりあえず9ヶ月まではアカナパピーで過ごして、その後良さそうなフードをローテーションしていこうと思いました。
有難うございました。
返信する
Unknown (pikko)
2021-06-29 19:12:06
あ、あと
3ヶ月の時にヨーグルトをほんの少し水に溶かしてあげたら耳が赤くなってしまって、獣医に相談したら「早い!」と言われてしまいました。汗
凄く喜んで飲んでいたので残念ですが、もう少し大きくなるまではかつお節の煮出したものの方で対応していこうと思います。
返信する
pikkoさん、コメントありがとうございます (あが)
2021-06-30 16:43:38
ネットで病気のことを検索すると不安が膨らむんですよね。
ヨーグルト、まだ早過ぎたんですね。
心配のない方法なら、お湯にいつものフードを2〜3粒入れてしばらく置いて
そのお水を飲ませるという手もありますね。

うちのニヤは水のボウルにフードやトリーツを2〜3粒入れたのを出すと
トリーツ食べたさに水を飲んでいました。
(これは水に入れてすぐ与えていました。水そのものの味は変わってないはず)

空腹時の吐き気は子犬や若犬のあるある現象ですが
食事を小分けにしたり、フードの1日の所定量から少しだけ取り分けておいて
それを「お腹が空きそうかな?」というタイミングであげると、割と防止できるようです。
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