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SKYKUDO

日々の出来事,思いを綴る

世は諸行無常

2011-09-27 21:16:26 | 読書
久しぶりに早く帰ってきてTVを眺めていた。
毎日毎日いろんなNEWSがあるものだ。
「諸行無常」
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」
まさにその通りだ。
同じような毎日を過ごしているかのようなマンネリ感にドップリとはまってしまう時もあり、これはこれで幸せだが、やはり小さな変化に、敏感に反応する心を持って生きたいものだ。

最近読んだ本の中で特に良かった物語。
奥田英朗さんの『我が家の問題』

どこにでもある極普通の家庭に起きた出来事が描かれている。
ハッピーエンドの短編ではないが、どの話も何となく温かみを感じる。
この作家のユーモアはとても気に入っている。


奥田 英朗
集英社
発売日:2011-07-05




村上さんの短篇集を読み返した

2011-09-13 06:02:07 | 読書
数日前のblogで紹介した村上春樹さんの短篇集がもう一度読みたくて,先週末からずっと探していた。
読んだものから古本屋にもっていくことが多いのだが,確かこの本は取っておいたはず。
そして,日曜日の夜に,やっと見つかった。

題名は,「レキシントンの幽霊」
非常に薄い文庫本だった。



この本は,自転車で街の中を走っている時,偶然見つけた本屋で買ったものだった。
財布の中には,500円玉一個。
それで買えるものから選んだものだった。

改めて読んでみると,相変わらず村上さんの小説は,何を伝えたいのか分からないものがある。
短篇集だとさらに分かりづらい物語もあった。
そんな中で,今でも読むと腹が立つ「沈黙」以外に,もう一つ心にズシンときたストーリーがあった。
「七番目の男」
東日本大震災があったせいなのかもしれない。
生々しく目の前で現実的に起きているかのような文章だった。
最後の数行がまた記憶に残っている。



下町ロケットを再読

2011-08-21 08:08:34 | 読書
今日は朝から雨。
窓を開けるとちょっと肌寒く感じるほど涼しい空気が入ってきた。
季節は初秋へ。一年の中で,一番過ごしやすい時期へと確実に向かっている。

24時間テレビを映しながら,パソコンの前で池井戸潤さんの「下町ロケット」を再読していた。
今年の直木賞受賞作である。

ロケットエンジン研究者が,打ち上げ失敗の責任を取って辞任。
その後,親父の後を継いで佃製作所という下町工場の社長業に就く。
「小さな企業VS大企業」という構図は,同じ作者の「空飛ぶタイヤ」と似ている。
「特許」という知的財産を巡っての銀行や発注業者,大企業との駆け引きが読んでいて面白かった。

倒産寸前の危機的状況でも,眼の前の餌(金)に飛びつかず,自分たちの技術力,開発力を信じ前に進もうとする。
社員からの猛反発。
それでも意思を曲げない社長の「意地」「プライド」「熱意」が物語の中に溢れていた。
トップのその場その場の判断が,小企業の運命を決するというシビアな世界に触れることができた。
「下町ロケット」というタイトルは,ちょっと軽い小学生向けの感じだが,内容は全くそうではない。
受賞に相応しい内容だった。


心の奥底に何かがたまる 「アントキノイノチ」さだまさし作

2011-08-18 06:40:29 | 読書
帰省の渋滞疲れが残る中,朝から研修に参加してきた。
外界と違って涼しい空間の中,時折睡魔が襲ってくるときもあったが,講師の方が不意に大声を張り上げる方だったので,その度に目が覚める。
お陰で講義や演習にしっかりと参加できた。

さて,休暇中は八戸へ行ってきたが,その街にはDOUTORのような珈琲店だけでなく,昔ながらの喫茶店がまだ残っている。
カウンターに珈琲サイフォンがあり,店内は暗く静かだ。
一年に一回しか顔を出さない店へ,今年も文庫本を抱えながら行ってきた。

読んだ本は,さだまさしさんの「アントキノイノチ」
元プロレスラーのような題名の本だった。



精神が壊れてしまった若者が立ち直っていく軌跡を描いた物語。
遺品整理業として働く現在と病む要因となった過去の出来事が交互に出てきて物語は進んでいく。
文体は読みやすいが,内容を自分なりに咀嚼するには,時間がかかる物語だった。
読み進めていくと,心の奥底に地層のように何かが溜まっていく感じがした。

11月に映画化されるので,観てみようかな。
それにしても,こんな遺品整理業という仕事があるなんて知らなかった。
「キーパーズ」で検索すると,すぐ出てくる。



鉄の骨 池井戸潤

2011-07-25 06:59:06 | 読書
直木賞を受賞した池井戸潤さんの「鉄の骨」という小説を読んでみた。



建設現場から突然談合課と言われる部署へ配置された若い社員の苦悩を描いた物語。
入札を巡る他社との駆け引きだけでなく,上司との関係,家族の過去,恋愛等,様々な要因が絡みあいながら,物語は進展する。
談合」は,法律違反であり,裏金が悪人へ流れる負のイメージが大だが,中小企業が生きる伸びる術としてあるのなら仕方がないという意見もある。官民談合などは,税金の私物化につながることであり,絶対許してはいけないことだだが…。

建設関係の仕事の一端を,物語を楽しみにながら知ることができる一冊。
万人にオススメできる。