キミの名を呼べば…

※性的な描写・表現などを含むので、閲覧注意


数年前、横浜の“まんがの森”に行った際、表紙の絵を見て衝動買いした一品。
それまでにも１８禁の同人誌は購入していたのですが、商業誌に手を出したのは初めてでした。この作品をきっかけに、私は甘詰留太のファンになりました♪

以下、レビュー。

○三人のマジョ
巻頭の漫画がいきなりフタナリものでまず驚きましたｗ
まぁ、基本的には読者は男性ばかりなので分からないかと思いますが、一回くらい男性になってみたいと思ったことのある女性は…結構いるんじゃないかな。
だって、セックスで逆の感覚ってどんなモノか味わってみたいし。映画『マイノリティーリポート』くらいの世界にまで発展しないと厳しいんでしょうけれど、叶わない願望として持ってますｗ


○夜伽部大合宿！
近親相姦モノ（お互いが想いあっているので、あえて相姦を使わせてもらいます）
この話はオチが好きです♪　自分の中で汚れない存在を持っている人って多いのではないでしょうか？（初恋の人っていうイメージもそれに近いものがあるかと…）


○キミの名を呼べば…（前・後編）
この話が、甘詰留太の１８禁の話の中で一番好き（Ａ・浪漫・我慢時代も含め）

『話はパワレルワールドの現代。とある高校でのお話。
高校２年（か３年）の主人公：中川にとって、世界は何処か現実味を帯びておらず毎日をただ何となく過ごしていた。
その彼の高校に備え付けの肉便器になっている女の子は…彼の小学校時代の初恋の子：満子だった。

満子は中学上がる前に、父親の工場が倒産してしまい二階級市民になり、父親の負債や利子を返すべく肉便器となっているという設定、要は借金のかたに近い感じ。
ひょんなことから満子と話す機会ができ、中川は自分に出来るだけのことをしだします。パンやジュース…満子が自分の夢だと言っていた制服をプレゼントしてあげたりします。

肉便器は、基本名前はありません。服も着ません。なぜなら、便器として備品であり、女の形はしているけれど女性ではないという存在だから。

満子は中川と会うときだけ、制服をきて、普通の女の子のように振る舞い、楽しい日々を過ごします。中川自身も、学校にいて初めて充実した時間だと実感。


だけど、ある日…制服を着た満子は他の学生に見つかってしまい、そのままの格好で犯されます。そして―名前を呼ばれます。
満子にとって、“肉便器”として一方的な行為をされたり奉仕するのは割り切りが出来ているので普通のことです。ただ、“満子”として行為をされるのは、自分の最後の砦を侵されるのということ。当然、嫌がりますが当然聞き入れてもらえず、次の日から満子への行為は更にエスカレート。

意を決した中川は…夜の学校に忍び込み、彼女を連れ出そうとするが―』

シリアスというか…切ないというか…これほどシナリオが出来ている１８禁漫画はそうそうないと思います。
夢をみたい少年・自分の置かれている状況を誰よりも理解している少女
この違いが浮き彫りになる場面が、切ないのなんのって。個人的には、夜中に学校に忍び込んだ中川の顔を見た満子の一瞬涙を浮かべている一コマが、一番満子の感情を現していて好きです。
あぁいう状況下におかれているからこそ、望む夢もありますよね。

そうそう、本のあとがきにも書いてあったのですが、甘詰さんはこの後、満子はもっとひどい状況におきたかったらしいです。私も当然、そうだろうな～と思っていたのですが…編集者の方から「一般受けしないから」とＮＧがきて描かなかったようです。いつか、同人誌でもいいから続きを書いて欲しいな。


○ポチとわたし
○わたしとポチ
この二人の関係、いい感じで好きです♪
手段としてご主人様と犬という関係ですが、中身は恋人だものね。
人への甘え方というのはそれぞれなんだと思いますｗ


○エンジェリック・ハウル
これもシリアス系。
少年が気持ち的に、子供から青年へ向かう、その過程を上手く描いた作品だと思います。


○奥さまの休日
「奥さまは少女」の番外編みたいな作品。
「奥さまは少女」のレビューでも書こうかとも思うのですが、私はこの奥さまを最初、高校生くらいだと思っていましたが、実は○学生なんですね。
絵的に、ロリロリしていないから全ッ然分からなかったですｗｗ
しかし…いくら趣味だからといって、スク水とＹシャツと猫耳を一緒に着てるのには燃えない（萌えない）なぁｗｗ

ちなみに、奥さまが話している「仕事している旦那様が格好いい」というのは非常に分かります。特にスーツ姿で働いてる人を後ろから眺めているのは萌えですね♪（事務系会社員とか学校の先生とか）



この作家さんの女性器・男性器・体つきのイラストは質感がしっかりしていて良い感じです。
現在は、ヤングアニマルで「ナナとカオル」を連載中ですので、そのイラストが気に入っているのであれば、１８禁も読んでみては如何でしょうか？