『 うさぎの言霊 』 Rabbit's Kotodama 

宇宙の謎、神と悪魔と人とは?

《 第二章 》 〈 第二話 〉 戦争ゲーム ( 前 編 )

2019年02月03日 12時28分49秒 | 小説



   《 キャラクター&キャスト 》

( 邪神軍団 )

総 帥 サタン (ルシフェル/クラウド) アントニオ・バンデラ〇

「 七大悪魔 」

司令長官 アンドラスタ / ジョージ・クルー〇ー
  中佐 リッグ    / ケビン・コスナ〇

 将 軍 グリオス   / アンソニー・ホプキン〇
 将 軍 オルゴラン  / トミー・リー・ジョーン〇
 将 軍 バクスト   / ウイル・スミ〇

 将 軍 ドルン    / ウェズリー・スナイプ〇
  大佐 ドリル    / ダダッダッダダ? 勿論あの方です。 
              シュワアアアちゃ~~ん!?
  少佐 ペンチ    / エディ・マーフィ〇
  少尉 レンチ    / アンデー・ガルシ〇
  少尉 阿修羅    / ヴァンサン・カッセ〇 &
              ミラ・ジョボビィッ〇
  軍曹 スパナ    / ジム・キャリ〇
  博士 ヘルメット  / ジョニー・デッ〇

 将 軍 シアニード  / アンジョリーナ・ジョリ〇
 将 軍 フレッタ   / アン・ハサウ〇イ

    出稼ぎメイド  / AKB4〇? それとも欅か乃木か?
    イケメンホスト / バックストリート・ボーイ〇? 
              んん~~、ちょっと古い!
          止めといて、ジャニー〇選抜メンバー48?


  これから、人間を含む邪神軍団の大抗争が勃発致します。

    いや~~、大変お見苦しいとは思いますが、
   最期まで見届けて頂き、笑ってやってくださいね!

  とは言っても、このお話も長いので二分割と致します。


          《 推奨BGM 》

       イニュエンドウ ・・・ クィーン

https://www.youtube.com/watch?time_continue=10&v=cpys1c3jCNs







     ここは、ニューヨークで御座います。
     辺りは鈍色(にびいろ)の雲に包まれています。


     日本の日時は、十九日午後十時。

   日本とは、約九時間程の時差がありますので、
   ニューヨークでは翌日の午前七時になります。

  え~、つまりややこしいのですが、
  日本では開戦から十五時間経っていますので、
  ニューヨークでは逆算すると、
  前日の午後四時が開戦時刻となります。

 ただ、神様の脳ミソというか想像の世界では、
 時間の概念はどうなっているのだろう?
 これは、きっと人が考えても理解不能でしょうねえ ・・・

   何しろ、太陽系外の宇宙の時間軸は違っているそうです。

   更に言えば、

    「 宇宙には始まりも終わりも存在しない 
     あらゆるすべてが 永久永遠に循環している 」

 これは宇宙根源の 「生命の樹」 の 3 柱の一つ に記されたものです。

 この情報は、K さん からのものですが、K さん 曰く、
 ひまわり銀河のアカシック・レコードからダウンロードされたそうです。

  「 宇宙の謎に挑んでみよう!」参照

  つまり時間に限らず、過去と未来の関係も直線的ではなく、
  循環していることになります。

 そのことを踏まえれば、以下の事柄も納得できるかもしれません。

  地球のアセンデッド・マスターや多くの神々や天使達は、
  時間や空間を超越した存在であるそうです。

 それと同時に、一度に何万人に助けを求められても、
 瞬時に全ての人のそばに現れることができるとのことです。

  ただし、何度も申しますが、

  「 人間の99%の努力に対し、神は1%報いる!」

とはいえ、いつでも祈って助けを求めることが悪いことではありません。

 神と天使との絆を深める為に、
 気軽にお願いしたり、日常の報告をしたりしてみましょう。

 そうすれば声が聞こえるようになったり、後押しや手助け、
 または、何らかの形でお示しを下さるでしょう。

   余談はここまでとします。


では、三十郎様が作成された「 悪魔名鑑 」を元に、
まだ紹介していない悪魔と共に、まとめて邪神軍団の御紹介を致します。

   ただし、私の脚色が入っておりますので御了承下さい。


     《 邪神軍団 》

「 邪神 アポフィス 」
 特徴 : 身長二メーター三十、プラチナブロンド、腐れイケメン。
     負けず嫌い、プライドが高い、臆病、女々しい。
 趣味 : ピアノ演奏、作曲、指揮、絵画、盆栽、芸術全般。
 備考 : 逃げられた妻は行方不明。

「 総帥 サタン 」
 特徴 : 黒の長髪、痩せ型、長身、腐れイケメン。
     銃乱射狂。邪神軍の全権を持つ。クラウドに憑依中。       

「 司令長官 アンドラスタ 」 
 特徴 : 金の長髪、痩せ型、長身、腐れイケメン。   
     冷徹、超自信家、超ナルシスト。『 フェンシングの名手 』

「 将軍 グリオス 」
 特徴 : 金の短髪、中肉中背、超無口、超派手好き、超残忍。
     色情狂。『 絶倫親父 』 の異名を持つ。

「 将軍 ドルン 」
 特徴 : 黒人系、短髪、長身、無口っぽい、機械好き。発明家。
     刀剣と武器マニア、超残忍、無敵の改造人間開発中!

「 将軍 オルゴラン 」
 特徴 : 黒の短髪、中肉中背、多少無口、天然ボケ。
     親日家。ポーカーフェイス。
     多少温厚、でも逆らう奴には容赦無し!

「 将軍 バクスト 
 特徴 : 黒人系、丸坊主、長身、耳が大きい、ラッパー、楽天家。            
     かなり幼稚。誰にでも突っ込む。小心者。
     常に口と手足が動いている。『 歩く騒音 』 の異名を持つ。

「 将軍 シアニード 」

 特徴 : 栗色の長髪、ド派手、全身を女の武器で武装。
     超残忍。超自信家。破壊狂。『 鞭の名手 』

「 将軍 フレッタ 」

 特徴 : 金の長髪、超少女趣味、超天然、超幼稚、超自己中。
     いつも笑顔だが極悪非道。
     日本のアニメのコスプレが好きである。
     部下と着せ替えゴッコをするのが趣味。

   座右の銘 : 『 楽しく可愛く完璧にぃ~ ! 』 ? ブ~。


 え~、突っ込み所が多過ぎますが、この辺に致します。

 では堕落した人類を魔道邪道、
 そして地獄の業火へ道連れにする様を篤と御覧あれ。


 さて、アメリカに出現した 「神の光玉」 は 五つ であります。

  ところが、この国の人間は何と「神の光玉」内の者以外、
  誰一人として死んではいないのでした。

 その為、邪龍は発生せず、聖者は偽善者の極悪非道侵略宇宙人になり、
 その他の話もでっち上げという、とんでもない状況にあるのです。

このようにクラウドのアメリカ人優遇策は功を奏し、
国民は優越感に浸り、
曲がった正義感に燃えているのです。

  「 我等アメリカ国民こそ、神に選ばれた民族だ。」 と ・・・

   これにより、邪神軍クラウド様の支持率は、
   百パーセントを超えているかもしれません。

人間世界を邪神軍支配の世から解放するクラウド様万歳であります。

       恐るべし邪神軍の悪知恵!

その為、全米で軍や民間人が完全武装し、五箇所の神の光玉を包囲して、
その中に拘束された同胞達の解放を訴えているのであります。

  但し、言うまでもありませんが、光玉には百メートルは離れ、
  攻撃してはならないとの命令がされています。

   何せ危ないですから ・・・ 全く、とんだ茶番だ。

  そのような事情により、
  訴える手段はヘリやセスナからの拡声器による呼びかけ、
  または横断幕を垂らしたりと限られてはおります。

 これでは聖者や補佐役、群衆の皆さんは祈りに集中出来ません。

 当然、富士の 「神の光輪」 に送る
 「光の帯」 の光が弱く細くなってきています。

中には、光玉外からの呼び掛けに、主神様への信仰心が揺らぎ、
外へ出てしまうという人が数百人程出てきています。

  一度出れば、二度と入る事が許されない聖域なのですが ・・・

    憐れです。

因みに光の帯の特性は、中継をせずに日本の富士上空に送られます。

故にアメリカの場合、聖者の光の十字架から地中を貫き、
太平洋の下を通り、神奈川県付近の地面から放出されて、
富士上空に繋がるということになります。

地球儀は売っておりますので、どこぞの店でお買い求め下さい。
勿論、大きい事に越したことはありませんが、節約は大事です。

また、グーグルアースなどでイメージ力を高めることもいいでしょう。


  さて、この国の権勢欲、金銭欲、物欲と戦好きが
  他国より勝るという事は、
   過去も現在も含め世界共通の認識と言えます。

  それらが、この事態を招いた要因の一つなのです。

     酷評をして申し訳御座いません。
   それらの悪癖が形になるとどうなるのか?



         『 演 目 』

    1、アメリカ全土を使って遊んじゃおう!
    2、アメリカン ヒーロー大集合!
    3、戦争は世界を平和にするぞ~!

  以上の三本立てというか、まとめてお送り致します。


         (キャスト)

   邪神軍団総出演、多国籍軍人、民間人総出演。







      ニューヨーク時間、午前七時。

    ここは、ニューヨークから百五十キロ程北西に位置する、
    ペンシルヴェニア州スクラントンという街です。

  その街の洒落たオープンカフェに、二人の男の姿が見えます。
  黒いスーツの上下に黒革のコート、それに黒いサングラス。

この二人は、オルゴランとバクストが憑依しているのですが、
自分の魂の姿と瓜二つの人間を選んだようです。
この場合、憑依と言っても完全に肉体を支配しているようです。

 バクストはエスプレッソを注文し飲もうとしていますが、
  オルゴランがコートの内ポケットから
   出した物が気に入らないようです。


「 あのなあ、ただでさえ正神軍が太陽隠しちまったから
 薄暗くて気持ちよくモーニングコーヒー飲めなくて
 苛ついているところに来て
 あんたの飲もうとしている物は何だ!」


      パキャッ!


   「 日本の缶コーヒーだ!」 ぶ ~~~ っ!


「 馬鹿言うなよ、カフェで? ・・・ 缶コーヒー飲む奴がいるか?
 しかも、持ち込みだぞ。

 いくら悪魔だからっていっても人間の体拝借してるんだから
 羞恥心位湧くだろ。

 周りの客がこっち見てる エエ~って、
 おいっ、そこのイカレタ お前、ちくるんじゃねえぞ! ボケが!!

 それに店員に気付かれたら、せっかくの朝食が台無しだろ。」


「 悪いと思ったからハムサンド頼んだろ。
 それより、お前も飲むか? もう一本あるんだ。
 缶でも馬鹿に出来んぞ。」


「 ああ? ふあ~、飲まねえ~に決まってんだろ!
 だから出さなくていいって、しまえよ ・・・ いい加減にしろ!
 それじゃここに来た意味がねえんだよ。

 ええ、いくら日本でCM出たからっていい気になって
 義理立てして何時でも何処でも缶コーヒー飲む奴が居るかっての!
 悪魔が情けないだろって、はああ~ ・・」


「 誤解するな。別に義理立てしてる訳じゃない。
 旨いし手軽だから飲んでるだけだ。

 それに日本のCM出演も楽しかったし、
 一年分の缶コーヒー貰ったしな、ははは ・・・ 

 御蔭で日本攻略の研究も出来た。

 ただ、残念なことにキングギドラ搭乗を、
 グリオスの親父に横取りされて悔しかったぜ。」


「 あ~、まあ気持ちは分かるが、
 あのおっさんはやり手だから敵わないぜ。

 ただ、欲の皮が突っ張って、貴金属で邪龍の体を重くし過ぎて、
 サタンの旦那に大目玉喰らったらしいがな、はっはっはっは!」


「 ああ、全くお笑いだがなぁ、
 あのドぎついセンスは天下一品だ。俺の邪龍が色褪せちまうぜ。」


「 そりゃあ、同じセンスで競っても仕方ないだろ。
 要はクールか否か? じゃねえかと俺は思うぜ。

 う~ん、邪霊共を集めてクールなランキング決めしてえよな。
 そうすりゃあ、俺の邪龍が一番に決まってるぜ。ヘッヘ~イ!

「 ほほほっ、それは面白そうだな。だが俺の邪龍も負けねえぜ!」


   すると、オルゴランの腕時計のアラーム?
    が、ポロッポゥ ・・・ と鳴った。


「 おい、仕事だ。全く遅過ぎるぜ。行くぞ。」

「 何だよ、ちょっと待てよ。まだ、ハムエッグ食ってねえんだよ。」

「 だったら皿ごと持って来い。それと、二人分の代金を払っとけ。」


  ハムサンドをパクつきながら悪魔の親父が言った。
  うだうだ文句を言いながら、バクストはテーブルに代金を置いた。


「 お~い、100ドル置いてくから皿とフォーク持ってくぜ。
 悪く思うな 待てよー! そんな急かすなって・・・」



  その時、さっきバクストに
  「 イカレタお前、ちくるんじゃねえぞ! 」 と言われた黒人男性が、
   慌てて右手に持ったペンチを振りかざしている。

     何で ・・・?

   それでバクストは、急ぐあまり道路の段差に気付かず、
 つまずいて足が縺れて縺れて、見事に丁度あった水溜りにダイブした。


 勿(もち)コース! ハムエッグは元気一杯に皿から飛び出した。

     ぷぷ、なんか誰かのドジとダブりました。
     オルゴランがそれを見て笑いを堪えています。


  「 はあ? オーマイガッ! コ 、こんなの最悪だ。
   新調したスーツにコートが台無しだぜ。

  ああ、あのイカレタ野郎が笑いやがった。
 人間の分際でチクショウー!

あ、あんたも笑ったろ、人で 無 し ~ っ! クソッタレ!

こんな痛い目に会うのは百年振りだ~あ。
  いてえよ~、膝を擦り剥いて血が出たあ。
   食いもんもお釈迦だぁ ・・・ くうう、あぁ~ん ・・・ 」


    いい大人がメソメソ泣き出した。
    呆れたオルゴランが彼の肩に手を掛けた。


「 笑って悪かったな。
 いいか、良く聞け。転んだのはお前のせいじゃない。

 そこの段差に気付かず慌てて走った時、思った以上に足が上がらず ?

 そう、その体が鈍感でお前の脳からの指令が間に合わず、
 爪先が地面の段差に引っ掛かった。

  つまり体の自己管理がなってない上に、
  歩きながら食べようなんて無作法な上に、
  両手が塞がれたことの危険性に気付かず、

   幼稚な子供みたいに走ったことが ・・・ 敗 因 だ!

   いや、何でこうなった? 何処から違ったかな?」


      そう言い終わると、ハムサンドをパクついた。


  「 何だとお、慰めてくれるんじゃねえのかよ~!!
      俺はどうせ駄目な悪魔だあ~!


「 ああ、悪かった。落ち着けよ。
 誰かを慰めるなんて、ここ数百年無かったし、
 お前と合うのも久し振りだしな。

 勘弁してくれ。

 まあ、食い物は俺のサンドイッチを一つやるし、
 旨い缶コーヒーもやるから我慢するんだ。
 それから ・・・ もう泣くな。」


「 ・・・ ああ、分かったよ 。
 そうだ、あんたの言う通り体の反応が鈍かった訳だ。
 結構鍛えているんだが、全く油断も隙もねえぜ、この体 ・・・??

 お、おいっ、あれって、あんたが手下共に注文した品かよ! 」


「 ああ、そうだ。丁度いい大きさだろ。」

「 おい、いいから上見てみろよ!」

「 何だ、何か気に入らないっていうのか?

 ・・・ 何だありゃ、随分だな。
 俺は知らんぞ。こりゃあ、あいつ等のせいだ!」


   当然ですがぁ、上空の異変に気付いた住人達は、
   パニックになりぃ、逃げて行きます。


「 何て言って注文したんだよ。
 あれじゃあ、度が過ぎるってもんだろ!」


「 いや何、適当な大きさのUFO造れって言ったら、
 どのような感じで? と聞かれ、俺はこう答えた ・・・

 ハリウッドの映画でも見て参考にしろとな。はっはぁ!」


「 だ、だからか ・・・
 ありゃあ、インデペンデンス・デイのタコ宇宙人の
 巨大UFOじゃねえかよ。

あんなのどうやって、こんなちっぽけな銃で撃ち落せって言うんだ。
映画が違うだろ。黒ずくめの二人組って言ったら、
メン・イン・ブラックに決まってるだろが!

そりゃあ小さい銃で撃っても
タイミング良く爆発でもすりゃあカッコは付くが余りに不自然だろ。

 人間でもやらせじゃねえか、ならまだいいが、
 遠くからじゃ光線の光が見えないから
 単に自爆したようにしか見えないだろ。

   これじゃあ、ヒーロー遊びにならねえよ!


「 まあ落ち着け。あんな張りぼて直ぐ治る ・・・?
 ・・・ ところでなあ、あれ見えるか?」


  「 え、あれバンジージャンプか? いやスパイダーマン?
    ああ、何か嫌な予感がする。」


       「 俺もだ。」



   二人が見ている物。スパイダーマンっぽいが、
   妙にグラマーであります。

 その彼女は、映画の様に見事な糸? 捌(さば)きでビルからビルへ、
  長い髪を振り乱し、くるっと一回転して二人の前に着地しました。

   彼女は蜘蛛男の首までタイツを着て、
   超ド派手美人な顔を自慢げに晒し、二人をニヤニヤ見ています。


「 おい何の真似だシアニード。
 この州は俺達の縄張りだぜ。遊ぶんなら他行きな。」


「 嫌だね。ふん、あたしが人の邪魔するのが趣味だってこと、
 忘れた訳じゃないでしょうね。オルゴランのおじさん。」


   堪らずバクストは激しく口と手足を動かした。

「 おめえ、相変わらず嫌味で派手なのは
 グリオスのおっさん越えてるぜ!

 邪魔するって言うんなら俺達が相手にな ・・・ 
 な、何だありゃ、ポリ か?」


 ポリ とは、ポリ袋 ではありません! ああ、いやっ、つ い ・・・

  ポリとはサイレンを鳴らしてこちらに向かって来る
  怪しげなパトカーのことだ。

   何しろ、マッドマックスのパトカー並の
   チューンを施されているようなのだ。

  ボンネットから突き出たターボ吸気口に太いタイヤ。
  外見は一言で言うと、
  GMのハマーをハイパーチューンしたパトカーという感じです。

   頑丈で重い車体を高速で走らせる為、
   あらゆるチューンが必要なのでしょう。


  

 かなりドレスアップされたハマーです。



   アメリカの一般的パトカーという感じです。

この二台を、あなたの超絶想像力で、最強のパトカーに仕上げてください!



 パトカーと認識出来るのは、パトライトとサイレンのみであります。
  しかし、その風貌通りに荒々しい吐息が余りに不快であります。

        いったい馬力は如何程か?


      ガルウ、ガルッガウッ、ガロロロロ ・・・・・


   そのパトカーは、揉めている三人の悪魔の前に止まった。

  車の中は、ガラスウインドウが濃いスモーク仕様の為、
  伺い知る事が出来ません。

  そのパトカーの運転席側のドアが、バクッ! と開きました。

    タバコの煙が立ち昇ると同時に運転手の足音が、
    ガツ! っと重く地面に響いて、
     次にゆっくり 銀色に光る頭 が覗いた瞬間、
      バアン! という凄まじい轟音が響き渡った。

何を思ったのかシアニードが、背負っていた鞭 から放たれる 衝撃波 を、
その頭に叩き付けようとしたのだが、奴は右掌で軽々と受け止めたのだ。

    シアニードが悔しそうに唾を地面に吐き着けた。

        そりゃあ奴に鞭は通じない。 

      ロボット だから マシーン だから ・・・

     このフレーズ大好きなので使ってみました。 
        永井豪さん、どうも ・・・

 こいつは単なるコスプレではなさそうだし、相当な重量感である。

  危険を察知したのか、
  知らぬ間にコソコソと悪魔コンビはビルの陰へ避難したようだ。


      「 何しに来た、ドルンのおっさん。
     機械オタクが妙なコスプレしやがって、フン!」


        蜘蛛女は切れかかっている。
      いや、既に切れたのか? 加減が分からない。


   「 無敵の不死身警官を侮辱するとはいい度胸だ。

  それに、これはコスプレではない。俺様の頑丈な体だ。
  これは俺様配下の科学者に作らせた本物だ。

 生身なのは、脳とそれに連なる神経しかない。
 その脳に憑依しているのだ。

  ははは、少々反応は鈍いが中々良く出来ている。
  発音もまずまずだろう。

     御~機嫌だぜ、ハッハァーイ!

   いいか、お前はあの弱そうな二人組みから
  喝上げ しようとした上に、
 殺人未遂 に 侮辱罪、それに 公務執行妨害 を犯した。

因って地獄の閻魔から裁判を受ける事になる。ガッハハハ !」 

     バ コ コ コ ッ!!!


ドルンという偽ロボコップは、何とドア越しに銃をぶっ放した。
  そして ドア と シアニードの腹 に大穴が開いた。
    シアニードは動けなかった。

   何故ならドルンは喋っているうちに
   銃口をドアの内側に当てていたのだから ・・・

  シアニードは血反吐を吐いて悔しそうに仰向けに倒れた。

「 この銃の威力は想像以上だぜ。グフフフ ・・・」

   コスプレ女悪魔は、鬼の形相で幽体離脱し、
   穴が開いた体を捨てて一言叫びました。

      【 スペアーッ!】

 すると、ヘリが何処からともなく現れ、近くの道路に着陸しました。

「 遅くなりました。どうぞ、お好きなスペアをお選び下さい。」

   手下と思われる女二人が、四人のグラマー美女を連れて来た。

   その四人は、目の前の状況を見ても余り驚いてはいない。
   少々目が虚ろだ。   
   覚醒剤でもやっているのか?

【 よし、こいつにしよう。】

   シアニードは、アジア系美女の体に憑依した。

「 ん? ・・ む、ふう ~~、こりゃあ慣れるのに暫くかかるわネェ。
 おい、そいつ等連れて上空で待機しときな。 御苦労だったね ・・・
 全く、このクソオヤジ憶えてな!

   どうやら体の反応を確かめているが、しっくりこないようだ。

「 スペアなら内のドクターに作ってもらおうか?
 勿論、最強の女警官ロボ をだ。」

「 鈍い体なんてまっぴら御免だね。
 馬鹿馬鹿しいったらありゃしない。フン。」


   ロボオヤジはニヤニヤしている。

  そして、助手席の誰かに合図をしました。
  あ、パトカーの右側のドアが開きました。

  出て来たのは、皆さん御馴染みのターミネーター。

  しかもオプションのサングラス付き、それにかなりの重量級です。
   しかし、助手席に相乗りとは似合いませんねェ。


「 おい、紹介するぜェ。
 こいつは俺様の軍団の大佐で、ドリルってんだ宜しくな。
 こいつも俺様同様マシーンだ。イカスだろう!」

   ドリル大佐?って、ドリルが仕込んであるのかな?

「 シアニード将軍、初めまして、私、大佐のドリルと申します。 
 以後お見知り置きを ・・・」


 そう言うと右手を挙げ、
 人差し指を動かし何かの合図をしたようです。


     「 おい、また変な奴が出てきやがったぜ。」

 バクストは、部下にもらったタオルで汚れを拭き取っている。

     「 ほっとけ。飲むか?」 叔父さんが缶コーヒーを渡した。
     「 ああ悪いな。」  パキャッ!

 むむ? メーカーは ブス? インボー満点?

    「 全く何がしたいんだ?
      ズ ビビ ・・ゴク。 おい結構うまいな。」

    「 だろ。しかし奴等は俺達の遊びが、よほど気に入らないらしいな。
     いいか、絶対に奴等の下らない遊びには加わらない
     忘れるなよ。」 

    「 言われるまでもねえぜ。」 何がです。お二人さん? 

       


 間も無く巨大なトレーラーが、ドヒュヒュヒュッ! と轟音を響かせ、
  ゆっくりとドルン達の前に止まりました。
   と同時に荷台左側全体が上に開いてゆきます。

    よくある展示用の車体なのでしょう、
    中からは巨大液晶ディスプレイパネルが現れました。

   ロボット悪魔二体は、随分楽しそうにしている。
  ドリル大佐は続けた。

「 皆さん御注目。特にバクスト将軍には特等席で御覧頂きたいのですが、
 あ~もう安全ですよ。

 そんな影に隠れていないで、こちらにいらして下さい。
 間も無く爆笑短編映画を上映致しますのでェ、遠慮なさらずにぃ~!

    「 おい、ありゃあ何かあるに決まってるぜ。 あんたどう思う?」
    「 止めたほうがいい。 奴等からは悪意しか感じない。」    
    「 ああ俺もそう思う。 止めとくよ。」


「 あ~~、いらっしゃらないようですので止むを得ません。

 では次に私の部下、ペンチ少佐 と スパナ軍曹 を御紹介致しましょう。    
 バクスト将軍、あそこの水溜りを御覧下さい。

 お~い、もういいぞ少佐に軍曹ぉ。こっちへ来るんだ ・・・ ぷっ。」


  ドリル大佐は笑いを堪えている。

    あそこの水溜りとは、さっきバクストが転んだところだが、
     あ~、妙な動きだ。

     さっきのカフェから、
     一人のストリート系ファッションに身を包んだ黒人の男が、
    右手に持ったペンチを振りつつ、
   クネクネ走りながら嬉しそうに挨拶をしました。


「 皆さんどうも~。 少佐のペンチで~す。
 ヨロシク~、ホッホ~ウ。 フンフン♪  フンフン♪ 」


  と言いながら、満面の笑みで投げキッスをした。 
   ウエ~~、小指立てるな。

    ふざけたこいつは、さっきのカフェで
    バクストを人間の分際で笑った奴 だ。

   問題なのは次だ。 水溜りが動いているのだ。

むむ、水を弾いて、
その下のタイルに続いた道路の段差ごと盛り上がり人型になってゆく。

 立ち上がった姿は、映画 「ターミネーター2」 に出演していた
 「T1000」 という液体金属製? の人型ロボットなのであった。

   短髪のオールバック、痩せ型の警官姿である。

    つまり、こいつが スパナ軍曹 だ。

   そいつは大きな目を見開き、
  ゆっくり歩きながらバクストに向かって挨拶代わりに、
 左手に持ったスパナで敬礼をし、ニヤリと笑って上官の元へ向かった。

  これって 怪人マスク か? それに、かなりの顔芸の使い手だ。
   何も言わないのに笑える。


     「 あ、あいつ等 はめやがって、許せねえ!」
     「 ひでえもんだが、相手にすおいおい、止めとけって・・・」 


おい、ドルンの旦那。手下使ってよくも笑い者にしてくれたな。
 上等だぁ! 
俺の邪龍と勝負しやがれぇ!!!



「 まあまあ落ち着けって、悪い事をしたと後悔しているんだぜ。
  なあ、お詫びをさせてくれ。

   お~い、彼にテーブルと椅子を、
   そしてハムエッグにハンバーガー、ポテトにコーラだ。
   ついでにポップコーンもな。

   ヘイ、出て来いメイド! 彼に最高のおもてなしをするんだ。

 オルゴランも缶コーヒーなんか飲んでないでこっちへ来いよ!
シアニードも席を用意するから、ちょっと一服しな。 ドンペリ出すぜ。」


  悪魔がお詫びをする? 有り得ない! 胡散臭さ200%! ですな!

   ドルン将軍は、二人の部下に親指を立て、

「 グッジョブ! 」 と笑って称えた後、拳を合わせた。ゴンッ!

     ペンチ少佐は痛がっている。

   ドルンは、両手で自分のヘルメットを外している。

   黒人の顔だが、人工皮膚であろう表情は硬そうだ。
   次に、何故かサングラスを掛けてニヤリと笑った。

  そうしている内、特設映画館VIP席は、
  悪魔の手下(脅され時給500円で雇われた人間) 共により
  速やかに設置されました。

 嫌がっていたバクストとオルゴランだったが、
美人ロリータのメイド
(日本からの出稼ぎ労働者、48名。こちらの時給は30000円)
達に手を引かれ、満更でも無さそうにVIP席に座った。

 シアニードはと言うと、
  長身のイカれた明太子 (イカしたメンズ、略してイカメン)
   数十人の中の一人に御姫様抱っこをされ、嬉しそうに席に着いた。

    「 悪魔も煽てりゃ木に登るぅ。」 で御座います。

     あれ、ごついパトカー後部座席から、
    黄色い声を発しながら誰か出てきました。

  うわっ、見てはいけない女だきっと!
 後に続いて、葉巻を咥えた バットマンのコスプレマン が ・・・?

  そ、そして遂に、あ~あ、阿修羅男爵 がぁ ・・・
   こいつコスプレ&ペイントじゃない。本物だ。

    顔の中心縦軸から半分男の半分女。多分体もじゃないだろうか?
     男女完全ハーフ? の誰かに、ドルンは声を掛けた。


「 やあやあ 阿修羅少尉。待たせて悪かった。
 ついでに、こいつ等邪魔者二人と一緒にして悪かった。

 どうしても、こいつ等が乗りたいって駄々を捏ねやがったもんでな。
  みんなも勘弁してくれ。

   おーい、二人分の席を追加だ。」


   あ、やっぱり見てはいけない女なのだ。
   無視を続ける悪魔共にキャーキャー文句を言っている。

  ド派手な御姫様ファッション&クルクル巻き毛にこんもり頭。
  それに何故かキティちゃんのイラスト入り
  キンキラデコレーションのランドセル を背負っている。

   ついでに、ピンクの日傘 を差している。
   曇っているのに ・・・

  それに甘ったれた声でファストフード等食べないから、
  鯛焼き と クリームあんみつ と お抹茶 を用意しろ等と ・・・
  それってファストフードだろうに ・・・

 VIP席の悪魔共は、その金切り声に青褪め迷惑そうにしている。
 バクストなどは大きな両耳を手で塞ぎ、

 「 見ちゃ駄目だ。 見ちゃ駄目だ。 見ちゃ駄目だ。・・・・・

   と、声に出して何度も自分に言い聞かせていた。

  オルゴランはこの女を何故連れて来たと、ドルンにまくしたてた。
  温厚そうなオルゴランだが、ヒーロー遊びを邪魔され機嫌が悪いのだ。

  ただ、さっきから黙ったままの バットマン だが ・・・ 気になる。

    が、直ぐにばれた。

   オルゴランが「お前、グリオスだろ!何か言いやがれ!」

  と、催促をするので、
 その男は太巻きの葉巻を咥えたまま、 ニヤッ! と、眩しい口を開けた。

  次に葉巻の先が真っ赤に燃えて、フーッ! と、煙を吐くと、
  太い声が響いて来た。


「 ばれちゃあ、しょうがねえ。
 カワイイねえちゃん に誘われたんで来たまでだ。なあ、フレッタ! 」


    話す度に一本一本に宝石を埋め込んだ金歯が光った。

    そう、誰あろう グリオス だったのだ。

   その歯を自慢気に見せびらかし、
  ついでに ド派手 ( 真っ赤な下地に金糸銀糸のヒョウ柄の刺繍 )
 裏地の羽 を広げて一回転をした。

黒ずくめ のバットスーツ に、赤に金銀 の色が際立ち過ぎである。


しかし ・・・ 妙なことに、ドルン と ドリル だけ立ったままだ。

関節の都合か、不具合が生じて座れなくなったのかもしれない。
まあ、どうせマシーンだから疲れはしないし、座る必要もないのでしょう。

  当然ながら飲み食いをしようという気は無いようだ。

    食欲よりも機械いじりとは気が知れない。






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