『 うさぎの言霊 』 Rabbit's Kotodama 

宇宙の謎、神と悪魔と人とは?

《 最終章 》 〈 第四話 〉 静かなる地獄

2019年02月06日 12時35分49秒 | 小説



   土門拳三とマーフィー・ラッセルの二人は、
   月で修行中であります。

 彼等は、人類と己の魂に染み付いた邪念を払拭し、
 適正な体の大きさにならなければ、
 神の光輪に入る資格を得られないのです。

適正な体の大きさとは、身長約五十メートル。
現在は三百メートルですので、目標には程遠いものです。

 しかも自力で地球に帰らねばなりません。
 制限時間は十五時間!

  その修行は、既に五時間になろうとしています。

    そこに意外な訪問者が現れるのですが、さて ・・・



 《 キャラクター&キャスト 》

謎の少女 / 誰かさっぱり分かりません! 

将軍 ドルン  / ウェズリー ・ スナイプ〇
少尉 レンチ  / アンディ ・ ガルシ〇
曹長 ハンマー / ニコラス・ケイ〇


(神の光輪の聖者) 大黒天様の命により現在、月で修行中。

 日  本 / 土門 拳三 ( 二十五才 ) 妻夫木 〇

 アメリカ / マーフィー・ラッセル ( 二十五才 )
        ヘイデン ・クリステンセ〇





                 ( 推奨BGM )  

             ペーター・ チャイコフスキー :
            バレエ組曲 「くるみ割り人形」 作品71a

          ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
         ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

        1.小さな序曲 行進曲(第1幕):
       2.こんぺい糖の踊り(第2幕) :
      3.トレパック(第2幕)    :
     4.アラブの踊り(第2幕)   :
    5.中国の踊り(第2幕)    :
   6.あし笛の踊り(第2幕)   :
  7.花のワルツ(第2幕)    : 

   





        現在日時、十二月二十一日 (日 ) 

      午後零時三十分 ・・・ ここは月面。


  拳三とマーフィーは依然として瞑想の修行中である。

彼等は、地球の雲のじゅうたん越しに大陸の海岸線を認識出来るまでに、
霊眼の感度を上げていました。

更に太陽系の星の位置すら動かずして把握出来ています。
いわゆる、リモート・ビューイング という霊能力であります。

加えて、様々な粒子を融合させ変化させる神業も研究していました。

つまり、これも造化の霊力の一つであります。
その霊力を使い、様々な試みをしているようです。

  ただ、その力に囚われ瞑想の趣旨がずれて来てはいないだろうか?
  まだ、あれから五時間は経っていないというのに、危ない危ない。

    むっ、二人は何かの異変を察知したようだ。

    その異変は二人の頭上から舞い降りてきました。



( 何だあれ? )  拳三が首を傾げた。

( どう見ても ・・・ 少女だな。)  マーフィーは不審そうだ。

( どうせ、化かそうって魂胆だろう。奴等の仕業だよ。)


    彼等は思念で会話している。 ここは真空、無音空間。
    そして永遠・無限・愛と生命エネルギーの充満界なのです。

    ところで ・・・ この少女。

    魂を瞬間移動させたのでしょう。 
   一体何者なのか?

  小さな人間の普通サイズであるから、巨人と比較するとあまりに小さい。
 その少女は、お決まりの御嬢様スタイルである。

ひらひらフリル付きピンクのワンピース、靴は赤のローヒール。
そしてクルクル金髪巻き毛に、赤いリボンが ・・・

 でも控えめです。

   まるで、草原で散歩でもしているかの如く、
     スキップをしながら彼等の頭上を回っている。


( おいっ、何時まで回るつもりだ。
  僕は土門拳三だ。

  悪魔の誰だか知らないが、
 僕達の修行の邪魔はしないでくれないかな。)


( 僕はマーフィー・ラッセル。
  どうせ何か企んでいるんだろ。
 早く済ませて欲しいんだよ。お嬢さん。)


( るんるんる~ん ♪ 私は妖精なの。
  らんらんら~ん ♪ それに天使様から、
   お使いを頼まれて来たんだから、
    そんなに嫌わなくてもいいんじゃないかしら。
     ふう~~んだ。)


       妙に甲高い言霊だ。


( おいっ、おまえ、もしかして化け猫の使いじゃないだろうな。
 何か話し方が似ているような気がするんだよな。)


( 拳三ちゃん、化け猫って言い方あんまりだわね。
 良い子なら誤りなさい。)

    はあ?

( 何だ? 図星か。おまえフレッタとかいう悪魔だな。
 きっと素顔は醜いお婆ちゃんだろうな。)

    ばれるの早過ぎないか?

( はっははは、それは言い過ぎだろ。
 三段腹のおばちゃん位にしておいてやれよ。)


( あんた達、バーーカ!
  そんなチビのくせにいばっちゃって、
   あたくしは邪神軍では一番のキュートで美しい悪魔なのよ。

   だから、ババアでも三段腹でもないわ!!!

  ったく、ガキはこれだから相手にしたくないのよ。
 バーカ、バーカ!!

    あれ、もう切れた。

( それにしても随分幼稚な物言いで御座いますねぇ。
 僕達は付いて行けないよねぇ、拳三君。)

( あたくしも付いて行けないですわよぉ。
 かわいいおばちゃん。)

    マーフィー馬鹿受け。


( あんたあんた、ばかばかバカ馬鹿 ・・・
 うううう、訴えてやるぅ!!!

    壊れたぁ ・・・

( あのさあ、用がないんなら帰ってくれよ。迷惑なんだって。)

    拳三が呆れた。

うるっさぁ~~い!

  用はあんのよ、ちゃんと ・・・

  こっちには人質がいるんだから、殺しちゃうわよ~だ。
 覚悟しなさい、ば~~か ・・・これ見なさい、これを ・・・)


    すると巨大なスクリーンが現れ、
    そこに一人の拘束された女性の姿が映し出された。


( なあ、ありゃどう見ても かすみちゃん だな。
 誰が化けたか知らないけど、元気良さそうなので安心したよ。
 髪型がちょっと違うのが残念だけど、どうかな拳三君。)

( 全くだ。あの邪龍や大軍でも突破出来なかった神の光玉に、
 どうやって潜入したか知らないけど苦肉の策もいいとこだ。
 それで、父さんや母さんの化け猫は何処かな?)


   ( ・・・・・・。)


     かわいい少女に化けたフレッタの顔は、
     一気に老化したように歪み、両手を頬に当てて、


   ( イヤァーーッ!)  ・・・・・。


( あ、あのさ ・・・ まさかもう引き出し無くなったのか?
 これで終わりなの。 レベル低過ぎだろ ・・・・・)

    マーフィー君は閉口した。 わたくしもで御座います。

( 全くひどいな。

 ねえ、お嬢ちゃんさあ、
 早く地球に帰って大人しく反省しながら、
 断罪されるまで静かに待った方がいいんじゃないのかな。

 僕はそう思うが、どうですかな?)  拳三君の提案です。


    皮膚をピチピチに戻したお嬢ちゃんが答えた。


( へん、さっきから言いたい事をベラベラと ・・・馬鹿じゃない。
  これで終わったと思ったら大間違いよ。

   そりゃあ、ばれないと思った人質作戦は失敗よ。
    ふん、それがなによ。

   そんな事は想定内よ。人質は幾らでもいるわ。
  まだ殺してないアメリカ人が、ごまんとね。
 ほ~ら見てよ。)


    すると、画面一杯の老若男女の人質が映し出された。


( おい、どうせ殺すんだろうけど、止めてくれないか?
 可哀そうだろ。もう、裁かれるまで静かにしておいてくれよ。)

( 拳三の言う通りだ。
 なあ、頼むから彼等を自由にしてあげてくれ。)


( はあ? 馬鹿馬鹿しい。
  こういう時は、力づくで助けるものよ。
   それが昔からの正義の味方の常套手段でしょ。

    いい、決戦の舞台はアメリカのロッキー山脈。
   私達の邪龍はそこに集合しているの。

 これから三分後に現地集合ってことで、どう? )


  ( あ?・・・・) 拳三君絶句。
  ( い?・・・・) マーフィー君唖然。 

     二人は顔を見合わせた。

( 何なの?
  暴力反対とかいう思想に完全賛成なの?

   そんなのナンセンスよ。
    正神の言いなりなんて・・・

    ねえ、いい大人なんだから自分で判断して行動しなきゃ。
   あの可哀想なお馬鹿さん達は、
  あなた達に見捨てられ死んじゃうんだから、助けてあげなさいよ!)


( あ、いや、僕は基本暴力反対だし、彼等はもうどうにもならないよ。
 それに戦うにしても、邪龍の体は人間や動物が原料だ。
 そこには攻撃出来ないよ!)  

    そうそう。

( そうだそうだマーフィー。
  こんな奴の口車に乗ったら駄目だよ。

  いいか、僕達は化け物と戦う為に存在しているんじゃない。
  人類を救う為だ!

  まず人類が積み重ねた罪穢をお詫びしなきゃいけないんだよ。
 もう帰れ。こっちは忙しいんだ! ) 

    お、いいぞ。

( もういいわ。馬鹿だわ。十秒後には百人殺すわ。
 手始めに ・・・ 火炙りよ。フフ。)

( おいおい駄目だよ駄目! ) 拳三は必死だ。 

( じゃ、今すぐテレポートするのよ。ロッキーに・・・) あらら ・・・

( はは、だからさ ・・・ 無理なの。 なあ拳三。) まあねえ ・・・

( ああ、行けないんだよ!
 て、テレポート出来ないから、く うう ・・・) あ~あ・・・

( 何言ってるの? 出来ないって・・・

  ここにはどうやって?
  あっ、まさか、ここに左遷されて来たとか。はっ、はは、

  ・・・ おい若造、月で修行して来い ・・・とかって訳。)


    つ、月に左遷?


( あのなあ、下手なものまねするんじゃないよ。
  悔しいが君の勘は当たってる。

  僕達は自力で地球に戻らなきゃならないんだよ。
  そういう試練という訳。
 分かったら帰ってくれ、はあぁ。)

    拳三はお疲れ気味である。

( そうだあ、帰れ帰れ。まったくぅ ・・・)

( ねえ、みんな聞いたぁ~ ・・・
  まあ、とりあえず事情は分かったわ。
   私帰る。じゃあね。)

    


          ( 推奨 BGM ) 

       恐怖の頭脳改革 より トッカータ
        エマーソン,レイク&パーマー 

    




       へえぇ~あ、お嬢ちゃんが消えた。

      き、君たち油断しないほうがいいぞ。
     これで終わる筈がない!


( おい、大人しく帰ったぞ。信じられないけど ・・・)  

    拳三君です。

( ただ油断出来ないぞ。ロッキー山脈監視しておかなきゃ。
  あの邪気は分かりやすいから見てみよう。
   ななな、なんだあれ?)  


      へ? あああ、あれは ・・・






ブヒュヒュヒュヒュゥ~~ッ、ブイン! ( ここ地球です。) 


  あああ、ちょっといきなりですかぁ?

    ・・・ あ、ここは無音世界だった。 ( ここ月です。)

  あ、あの亀の戦艦がぁ~月面にぃ~着陸です。


( おおお、おいっ、あのメカガメラが来ちゃったぞ! )

    拳三びっくり、メカガメラぁ?

( あああ、砲身が僕達に向いて来てるぞ。ま、まずっ、鏡は出ないか?
  あああ、ウルトラバリアーとか ・・・ おい、撃つなよ~。


         マーフィー焦り過ぎ。

     えっ、奴が司令室でファイヤーって ・・・

   やめろぉ~~!

 うわうわ、すんごい数の爆炎から砲弾が雨あられぇ、
しかも重力があまり作用しない為、
放物線を描かず真っ直ぐ二人に向かって行きます。

それに発射音無し。

 だって宇宙空間ですから、スターウォーズみたいな音はしないのです。

  うわっ、これじゃあ回避不能か? 

    いや主砲の弾は避けている。
      そうだ全弾避けちゃえ。 


    しかし、凄い爆発からの砂煙が ・・・

  あああ、何だあれ? まさか?
  小さい無数のレーザーかビーム砲か何かの砲身が発光している。

    ちょちょちょっ、危なぶな!?


(( まずいぞ、逃げろ~!! ))


    そうだ逃げるが勝ちだ~。
    動きは速いから逃げまくれ~。


 「 ちっ、逃げやがったか ・・・

 おいハンマー曹長、
今の砲撃で砂塵混じりの邪気は奴等の皮膚に張り付いた筈だ。

追尾可能か確認が取れ次第、
 邪気追尾ミサイル 『 阿婆擦れ女の憂鬱の発散 』
  有りっ丈お見舞いしてやれ!」


    あ、あばずれ? って、なんちゅうネーミングだ!


「 は、了解しました将軍!」

「 レンチ少尉。奴等は岩陰に逃げ込んだようだな。

  その後方、三十キロに座標を設定。
   ミサイル発射後間髪を入れずにテレポート。

    その直後に砲撃開始。

   それと同時に敵十キロ周辺を 『 悪魔の蜘蛛の巣 』 で包囲。
  その間に天空浮船 『 宇宙戦艦オオスズメバチの女王 』
 全投入し敵周囲に展開。

ぶはぁ~、それまでに、例の
『 取って置きの悪魔からの御歳暮&クリスマスプレゼント兼お年玉 』 
 を用意しておくのだ。

   グフフフ、失敗は許さんぞ。

   我々に与えられた時間は十五分しかない。
  その後、十五分ごとに邪龍は投入される。

それまでに奴等を拘束し、東京湾での汚名を返上するのだぁ!!!


    波状攻撃とはこりゃまずい ・・・ しっかしねェ。


「 はは、了解しましたドルン将軍!」

「 後、十四分十秒か。ふん、手柄を独り占めしてやる。」   


     最期の野心って事ですか?

  前方のスクリーン下部には、
 デカデカとカウントダウンのデジタルカウンターが表示されている。

それにしても拳三曰く、
このメカガメラは東京湾での川神ハリ様との戦闘において、
結論として頭部から肩にかけての部分を自爆で吹き飛んでしまいましたが?

 良く見れば、成る程分かりました。

  この亀の手足が無くなっています。
   その手足の肉を、頭部から肩にかけての修復に使ったのでしょう。

  まあ、テレポートで移動するのであれば、手足は必要ないですから。
 それよりも頭と首が無いと格好が付きません。

   ただ、これではまるで ツチノコ だ。 うわ~。


「 グフフ、やったぜ ・・・ 将軍、邪気追尾可能です。
 目標に ロックオン!

 邪気追尾ミサイル
『 阿婆擦れ女の憂鬱の発散 』 全三十基、発射あ!


  ハンマー曹長の太い言霊が響いた。 うわあ、でかいミサイルがぁ ・・・
  間髪をいれずレンチ少尉の出番です。


「 将軍、テレポートします。 5 ・ 4 ・ 3 ・ 2 ・1 ・ GO!

   ブヒュヒュヒュヒュゥ~~ッ、ブイン !


     少しは手加減? しないよねぇ。

     うわ、ミサイルに二人は気付いて逃げようと動きましたが、
     追尾してくる事にも気付き焦っています。

    ただ、このミサイルの全長、大き過ぎます。
   二十メーターはあるんじゃないだろうか?

 ICBM 並か? まさか核弾頭搭載だったりしないだろうか?
  それにアメリカ軍からの盗品かも?

     としても大丈夫だ。  多分 ・・・・?


《 え~、ミニットマンⅢが二十基。 ピースキーパーが十基じゃよ。
 それを 悪魔の錬金術師、ドクター・ヘルメット が改造したのであ~る。》


  アメリカ軍からの献上品ですのよ。 
   愚かですこと、チュウ~~!

     ななななあぁ~~。 賄賂かぁ、なんてこった


( おいっ、うまく回り込んで叩き折るんだ。マーフィー!!!

( 分かった。あ、うあ駄目だ。 ぐあっ ・・・ )


  おいおい爆発したぁ!! 次々とぉ ・・・

   爆発からの砂塵が舞って肉眼ではどうなったのか確認出来ません。

   ただ、凄い衝撃波が連続して辺りの地形を削っていきます。
   まるで小型の太陽が三十個月面に出現したようだ。

  それらの太陽は殆ど重なって、歪んで巨大化しています。

 だが大丈夫だ。  きっと ・・・

それに追い討ちを掛ける様に艦砲射撃が二人を襲います。

 な、何だあれ? 

  遥か頭上に何かが爆発して、赤い光の糸 ?・・・
  これが 『悪魔の蜘蛛の巣』 ってことか。

  読んで字の如く、赤い蜘蛛の巣が彼等の頭上を覆っていきます。
  つまり逃げ場を奪われ、拘束されたということです。

   ただ御安心下さい。 彼等は無事です。

     衝撃で気を失っていますが傷は ・・・ 最小限です。


「 はははは ・・・ 
  お前等の様な半端な聖者に手こずる訳にはいかんのだよ。

   しかし随分丈夫な体だ。
   拳三は下半身。マーフィーは右腕と下半身全部か?

   もう再生が始まっているな。
   ふん、流石に火傷は無いか。

   まあ、あのような恐ろしい太陽の霊界内での行に耐え得る体だ。

  ケッ、過保護もいいとこだぜ! 

 おい、レンチ少尉、奴等に拘束具 『 蜘 蛛 の 繭 』 を装着させろ!
それと総帥に回線を繋げ。」


「 は、了解しました! 回線繋ぎます。」


(( はははは、流石はドルン将軍だ!

   タイムリミットまで十分以上残っている。
    実に見事だ!
     良くぞ私の期待に応えてくれた。褒めて遣わそう!! ))


「 はっ、恐れ入ります。総帥!」


(( うむ。では拳三を残して、たっぷり痛ぶってやるのだ。
   特に精神を崩壊させろ。
    アンドラスタ、フレッタと共にな。

    神の光輪は二人が揃わなければ完成しない。
   正神軍が強硬手段に打って出るまで徹底的に抵抗するのだ!

 悲しい事だが、それ位しか我々の存在意義は見い出せない。
  フッ、私としたことが弱気な発言だった。

    ただなあ、最期まで楽しもうではないか。
    そして最期は我と共に戦おう。先がどうなろうとだ。

   では、暫しの別れだ。

 また会おう、我が愛するドルン将軍、そしてエリート軍人諸君!!! ))


   この映像は艦内の至る所で放映されていますが、
    サタン曰くエリート軍人達は号泣し抱き合っています。

   それでこのポンコツ将軍も例外無く、

「 おおおおおおおおおお~~~~!!!」


  っと、激しく感動しております。 
   まあ、虚しい話なのですが ・・・

    ところで、正義の超人を分断させる作戦は頂けません。
    ただ、当然やりそうなことではあります。

   二人はまだ気付いてはいない。
  ただ、うなされている。

その傷は直、再生完了のようだが相当痛い筈です。

 彼等の周りを取り囲んだ、え~何て言ったか? 
  ちょっと上にスクロールしてと ・・・

   あっ、これは時間を遡る業? であります。 
   作者だって忘れることが ・・・

  あ~そうそう、天空浮船 『 宇宙戦艦オオスズメバチの女王 』
 とやらに動きがあります。

ただこの戦艦は、まんま蜂の形をしています。




     全長は100 メートル程 ・・・

  六本の足はゆるく折りたたまれ、羽は高速で上下に動いています。

あのオオスズメバチの独特なオレンジとブラックのツートンカラーは、
 大抵の動物を恐怖に落とし入れます。

   あ~~、蜂大好きな私は魅力を感じますが ・・・

 一匹だけ近所の神社拝殿脇で死んでいたものを大事に持ち帰り、
榛名神社境内の巨大杉の根元で死んでいた六匹のニホンミツバチと共に、
 テレビの前にディスプレイしています。 ムフフ ・・・

  その後に捕獲し標本にしているのは、スズメバチだけで6匹です。

    スズメバチの寿命は約 2ヶ月です。 

   虫って、メ カ っぽくて カッコイイですよね! 
  この辺は、カマキリ先生には同感していただけると思います。

    あれれ、関係無い!


それが全二十機。

 その船体が発光しているので、不気味な殺人蜂の大群に見えます。

 その発光する宇宙船二機が、マーフィーの両脇に移動すると、
蜂の触覚の部分から、幅広のビームがマーフィーに照射されました。

 暫くマーフィーの体全体は、その光で発光していましたが、
  間も無く二機の蜂戦艦と共に、
  マーフィーは何処かに転送されたようです。

 その行き先は直ぐに判明致しました。
地球のロッキー山脈です。

 つまりそこで、マーフィーに対して
  陰湿なイジメと暴行をするということでしょう。

 彼等は赤い拘束具 『 蜘蛛の繭 』 で体は覆われています。

  この繭、動きは封じ込められるでしょうが、
   神気からの霊力まで封じる事が出来るのだろうか?

   きっと、霊力を旨く制御出来るようになれば、
  この繭から抜け出す方法を見出せる筈です。


《 彼等なら、きっとこの窮地を乗り越えられる筈だ。
 わしはそう信じる。》


    チュウ。


  「 私も信じております。」


    


           ( 推奨 BGM ) 

   『 恐怖の頭脳改革 』 より 「 悪の祭典 #9 」
    a) 第一印象、 b) 第二印象、 c) 第三印象 

        エマーソン,レイク&パーマー

  
    


    
  

     日本時間、午後零時四十七分 ・・・ここは赤い月の表面。

  もう既にアンドラスタ機とプレッタちゃんはテレポート済みです。

捕われた拳三の下半身は完全に再生しました。
良かったですが、これからどうなるのか心配です。

むむ、例の 『 宇宙戦艦オオスズメバチの女王 』 という宇宙船から、
ビームが地上に照射され、何十人かの兵士が降り立ちました。

 そこにはドルンと、その部下、工具兵が勢揃いです。

  ドルンだけはゴージャスなオープンカーに乗り御満悦です。
   当然、宇宙服無しです。

   月面用バイク、ハーレー仕様にはドリル大佐が ・・・
  スパナ軍曹も後に続きます。

その他は宇宙服を着てジープで続きます。

彼等は、地面に横になったガリバー状態の拳三から、
五百メートル程離れた地点にいます。

  拘束具は拳三の首まで厚く覆われている。

     ガラクタ親父は にやっ、と笑い右手を挙げ、
       宇宙戦艦に合図を送りました。


( お~いハンマー! やったれや、ビビビィーッ! とな。 ) 


    何言ってるんだ。この親父はぁ!

  すると蜂の触覚から、
  強烈な稲妻の放電が拳三に浴びせられました。 

    ぶ ~~~っ!

  当然拳三は悲鳴を上げ、もがき苦しんでいます。
  その電撃は五秒ほど続いたでしょうか。

    激痛で目を覚ました拳三は、今の状況が分からず焦っています。


マーフィー、マーフィー !・・・ どこだ! どこに居る ・・・??

  周りは邪気だらけだな。何て事だ。
  あれ、足の痛みが無いし両足の感覚があるぞ。

 しかし捕まったか、体が動かない。不味いなこりゃ。)


( お~い、俺様は将軍ドルンだ。
  てめえのダチは地球に強制送還だぜぇ~い。

  ケケケッ、今頃はなぶり殺しってとこだろう。いい気味だぜ ・・・
 青臭いガキ相手に向きになって悪かったな。

 ただ俺達悪魔にも意地がある。当然の事をしたまでだ。
  だから当然の如くお前も、此処で地獄を見てもらう。

  はははは、その前に、
 俺様からの心ばかりの贈り物を受け取れ。これは強制だ!


( 何だと、ふざけんなよ。そんな物いるかぁ!!)


   えっ、思い出したけど、贈り物の名前わぁ~何でしたっけ?

  ともかく、ろくでもない物だろうが ・・・

 何だぁ?

  車体の上半分ガラス張りの大型バスが何十台も、
   こちらに向かって来ている。

    そのバスを数名の部下が誘導橙で整列させている。

   その先頭の一台が拳三の頭の前で止まると、
  バスの真上に巨大なスクリーンが現れ、
 そこに映し出されたのはバスの中の様子だ。

   人間が五十人ほどいるだろうか?
    皆、怯えきって震えている。


( お~い拳三君。こいつ等はアメリカの善良な国民だ。
  神は見放したがお前はどうだろうな。

  きっと慈悲深い筈だがぁ、
 ククク、どうか彼等の命乞いを聞いてはくれまいかぁ? )


( 何てことするんだ。直ぐに放してやるんだ。いい加減にしろ!)


( おお、そりゃあ実に慈悲深いお言葉だ。 ククク ・・・

   おい君達、いいか良く聞くんだ。
   あの無様に拘束された巨人は、実は正義の味方だ。

   どうだね、彼に懇願してみては、
   もしかしたら彼が本気を出して繭を引きちぎり、
   君達を助けてくれるかもしれない。

   さあ、皆の声は彼に届くように
   セッティングしてあるから何時でもいいんだ。)


    すると、スクリーンに子供や老人のアップが映り、
    必死で叫んで拳三に助けを求めた。


( ああ済みません。
 皆さん僕はこの通り動けないんだ。許して下さ ・・・?

 おい、僕の思念波はあのバス内に響かないじゃないか。
 邪気が邪魔して通じないぞ。

 お前は、僕をただ単に苦しめる為にやっているんだろ。 

 許さんぞ絶対に!!!


( 何だってぇ、それのどこが悪い。
  やれやれ、ではせめてもっと近くで死なせてやろう。

   それが俺様の慈悲の表現だぜ。

 謹んで受け取ってくれ、

『 取って置きの悪魔からの御歳暮 & クリスマスプレゼント 兼 お年玉 』
 

 をなぁ ・・・  はははは、一号車 レッツ・ゴーだ!


  そのバスは拳三の頭に近付き、
  ぶつかったと思ったら大爆発を起こした。

   何てこった。 これじゃあ自爆テロだ!

  その時、拳三は感じた。
  彼等の痛みを自分の痛みのように、そして声が聞こえた。

   魂の叫びが ・・・彼は泣いた。

  自分にも激痛はあったが、頭部の損傷は不思議と無かった。

  爆発したバスの残骸と肉片に混じり、
  彼等の魂が激痛にもがき宙を舞っている。

   拳三はその姿を目に焼き付けた。


( 許して下さい。許して下さい ・・・)  何度も呟いた。


( おいおい、湿っぽいねぇ。この程度で泣くとは ・・・

  勇ましい大和民族の血が泣くぜ。
 それじゃどんどん行くぜぇ。精々哀れんでやりな。)


  ( ・・・・・・・。)  


   拳三は答えなかった。 それでいい、構う事はないんだ。

  その後も次々と拳三の目の前で、多くの人間が爆死していった。
 中には恨み辛みを拳三にぶつけてくる者もいた。

その度に、拳三はお詫びをした。

それしか出来ないからだが、自分が不甲斐なかった。
 この場から逃げたいとも思った。

  これは修行だと思っても目の前で
   死んでいく人を見なければならない辛さが、
    競技場での辛さの何倍も辛いと感じていた。

     ただ、あの富士山麓と東京湾での経験から、
     神様が人を裁く時はもっとお辛いんだということを、
     しみじみ思い出していた。

    そして涙が止めどなく溢れ、声を出して泣いた。


( ・・・ ああああーー、うあああぁぁーーー ・・・・)



その悲痛な波動が宇宙空間に広がっていく ・・・

 いや、浸透していくという表現の方が合っているかもしれない。


  む? 彼の体から邪気の粒子のようなものが、蒸発していく。

   すると、心なしか拳三の体が縮んだように見えるが?

    ・・・実際縮んでいる。

     邪気の拘束具に隙間が出来ているのだ。
     それを本人も気付いたようだ。

     ただ、その隙間は直ぐ埋められた。 

    繭は自動制御のようである。


( なんだ? 縮みやがったか、ちっ、おいおい拳三!
  お前は全く歯応えがねえな。

   何だ不感症か? この俺様が憎くねえのかってんだ!!

  泣いてばかりじゃ正義の味方が聞いて呆れるぜ。
 面白くも何ともねえんだよ!

  はあ~しかし石頭だな。
   あれ程の爆発に耐え得るとは、本体はそこにあるのか? )


( お~い、ドルン将軍! 君は十分楽しんだろう。

 いい加減その楽しみを僕にも分けて欲しいんだが、
 そうは思わんかね。

 ああ、これは御願いではない。命令だ! 代わるんだ。 )


   来たか。 サタンの次に厄介な相手が ・・・


( わ、分かったよ司令。もう好きにしてくれ。)

( よし、では拘束具を外してやれ。僕が直々に遊んでやる。)

( ああ、了解だぜ ・・・
 お~いレンチ、司令からの命令だ。 『 蜘蛛の繭 』 解除だ。)


   何をしようというのか? 拳三の拘束が解かれたのだが ・・・
   捕らわれの身であることには変りはない。


( ドルン将軍、もう一つ頼みがある。
  今から僕の分身を造るんだが ・・・

  その体の質量が適性に動ける重力場を作って欲しいのだよ。

  できれば調節可能にしてほしい。
 君の優秀なドクターなら可能だろう。どうかね?)


( ああ、それならある程度は可能ですぜ。
  恐らく直径三キロ圏内になると思いますが、
   それで構わないでしょうか? 司令殿。)


( それで結構。直ぐ取り掛かってくれ給え。)


( 了解 ・・・ 聞いたなドクター、直ぐ取り掛かるんだ。

  それとな、司令の崇高なる趣味に敬意を表して、
   周囲に電磁シールドを張り巡らすんだ。)


    何やらつまらない遊びをするようだが、
    拳三は戸惑いながらも事の次第を見守っている。

   焦っても始まらない事を知っているようだ。

  それに、先程の自爆テロの犠牲者に対しての哀悼の想いが勝り、
 逃げ出そうと必死になるのは見苦しいと感じていた。

またこの窮地にあって頭に血が昇れば、
許されない失敗を犯すことになると思ったからだ。

拳三がその冷静な霊眼で見守る中、
 悪魔の手下は周囲に重力発生装置と電磁シールドという障壁を、
  見事な連携で設置していった。

  悪魔の娯楽施設は約十分ほどで完成したのだが、
 拳三一人を残し、ドルン始め部下共々その領域から全て捌けて行った。
   



      『 悪魔の貴公子 』 

司令長官 アンドラスタ / ジョージ ・ クルーニ〇 
( 20代の設定です!) 

下記のイラストは写真を加工し、
フリーのペイントソフトで手を加えたものです。

素人レベルですが、私のイメージとしてはまずまずです。

これを作るのに悪戦苦闘して四時間位掛かりました。

全く、ソフトをもっと研究しないとスピードが上がりません。
でもその時間が惜しいのでイラストはもう作りません。     

悪魔の駆る邪龍の全長は、各機とも凡そ三千メートルです。
下のイラストに、スカイツリーを入れると御覧の通りになります。

右目から血を流しているのは戦闘によるものではありません。
悪魔の儀式、『 血流眼の儀 』 によって意図的に作られたものです。

流れている血は、日本人が生贄となって搾り取られたものなのです。

詳細は、『 堕天使ルシファー 』まで、お待ちください。

                  

  将軍 フレッタ / アン ・ ハサウェ〇
    アンドラスタに恋する乙女。
    その三人の側近もアンドラスタ派である。           

                          
    


( ねえねえ、アンドラスタ司令。
  私の出番はしばらく無いのかしら、
   さっきから暇で暇でしょうがないのよぉ。)  出たか ・・・


( それは済まないハニー。

  では出番を待つ間、
   取って置きの会席料理とデザートを届けさせよう。
    君の側近の分も合わせてだよ。

   それと僕の戦い振りを、じっくり見守っていておくれ。

  何時の時代も男とは、
 美しい女性に熱い視線を送られていると思うだけで、
  闘志が増すものなのだよ。

   その後で、たっぷり濃厚なキスをしてあげる。
    分かってくれたかなハニー。)


   ・・・・ 聞いてられませんな。


( あは~~ん、良く分かりましたわ。愛しのアンドラスタ様。
  わたくしは、大人しく武人の戦い振りを
   熱く見つめてお待ちしております。

  どうか奴を徹底的に痛め付けて下さい。
 あの拳三ちゃんは、わたくしのことを散々馬鹿にしたのですよ。

  それから、愛しの司令のお体に万が一でも傷が付きませんよう、
   邪神様に祈っております。)


   ・・・・ 聞いてられませんな。


  ただ戦うっていっても、直径三キロ圏内では邪龍は収まらない、あ?
  ・・・ 奴は分身造るとか言っていたし、
  それにその分身が適性に動ける重力場を作ってどうするのか?


《 チャンバラじゃ、チャンバラ。》 チャチャチャ~~~ンバラ。

「 チャンバラぁで御座いますか? はあああ???」

《 だから、やりたいんじゃろうて、
  拳三殿、僕と勝負してくれぇたまあえ~、とか言ってじゃ。
   得意の剣さばきを見せたいんじゃろうて ・・・》

     自慢じゃ自慢じゃ。 天狗じゃ天狗じゃ。


     あっ、そう言えばアンドラスタは
    フェンシングの名手だったんだ。

  ただ、勝負といってもねェ ・・・??? 
 あ、邪龍の尻尾の辺りに動きが ・・・

あの長い尻尾の先がぶ、分裂してゆくぅ ・・・
トカゲか? あれ、ちぎれちゃった。

 そのちぎれた尻尾が、立ち上がった???
  あああああ、ミルミルみるみる形がぁ~変化してェ ・・・

   へ??・・あらら、人型に変形して??? 
   はあああ、きききっ金髪だあ。

   もうお分かりですね。 巨大金髪王子の誕生です。
  身長二百五十メートル。 拳三にサイズを合わせた模様です。 

 ついでに中世ヨーロッパの騎士の出で立ちでぇ、
         赤を基調とし金糸の刺繍が派手です。
 ついでに帽子には、白い羽がぁ ・・・
 ついでに胸には、白い薔薇がぁ ・・・
 ついでに手袋は、真っ白ぉ ・・・
 ついでに腰には、剣がぁ ・・・
 ついでに月面です。ここはぁ ・・・
 これまたついでにフレッタと側近女性の黄色い声が、

 ((( キャ~~~~ッ!!! ))) ぶぅ ~~~! 


      拳三が呆れて見ている。

  しかしですよ、フェンシングと武士の剣法って、
  圧倒的に武士の剣法の方が不利なんですよねえ。

  真剣勝負だと勝てる見込みは皆無に等しいでしょう。
  普通は ・・・


《 おぬしの言う通り、まあ無理じゃろうな。

元々その剣法と、それぞれの剣の性質からして、違いが有り過ぎる。
フェンシングの剣は、世界の剣の中でも特殊で、
 薄く幅も狭い上に軽く、そして何より柔軟性がある。

 そのしなりを生かせば、
 中段に構えた侍の手首を簡単に切りつける事が出来る。
 剣でありながら鞭の要素も含む、恐るべき剣法なのじゃ。

それに、あの長官殿から一本取った悪魔は、
過去五百年以上いないのだ。

 それが故に拳三が百本中一本も取れんじゃろうな。》


  ・・・ 男って野蛮ですわ。 ホホホ。


「 ああつまり、遊ぶとは一方的に攻め立てて、
  武士と聖者としての面目を潰すという
   意味があるので御座いましょうか?」


《 まあそんなところだろう。

 奴は本気で拳三なら
 自分の相手が出来るかもしれないと感じたのか。
 それとも騎士道の方が勝ることを証明しようというのかな?

  ただ、奴の闘志に邪気は無い。
   いずれにしても、とことんやるつもりじゃ。
    まあ、最期まで見届けよう。》


「 はい。畏まりました。」


  ・・・ 女には理解出来ませんわ。 ほほほ。


   あなたは、この戦いをどう御覧になるのか?

 過去に武士と騎士の決闘があったのかは、何とも言えません。
間違い無いのは、月面で悪魔のダルタニアン (三銃士の一人) と、
人間代表のヒーローとの対決が、
後にも先にもこれ一回きりということです。

 まあ、そう言ってしまえば、
  この三日間の出来事は皆そういう類のものですが、
   この場は拳三を応援して下さい。

     多分やられっぱなしになると思いますので ・・・


     さて、何が始まるのか見当が付いた拳三は、
     立ち上がり腕組みをして待ち構えます。

    ただ、重力が地球並になった時は驚いていました。

   そこにキザなアンドラスタがリングインしました。


( おい、素晴らしい舞台じゃないか、礼を言うよドルン将軍。
  それに、この装置は電磁シールドだろう。

   ははは、おあつらえ向きなことだ。
    ではそのシールドの電圧を最大にしてくれ給え。)


( ああ、了解だぜ。ゆっくり楽しんでくれ ・・・

   おいドクター、電磁シールドの電圧最大だあ。
    これで奴の脳みそは電磁波でパアになるぜ。
     いやあ? 駄目かな?)


      何だ、そんな罠か?

    拳三は肉身をウルトラスーツで覆われているし、
   アンドラスタは単に霊力に因る物質化ですので、
  影響は無いでしょう。




    第四話、終了です!

  さあ、舞台は整いました。

月面での死合が、どのように展開していくのか?
アンドラスタの妙技が冴え渡るのは間違いないでしょう!

 ただ拳三がどう対応できるかが問題です。

  次回、壮絶な死闘の模様をお見逃し無く!!!

 
 今日の宇宙画像 「 干潟星雲 M8と三裂星雲 M20 」




《 最終章 》 〈 第三話 〉 堕天使ルシファー

2019年02月05日 21時59分15秒 | 小説



    遂に始まった正邪の最終決戦!
   その決戦も三日目に突入致しました。

 ここで、満を持したサタンが動きました。

サタンは自由の女神像の上で座禅を組み、瞑想をしています。
勿論、邪悪な想像を具現化する為のものなのです。

 悪魔の創造とは如何なるものか、篤と御覧あれ ・・・


   《 キャラクター&キャスト 》

総帥 サタン = ネイサン・クラウド =
堕天使ルシファー = 大天使長ルシフェル / アントニオ ・ バンデラ〇

大将 ハガード / ブルース ・ ウィリ〇

「 特別出演 」 無数のサタン直属兵士共
「 友情出演 」 アメリカのエリート国民 & 一般民間人 & 旅行者

 



           ( 推奨BGM ) 

   グスターヴ・ホルスト作曲  組曲 『 惑星 』 作品三十二
      第一曲 : 火星 ~ 戦争をもたらすもの 

      指揮: ヘルベルト・フォン ・ カラヤン  
      演奏: ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

 
   https://www.youtube.com/watch?v=-_MOZchsS5I



 

 この旋律は、ゾッ、 とする戦慄を生むでしょうねェ ・・・



     ここはニューヨーク。

        現地時間、午後六時。

          日本時間は午前九時。



         つまり、辺りは真っ暗な筈です。

       がしかし、街灯りも無いのに結構な明るさです。

   何せ戦争ゲームのとばっちりを受け、街は火の海なのですから ・・・


       思い出されましたか?


   文明の象徴である電力は、
  原発を含めた発電所と変電所が破壊され使いようがないのです。

 放射能を撒き散らされ、地上はかつて無い程汚染されました。

勿論、アメリカに限らず世界中の陸地は、
「神の光玉」 以外、悪魔共が駆る邪龍に因って、
徹底的に破壊されました。

消防も機能しない今、
ライトに取って変った炎という自然界の照明器具が、
不気味に揺らめき自由の女神像を照らしています。

 我等は自由の女神から三キロ程離れた場所から、
  その像を観察しております。




    三次元界、物質界、人間界、
     その闇の支配者たるネイサン・クラウド。

      彼の姿は自由の女神像、棘付(とげつ)き冠の上にあります。


     この男の服装。

   軍の式典に参列するような、
 勲章だらけのド派手で華麗な純白の軍服に身を包み、
帽子、手袋、革靴共に純白。

当然、嫌味なほど歯は白い。

 こんなのは偽善の白だ。

    肌は小麦色。

     そして長い髪と大きな瞳は、黒く輝いている。
     しかし、全くいやんなるほどのイケメン振りである。

    その男に憑依し操る者。

  かつて、
「光を掲げる者」 「曙の明星」 とも称された、大天使長ルシフェル。
またの名を、堕天使ルシファー、そして ・・・ 悪魔王サタン。

女神の足元の周囲には、
無数の邪神軍兵士という邪霊達が整然と列を成しています。

直に、悪魔の「召喚の儀」は執り行われるということでしょう。

  ほら、彼の暫く閉じていた邪眼が、ゆっくり開いてゆきます。

    そして軽く深呼吸をしました。


      「 はああああぁぁぁ ・・・」


    ううっ! 邪気が彼の体から噴出し周囲に広がっていきます。

 その重く醜い濁微粒子は次第に自由の女神を包み込み、
  邪神の女神像に変身を遂げました。

   魔王は、更に邪気を全身全霊から発し、
    醜い憎悪と憤怒の邪念を増幅させているようです。

    その鋭い眼光が遥か彼方、
    日本の 「神の光輪」 を睨んでいることは容易に想像出来ます。

    彼は両手の拳を握り締めると、全身がワナワナ震えました。
   黒く大きい瞳が強烈な邪光を放ち、
  その邪口からは邪声が発せられました。


「 うお~~っ! ぬおおお~~~っ! 
はあああっ!


     これは怒りの呼吸法か、単なるストレス発散法か?

      どうやら ・・・ 魔王の演説が始まるようです。

    彼は立ち上がり、右手の拳を天に高々と突き挙げました。


     我が偉大なる邪神軍兵士よぉ!
    皆心待ちにしていただろう、この時を! 


           待たせて悪かった。

    皆、強力な霊力を手に入れ実に良い表情をしている。
         ははは、頼もしい限りだ。

  主神に 「造化の業」 の封印を解いたことを後悔させてやろう!

      皆、今まで良く私に着いて来てくれた。
          心から感謝している。

        だがこれが最期の出陣になる。
   各々悔いの無いよう霊力、知力、団結力を出し切るのだ!

      それが、二ビルの邪神アポフィス様 と、
    この 悪魔王サタン に対する恩返しになるのだ!

      最期の最期まで諦めることは許されん!

           良いなぁ!

  ではこれより、悪魔の祭典 『 召喚の儀 』 第一章 を執り行う!

        ハイル・アポフィス!!!


    ((( ハイル・アポフィス!!! )))



   サタンの後ろに控えていた側近らしき男が近付いて来た。

       そして魔王の左前で片膝を着くと、
   両手に純白のシルクと思しき布に包まれたサーベルを、

       恭(うやうや)しく差し出した。

魔王は右手で、気合諸とも一気に抜き放つと、剣先を高々と天にかざした。



         「 愛する我が下僕共ぉーっ!

      我の元に集い邪龍の原型を成すと同時にぃ、
         我と同化融合するのだぁ!!」



   ((( おおおおおおおおおお~~~っ !!! )))



       無数の部下は、
     凄まじい雄叫びを発しながら女神に入り込んで行った。

  その造化の霊力に因り、巨大な銅像の性質は急激に変化しています。
 邪念の醜い波動が女神を包み込み、更に肥大化させていったのです。

その黒く老化したような皮膚が積年の憎悪の証なのだろう。
老婆になった女神は己の醜い姿に絶望し、
体を震わせているかのように見えてならない。

 ただ、そのくすんだ皮膚が小刻みに振動音を発しているのは ・・・
  やはり邪霊共の共鳴に因るものだった。

     その醜悪なる共鳴、不協和音をお聞き下さい。


   グオンブオン、グオンブオン、ゴンゴンゴンゴン ・・・・・


やれやれ ・・・これからこの嫌な音に生身の人間と殺された人間の魂、
そして動物が加わると、更に悲鳴混じりの不気味な音霊になるのです。

また、おぞましい惨劇がこの地で繰り広げられるとはウンザリですが、
これも現実を知り、
シリウス文明に活かす為にもしっかり魂に焼付けなければなりません。


 さて、悪の女神様の内部では、
かの悪名高きドクター・ヘルメットが発明した「 邪霊力エンジン 」 が
急ピッチで設置されてゆきます。

もう三十分は経過しております。

 そのエンジンの中枢は、女神の心臓付近に設けられました。

   彼等は機関室と呼んでいます。

  この機関室を起点として、
 悪魔の心臓から動脈網
( 銅線と同じもの、つまり拷問の為の電流が流れる ) と、
静脈網 ( 電流で与えた激痛から発生する濁微粒子を変換し、
増幅させた邪霊力が機関室に戻る ) が、
 全身に張り巡らされているのです。

  そして、そのエネルギーが循環される度に、
   おぞましい肉体が肥大していくのです。


  この昨今、表面を気にするあまりの
 ダイエットやエステが横行していますが、
それと、ついでに整形も ・・・

 何か見苦し過ぎて滑稽にさえ思えます。

  あなたがどうか知りませんが、気に障りましたらお許し下さい。

  余計な肉と不幸現象の発生源は、
 人間の醜い邪欲物欲食欲から来る物であります。

夢や目標が崇高な世界、
つまり人間が求めるような堕落した世界より上に設定し、
 努力しない限り、
  例え体が痩せて美しくなっても心と魂の贅肉は取れません。

  痩せ過ぎ太り過ぎ、
 又は容姿が気に入らない人のコンプレックスは即、
 魂に曇りを積みます。

  何故なら、その姿になったのは
   己の過去世から積み重ねた魂の曇りが原因なのです。

  それに対して不平不満を持つ等、愚の骨頂というものです。
 加えて神や先祖、親のせいにする等、無礼千万であります。

 親神が願う神の子の理想像は、容姿に係わらず、
  心と魂の美しさにあります。

    常に神を恋慕い祈り行じる。
     常に己を律し、己を磨き鍛錬する。
     是非そうして下さい。

    私は何度でも言いますので悪しからず。


この時点での女神の身長は、既に三百メーターは越えているでしょう。

 自由を剥奪された老婆の女神は、その美しさも奪われ、
  もう成すがままに穢され破壊神になってしまうのだろう。

   ただ、その最終形態は予測が付きません。

  サタンはまだ頭頂部におり、座禅を組んでいます。
 何やら呪文でも唱えているのか、小声で口ずさんでいます。

  その小声の呪文が途切れると、彼は静かに目を開けました。
   すると、側近の部下が後ろに フッ と現れ、
    準備が出来た旨を彼に伝えました。


        「 よしそうか、では始めるとしよう。
      有りっ丈の雑魚を召喚してやろうではないか。」


    そう言うと悪魔王は、ゆっくり立ち上がり両手を広げた。


          「 はははは、感じる! 

        幼稚な猿と豚の群れが怯えている ・・・
         震える腐った肉の臭いもする。

         お前達は、そう、単なる肉の塊!

      我等の餌でしかない。そして永遠の奴隷だ!!
      最期までその役目を果たすのが使命なのだ!

            我が愛する蛆虫共!

  私の愛で、今までどれ程の幸福と刺激と快楽を味わえたものか ・・・

        全て与えたのは私だ! 神ではない!

     世界を征服したかのような優越感に歓喜する姿は、
           醜くて最高だったよ。

     戦争万歳! 暴力万歳! 物欲万歳! SEX万歳!
          皆で憎しみ殺し合う国民。


             痺れるよ ・・・

 ただ思い残したことは、最期の世界大戦を発動出来なかったことだ。

           君達も残念だろう。

 まあ、戦争ごっこをさせてやったのだから、贅沢は言わないことだ。

     では、今まで私が貸し与えた恩恵を返して頂こう。

          百倍の利子を付けてだ!

          ギブアンドテイクだよ。

    与えっぱなしの愛と正神は言うが、悪魔には通用しない。

           愚かな思想だよ・・

      さて、主神に裁かれる前に、主神を呪え!

         何れ苦痛を与える主だからだ。

        そして差し出すのだぁ、全てを!

       醜く歪んで腐った魂と幽体肉体の細胞と
         血の一滴まで差し出すのだぁ!!

      そして我等が与える苦痛には、感謝するのだ!


       クククク ・・・ ハガード大将、始めろ!

        悪魔の祭典 『 召喚の儀 』 第二章 だ! 」


      「 はは、召喚の儀、第二章、発動致します!」


       すると、魔王と部下の悪霊は破壊神内部に消えた。

     そして始まるのです ・・・  悪夢が ・・・

   うわっ、老婆の巨人が両腕を広げました。
  むっ、すると何やら老婆像全体が小刻みに振動し始めた。


ブンッ、ブンッ、ブンッ ・・・・・・・ 


悪魔の共鳴波が発信され、その音霊が四方八方に広がっていきます。
きっとこの音霊の共鳴波には、「造化の業」 の秘密があるに違いない。

 全ての力の根源は光ですが、霊界から直接現界に作用する力。

  それが霊力の一つと考えますが、この霊力に加え、
  「造化の業」 というもの、
   これが 「産土力=うぶすなりき」 と考えます。

    この中の 「 土 」 に御注目下さい。

   土の字は、の字とその下にの字が合体しています。

 つまり 「十字の理 」 を表す神十字が、
現界という地面を表す一の字に、上から乗ってくる。

神の力が神霊界から天降った時に物質が形成される。

 更に産むとは、土を産む、
  それは物質を産み出すことの意味ではないかと思います。


  これは 「産土力」 であり、
 「 三十字の理 」 = 縦+横+奥行 = 立体造形 =
 火+水+土 = 天+空+地 
 という 「 三位一体 」
 原理が作用していることになります。

 また、宇宙生命の樹が 「 三本で一体 」 であるように、
  宇宙創造に密接に係わる事柄であります。


   また産土力が作用する場所は、十字の中心 であります。

  十が回転する事により力が発生しますが ・・・

右回転なら締める力 が、
左回転なら開く力 が ・・・ネジでも同様です。

霊を物質化しようとするならば、締める力の右回転です。

 左回転にすれば開く力が作用し、
  人とすれば肉体から魂は解き放たれるのでしょう。


   この悪魔の儀式では、右回転の「 産土力 」 を以って、
    邪悪な化け物を創造しようというのです。


      その力は明日の期限まで使い放題なのです。

       まあ、制限はあるでしょうが。


        さて、その禁断の霊力を得たサタン機が、
        どのように形成されていくのか?

       周辺からは生きた人間と魂だけの人間、
      それと動物を取り込んでいます。

     引き摺られる者、飛んで来る者様々ですが、
    実際どのように霊力が作用しているのか?


 《 これはな、見るが良い。

 端的に言えば、生物の魂が神霊界に繋がる霊波線を
絡め取るのに使っているのじゃ。
見にくいがアメリカ全土に光の網が張り巡らされているじゃろう。

言わば 「悪魔の光網」 という訳じゃ。

魂が曇り邪気が強い者ほど強く作用する。

それが地球上に多過ぎるから、こんな化け物が生み出されるのじゃ。
 神の光玉の子達も、後悔の念で一杯じゃろうて。》

  懲りて頂かねばネェ!

    三十郎様が叡智晶を見ながら御説明してくださいました。


    「 そうで御座いましたか。」


     何とも恐ろしい事実であります。

    ただ、それを意識して見ると ・・・

  成る程、女神を中心として放射線状に微かに光が見える。
 それに引っ張られるようにして人間や動物が飛んで来る訳だ。

つまりアメリカ全土に、邪霊力に因る光の投網を投げて、
掛かった獲物を引き摺り込んでいるということになります。

言い換えれば、ブラックホールみたいに
光を吸い込むのに似ていますが、気のせいか?

 そうか、ブラックホールにはきっと「産土力」や「三十字の理」
  それに「廻りの理」が働いているに違いない。
    だからチカチュウ様やベニ様が誕生したのだ。

     すす、スゴ~イ。 チュチュチュゴ~イ、フフ。

    悪魔の目的は人間を奴隷化すること、
   人間の目的は金と名誉と権力であります。

  だから互いに波調が合い、引き付け合い、
 邪念の共鳴が産み出されるのです。

その具現化したものが人類史上最悪の文明であります。
それは誰も否定出来ないでしょう。


それはそうと・・・むむむ、随分巨大になりましたねェ。
それに丸みが出てきた。

 茶色のサナギのようにも見えるけど、
  全長は数倍になったようです。

   サナギですと、やはり蛾の化け物でしょうか?

   でもサタンということであれば以外に蝶?
   いや、蝶って感じじゃないと思っ・・
   あらら、なんか白っぽくなって、
  ん~かわいいモンシロチョウだったらブッ、白けちゃいますが、

ぬぬ ・・・ 表面が羽毛っぽいです。

あっ、あれは翼だ!
 翼がサナギの全体を覆っている。

  これはグリオス機のようになってきています。

   白い翼かぁ・・・段々分かって来たぞう。
   あなたも分かりましたね。

   何しろアメリカの象徴、自由の女神に憑り付いて、
   それが変化肥大した。

  もう一つのアメリカの象徴は何ですか?
 ・・・・それは白頭鷲です。

イーグルです! 正解しました? 

    ただ真っ白ですが ・・・
       ああ、白いイメージでお願いします。


  


      皮肉が利き過ぎてるでしょう。
     やはり悪魔の総帥です。
    嫌味たっぷりです。

  それとも単にカッコつけたいだけなのか?
 まあ、両方でしょう。

それで、大きな翼を広げ始めました。

 羽の隙間から覗いてきたのは、
  檸檬色のクチバシに大きな青い目です。
   これは両目が付いています。

     後は真っ白。偽善の白だ。
      奴は司令室であの白い軍服を着たままです。

     自分だけ手を汚さないのは、今回はないでしょう。


グゥアアアーーーッ! ギャアアアアーーーーーッ !!!


  怪鳥 サタン機 のエンジン音です。 イヤーーッ !!

   全長約千三百メートル。両翼の幅は約三千メートル。
    さて、久しぶりに得た翼の感触は如何なものでしょうか?

     堕天使ルシファー殿!!!

   堕天した神や天使達、つまり、アヌンナキのことでございますが、
 Kさんの情報で分かっていることは、以下のものです。

  彼のブログを引用し、掲載致します。  



★ 地球人類の遺伝子操作に携わった「12」の宇宙種族 より ・・・


地球人類という生命体を創成した大元は、シリウス星系にあります。

つまり、シリウス星系が、地球人類の産みの親である、ということになります。

その後、間違った遺伝子交配が起きて、
地球人類自らが、自滅の道へと歩んでゆかないように、
地球人類誕生から、これまでの間に、
計「12」の宇宙種族が、この遺伝子操作に関わってきました。

この、計「12」の宇宙種族のどれもが、
過去の地球の歴史上、超古代文明などにおいて、
関わってきた、友好的な宇宙種族たちであること、
親的な想いで、今日まで見守ってきている
存在たちであることを、くれぐれも、
お伝えさせて頂きたいと想います。

これまで、このブログ上では、DNAの本数を数えるときに、
2本、4本、6本…としてきましたが、
ここで、言い方を変えておきたいと想います。

今後、DNAの本数を数える際は、2条、4条、6条…という数え方とします。

というのは、DNAの螺旋状の鎖の中には、
細かい紐状で、編み込まれている状態となっています。

この紐状のものが、36000本あります。

つまり、私たち地球人類が、本来有していたはずのDNAの状態というのは、
12条、36000本です。

私たちが、これから、銀河系宇宙人類として
スタートをするためには、まさに、
この状態へと帰ってゆくことから始まるのです。


★地球人類の遺伝子操作に携わった、「12」の宇宙種族

地球人類生命体を創成したシリウス星系を、
1番目として、その後、遺伝子操作を行なっていった
順番の通りに記述いたします。

(代表:)は、遺伝子操作を行なった星系、
銀河の中において、その代表的な星、惑星となります。

遺伝子操作の推定時期は、地球物質界の時間軸で云うところの、
西暦2010年2月時点から遡って観た年代です。

ちなみに、地球上での生態系の中で発生した、
原始地球人(何処の星からのものでもない、類人猿の部類に属する)は、
約170億4532万5582年前に誕生したようです。

このタイプは、UMA(未確認動物:Unidentified Mysterious Animal)
として知られている雪男、イエティなどのようなタイプとして、
現在も、人目に付かない山奥の中や、内部世界「アガルタ」
に生息しています。


1.シリウス星系(代表:シリウスA・アルメーラ)
 遺伝子操作の推定時期 → 27億6782万4531年前

2.オリオン星系(代表:ベテルギウース)
 遺伝子操作の推定時期 → 27億6782万4530年前

3.プレアデス星系(代表:アルシオーネ)
 遺伝子操作の推定時期 → 27億6782万4529年前

4.カシオペア星系(代表:シェダール)
 遺伝子操作の推定時期 → 27億6782万4520年前

5.アンドロメダ銀河(代表:アルフェラッツ)
 遺伝子操作の推定時期 → 27億6782万4519年前

6.琴座星系(代表:ヴェガ)
 遺伝子操作の推定時期 → 27億6782万4512年前

7.小熊座星系(代表:ポラーリス 「北極星」)
 遺伝子操作の推定時期 → 27億6782万4510年前

8.ケフェウス座星系(代表:クモス)
 遺伝子操作の推定時期 → 27億6782万4508年前

9.大熊座星系(代表:メグレズ 「北斗七星 δ “デルタ” 星」)
 遺伝子操作の推定時期 → 27億6782万4507年前

10.獅子座星系(代表:レグルス)
 遺伝子操作の推定時期 → 27億6782万4503年前

11.ペガサス座星系(代表:シェアート)
 遺伝子操作の推定時期 → 27億6782万4498年前

12.クラリオン(代表:クラリオン)
 遺伝子操作の推定時期 → 27億6782万4493年前



いわゆる、アヌンナキという存在は、
これらの「12」の遺伝子操作が行なわれた後に、
地球へとやって来た種族です。

 アヌンナキは、もともと、 プレアデス星系にいた種族で、
 その当時の、ネガティヴ(闇)存在たちであり、

つまり、プレアデス星系における前回の、 大幅な次元上昇、
地球物質界の時間軸で 云うところの、
約53万2431年前(西暦2010年2月時点)に、
プレアデス星系の中から、一切、追い出してしまったのです。

 ちなみに、このときのプレアデス星系のアセンションと、
 シリウス星系のアセンションとは、
 同時に、 タイミングを合わせて行なわれました。

それで、プレアデス星系から追い出された アヌンナキたちは、
そのまま、地球へ向かったのです。

 彼らが地球へ来た目的は、 地球人類総奴隷化計画でした。

 アヌンナキは、いわゆる、
 悪神、 偽物の神として君臨していた存在たちです。

 実は、『 旧約聖書 』 を書いたサタンの正体は、
 アヌンナキたちです。

ですから、アヌンナキが地球にやって来たタイミングは、
約53万2431年前(西暦2010年2月時点)でした。

今現在、彼らアヌンナキも、
地球上からすべていなくなりました。

  引用終わり ・・・


旧約聖書の作者はアヌンナキだったという事は、
信じない人が多いでしょうが、
その旧約聖書の内容こそ、あまりに信じ難い部分が多過ぎます。

 つまり、盲目的人間達を騙すテクニックが
 散りばめられているということになります。

真実は、アカシックレコードを読み解くか、
多くの古文献を照らし合わせ見出すしかないでしょう!
それも自己判断で納得するまでです!


   さて、アヌンナキは地球から去りましたが、
  手下のイルミナティーはおります。

 神々に拘束され宇宙刑務所に収監されていないアヌンナキは、
二ビル星から強力な悪性ネガティブエネルギーを地球に送信し、
イルミナティーや、
その奴隷のような暮らしをする人間を操っております。

アトランティスやムーの文明は、
アヌンナキや火星から転生してきた者達に邪魔をされ、
 魂に曇りを積む事で神様からお叱りを受け、
  その都度文明は滅んで来ました。

    局地的には幾度と無く、世界的には六度です。
     現在は七度目の大ミソギハラヒなのです。


さて、自由の女神から純白の大鷲となったサタン機には、
 何やら動きがあるようです。


  鷲の胸部内の司令室は、基本的にはドルン機と同じくドーム型です。
  他の機も同様です。

  その司令室、御山の頂上魔王の椅子には、
 足を組み頭上のスクリーンを見ながらニヤ付くサタンの姿があります。

そのスクリーンには、外の風景の中に重ねた画面に、
大勢の人間の姿が写っています。

その人間は、政治家と官僚、ウォール街の証券マン、
 一流企業の幹部、天狗になった鼻を持つセレブ連中、
  そしてその家族だそうです。

    一体何人いるのか? ・・・数千人はいるでしょう。

     皆後ろ手に拘束されています。足には鎖が ・・・
   その人間達は魔王の部下に因り、正座させられました。


      彼等の頭上には巨大スクリーンがあり、
      間も無く機内放送が写し出されました。

        魔王サタンの上半身ドアップ!

    彼の眼光からの強烈な邪気は、皆を震撼させました。


        (( 我は悪魔王サタン!

   またの名を堕天使ルシファー、そしてネイサン・クラウドだ。

            驚いたかね。

      ただ騙して悪かったとは思っていない。
   まあ、偽善と欺瞞がお得意の皆さんには敵いませんよ。

       ははは、手荒な真似をしてすまない。

 いや~何ね、アメリカ国民の中でも抜きん出て優秀な皆さんには、
        とても感謝しているんだよ。

      故に勲章の代わりと言ってはなんだが、
   邪神アポフィス様の生贄となる名誉を与えることにした。

    拒否権は与えないよ。勿論異存は無いだろうねぇ ・・・

     ハッハッハ、そう怖がる事でもないだろう。

      大変な名誉だよ。何も心配はいらない。
      血の一滴たりとも無駄にはしないから ・・・

        それに肉体の粕となった魂は、
  この美しき大鷲の一細胞となり、永遠に生き続けるのだ!

        何も不安がることではない。

       君達はアメリカの英雄なのだよ!

  さあ、心置きなく喜びを持ってその身を捧げてくれ給え!

          以上だ諸君!! ))


      いや~恐ろしいことです。
    何を言い出すかと思えば、生贄って・・・とんでもない。

  それで拘束された憐れな人間達は、
 鷲の額付近の部屋に集められています。

悲鳴で喚き散らす者達には、
強面の兵士から短い鞭で黙らせられています。

その薄暗い巨大な部屋の隅には、
 何やら怪しげな装置が御座います。

  その装置には一つの入口と巨大な透明タンクが ・・・
   何の装置か見当が付いてきましたが、あなたどうです?

   その装置の入口には、屈強な兵士が十人程います。

   そして、とうとうその兵士に両腕をつかまれ、
   一人目がドアの無い暗黒の入口の中に放り込まれると、
  一瞬だけ悲鳴が聞こえました。

 それで、透明タンクの真上から血が滴ってきました。

はあ~~、これは邪血絞り機だったのです!

その後は間髪を入れずに、蹴飛ばされ投げ飛ばされ、
 次々と邪血絞り機に投入されていきました。
  何か「宇宙戦争」という映画を思い出しました。怖いです。

   でも確か、この鳥の目は両方ありましたが・・・

   精力剤として兵士共が飲むのか?

  うわあ、直径十メーター高さ二十メーター程の円筒型タンクには、
 どんどん濁血が溜まっていきます。

すると、先程から気になっていた物を、
十人程の兵士が操作し始めました。

その物とは、全長十メーター程のレーザー砲?
 らしき砲台の事です。

 しかも妙な事に砲身の先は、床を向いています。
 えッ、意味が分かりません。

 この室内でどう使おうというのか、はて?

 司令室でこの状況を見守るサタンは、冷たく笑っている。
  そして、頬杖を付いた口が微かに動いている。

    聞き取れない程の言霊。

      また呪文か? それとも単なるぼやきか?


      「 総帥、邪魔龍幻死砲照射準備完了!」 


       敬礼したハガード大将が報告した。


      「 うむ。では、これより右目を閉じて
      悪魔の祭典 『 血流眼の儀 』 を執り行う。

         始めろ、ハガード大将!」


 「 はっ、『 血流眼の儀 』 開始致します。右目を閉じろ!」
 


       彼は現場に指令を送ったようだ。

          ぬぬぬ、まさか?

      それで白い大鷲の右目が閉じていきます。


       「 総帥、右目閉じました!」

        「 よし、幻死砲照射!」

      「 はっ、幻死砲照射致します!」


       ゲゲッ、照射ってあの部屋から?

     ああっ、照射されてしまったぁ!

   閉じた大鷲の右目の上から、
  真っ赤なレーザーが飛び出てきました。

 そのレーザーはそのまま下の方に移動しています。

この生身の人間と、動物の肉を練り固めて出来た怪鳥ですので、
凄まじい悲鳴が鳴り止みません!

 肉が焼ける為の煙と悲鳴。容赦ない悪魔の儀式。
  数十秒で、閉じた眼球の下までレーザーの傷が到達しました。


        「 総帥。幻死砲照射終了!」

        「 よし邪血を流すのだ!」

        「 はっ、邪血、流します!」


    こうしてアメリカの英雄達は邪神の生贄となり、
   その身を捧げた血が、右目の傷から流されたのです。

      魂は既に邪龍の体内に取り込まれました。

        アンドラスタ機の右目も、
     この儀式に因って血の涙が流れていたのだ。

      傷の付け方は違うのかもしれないが、
   いずれにしても最悪な儀式であることに変りはない。


      これから始まる 「 シリウス文明=ミロクの世 」 は、
   「 アクエリアスの時代 」 とも呼ばれます。

  つまりは水の時代と対になり、
 同じく、と対になります。

そして右=水気(みぎ)=アクエリアスになります。

奴等、悪魔は右目を瞑り、汚れた血で穢すことにより、
水の時代、シリウス文明を断固拒否する意思を表したのです。

創造主と正神軍を呪い、止めどなく血の涙は滴る。
この「正邪の戦い」に終止符が打たれるまで・・・

 その後、サタンは七大悪魔を召集し会議をしました。
  下らない卑怯千万な作戦の数々。

     それが、これから展開されてゆくのです ・・・ 



   
    悪魔の悪趣味には着いていけませんね!

  ですが、現代社会では同じような悪趣味を持つ者が
 少なからず出てきました。

もはや、まともな文明は築けない状況です。
地獄の文明が自滅するのは時間の問題です。

 神々は自滅して地球が破壊される前に、手を打たれます。
  それが、火の洗礼、大ミソギハラヒ、大浄化現象なのです。

    地球の守護神、「丑寅の金神」 の苦渋の決断を
     心してお受け致しましょう!!

      深いお詫びと感謝を持って ・・・  


さて次回は、拳三とマーフィーに最悪の災難?
というか、最高の神鍛えが与えられます。

 これまた ゾゾゾッ、とする展開になりますが、
 御了承ください。   


 では、今日のナンバーと悪魔の画像をどうぞ ・・・ 
 
 タルカス / エマーソン,レイク&パーマー
  Tarkus - Emerson, Lake & Palmer



                  


  シリウス五芒星を逆さにし、神の愛を完全拒絶する意思表示か ・・・

        シリウス神人の皆様は許しませんよ!

       覚悟せよ! 邪神とそれに組みする人間よ!!

          もう時間はないでしょう ・・・




《 最終章 》 〈 第二話 〉 月と地球

2019年02月05日 15時40分34秒 | 小説



 遂に始まった正邪の最終決戦!
 その決戦も三日目に突入致しました。

神の光輪は熟成しましたが、
その内部に入る資格を得ていない者が二人。

 それは、土門拳三とマーフィー・ラッセルであります。
 今回は、月での修行の模様を御覧頂きましょう!


  《 キャラクター&キャスト 》

(神の光輪の聖者) 大黒天様の命により現在、月で修行中。

 日  本 / 土門 拳三 ( 二十五才 )
            妻夫木 〇

 アメリカ / マーフィー・ラッセル ( 二十五才 )
            ヘイデン・クリステンセ〇

            

 氏神 : スプリングフィールド (三十郎)/ ジャン・レ〇
 湖神 : ナセル (チカチュウ)/ キャサリン・ゼータ・ジョーン〇
 うさぞう : 信造 : 作者 / 伊藤  敦〇





           ( 推奨 BGM ) 

      ジョゼフ=モーリス(モリス)・ラヴェル作曲

  日本語訳では 「水の戯れ」、フランス語では、「噴水」 を表す 
        マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
       








    地球、日本の日時、十二月二十一日 午前八時十三分。


          あ~、来ちゃいました。

            ここは月です。

       それで、ここは 「雲の海」 の辺りです。


   「 あのぉ、三十郎様 ・・・
    ちょっと月面に降りて足跡付けても宜しいでしょうか?
    ああ~あ付く訳ないですよね。申し訳ございません。」


  《 あのな、おぬしの頭にわしの歯型付けてやろうかぁ、戯け!》


      フフ、カジカジ。  ああ~~、いたたた!


「 あっ、チカチュウ様、肉ポケットの皮は噛まないで下さい。
 調子に乗って申し訳ございません。」


     ああ~、うかつなこと言ってしまった。
      それにしても月は殺風景ですねぇ。 

      加えて、この位置から見る地球の
     何と殺風景なことか ・・・説明要ります?

   現在の地球の表面は雲で覆われておりますので、
  陸地や海はまるで見えないのであります。
 天の岩戸締めと言ってもいいでしょうねぇ ・・・

全く残念です! くう~~!!

 ただ凄いことに、神の光輪を含めた神の光玉と神の光網が
  薄っすら見えているのであります。


    ところで、拳三とマーフィーは何処でしょう?

     ん~~、あっ居た。

    ここからだいぶ離れた場所で、二人共座禅をしていますねぇ。


《 あれは大黒天様の御指示に因るものだ。
  一つの修行法じゃよ。

  まず座禅を組み背筋を伸ばす。

 薄目を開けて、目で見るのではなく霊眼、
 つまり脳の中心部にあるサードアイ・チャクラを意識する。

次に、一定方向に意識を集中させ、
見えない所まで感じ取る努力をする。

 次に段々範囲を広げ全方向に想いを廻らす。
 これは全ての五官を越えた霊眼を鍛える意味合いがある。

つまりは神の大愛を掴む為と、
全次元全宇宙が主神様そのものであり、
神の大愛と光の波で満ちている事をサトリ、
己がその大愛の一粒、宇宙の一粒子である事を掴む訓練である。

 彼等の今の神気と霊力が増した状態であれば、
 月の内部世界の様子や、太陽系外の星や小惑星の動き等に加えて、
 地球上の出来事の詳細も、
 ここに居ながらにして知りうることが出来るのじゃ。

また、真空に満ちた神気から
高次元界の存在までも感じ取れるだろう。

 ただし、熟練せねばならんがな。

また、瞑想の修行法は幾らでもあるから、
自分で創意工夫する必要がある。

 うさぞうは集中力が足らんようじゃな。
 それでは、瞑想による霊力の向上は望めんぞ~~!》  

    ソウデアルゾヨォ。


「 いや~~、痛い所を突かれました。
   おっしゃる通りで御座います。
     肝に銘じて修行させて頂きます。」


  私の事はともかく、拳三とマーフィーについてですが、
  霊眼に目覚め神の子の力を身に付け、
  更にその力を増幅する為に徹底的に鍛錬を積み重ねる。

 その為には、雑念邪念があれば修行の妨げになる。
 その雑念の元は地球にある。

  この月であれば、
  それらを気にせず集中出来るということでしょう。

 ただ、大黒天様が仰せの制限時間、
 十五時間はどうやって時間を知るんだろ ・・・ん?

  そうか、良く見れば彼等の左腕には、
  巨大で薄い腕時計があるではないか。

   これはスーツの一部のようだ。

  その腕時計はデジタルとアナログ一体型であります。
  デジタル表示部分は、カウントダウンを表している。

   全く至れり尽くせりであります。

  ついでに私の腕時計は、
  スミレ様から頂いたダイヤモンド製のブレスレッドです。

 深紅のデジタル表示がカウントダウンをしており、
 見る度にその美しさに驚嘆する次第なのです。

ありがたや~~~!


ところで、月内部世界についてですが、
この領域には宇宙連合という組織が居住しております。

 その宇宙連合から、
 地獄の惑星、火星と木星に各1万人を派遣し
 交代しながら管理しているそうです。

  彼等は、二つの惑星内部に地球から転生した者達が猿人と化し、
  その修行を見守る立場と思われます。

 これから、地球に大天変地異が起これば、
 地球からの転生者が、火星と木星に大移住が行われる訳です。


さて、拳三とマーフィーは、
とてつもないチャンスと有り得ない霊力を手に入れ、
制御出来るのだろうか?

 まさか地球の様子を探り、
 かえって雑念を膨らませたりはしないだろうか?

   では、恐る恐る彼等の思念を覗いてみるとしますか ・・・


( う~ん、なかなか気をコントロールするのって難しいなぁ。
  地球の神の光玉や神の光輪は見えるし、
   その中の人の気配までは感じるんだが、
    一人一人の様子が掴めないな。
     おい、君はどうだ。) 


    拳三がマーフィーに尋ねた。
    彼等はテレパシーという思念波で会話しています。


( ああ、なんというか、様子が掴みづらいのは多分、
 光玉の障壁になっている先祖の魂の光が原因なんじゃないかな。

  それが厚い層になっているから、その中を探る事が出来ない。
  それは邪神軍でも同じことだと思うよ。

 それに僕達は要らぬ執着心や我と慢心を捨てる為に此処に来たんだ。
 わざわざ地球から遠く離れた月へね。)


( 君の言う通りだな。
  少しでもかすみの容体が分かればと思ったが、
  それは要らぬ執着だし、生への執着でもあるしな。

   家族は全人類か・・・僕達はきっとこの試練を乗り越え、
   この現界の全家族と幽界の御先祖様と共に、
   神様が望まれる世界を築ける筈だ。

  その為に、もう余計な事を考えるのはよそう。
 付き合わせて悪かったな。)


( おいおい、それは僕も同意してのことだよ、
  謝ることじゃない。

  ところでさぁ、大黒天様には、
  まず五時間は今の座禅の修行をするよう言われたけど、
  その後は二人で考えなきゃいけないだろ。

  だったら瞬間移動と速く飛ぶ訓練をしないか?
 でないと時間内に帰れなくなるからな・・・)


( ああ分かったよマーフィー、僕も賛成だ ・・・

  それにしても、
   集中すると宇宙には凄いエネルギーが充満していて、
   生命はその一部を吸収しているから
   生きていられるって実感湧くよなぁ。

  神様に包まれている感覚だ。
 この無数の星と天の川を見ていると、何故か涙が溢れてくる。)


( ほんとだな、つくづく僕もそう思うよ。
  きっと人の魂は、あの星の中の一つなのかもしれない。

   しかし地球と重なって見える青き星クラリオンの美しさは、
   地球と引けを取らないなあ。

  それと、あの太陽の側に見える赤い星って、
 噂に聞く第十番目の惑星とも言われる二ビルだろうな。)


( ああ、間違いないだろう。
  惑星Ⅹとか伴星ネメシスとか呼び名は様々だが、

 確か、竹内文書の記述の中に、
  鵜草葺不合朝(ウガヤフキアエズチョウ)七十一代の天皇が即位四十四年、
  人類多数死滅とあったな。

 その時太陽が三つ出現したとも。

  現在でも太陽と二ビル、
  それに爆発したベテルギウスで丁度、太陽が三つになるよな。

  しかも、その日付が十二月二十二日だ。
  それが今日の日付と一日違うだけだ。

 あさっては、創造主の正統的な魂の系統を受け継ぐ、天皇御生誕の日だ。

  つまり、主神様の御経綸を僕達は今、
  この肌と肉眼と霊眼で体感しているんだ。

  くうう、血が燃え滾ってしょうがないよ!
 君もそうだろマーフィー・・・)


( 勿論だ。
 僕達はその感触を味わえる幸運を与えられた。
  世間の醜い流れに合わせなくて良かった。

  よくよく考えれば分かる話だが、今の人類はその感性を失い、
  信仰観も人それぞれになってしまった。

 人の心や想像力とかは、
 肉の塊に偶然発生したかのような解釈しかないんだから驚きだ。

 人類は、やはり徹底してお詫びする必要がある訳だ。
  今までの僕も、頭でしか理解出来ていなかった。
   情けないよ ・・・)


( 同感だ。
  僕達神の子は神にさえ成り得るということだけど、
   怠けていれば一瞬で堕ちる。

   堕ちた魂の集合体が邪神軍ということだけど、
   な、何か悪寒が走るような気が ・・・

  マーフィー、地球のアメリカに気を集中するんだ。
 嫌な予感がする。)


( 僕もだ。
  邪龍が集まって何か謀略でも練っているんじゃないか?
  ・・・ 違うか。

   だが、只ならぬ邪気の集中する場所。

  どうやらその場所はニューヨークか?
 しかも炎に囲まれた ・・・女神だ。)


    その女神とは ・・・?

    勿論、我等は既に察知しています。


《 いよいよサタンが動くようじゃ。
  あまり気は進まんが、現場に行くしかあるまい。》


    チカタあるまい。 
     ルシファーの親不幸者め ・・・


       「 はは、畏まりました。」




次回、この小説一番の恐怖の場面をお送りすることになります。
皆様、心してお待ちください。

 主役は、堕天使ルシファー!!
 そして、悪魔王サタン!!!

その悪の祭典が強烈に展開していくのです。
あまり気が進みませんが ・・・

 では、火星の画像と今日のナンバーをどうぞ ・・・
 冨田 勲 / 火星






  曲は、冨田さんがホルストの曲をシンセサイザーで編曲したものです。

   そのホルストは、火星が地獄の惑星であることを、
    まるで知っていたかのようです。

   火星からの転生者が地球に増えれば、
  必然的に争い、対立が広まることになります。

 その影響を素直に受け入れ、同調しているのが、
今の人類と言えるでしょう!

勿論、裏と表で舵を取っているのは邪神、
或いは悪魔ということになります。

 嫌な構図ではありますが、これも神鍛え神試しと捉え、
  炎の勇気 と 静寂の響き!」 で乗り越えるのみですね!!

  私は日々、その強い想いで過ごしております。
  大いなる神々と天使に御守護を頂きながら ・・・

  どうか、自分を卑下せず、
 自分には親である神様から頂いた尊い魂が宿っていることを、
深く心と魂に刻み込んで頂きたいと思います。



《 最終章 》 〈 第一話 〉 「 神の光輪 」 と 「 神の光網 」

2019年02月05日 14時47分57秒 | 小説




ここでようやく霊峰富士上空に、「神の光輪」が熟成されつつあります。

 その光輪には、大黒天様と四大天使、そして世界各国から選ばれし、
 精鋭の聖者7名が入ることを許されました。

彼等は、富士山五合目辺りの光の円陣内で瞑想をし、集中力を高めています。

 さて、神の光輪がこれからどうなるのか?

  人間の想像を遥かに超えた神業を御覧頂きましょう!


     ただ、少々問題があるようですが ・・・


  《 キャラクター&キャスト 》

「 天神六代 」 国 万 造 主 大神 ( 大黒天 )  西田  敏〇 
          
 大天使長 ミカエル  / トム・クル―〇
  大天使 ガブリエル / キアヌ・リー〇ス
  大天使 ウリエル  / レオナルド・ディカプリ〇
  大天使 ラファエル / ナタリ―・ポートマ〇


 ( 神の光輪の聖者 )

「 日 本 」   
土門 拳三 ( 二十五才 ) 妻夫木 〇 

「 アメリカ 」
マーフィー・ラッセル ( 二十五才 ) ヘイデン・クリステンセ〇

「 フランス 」  
カーリー・アモリーノ ( 四十三才 ) ソフィー・マルソ〇 

「 ロシア 」 
ミリアム・コルシェフ ( 五十一才 ) モニカ・ベルッ〇

「 エチオピア 」  
アジス・ビキア ( 四十七才 ) デンゼル・ワシント〇

「ブラジル 」   
クリスティアーノ・エデュー ( 三十八才) ユアン・マクレ〇ー

「 サウジアラビア 」
ムハンマド・ハルドゥーン ( 五十八才 ) トム・ハンク〇


         ( 推奨 BGM ) 

     ヨハン・セバスチャン・バッハ作曲 
 『 管弦楽組曲 第 3番 』 BWV1068 の第 2楽章 「アリア」

      




   二〇 X X 年十二月二十一日(日) 7:15
            カウントダウン 23:45

   (執筆当時の作者時間) 
    二〇〇九年九月二十四日(木) 午前一時三十分



霊峰富士上空 3,000 m 「神の光輪」 直径 約 2 キロ




          火之夜芸速男神(ひのやぎはやおのかみ)




        

     神裁きの三日間も遂に、その三日目を迎えました。

    そして午前七時を回り、新たに主神様の封印が解かれました。

   それは我々現界の住人にとって、
  神の存在に次ぐもの ・・・ それは先祖です。

その先祖が今まで、
神の光玉の障壁となっていたことが明かされたのです。

更に先祖の魂の光も見えるようになったのです。
それは光のドームの様に光輝いています。

 勿論、地下の様子は伺い知る事は出来ません。
  裁きの天使の姿も見えてはいません。

   その事実を知らされた子孫の皆様は、
    周囲の障壁の光を見ながら、歓喜の声を上げています。

   それに加え、聖域で亡くなった新米先祖の方々の姿も見えます。

  先祖と話をする事も可能なのでありますから、
 残された子孫が狂喜乱舞したことは言うまでもありません。

 しかし、直に自粛の空気が流れました。

  何故なのでしょう?

 それは遺体となった本人の魂がいない。

つまり裁かれた人間が僅かにでも居るという事実を知り、
その遺族に配慮したからです。 

聖者補佐役は、今まで 『救いの死』 であると
 嘘を付いていたことを深く詫びられました。

  しかし、ここまで残った者の精神力は強く逞しくありました。

 事実をしっかり受け止め、
直ぐ主神様にお詫びと感謝の祈りをお捧げしたのです。

更に一体感が増した祈りの輪は、
より一層光の帯を強く美しく輝かせています。

 その祈りの力が今、
  神の子人を救う 「神の光輪」を遂に熟成させたのです。

   我等神の子人が、幾億万年に亘って積み重ねた罪穢は、
   地球表層上に悪影響を及ぼしました。

  極限に汚染された地球の自然を、
 地球そのものと言える 「丑寅の金神」 が、
止むを得ず大浄化を行おうとするのは当然と言えます。

そして、この責任は先祖を含めた人類全体が問われて当然であります。

即ち、主神様は先祖とその子孫が一丸となってお詫びをし、
その証と功績を立てる機会をお与え下さったという事なのであります。

  これは感謝以外の何ものでもありません。

    あなたは、どう思われるでしょうか?


  富士上空、神の光輪は一段と輝きを放ち、
 大きさも直径二キロ程になっています。

そこから更に上空の雲に異変が見られます。 

あの厚い雲の一点から一筋の光が漏れて来たのです。 
その光が次第に広がり、厚い雲に大きな穴が開いてきました。

 大穴からは、神の光輪に垂直に光が差し込んでいます。

 もう日の出の時間は過ぎていますが、太陽光でないことは明らかです。 
 つまり現時点で、太陽の位置が富士の真上には存在する筈がないのです。 

 これは紛れも無い、主神様の祝福の光としか思えません。    

宇宙の彼方から降り注ぐ光のスポットライトを浴びた神の光輪は、
半透明な黄金に輝く凸レンズの様に見えます。

その空中を縦に浮遊する神の光輪の外輪には、
 淡い炎が立ち昇っています。  

  この神の創造物は、何と幻想的で神秘的なのでしょう。

  しかも、この光の結晶には、神の子人とその先祖全てを含めた、
 有らん限りの主神様への愛情が詰まっているのです。

この模様は、例によって光の帯を通し、
音と映像が世界の神の子に配信されています。

 皆、目を瞑り、神の光輪の美しさに胸を躍らせています。
  そして殆どの者は、嗚咽の涙に濡れています。

    それは偉大なる神の経綸に参画させて頂いているという、
    至高の喜びを全身全霊で感じているからなのです。

  その炎を纏った金色の光輪の直ぐ下には、
 守護神、火之夜芸速男神様が身動ぎもせずにおられます。

その富士周辺は、火之夜芸様が烈風炎を以って焼き尽くし、
あらゆる邪気を祓い清めされた為、清浄の気に溢れています。

 こんな光景は、今だかつて無かったのではないでしょうか?

  あっ、富士山麓に異変が ・・・
  あの円陣の光が増してきています。

 そして円陣内の大黒天様を始めとした、
 四大天使と聖者達の姿が次第に変化してゆく。

 一体どうしたというのでしょう?

 地面から離れ上昇してゆきますが、
  徐々に本体の体を覆う様に眩い光の粒子に包まれてゆきます。

   これは超人スーツなのか?
   しかも巨大化してゆきます。

 邪龍は邪気の集合体ですが、
こちらは神気の集合体ということになります。

その神気の集合体、大黒天様は身長五十メートル程でしょう。
御姿は神議り場で甲冑をお召しの時と同じ様です。

 四大天使も同様に甲冑姿。

 とは言え、この甲冑は皆さんがイメージするものとは、
 かなり違うと思います。

神々の甲冑、想像してみて下さい。

 ただ、聖者達は違います。
  それぞれの性格が反映されているようです。
   全体的にはウルトラマンっぽいと言えます。

    こちらも五十メートル程。

   人間の正義の味方ですので、行き着く先はその辺でしょう。

 しかし、二人だけ妙にゴテゴテ感があります。
防御も攻撃も万全といった感じです。
つまり、他とは異質に感じるのです。
 まるで破壊神です。

   その二人とは拳三とマーフィーであります。

  悪を力で捻じ伏せようという、
 世界中の神の子では少数派となった思想。

それを正義だと思い込む、今までの悪い価値観、曲がった正義感、
邪念の整理しきれない念波が具現化、物質化してしまったようです。

それに加え現代のヒーロー像を、漫画やアニメ、
 映画等から影響を受けたであろう拳三、
  マーフィーのイメージも強く反映しているものと思います。

    この二人だけ他とは大きさが違います。
     身長凡そ三百メートル。

     これは少々不安です。

     彼等は強い精神力を持っていますが、
    その精神から感じるものは、
   多くの同志同胞を失った悲しみと憎悪です。

 それに、かすみへの思いがここで再燃してしまっています。
 この執着はマイナスに働きます。

  それに加え、全身全霊から無限に溢れるエネルギーを感じて、
   異常な自信が漲っています。
    そして雑念邪念や野心が増大してきています。


( こりゃあ凄いぞ。なんてパワーだ!

   まるで無限に溢れてくるようだ。信じられない!
    それに頑丈そうなボディだ。

   おまけに腰には刀まである。
  これなら邪龍が相手でも不足はないぜ! ) 


    これは拳三君の思念である。


「 おい、マーフィー何だその格好は?
  マントなんか付けて ・・・

   それに背中に何か武器を背負ってるし、
  まあ、そこそこ格好が良いと言えば良いかな。
 ところで、僕はどうかな?」


「 そうだな、まあまあじゃないか。
  僕はガンダムの方が好きだけど。

   それより背中って?・・・
  あっ、これって槍かな? んん・・・」


「 おい、もう少し何とか説明してくれよ。
 鏡無いんだからさあ。」


《 ははははぁ、何じゃあ、
 図体が大きくなって力も増したら、浮かれ気分のようじゃな。

 気持ちは分かるが、そうも言ってはおれんぞ。
 何故、二人だけ姿と大きさが違うのか、考えてみよ。》 


    大黒天様が仰せになりました。


「 は ・・・こ、これはやはり二人で邪龍を退治せよ、
 とのことでしょうか?」


    拳三君の答えです。


「 え~、冷静に考えれば、
 何かどうも浮いているようにしか見えませんが?」


《 おおっ、マーフィーよ、冷静さは大事じゃ。
 深い所は分からんようじゃがな。
 まずは今、大きな鏡を出すから、
 己の姿がどんなものか他の者と見比べるが良い。ははは・・・》


   そう大黒天様が仰せになり、右の指を パチン! と鳴らされると、
   川神ハリ様が使用された波紋鏡のような巨大な鏡が現れました。

    一辺三百メートルはあるでしょう。

  拳三、マーフィー、他の五人も鏡に近付いて己の姿を映し見ました。
  皆それぞれ満足しているようです。

   己の意思も反映されているのでしょうから、当然と言えます。

  
 

《 それで、どうじゃ、拳三にマーフィー。
 率直な感想を申してみよ。》


    彼等は鏡を見ながら答えました。


「 は・・・?

 それは勿論大きさが極端に違いますし、
 他の方はシンプルで洗練されているというか、余計な、よ?・・・

 あっ、そうか私達二人には
 余計な物が付いているのではないでしょうか?

 私の場合でも、こう何か鋭角的な部分が多いですし、
 こ、これは己の攻撃性が現象化したということでしょうか?

 そんな風に見えました。
 お恥ずかしい次第で御座います。」


《 ふむふむ、良い分析じゃな。で、マーフィーは? 》


「 はい、私も拳三と同意見です。

 延いて申せば、邪念の権化が邪龍でありますから、
 我等は愛の祈りの結晶と存じます。

 そこに来て、この姿ということでありますから、
 何か人間の消化しきれない邪な念波が、
 我等二人に集まったのではないでしょうか?

 つまり我等二人にも集める原因が強く残っているものと存じます。

 こうしていても、何か悪魔達を暴力で捻じ伏せて、
 無残に殺された人々の無念を晴らしたい衝動に駆られます。
 情けない次第に御座います。」


( ・・・流石はマーフィーだな。
 やはり熱くなり過ぎるのは問題ということだ。

 ん? いや、熱いのは悪くはないんだ。
 過ぎるのが良くないということだな。

 つまり、「 心は熱く、頭は冷静に 」かな ・・・) 


    拳三の思念です。


《 はははは、そうか二人共よくそこまで気付いたものじゃ。
 見事であるぞ。

  とは言え、その姿が急に変るものでもない。

 それに邪念により付いた汚れを払拭しない限り、
 この光輪に入る事は罷りならん。
 つまり汝等にはこの光輪に入る資格はまだ無いということじゃ。

  暫くは他の者だけで凌げる。
  故に汝等は修行をするのだ。

 あらゆる邪念邪欲、我と慢心を払拭した時、
 魂は本来の輝きを取り戻すのじゃ。良いかな。》


  「「 ははぁ!! 」」


《 うむ。修行の場は月じゃ。

その体であれば真空にも耐え得る。
それに瞬間移動も可能じゃ。

 月まではわしが送ろう。

だが帰りは自力で戻るのじゃ。制限時間は十五時間。

それまでに必ず己の醜悪なる曇りを払拭するのだ。
さすれば自然に肥大した体も適性になる。

 そうなるまで、邪念にたかる邪霊が汝等を惑わすであろう。

ただ、それもこの大神から与えられた鍛えと想い精進すること、
それを胆に銘ぜよ! 良いなぁ!!


 「「 ははぁ、畏まりましたぁ!! 」」


  すると一瞬で彼等の姿は消え失せました。

  あらら ・・・ さっそく鍛えですねェ。
  これには他の聖者達もビックリです。

    目が点だ ・・・

  本人達は驚く暇も無かったでしょう。

  それより月面着陸を肉身のままで果たした事を、
  どう受け止めていいものか分からず、

    呆然自失といった感じですかねぇ。

  私のように、太陽の前で宇宙遊泳より増しだと思いますがぁ。
  ああ思い出しちゃった。
  凄く怖かったんですよ~。

  ただ、何故か楽しかった気もして不思議なんですがぁ ・・・


 「 ところで、この次はどう致しましょう?・・・三十郎様。」


《 何じゃ? おぬし太陽に観光したのか。
 それは豪儀なことじゃのう。

 まあ彼等は放っておこう。

 おぬしの力では同時進行は出来んじゃろうて・・・
 まずは光輪が完成してから月に参ろう。》

    んまあ~~太陽ツンツン。ププ。

  おうっ、お腹はまずいです。 ぷぷっ、チ、チカチュウ様ぁ ・・・
  チカチュウ様は、たまに私のお腹を突付いて遊んでおられます。

    チカチ~カ、マア良いではないかァ~~。
     ・・・あ、はい、畏まりました。


《 あのなぁ、真面目にやらんか。チカ殿もじゃ。》 ハァ~イ。

「 はい、申し訳ございません。」


   三十郎様は、また私の頭に顎をお乗せになりました。

   あ~お髭がブラブラと ・・・更に私の両髭がぁはぶっ
   引っ張られているので御座います。


《 おお、いよいよじゃぞう、ほ~ほ。
 皆、所定の位置に付くようじゃ。
 これで 「 神の光網 」 が完成することになる。》 チィ~チ。


「 神の光網で御座いますか?
 確かに地球全体で見れば光の網? に・・・

 しかし網というより、光輪から放射線状に延びた光でぇ、
 網にはちょっと見えませんが・・・?」


《 そうそう、その通り。
 今はその表現が正しい。

 それが神の光輪に神と人が同化融合した時、
 世界中の光玉同士が繋がる。

  つまりはこうだ。叡智晶を見よ。

 おぬしの言う通り、世界中の光玉から伸びた光は、
 地球内部を貫き日本の富士上空、神の光輪に繋がっている。

  その光に加え、地球表面上にある「神の光玉」
  「光の灯台」同士が光の帯で繋がるということじゃ。

 網目に均一性は無いが、
 これで地球上を覆う「光の網」になるであろう。》


「 はい、良く理解出来ました。

 それで光網の意味を推測致しますと、
 光玉同士の皆様の一体感が増すとか、
 それに因って更に神気も増したり・・・

 また、逆に邪神軍の邪霊力を弱めるとかの
 効果が有るのでしょうか?」


《 うむ、良い所を付いておるぞ。

 おぬしの申す通り一体感も神気も増すのは確かじゃ。
 ただ邪霊力を弱めることはない。

 それと大事なのは、光の流れが一方通行ではなく双方向になる。

 神の光輪が中心となり、
 その中に入った神々と聖者からの指令は伝わり易くなり、
 強くなった祈りを光輪内で受け止めれば、光輪の火の気が増量される。

 大きさは変らんが、
 密度と光度が増すということじゃ、ぶはははぁ。》


「 おおお・・す、凄過ぎますね。

 つまり愛の光が循環され、
 それに因り神人一体化するということですか?」


   インターネットが霞んで消えそう~~


  《 その通り。

 言わば「神の光輪」「地球の魂と心臓」じゃあ。

そして「光の帯」は、「地球の神経と血管」の意味合いがある。

神経は神々の意志疎通の為、血管は神気の循環に活用される。

その結果地球は巨大な「神の光球」に成り、
その祈りの鼓動は全次元に波及し、
 遂には最奥におられる 『主神様の魂』 に響くのだ。

  その結果どうなるのか、乞う御期待である!!》

    キャーッ、御期待、御期待ぃ~!
    パチパチパチ、ルンルン♪ るんるん♪



    け、結論は先送りですかぁ?
    ・・・しかし、気が遠くなりそうで御座います。

      ふえ~ ・・・



          ( 推奨 BGM ) 

    ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー作曲
      ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 作品23

        マルタ・アルゲリッチ (ピアノ) 
 



  


        《 心して見よ神の創造を~!

 そして、無限の愛と生命の鼓動に全身を震わせるのじゃあ~!!

      あああ、地球が喜びに咽び泣いている。

この涙は全世界に展開する光玉の守護神の涙、そして主神様の涙なのだ。 

          ついでにわしもじゃ。
       ああ、ついでに鼠と兎もじゃあ~!》  

        チュウチュウ、ウウウ~~ン ・・・

          ああ、涙が溢れます。

     熱い涙が・・・そして全世界を覆う雲からは、
       祝福の雨が地上に降り注いでいます。

         生命の躍動を感じます。

          神の光輪の四方には、
  上空から照らされ浮かび上がる鮮やかな円形の虹が囲んでいます。

       神の愛と芸術の極みが全次元を包み込み、
         我等の魂と心の汚れが溶かされ
       洗い流されていくように思えてなりません。

    そして遂に、大黒天様が光輪中央に鎮座なされました。
         その真上にはミカエル様が、
      これは方位で表した方がいいでしょうか。

 東にガブリエル様、南にウリエル様、西にラファエル様が鎮座されました。

     


          あれれ、これはどうなのか?

  五人の神様が鎮座された場所は、何か背景が黒くうねっているような。

           それにぃ・・・あれっ?

     ほかの聖者達は躊躇してなかなか入ろうとしません。

             何故でしょう?


     《 では、拡大してみようか。ポチっと・・・》 チチッと。






            あははぁ、これは躊躇して当然です。

        こ、この光輪の内部はぁ・・・
      なななな何と、あたたたたた 太 陽 なのでしたぁ。

   ああ~あ、めでたしめでたし。
  へぶっ、頭クラクラしてきた。

 それに加えて黒くうねっている謎の部分は、黒点その物だったのです。
見るとすぐ分かります。

何しろ人類史上初の生身?
で太陽観測した第一人者でぇ、御座いますからにしてぇ。

まあ生身はともかく、
黒点とその周りは水素ガスが対流する粒状班であることは、
 もうお察しのことと存じます。

  つまり接近して見ると、あまりの非現実的な光景を前に、
   恐怖というより、唖然呆然として体が硬直しているのでしょう。

      ですが、意を決して皆様入るようです。


《 よし、その姿なら耐えうるのじゃ。
 行けぇ~い、それにその炎は地獄の業火ではない、
 生命を育む源の炎なのじゃ。飛び込めぇ~~。》 イッチャエ~~。


    はは、入りましたああぁ ・・・

  神気と火の気で燃え滾る地球の魂と心臓、そして黒点内部へ。
  これは、さながら曼荼羅絵図です。

    皆、座禅の格好をしています。

  この地球の心臓と化した光輪は、内部が凸レンズ型太陽なのに、
  周辺がそれほど熱く無いのはどうしてでしょう?

  光輪を覆う黄金の炎が障壁になり、
  熱やその他の有害な粒子を封じているからなのでしょうか?


《 ほう、おぬしの言う通りじゃ。ここからじゃぞ。良く見ておれ!》 

   チュウ。

  「 はは、畏まりました。」



  ここで神の光輪の神と聖者の位置関係を御説明致しましょう。


中 心:忠神   「大黒天」 =太陽系の中心。

    創造主、主神様は宇宙の真中心。
    その一点であり宇宙全次元全てがお体であると言えよう。
    別名 「チョンの神」

 :火:縦:上 「ミカエル様」

北 東:丑寅   「土門拳三」 (現在月で修行中)

 :水:横:左 「カーリー・アモリーノ」 (補佐役、ガブリエル様)

東 南:辰巳   「アジス・ビキア」

 :火:縦:下 「ムハンマド・ハルドゥーン」 (補佐役、ウリエル様)

南 西:未申   「マーフィー・ラッセル」 (現在月で修行中)

西 :水:横:右 「ミリアム・コルシェフ」 (補佐役、ラファエル様)

北 西:戌亥   「クリスティアーノ・エデュー」


      あっ、大黒天様が動かれました。

    光輪中央の大黒点から、
    放射線状にそれぞれの大天使と聖者の黒点目掛けて、
    太い光が伸びていきます。

      次に、その外輪の黒点同士が太い光で繋がりました。


         《 皆の者、良く聞きなさい。

  これより、世界中の光の灯台となった聖者同士を光の帯で繋ぐ。

       それにより光玉同士が繋がることになる。
         それは横の繋がりを意味する。

 縦の繋がりは、神の光玉から直接この光輪に届く光そのものを意味する。
  縦と横、二つが十字に組まれた時に神人一体化が顕現されるのじゃ。

  それに加えて、月で修行しておる二人が戻ってこの光輪が完成する。

         そして充分な光度になった時、
「三十字の理」 と 「産土力」 が発動し、最奥まで伸びる光が放出される。

  そこでようやく、主神様に御降臨頂く準備が整うということになる。

        皆の者、ここまで理解出来たかな。》


       ((( ははぁ!!! )))


     《 よし、では皆、わしに波調を合わせるのじゃ。

        ムハンマド、ミリアム、カーリーは
      十字の先端部分に位置する重要な役目がある。

       それぞれ補佐役の天使の指示に従うのだ。

        では始める故、集中力を高めよ。》


        ((( ははぁ!!! )))   


   うわ、いきなり光輪内部に小型のプラズマがあちこちで渦巻き、
         光輪自体の光度が増してゆきます。

   な、何か体積も増してきたような・・・確かに膨張しています。
    直径二キロ程だったものが、一回り大きくなっています。

         更に微妙に振動してきました。

    各黒点から噴出するプラズマやプロミネンスにフレア爆発。
  それらの太陽活動から、膨大なエネルギーが蓄積されているようです。

      次に光輪内部が眩い光で満たされてゆきます。

      ああっ、その光が強烈な閃光を放ちました。
    すると、神の光輪から幾つもの光の帯が伸びています。

          一瞬の出来事でした。

     がしかし、この場所からは全体像が分かりません。

      光の神経と血管がどのように分布しているのか、
   叡智晶で見ると美しい網目模様で地球全土が覆われています。

     つまり地球を覆う雲を除いた映像ということです。


  これはインターネットなどという、愛の想念より
 悪意を蔓延させる代物ではなく、
神を想う神の子の愛と、神が我が子を想う愛とが通い合う、
魂の交流交感が顕現した姿なのです。

これで神と人との絆がより深く強く結ばれたことになります。

 その神の光輪という地球の心臓が、
  先程から鼓動を始めたようです。

   光の愛の波動がリズミカルに脈打ち、
    地球体内の一つ一つの細胞となった神の子人に流れてゆきます。

    ただ、これは一体どういう?
    ・・・みんな一様に驚いて、歓声を上げ号泣する人までも。 


   「 三十郎様、チカチュウ様・・・」


  《 はははは、無理もあるまい。

  繋がった神の光網から流れたものは、
 創造主の愛と生命の波という光じゃ。

しかも特別な光だから、今までの疲れも痛みも軽減される。
ついでに残った水も甘みが有り栄養ある物に変化させたのじゃ。
これでも感謝感激しない者は光玉には居らんじゃろう。

 当然、先祖の生命力と霊力も上がったから、
  障壁の光の強さが増したであろう。
   ほほほ、実に優美じゃのう。》

  ホホホホ、神の愛ってステキでしょ。


  「 はは、素敵で御座います。」


《 ほんに可愛い我が子は目に入れても痛くない。
 それに加え、親を想い恋い慕う我が子の姿は尚更愛しくてならん。

  神でも人でも親であれば皆そう想うもの・・
   ただ、神は甘やかし過ぎないというだけじゃ・・・

     では、そろそろ月見に行くとするかのぉ。》

 チュキツキ、早くぅ。カグヤ~~姫ェ。ウサギ殿もイキタイであろう。

  「 はは、勿論に御座います。
    何せウサギですから餅つきでも アッ、
     あの、木に生る餅を思い出してしまいました。
      ちょっと唾液が ・・・」

      垂らさないでネ。 

    「 は、はい~ ・・・」

 《 戯けめ。餅など出さんからな。》 アラ、ソウナノ~。

   「 め、滅相も御座いません。」



       
 次回、拳三とマーフィーの修行の様子を御覧頂きます。

静かな月での修行は、さぞかしはかどっているでしょうか?


   んん~~、どうでしょう?



《 第三章 》 〈 第三話 〉 策 略

2019年02月05日 10時21分59秒 | 小説

     《 推奨 BGM 》

       イエス ロンリーハート
         YES - Owner of a Lonely Heart




   さて、怪しい策略を廻らす邪神軍の動きですが ・・・

  悪魔将軍ドルンの邪龍は、
  アメリカはミシガン湖の湖畔に巨体を横たわらせています。



 三十郎様とチカチュウ様と私は、
 邪龍に取り込まれたスパイの人間の見聞きした映像を、
 叡智晶という万能装置で見ることができます。 

まるでモニター画像のようでもあります。
これからお届けする内容は、全て叡智晶を通してのものです。



  ここで奴等が出撃する前に、八機の邪龍の姿がどのような物か、
  表現しにくいですが解説致しましょう。

 全ての邪龍の全長は、優に3000mを超えています。
 体重は富士山に匹敵。

邪龍の一細胞は人間と動物の肉体と魂であります。

そして悪魔の錬金術師の異名を持つ、
ドルン配下の科学者 ドクター・ヘルメットのチームが開発した

「 邪霊力エンジン 」 は、

各機の邪龍に設置されています。
設置場所は各邪龍の心臓付近になります。

更に、ドクター・ヘルメットは各機の邪龍の司令室の設計もしております。

ただ、それぞれの悪魔将軍の意向が汲まれており、
そのおぞましいインテリアは見る者を悪夢の世界へと誘うでしょう。

  やれやれ ・・・

「邪霊力エンジン」 が設置された心臓部は機関室と呼ばれ、
人間と動物を拷問し、
激痛から発生した悪想念というネガティブ・エネルギーを、
更に増幅、循環させる恐るべきインフラ設備なのです。

 ネガティブ・エネルギーは、
 様々な化学変化をさせ、邪気の炎塊とも言える、
 「邪魔龍幻死砲」 を発射させることもできます。

恨み辛み不平不満の塊ですから、威力は半端じゃありません。


           「 サタン専用機 」 

           専用機は未だ存在せず。 
        今後に期待? 自由に御想像下さい。

         イラストは作っておりません。
    「堕天使ルシファー」 のお話の時に御披露致します。
          写真でご勘弁ください。


         「 アンドラスタ専用機 」  

   ゴジラのようですが、出現時より肥大し、角は三つに増え、
      背鰭はコウモリの羽に変化したようです。

          しかも六枚あります。

 イラストは、「騎士と武士」 のお話で御披露仕(ごひろうつかまつ)ります。


         「 将軍ドルン専用機 」

            正式名称 

  『 世界の全海域の支配者、一隻無敵艦隊ドルンよ永遠なれ!』

   巨大な鰐亀の胴体に分厚い装甲板を張り巡らせています。

その甲羅一面に戦艦のような可動式の口径10m 三連装砲台の主砲九門と、
    その間には、中小無数の砲台を装備しています。

   その砲台の中には、レーザー砲やビーム砲も含まれます。

 部下は、「悪魔の不沈艦」 とか、「亀の要塞」とか「無敵城」とか、
       「ドルン島」 等と呼んでいます。

        当然、大鑑巨砲主義であります。

        イラストは本編中で御覧ください。


         「 将軍グリオス専用機 」

      黄金の三つ首龍 は更に貴金属を散りばめ、
        内部を豪華絢爛に改装した模様。

       つまり、リニューアルオープンです。
      手下の業者は不休で扱き使われています。

        多分、地獄並にきついでしょう。
         何せ、常に焼き鏝(ごて)を持った
     監視役に睨まれているのですから、イヤーーッ!




         「 将軍バクスト専用機 」 

             全身緑色。

    双頭のカエルの頭を持ち、それにカエルの腕を四本。
        胴体と足は人型。二股の尻尾を持つ。

   尻尾の先端にはオタマジャクシの胴体 & 頭がセットオン。

     このカエル親子が喋ったら恐いでしょうねぇ ・・・
         ゲロゲロッ、ゲゲッグゲッ ・・・ 

          クール度ナンバー1?

    

         「 将軍オルゴラン専用機 」

       オオサンショウウオの怪物 という感じ。

      目が以上に大きく牙は外側にはみ出しています。

             足は十四本。

      背中には無数の赤い卵が山のように積み重なり、
        その卵の中には既に子供が蠢いている。

          うえ~、不気味度ナンバー1。



           「 シアニード専用機 」

           まさしく蜘蛛の化け物。

     そのタランチュラの顔がシアニードであるということは、
         つまり女郎蜘蛛? ということです。

     ついでに、シアニードの髪は無数の毒蛇であります。
        まるでメデューサかイソギンチャクです。
          それに恐怖の人面蜘蛛だあ。

      これを見た者は、石になる前に心臓が止まります。

  

          「 将軍フレッタ 専用機 」

        白猫の怪物。当然左耳に赤いリボンが ・・・

    それと、両耳に宝石付きのピアスが無数に付いています。
  大きなコバルトブルー (巨大なマスカラ付き) の目とは対照的に、
        小さな鼻と口に小さな牙が見えます。
         首には、長毛の襟巻きがフサフサ。

      前足は異常に大きく、爪はグリズリーというか
   ズコック (このガンプラ高校生の時に作りました)並です。

       尻尾は九本。 遠目であればカワイイかも。

        名は、フレッタとプリティを合わせて・・・
        あ~つまり、プレッタ です。 ぶぅ~~

         得意技は、宇宙最強の猫パンチ。

    


    《 キャラクター&キャスト 》

(インドネシア) 川神 ハリ / ジュリア・ロバ〇ツ
          実在の川の名前を使用しています。

将 軍 ドルン   / ウェズリー・スナイプ〇
 中将 ボーリング / ハリソン・フォー〇   
 少尉 レンチ   / アンデー・ガルシ〇
 博士 ヘルメット / ジョニー・デッ〇  
 悪魔の錬金術師の異名を持つ! この人に台詞はありません!
 何故なら、何も言わなくても面白いから ・・・ 

将 軍 グリオス  / アンソニー・ホプキン〇
将 軍 フレッタ  / アン ・ハサウ〇イ

東京「光玉」障壁地下 代表( 輝雲 こううん ) 小林 念〇


 ( 推奨 BGM ) 

セルゲイ・ヴァシリエヴィチ・ラフマニノフ 作曲
ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 op.18 /

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 
ベルリンフィルハーモニー管弦楽団

ピアノ:アレクシス・ワイセンベルク 





 二〇 X X 年十二月二十一日(日) 6:37
          カウントダウン 24:23



あ~~、ちゃちなイラスト掲載して恥ずかしいのですが、
これ以上は面倒でやりたくありません。


 あ、さて~~、ここは将軍ドルンの邪龍内、
 巨大戦艦の司令室とも言うべき部屋です。

ただ、この部屋は甲板の上に聳え立つものではなく、
体内の中心部辺りに位置しています。

 この広大な空間は、怪物の中とはとても思えない作りであります。

全体像としては、ドーム球場のような構造になっています。
中央には丘陵状の雛壇に、機械マニアのドルンらしく、
悪魔の科学者が作った計器類が所狭しと並んでいます。

 そこに何故か警官スタイルの悪魔の兵士が、
 数百人椅子に座って操作しています。

  その中の二、三割の女性はメイドスタイルだ。
  ここまで来ると笑う気にもなりません。

 因みに、グリオスの邪龍内の兵士は下着姿の女性ばかりです。

  男子禁制? 大奥か?

 そしてドーム壁面全体が、巨大スクリーンの役割を果たし、
 外の風景を映し出しています。

  360度上空まで見渡せる実に画期的な構造です。

   まるでプラネタリュームだ。
   これなら敵の位置は一目瞭然です。

  それに加え雛壇頂上にある指揮官の座面だけ、
  標的の位置に合わせて自在に回転可能なのです。

   当の機械その物の?

  あっ、ドルンは頭だけの筈でしたが、
  体もちゃんと元通りになっています。

 まあロボットだから、
 ドクター・ヘルメットに修理してもらったのか、
 スペアでもあったのでしょう。

特に足の小さな車輪は、
俊敏に移動出来ないドルンの意向を汲んだものでありましょう。

 ホンダでも買収すれば、
 もっと増しなロボットが出来るんじゃないかと思うのですが ・・・

  それで、般若の骸骨の黄金レリーフが額や胸、
  間接などに付いています。



   実に不気味なセンスに磨きが掛かっています。
 そこに悪魔のマントと黄金のステッキを右手に持って?

これは、グリオスとは違った趣の派手さを生み出しています。

    ただこれじゃあ、まるで 黄金バット だ。
    古いって言われても、えッ、知らない?

     では、中年以上の方にお聞き下さい。
      黄金の骸骨にマントを羽織り、
  ステッキを持った昭和のスーパーヒーローなのです。

  思い出すと格好が ダサ ・・・ あ~止めときましょう。

    それで当然の如く最上段の魔王の椅子に座り、
周りには六人の殆どビキニに近い派手な衣装の美女をはべらせています。

     すると、一番下段で通信していた兵士が、
      椅子から立ち上がり敬礼をしました。


「 ドルン将軍、東京から入電です。」

「 ほう、吉報だといいが ・・・ レンチ少尉、読み上げてくれ。」

「 は、読み上げます。

 東京の光玉地下に展開している
 第九軍団団長ボーリング中将に因りますと、
 間違いなく光玉最下部の障壁には、粗悪な魂が使われている 
 とのことで御座います。

 その数、凡そ一千万人であります。直径は約十メートル。
 厚さは約三十メートル。

 これなら、最低三十秒間守護神の邪魔がなければ、
 障壁を突破し光玉内に、
 一億人以上の兵士を潜入させることが可能と思われます。」


「 ククク、そうか三十秒とは ・・・

寸劇でもやって天照日(アマテルヒ)の気を逸らすか。
いや、ストリップだな。

 グフフフ、フレッタにでもやらせよう ・・・

では僅かな可能性が出てきた訳だ。そうでなくては面白くない。
少々臭うが、他には一部の隙も無いから止むを得んな。

ふぅ、天照日の首は無理としても、肉身を持ったスメラミコトなら取れる。
せめて、それ位せんと悪魔の面目が立たんというものだ。

ようし、予定通り作戦を決行する。その旨ボーリングに伝えよ。
それと、グリオス、フレッタにもな。奴等には活躍してもらわんと困る。」

「 はは、了解致しました。」


   ゲ、天皇暗殺計画? 
  こいつ等は、とんでもない謀略を巡らせていた。
 皇居にテロとは全く愚かだ。

ところで今聞いた報告の中に、一千万人の粗悪な魂とありました。

思い出しませんか? 

あの、出雲の神議り場での大黒天様が提案した策というもの。
その一千万人の魂は、地獄の最上層から集められた ・・・

 ということは、大黒天様から命を受けた下級神の皆様は、
  見事そのみ役を果たされたのでしょう。

    流石です、あの短時間で ・・・


《 真にそうじゃ。
 わし等二人が抜けたにも係わらずじゃ、嬉しいのう。
 知ってはおったが感無量である。のうチカ殿。》 同感でゴザイマス。

   それはそうと邪神軍は捨て身の攻撃を繰り出すようです。
   いくらなんでもストリップは無いでしょうが ・・・

   グリオス、フレッタ二人の悪魔の意思を確かめると、
   地獄の改造人間は動きました。


「 我は将軍ドルンである!

 艦内の同志諸君に告ぐ。今より東京湾に先鋒で出る。

この機会を逃すと活躍の場は二度と無いと思え。
玉砕覚悟で望まねば任務遂行は成し得ない。

  いいか、よく聞け。

まず十秒間、我等が天照日の気を引き、
後の二十秒はグリオス、フレッタと連携を取る。

その間隙(かんげき)を縫って光玉最下部から
ボーリング中将の軍団が突入しスメラミコトの首を取る。

  作戦は以上だ。

但し、我が艦の三割の損傷があれば即時撤退する。
最終決戦に臨む前に、それ以上の戦力を失う訳にはいかんからな。

  よし、出撃準備。

艦内の全兵士は、蛆虫共に極限の苦痛を与え、
邪霊力を高めエネルギーを最大限まで充填するのだ。

  容赦はするな!

レンチ少尉、ボーリング中将に攻撃陣形を整え、
何時でもグレートドルン砲を発射出来るよう命じておけ。」


  ぐ、グレートドルン砲? 何だそれ?

  ドルンは次に、
  グリオスとフレッタに回線を繋ぐよう、レンチ少尉に命じた。


「 おい、グリオスにフレッタ。
  単機での出撃はこれが最期になるだろう。

   まあ、戦争ごっこに負けた罰ゲームなんだが、
    精々楽しんで悪魔の意地を見せてやろうぜェ。」


(( それもそうだな。
   ただ、光玉最下部の粗悪な魂は、
    俺に言わせりゃあ単なる罠だ。
     奴等がそんな隙を見せる筈がねえ。
      それを承知でやるしかねえのは口惜しいが、止むを得ん。

      それに、この作戦は
     ホワイトハウスに中継されるから手は抜けねえ。

   こうなりゃ天照日に、
  究極の嫌がらせをしてやろうぜェ、兄弟。))


(( あたしも賛成だわ。
   あんな奴やっつけてやろうじゃない。

    ただね、あたしの プレッタ ちゃんは
     とってもキュートな女の子だから、   
      傷が付かないように守って頂戴ね。

       そしたらキスしてあげる。ふふぅん。))


「 おめぇな、ふざけたこと言いやがって、逃げ回るんじゃねえぞ。
  どうせ逆上して無謀な攻撃仕掛けるくせに良く言うぜ。
  それに、おめえのキスなんぞいらねえよ。
   全く、もう先に出るから宜しく頼むぜ。」


    成る程、大黒天様の策と言うのは、
   悪魔に読まれるのを承知の上でのことなのだ。

  重労働界は地獄の最上層になりますが、
 そこからの一千万人の魂を救う為の措置。

そして、霊層の高い先祖達の魂と協力し合ってみ役を果たすことで、
功績を積ませ、
せめて故郷の星への帰還を促したい意図があるのです。

 選ばれし彼等は、感謝してもしきれない恩恵を受けたのである。
  ここは、悪魔の進入などさせて欲しくないものです。

  大黒天様は様々な事を考慮に入れ、
 一石数丁の神仕組みの策略を練っておられたのだ。

同じ策略と言っても、邪神軍は単に人を陥れ極限の苦痛を与え、
その苦しむ様を見て楽しむというものでしか在りません。

 正邪の違いが、今後更にはっきりして参ります。
  その違いを、しっかり捉えて頂きたいものです。


      ( 推奨BGM ) 

  ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
  交響曲 第九番 ニ短調 作品百二十五 ( 第二楽章 )

  指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
  ベルリンフィルハーモニー管弦楽団  

  ( 第二楽章 は、15分25秒付近です。)



 


   さて今回、単機での出撃は最期ということで、
  出力を最大にする為、今まで生かしてきた生存者を殺しました。

 何故かと言うと、死んで幽霊になると神経の感度が数倍に増す為です。

激痛を最も発生させるものは電流のようです。

ドルンは電流の電圧を最大にするように機関室の、
 かの悪名高き、ドクター ・ ヘルメット に命令しました。

 それに加え艦内の数百億人の兵士が総動員し、
 怪物の一細胞となった人間の幽体目掛けて鞭を打ち付けています。

その度に幽体の皮膚が引きちぎられ、血しぶきが上がっています。
当然それでも二度と死ぬことのない悲しい状況であります。

その為この亀の島全体が、
 悲鳴に因る強力な共鳴発生装置になっています。
  では、周囲に響き渡る不気味な地獄の振動音をお聞きください。

 ガオッグアッギャアァァーーッ!!!
     グオンゴンゴンゴンゴンゴン ・・・


       つまり、これがエンジン音ということであります。
      全く、ゾッ、 とします。

   間も無く、司令室のレンチ少尉に機関室から連絡が入りました。


「 将軍、邪霊力最大になりました。何時でも出撃可能です。」


       あ、ポンコツ が立ち上がった。


   「 よ~し、艦内の同志諸君! 気合入れて行くぞ!

     只今より、我が邪神軍 最強最大の超弩級戦艦

 『 世界の全海域の支配者、一隻無敵艦隊 ドルンよ永遠なれ! 』 

     は 出撃する! ハイル・アポフィス!!!
  


        ・・・ 名前長過ぎ。


    「「「 ハイル・アポフィス!!! 」」」 


    だから部下は正式名称使わないんだ。 私も嫌です。


「 東京湾にテレポートだぁー! 行っげぇ~ゴラぁ!


          あの、音割れてますよ。


「 は、東京湾にテレポートします ・・・ 5、4、3、2、1、GO!」


 ブヒュヒュヒュヒュゥ~~ッ、ブイン!

        ・・・ カ ァ ~ ッ コ わる。



 

   ドッドォ~~ン! ・・・ ザザザァ~~ン!


     東京湾に、とんでもない高さの水しぶきが上がりました。

   一隻艦隊とか言う亀のお化けは、
  東京湾の横須賀市と富津市を結ぶ中間辺りに着水致しました。

きっと、派手な登場をする為にワザと水しぶきを上げたに違いありません。

ただ妙なことに、高さ一キロ程の大津波と化した波紋は、
暫く進むと急激に波が中和されて穏やかになりました。

  これは天照日様の御力であると思います。

      怒った亀の飼い主は、何か怒鳴り始めました。


(( おい、天照日よ。
    俺様は将軍ドルンだ。

      空から降りて来て俺様と勝負しやがれ!
        余裕こいてると赤っ恥掻くぜェ。 ))


      流石に下品だ ・・・ このポンコツめェ ・・・  

   ・・・ ただ、天照日様の御返答は御座いません。

  すると、大亀の前の波間から、
  ゆっくり女神の姿が浮かび上がって来ました。

   身長は、100 m 程でしょうか?
   大亀と対比すると随分小さいです。

     あれぇ、何処かで拝見したような ・・・


《 あらあら、こんなゴテゴテの亀を見るのは初めてですわ。

   あら失礼、私はインドネシアの 川神ハリ と言います。

    残念なことですが、
    天照日様の御手を煩わせることはもう出来ませんの。

   その代わり、私が御相手致しますので、
  何時でも自慢の豆鉄砲を撃って頂いて構いませんことよ。

あ、それからぁ、地下にいるモグラ隊の皆さんは、突入させて結構よ。
誰も邪魔しませんからねっ。

 それより、あなた方は私に恥を掻かせられるからぁ、
  あらかじめぇ~、お詫びしてぇ、おきますわぁ~。

      御ぉ~免なさ~い。ほほほほ。》


    あららら、そういうことなのでぇ ・・・ ビックリです。


      (( 何だとぉ、この女ぁ ・・・

    そうかいそうかい、だったら突入させてやる。
  レンチ少尉、ぶちかませ~~っ! と、ボーリング中将に命令だ。

 ふん、てめえ自信満々だなぁ。
 その減らず口を塞いで後悔させてやるぜ。

  いいか、あの女を砲撃可能な砲門から
   毒入りの豆をぶっ放せェ、ファイヤー!!! ))


    こりゃ随分ヤケだ。

    でも砲門って言っても、主砲の口径は10 m は下らないぞ。


ズガズゴドドンズドンガァガガドドド~~~ン!!!


  うわあ、大小様々な砲門から、
  炎と一緒に真っ黒な塊が発射されました。

    こりゃあ邪気の塊か何かでしょう。

  ただ、ハリ様の御姿は一瞬にして巨大な水鏡?
  に変身されました。

    その水鏡は、一片が 1000 m 以上はあるでしょう。

  まるで海面から聳え立つ、巨大な鏡の壁と化しています。
  とはいえ厚みは殆どありません。

    凡そ10m 程でしょう。

  発射された邪気の砲弾は、
  その壁の水鏡に大きな波紋を立てて飲み込まれました?

  ・・・・・ あれれぇ、暫く沈黙が続いています。

     なな、何だこの光景は?

 波紋が消えた大きな鏡面には、
巨大な亀の化け物が醜く映っています。

実体の亀戦艦は、鏡面の亀戦艦と睨めっこをしています。

 こりゃあ実に滑稽だ。

   心なしか亀の顔に冷や汗が見えたような気が致します。
    いや、ガマの油かも?

     きっと天照日様とハリ様は大笑いされているに違いない。


何だ、どうなった? 効果はどうなんだ!

 ドクター、あの鏡をスキャンして分析するんだ ・・・
 あああ、ありゃ何だ?」


  焦るポンコツおやじも ビックリ、私も ビックリ!
  何が ビックリ って、
  それはさっきのドルンの台詞が水鏡から響いて来ているのです。

    エエーーッ!


(( ・・・ 後悔させてやるぜ。
    いいか、あの女を砲撃可能な砲門から
       毒入りの豆をぶっ放せェ、ファイヤー!!! ))  

     
          何で?


ズガズゴドドンズドンガァガガドドド~~~ン!!!   


      ぶぶッ、水鏡に飲み込まれた筈の砲弾が、
    鏡面に映った亀戦艦の砲門から全て戻って来ましたぁ。

 そ、それで、その砲弾は
実体の亀戦艦に全弾命中しましたぁ、亀の頭に ・・・

  的がデカ過ぎなのです。

その亀の頭は、無残にも血しぶきを上げて木っ端微塵に砕けました。
 凄い威力です。

  つまり、自爆ですかぁ ・・・ あ~憐れです。
    この亀戦艦と兵士達の精神的ダメージは相当大きいようです。


ドルン将軍、頭部全大破!
 首まで破壊されましたぁ!

 頭部のメインカメラ及びレーダー大破の為、
 二つ共サブシステムに切り替えます。

  因って全体の一割が損傷致しました。

 ただ、この攻撃は神気に因るものではありません。
 あくまで我等が放った砲弾に因るものですので自動修復は可能です。

  完全修復まで、少なくとも三分は掛かります。
  如何致しましょう、将軍!!


  「 クソッタレ! 舐められて後に引けるかあ ・・・ 

  ただなあ、これじゃあ攻撃出来ねえ。

 あの鏡を分析して、攻略法を練らない限り無理だ。
 ヘルメットに分析を急がせろ。

 しかし、三分も奴が待っている筈がねえ。

  おい、援軍はどうした。グリオスとフレッタは怖じ気付いたか?
   馬鹿共めぇ、催促するんだレンチ少尉!」

    「 ははっ!


    ありゃりゃ、今から攻略を練るんですか?
    これじゃあ、亀の要塞も只の張りぼてで御座います。

      おわっ! 

    巨大な鏡の壁面にハリ様の御姿が上映されました。


   《 あらあら、見苦しいですこと。

  そちらの如何わしい科学者では、
 この鏡の分析は出来ないでしょうねえ。

何しろこの鏡は、わたくしの霊力では無く、
大黒天様がこの日の為に御創造遊ばされた神鏡なのですよ。
非の打ち所が無くて当然ですわ。

名前は 波 紋 鏡(はもんきょう) 」と言うのよ。

ここで、わたくしが攻撃を加えれば、再生は出来ませんね。
その前に、もう一回こちらの再生をしましょっと、
 
 ふふ~ん ・・・
  えとえと、さっきの辺りに巻き戻してェ、ポチッ、 と ・・・ 》


     ヘッ ???

  再生? 巻き戻しって何の事でしょう?

ああっ、ハリ様の御姿が消えると、亀戦艦が映りましたが ・・・
おかしい、かっ、亀の頭が映っている。

何で? 実体の亀の頭は、さっきの攻撃で破壊されましたが ・・・

  まさか ぁ ???


(( ・・・ の女を砲撃可能な砲門から
    毒入りの豆をぶっ放せェ。ファイヤー!!! ))


   ささ、再生ってこの事ですかあ~~!!!


ズガズゴドドンズドンガァガガドドド~~~ン!!!   

    うわあ、すんごいです!!!

 この鏡は、言ってみれば叡智晶を更に改良を加え、
映った物を録画再生出来るばかりか、
受けた攻撃を吸収したり反射したり、
しかも何度も再生可能だなんて、
ど、どうなっているのか見当も付きません。

  因みにハリ様は、
   手の平に小さなリモコンらしき物を持って操作しておられます。


《 いやあ、ほんと凄いのお。
 噂には聞いておったがこれ程とは ・・・

 流石に大黒天様じゃあ。
 ハリ殿も自信に溢れた戦い振り、見事じゃのう。》

   ステキですわ。 ウフフ~ン。


  それで、第二波の 『 波 紋 鏡 』 に因る攻撃は、
  ドルン島の損傷を更に広げました。

 若干前のめりで、浮き島が沈没しそうです。

とは言っても、
この巨体では海底に直ぐ届いてしまうのではないかと・・・

この辺の水深は分かりませんが・・

 それにしても司令室は水平を保っています。
 加えて爆発の衝撃も無いようだ。

  となれば司令室全体が球状で、
  その外側には衝撃を和らげる液体か何かで満たされているのだろう。

    まるで脳内の髄液のように・・・


「 将軍、主砲三門大破、中小六十五門の砲台大破、
 及び前足の肩部破損に因り水平維持困難。
 しかも機関室二割破損。

   全体の損傷は三割を超えました!

 また同じ攻撃を受ければ、
 この司令室まで破壊されかねません!

  しかも機関室の損傷に因り、邪霊力の低下が著しく、
  この艦の質量を
  テレポートさせるには非常に困難な状況にあります。

 あ、お待ち 下さい。

 グリオス将軍とフレッタ将軍より入電。
 すぐ救出に向かうとのことで御座います。」


    「 何だ今頃、はらわた 煮え滾ってるぜえ。

    全く、あの女、結局は大神の力に頼って、
   ただ ビデオレコーダーいじっただけじゃねえか!

ふざけやがガツてッて・・ゲウ・ガァ?・・

  何だ? 興奮したらマシンボイスに影響出るのか?
    ぬぬぬ、ほんと神経切れそうだぜ。」


     ああ無理も御座いません。
    それからあなたに、「はらわた」 は御座いません!


ドドッドォ~~~ン! ザッザザザァァ~~~~ン!



  あああ、来た来たぁ! 

   二機同時、自爆首無し亀の両脇に ・・・

    それにしても水しぶきの高さが尋常じゃ御座いません。
   その波は、波紋鏡にぶつかると、奴等に戻って行きました。

    まるで岸壁に打ち寄せる波しぶきか、あ~、海水浴です。


「 お~いグリオスにフレッタ、
 急いで一緒にテレポートしてくれ。

 そうしたら遅刻は無かった事にしてやる。

 ドクター曰く、「波紋鏡」 は短時間での分析は不可能だそうだ。
 勝機が無い以上ずらかるしかねえぜ。」


    すると鏡のスクリーンに、
    笑みを浮かべたハリ様が現れました。


《 あらまあ、三匹で待ち合わせて海水浴にいらしたの。
  冬なのに仲が宜しくて結構なことですわ。

  でも東京湾は遊泳禁止ですのよ。いけませんわ。

 ところでお腹空いてるでしょう。
あたくし、さっき毒入りの豆を頂きましたの。

あなた方の口に合うか分かりませんけど試しにどうぞ召し上がれ。
あ、それと海水浴だから大波も一緒に進呈致しますわ。
 ふふ~ん、それじゃあ ポチッ、 と ・・・ 》


     ええっ、二段攻撃 !!!

  ハリ様の御姿が消えると同時に、
 水しぶきの静止画が映りました。

あれ、それと同時に邪龍三機を囲むように、
波紋鏡が湾曲して伸びていきます。

全て囲み終えるとワイドな四画面になり ・・・
 水しぶきと大亀が交互に二画面づつ映りました。

   あわわわ ・・・ すごい。

      当然、奴等は激しく焦っています。


おおお、おい早くしろ! 皆殺られるぞぉ!!」 



    ポンコツ が言いました。


「 黙れ、今テレポートの波長を同調させているんだ急かすな!!
 フレッタ、邪気をドルンに回せぇ!」  



    金歯親父 が言った。


「 ええ~ん、分かったわ ・・・

 それより、内のプレッタちゃんが海水でベトベトになっちゃたぁ。
 猫って水は駄目なのぉ。も~お、ヤダぁ!


        こっちもヤダぁ ・・・

      ああっ聞こえて来た。
    奴等を挟んだ亀の二画面から ポンコツ の声がぁ、
  ステレオでェ ・・・


(((( ・・・ 砲撃可能な砲門から
     毒入りの豆をぶっ放せェ。ファイヤー!!! ))))  


     この動画の台詞が終わらぬうちに、
   水しぶきの画面の一時停止が解除されました。


ズガズゴドドンズドンガァガガドドド~~~ン!!!

ドドッドォ~~~ン! ザッザザザァ~~~~~~ン!

ズガズゴドドンズドンガァガガドドド~~~ン!!!

ドドッドォ~~~ン! ザッザザザァ~~~~~~ン!



   「 いいやぁー、キャーッ!

      バカバカ バカバカ ヤダヤダカバ ・・・ 」 


         あのネェ ・・・

       エエーッ、これは微妙です。

     間一髪、奴等は逃げたような ・・・
   ん~、一部に亀の豆鉄砲が当たったような ・・・

 しかし、節分でもないのに豆まきですかぁ?
正神から邪神への贈り物であります。

ただ、水しぶきが静まると三機の邪龍の姿は消えていました。
 ああーっ、キラキラ金箔と白く長い猫の毛が落ちていきます。

    多少は命中した様です。


  うえ~っ、奴等の醜い置き土産が
 再生する為一箇所に集まって来ています。

むむ、ドルンの部下が結構いるようで、
飛び散った亀の肉片その他を再構築しています。

それで、何やら甲羅を背負った太めの鮫のような生物に変身しました。

  その間、波紋鏡 は次第に球状に広がり、
   全長五百メーター程の化け物鮫を完全包囲したのです。

     そして波紋鏡内部に、ハリ様が御出現されました。


《 ・・・置いてきぼりとは可哀想に ・・・

  でも、もう観念なさい。
   あなた方は全次元の異物でしかないのですよ。

    では、さようなら。明日までその場でお詫びなさい。》


      美しく気高い女神ハリ様の頬に、一筋の涙が伝います。
     化け物鮫からは悲鳴の合唱が聞こえる。


 ピカッ、ダダァーーーン!!!



    ハリ様の右人差し指が強烈な閃光を放つと、
     幾つも枝分かれをした真っ赤な雷槍 が、
     一瞬にして巨大鮫に打ち込まれました。

    ハリ様は波紋鏡を縮小して回収されると、
  力無く御姿が消えました。

鮫の体からは黒煙が上がっています。
 彼等は明日裁かれるその時まで、
  この東京湾を漂うことになります。

    実に虚しいことです。


  ところで間一髪テレポートした奴等は、
 アメリカはネバダ州の荒野に出現し、
巨大地震を発生させた模様です。

 つまり、相当ズッコケたのです。



  それが原因で、運悪く近くにあったラスベガスは壊滅したのです。
  あ~あ・・・

 それから三機の邪龍が、
罵倒し合うと共に強烈で過激な抱擁をした事は
 言うまでもありません。

   怪獣大戦争であります。

  しかし三つ巴戦ではありません!

グリオスとフレッタは共闘しているので、
 ドルンは孤軍奮闘しています。

  黄金の三首竜からの超破壊光線と、
   巨大化け猫からの超破壊猫パンチを喰らいつつも、
    ドルンは亀戦艦の無数の砲台から、
     邪気の砲弾を二機の邪龍に浴びせ続けました。

      ポンコツ悪魔は二機の邪龍を相手に
     全く怯むこはありませんでした。

  悪魔の意地ってとこでしょう。

あ~~ただ、化け猫の捨て身の攻撃により、
亀の尻尾は刈られてしまいましたが ・・・

そのとばっちりは、半径五十キロ圏を火の海にしたのです。
 しかし仲間割れした戦いは、サタンの命令でストップされました。

  激怒したサタンは、
   罰として他の悪魔三人から虐待を受けさせました。

  当然、虐待好きの三人は喜びを露にし、
 一時間容赦無く、それぞれ好きな虐待をしたのです。

同情の余地はありません。
 これが邪道魔道下道外道というものです。

   人間も知らずに、この道を歩いているのです。

      言い換えれば激流の流れに身を任せ、
        快楽と堕落と惰眠を貪りながら ・・・



 さて、光玉の地底にいる
ボーリング中将の軍団はどうなったのでしょう?

三十郎様が、叡智晶で録画しておられましたから、
 私見せて頂きました。

  その模様を簡潔に御説明致しましょう。

   まず、グレートドルン砲とはどのような武器なのか?

 それは、砲弾にボーリング中将とその手下の魂を凝縮させて充填し、
まるでサンダーバードのドリル戦車みたいに、
神の光玉まで突き進み、
その勢いで光の障壁を打ち破り、
 可能な限り進んだらドリルの先端から、
  兵士達が詰まった砲弾を発射させる。

   それで大量の兵士を
   「神の光玉」内部に潜入させるという武器であります。

  ただ、その武器は使用されませんでした。

 実はドルンからの命令に因り、
グレートドルン砲は発進寸前で御座いました。

しかしその刹那、光玉から一人の使者が現れました。

  彼は巨大なドリル戦車砲台の側まで近付くと、
    無数の邪神軍兵士達の前で、こう言いました。


      「 邪神軍兵士の皆様、御注目願います!

   私は東京の光玉障壁のみ役を頂いた「 輝 雲 」と申します。
      そして、地獄の重労働界最上層から来た
       同志一千万人の代表でもあります。

     これより、主神様の御神勅を伝えますので、
         心してお聞き下さい。」


         意外な展開で御座います。

        邪神の兵士達が唖然とする中、
 彼は両手で持った台紙に貼られた文面を高らかに読み上げました。


   「 我が子等よ、汝等を断罪するは余りに忍びない。

 がしかし、それは汝等が永きに亘って積んだ罪穢に因るものである。

          この期に及んでも、
  お詫びの念がないことはとても容認出来るものではない。

   だが心底率先して邪神の命に従っている訳でもない。

        故に光玉内での断罪を許す。

    これが、せめてもの我が子に対する情けである。

        心して受けよ!
 以上だ。」


    なんという慈悲深き主神様の御愛情でしょう。

  並々ならぬ覚悟を以って、
  この作戦に臨んでいた軍団の兵士ではありますが、
  その主神様の御愛情に触れ、
  力が抜けたようにその場にへたり込み、号泣しています。

    まるで子供のように ・・・

  その感情は失望絶望感が殆どと、
  遠い昔の親へ対する愛情が一握り。

  もう、収拾が付かないようです。

    彼は続けました。


 「 選ばれし者のみの光玉ではあるが、今より門を開く。

 軍団長は全兵士を引き連れ光玉へ向かって頂きたい。
我等が見送ろう。

嫌な者は、無様にこの地中で断罪を待つが良い。
それに、お前達の上官は海上で何も出来ずにうろたえている。
そんな奴には、もう従う必要は無いだろう。

 御武運を祈る。
  私にはそれ位のことしか言えない。では、さらばだ!」


   彼は、敬礼をして持ち場に戻りました。

  彼の見事な立ち居振る舞い、
  そして無骨ではあるが、炎の闘志と寛大な心に惚れ惚れ致しました。

   あなたは如何でしたでしょうか ・・・


 ボーリング中将は、砲弾から部下と共に外に出てきました。
 彼は主神様の御意志に従うようだ。

  泣きじゃくり、駄々を捏ねる部下を説得し光玉に向かった。



      光玉地底入口 ・・・


  そこは地獄界から選ばれた、
 幸運な一千万人の魂がトンネル状になって、
光玉の奥に繋がっていました。

皆の魂は決して綺麗ではなく、相当くすんでいます。

その彼等に敬礼を以って見送られ、
 邪神軍からの脱走兵凡そ二億人の一群は、
  魂のトンネルを抜けました。

    その距離三十メートル。

   その後、障壁伝いに上昇していきます。

 この時点で彼等は光玉内の神気に因り、
 耐え難い程の苦痛を感じていました。
  それでも後戻り出来ない彼等は、上昇する他ありません。

    そこでボーリング中将は思った。


     何て無謀な作戦だったんだ。
    これでは光玉中心部には
   辿り着くことさえ出来なかっただろう。

   俺達は単なる捨て駒なのだ。
    そして遊び道具なのだ。

       馬鹿馬鹿しい ・・・


   いくら後悔しても遅いのです。

 遂に地上に飛び出た彼等が見たものは、
想像を絶するものでありました。

 薄暗い筈の空には、無数の裁きの天使達が飛び交い、
 その神気に因る光で煌々と下界を照らしていました。

その中心の光の十字架は更に輝き、
 富士上空の神の光輪に向けて、
  祈りの光線を送り続けています。

    彼等には、天使の姿が見えているのです。

  その天使の一人に、彼等は地面の障壁に近い一箇所に集められ、
 正座して祈るよう命ぜられました。
また祈りの強い者には、裁きの刑期の短縮も許すと明言されたのです。

しかも、神気を緩和させる障壁に包まれて ・・・

つまり、私のウサギスーツの役割と同じなのであります。

また、それは醜い魂の汚染を外に
 漏らさない為の意味も含まれているのです。

   その深い神の御愛情に触れ、
     彼等の醜く閉ざされていた心は、大きく開いてゆきました。





  さて、《 第三章 》 ようやく完結致しました。
  如何でしたでしょうか?

 次回からは、《 最終章 》 となります。

今後も、想像を絶する正邪の戦いをお届け致します。
拳三とマーフィーも本格的に活躍致します。

 どのような展開が待っているのでしょう?
  御期待ください。




    大宇宙に輝く星々は生命の光に満ちています。

   偉大なる創造主と幾多の神々、
   そして全宇宙の同志同胞の皆様に感謝致します。

     どうか愚かな地球人類をお導き下さいませ ・・・





《 第三章 》 〈 第二話 〉 富士の攻防

2019年02月04日 21時39分27秒 | 小説

 



  ここでようやく 「神の光輪」 が熟成されつつあります。

その光輪には、大黒天様と四大天使、そして世界各国から選ばれし、
精鋭の聖者7名が入ることを許されました。

 彼等は富士山の中腹に円陣の結界を作りました。

  そこに突如として現れた
  火之夜芸速男神 が、
  邪神に操られた多国籍軍と相対したのですが ・・・ 

 おもちゃの兵隊さんの攻撃が実在の神に通じる筈がございません!
 行き詰まった彼等の運命や如何に・・・


それはともかく、
スピリチュアル とか アセンション という ワード を、
ネット上で目にすることが多いと思います。

 それらの情報の99%は著しく信憑性に掛けるものであります。

特に、アセンション に関しては、人間の都合のいい解釈をしたり、
誤解した情報を乗せたブログが多数存在します。

 当然、イルミナティーによる命令で動いている
 ブロガーも多数いるでしょう。

アセンション は、天上界の神により厳しく設定されております。
その条件が明確に示されていますので、
以下の記事で御確認ください。

  そして生温い情報には惑わされないでください。


 K さん からの情報を一部抜粋して掲載致します。

このことは、現時点 (西暦2010年3月) から遡って、
5万2784年前 に、全宇宙合意のもとで決められた、
今回の、天の川銀河系星雲・太陽系アセンション計画であり、
全宇宙における一大イベント、一大フェスティヴァルです。

 5万2784年前の約束事というお話は、
 一部では、すでに、情報が出されています。

つまり、今現在、地球上で暮らしている方は、
宇宙のほうで、

“ いまから、おおよそ5万2000年後に、地球という星で、
 全宇宙を巻き込むアセンションの大祭典がありますから、
       参加者を大募集します! ” 



   という、大々的な宣伝を聴いて、全宇宙から、
    集まってきた方々であるというお話です。

      《 アセンションの3ヶ条 》

1、心と魂の浄化が、100%中81%まで到達している。
2、DNA12条が完全解除している。
3、光のネットワークに繋がり、地球意識に到達している。


       以上、抜粋終わり ・・・


 私は、この募集に応募して地球に転生し、
 現在に至っていると確信しています。

ただ、幾度とない転生でだいぶレベル低下してしまいました ・・・
早くシリウスに帰りたい? 
いや、目指すはアセンションでありますねぇ ・・・

上記にありますように大変条件は厳しいものがあります。


 何れにしても、どう解釈するかはあなたの自由です。

 全ては自己責任で、
 自分の道は自分で歩くしかないのですから ・・・

  どうか、最善の道を歩まれますように祈っております。


   《 キャラクター&キャスト 》
             
「 創造主の末娘 」 スミレ / 石原 さと〇

  現在、修行の為、地球に分身を送り込んでいる。
  それは父親である主神の勧めからなのであります。

  彼女の霊力は、上位の大神を遥かに凌ぐ脅威的なもので、
  邪神や悪魔など、ウインク一つで消滅 させることができます。
  ただし、通常は手出し無用の制限が主神より与えられています。

    彼女の主神としての年齢は3000億歳! 

  現在、自分の創造している宇宙を美しく磨くことが日課なのです。

   ところで彼女は、どこにお住まいなのでしょう? 
   全く、宇宙は謎だらけであります。


天神六代  国 万 造 主 大神 ( 大黒天 ) 西田  敏〇  
     
火之夜芸速男神(ひのやぎはやおのかみ) 藤〇  弘、 


 ( 邪神軍団 )

総 帥 サタン (ルシフェル/クラウド) アントニオ・バンデラ〇

司令長官 アンドラスタ / ジョージ・クルー〇―
 将 軍 グリオス   / アンソニー・ホプキン〇
 将 軍 オルゴラン  / トミー・リー・ジョーン〇
 将 軍 バクスト   / ウイル・スミ〇
 将 軍 ドルン    / ウェズリー・スナイプ〇
 将 軍 シアニード  / アンジョリーナ・ジョリ〇
 将 軍 フレッタ   / アン・ハサウ〇イ

多国籍軍指揮官 :マグダネル将軍 / クリストファー・〇ー


           ( 推奨BGM ) 

       アントニン・ドヴォルザーク作曲

 交響曲第九番 ホ短調 作品九十五 『 新世界より 』 第三楽章 
       カラヤン&ベルリン・フィル

https://www.youtube.com/watch?time_continue=144&v=-pLIBWyFBIg



 
 ( 執筆当時の作者時間 ) 二〇〇九年九月三日(木) 午前一時



         只今、午前五時五十五分。

        まだ辺りは真っ暗であります。


 故に、駿河湾に停泊する船舶のライトは無数の星のように見えます。

     当然、漁船や貨物船のライトではありません。

 叡智晶に映し出されたのは大型の船舶、自衛隊のイージス艦や護衛艦、
  多国籍軍の航空母艦や潜水艦までオンパレード状態であります。

空には哨戒機やアメリカ軍のF14~F22 を始めとした各国の戦闘機、
       それに戦闘ヘリが展開しています。

         アメリカ、ロシアからは、
     何と核を搭載した爆撃機が発進した模様です。


 富士山周辺には、
自衛隊の戦車隊を中心とした戦闘車両が要所要所に展開しています。

悪魔共はアメリカで世界の陸・空の軍隊を使い戦争ごっこを楽しみ、
日本では玉砕覚悟の戦争を始めるようです。

 ただ、七体の邪龍の姿はアメリカにあります。

  何処って? 山に腰掛けたり、寝そべったりと機体に因って違います。

       何しろ、デカイですから・・・

  悪魔共はホワイトハウスで、飲んだくれながら中継に見入っています。
  ここが作戦司令部なのでしょう、いい気なものです。

生き残った首脳達とその家族、そして堕ちぶれたセレブ連中は、
成す術が無く生きる屍のようになっています。

何しろ、良からぬ企みを思い付いただけで殺されるのですから・・・

    巨大モニターには戦況の映像が流れています。
     各部隊からの報告も逐一されています。

    うっ、何やらクラウドがニヤニヤ笑っている。


「 よし、目標を捕捉したようだ。 フフ、奴等に目に物見せてくれる。」


    彼は据え置きのマイクに向かい命令を下した。


  (( 我はクラウド。富士山周辺に展開する全軍に告ぐ!

  捕捉した標的に対し、通常兵器に因る地上、海上、上空から、
         あらゆる攻撃を命じる。

    準備が出来次第、直ちに攻撃を開始せよ。
     邪神の反撃には決して怯んではならん!

   指揮官のマグダネル将軍よ、全権を君に委ねる。
    任せたぞ、必ず敵を殲滅するのだ! 以上。 )) 無駄な事だ。


いやっほ~~う、花火だぜェ!
 富士山に花火とは、風流でありんすゥ・・・」

「 おい、バクスト気持ち悪いぜ。
 それじゃあ、内のペンチ少佐じゃねえか。

 それより、俺様の頭を砲弾にしたら奴等に唾引っ掛けてやるぜ。
 乱れ撃ちだ。ガッハッハァ。」

「 そりゃあいいぜ、ドルンのおっさん。
 でも、今のまんまじゃ唾出ないだろ。

 早くあんたの部下の、何て言ったか・・・?

 そうそうドクター・ヘルメットとかいう科学者に
 改造してもらわなきゃな。

 それで毒入りの唾を仕込むんだよ。
 そしたら奴等も地獄行きだぁ、ギャハハハ。」


   バクストは汚い唾を飛ばしながら捲くし立てた。
   仲間には馬鹿受けである。

   こんな奴等から踊らされている人間の軍隊は憐れである。
   それにしても意味の無い攻撃なのだが、
   何か他に企みはないのだろうか?


《 そりゃ有るだろう。
 ただ、奴等は姑息な手段しかもう手は無い。
 故に、この攻撃は何か他の作戦への布石であろう。》 チューウ。

「 他の作戦への布石で御座いますか ・・・?」

   三十郎様の仰せの通り、まだ邪龍を温存した状態だ。
   これからの攻撃は単なる撹乱戦法ということか?

  ああっ! と、突如として上空に炎の龍神が御出現されております。

  体長は、およそ 30 m 位に見えます。

                         
《 大黒天様、火之夜芸速男神、ここに参上仕(つかまつ)りました。
 こざかしい虫共は、私めにお任せ下さりませぇ。》

《 うむ、大儀である。
 奴等には正神軍の偉大さを嫌と言う程見せ付けてやるが良い。

 その模様は、光の帯を通して世界の各光玉に映像を配信するよう、
 わしから司令部に要請してある。
 だから、存分に働くが良い。》

《 これはこれは豪儀な事で御座いますなあ。
 有り難き幸せに存じまする。
 であれば遠慮無く派手に参りましょう。
 それでは、暫しお騒がせ致しまする。》


    これは、どういうことだろう?

   光の帯を通して映像を配信する?

   光の帯とは、神の光輪に直結している光線のことだが、
   そこからの配信先は ・・・

   最終的に聖域の一人一人になります。

  つまりその個人の魂 ・ 脳裏にこの場の様子が
  映し出されるということか?

 こりゃあ豪儀ってことですねェ、凄い。
 さぞかし世界の光玉全体の志気は上がることでしょう。

ただ、豪儀と仰せの火の神様は楽しそうな筈も無く、
我が子に手を掛けるような深い悲しみが伝わって来ます。

ですが裁く側の辛さは、まだまだ私が実感するまでには至りません。
全ての過去世までの所業をお知りになった上での裁きであります。

 断腸の想いが涙の火の粉となり、頭上から降り注いでおります。

 円陣内の大黒天様はじめ天使の皆様、そして聖者達は、
  その悲しき波動を感じ取り、共に涙しておられます。

  それにしても、その神々の大愛を知る事なく攻撃を仕掛ける等、
 いくら知らずとは言え親不孝この上ないものであります。

 人間の兵士達は、大きな疑問はあっても命令には逆らえません。


         今頃、世界の光玉内の人々は、
    戦慄の炎の龍神が脳裏に映り、血が沸騰しているに違いない。

     火之夜芸様は龍神の形態から次第に人型に変身され、
  身長千メートルはあろうかという炎の巨人の姿になられました。

    真下にいる我等からは巨大な火柱としか認識出来ません。

  それ故我等は、かなり引いた視点からの映像を叡智晶で見ております。

   


    炎の巨人は富士の山頂を跨ぎ、両腕を高々と挙げられました。

      すると、その頭上 「 神の光輪 」 から炎が降り注ぎ、
     ゆっくり棒状に変化しながら両手に握り締められました。

    次の瞬間、火之夜芸様の全身から黄金の神気が放出されると、
       棒状だった炎が明確な槍状に変化致しました。

          これは何と美しい武具なのだろう ・・・




      火の神の剛槍 ・・・ あの槍は見覚えがあります。

     何せ、私の目の前に突きつけられた十二神将がお持ちの
         炎 剛 槍 と似ているのですから ・・・

      勿論、比較にならない程大さは違いますが ・・・
      その長さは背丈より遥かに在りそうですから、
        二千メーター前後と思われます。

      もう一つの違いは、槍の身(穂とも言う) が
        両端に付いていることであります。


《 ほう、既に目にしていたか。

 あれは炎輪槍と言ってな、両端の炎を纏った身から、
 意力に因って超高温の棒状の身が放出される。

  その身の長さは、零から槍丈の凡そ数倍まで調節が可能じゃ。  
  また、意力を変化させ爆炎弾を放つ事も可能なのじゃ。

 その炎の温度は数万度になる。
 振り回せば炎の輪になる事から、
 炎輪槍(えんりんそう)という名が付いたのじゃ。》


「 どうりで熱い訳で御座いますが、我等はともかく、
 円陣内の聖者はきつくないのでしょうか?
 当然、心配など無用なのでしょうが。」


《 勿論じゃ。
 あの円陣は、見えない光の障壁が球形に張り巡らされておる。
 その為、あらゆる物理的攻撃及び熱も遮断することが可能じゃ。
 まあ、円陣内の肉身を持つ人魂に気を使ってのことじゃ。》


   驚愕の神槍を右脇に挟んで構えられた神様は、
   邪神軍の出方を見ておられます。

  炎の巨人を目の当たりにした玩具の兵隊はパニック状態になり、
  慌てて集中砲火を浴びせてきました。

 しかし炎の巨人は光の円陣に降り掛かる
 火の粉を槍の身で軽く捌いておられます。

片腕で槍先を少々動かされているだけなのに、
砲弾もミサイルも虚しく火花を散らすだけです。

 今の所は警護のみのお役目の様です。
 その為反撃は一切なく、
 まるで子供の火遊びを窘めているようにしか見えません。

  邪神軍の攻撃は、凡そ三十分程続いたでしょうか ・・・

  艦砲射撃にミサイル攻撃、戦車に因る砲撃等など、
  陸・海・空、あらゆる場所からの攻撃が加えられました。

 この一切の攻撃が通用しない戦況に業を煮やし、
 多国籍軍指揮官マグダネル将軍は、
 クラウドに作戦の見直しを提案したようですが、
 全弾打ち尽くせとの命令が下りました。

  ああっ、火之夜芸様のお体から一瞬強烈な光が放たれると、
  その周辺3キロに展開していた戦闘ヘリや戦闘機が撃墜され、
  戦車は爆発炎上しました。

     これは炎の衝撃波のように感じられます!


      《 フフフフ、サタンよ、良~く聞け。

       お前の幼稚な策など全てお見通しだ。
       このような茶番など無意味である。

  降伏する気が無いのであれば邪龍を出して決着を着けるのみ ・・・

 だが臆病で腰抜けのお前には、そんな勇気など有る筈が無かったな。
        これは失礼な物言いだった。

       許せよ腰抜けぇ! ははははは ・・・

では、無駄弾を撃たせるのも悪い故、もう終わらせよう。三十秒でな。》


      うわあ、恐ろしい挑発で御座います。
   さぞかしホワイトハウスの悪魔共は怒り心頭でしょう。


《 では、見てみようかな。奴等は三匹の邪龍に搭乗しておるわ。
 次の幼稚な作戦の為じゃろう。》  ホント、ヨウチュ。

    ああ、仰せの通りです。
   ただアメリカから動く気配は感じられません。

  勿論それぞれの将軍は歯軋りをして悔しがっています。
  何故三匹だけなのかはともかく ・・・

  当のサタンはホワイトハウスにて、
   怒髪天を突く怒りを押し殺しているようです。
    その冷たく燃える眼光が不気味な波動を放っています。


    そうこうしている内、辺りの気温が上昇してきました。

 火之夜芸速男神様の神気が膨れ上がり、
両手に持ち替えられた炎輪槍の両端が真っ赤に燃え滾っています。

そして目の前、槍中央にある紫の枠内中心の
赤い球体に意力を集中しておられます。

その神気の波動が増幅され両端の身に伝わり、
その身の内部中央にある黄金の球体から、
 閃光が放たれると同時に
  超高温からなる陽炎を纏った白い身が放出されていきます。

     その瞬間、周辺の温度が急激に上昇してきました。


    雪化粧をした美しい富士の山頂は、今や岩肌が剥き出しになり、
           真っ白な水蒸気が絶え間なく
        炎の巨人を擦り抜けて上昇してゆきます。

           闇の中に浮かび上がる赤富士は、
       あたかも噴火したかの如くの様相を呈しています。

           これは、とても信じ難い光景です。

            その上空には神の光輪が、
       世界中から集束された光の帯に支えられています。


  しかし、この聖域でもっとも醜い行為を行う人間の、
 何と愚かであることか ・・・

そこに気付いた多国籍軍の軍人達は、
戦慄の炎神の動向を見守るのみでありました。

そして駿河湾の水面が炎で揺らめく幻想的光景に、
皆心を奪われているのです。

  多国籍軍指揮官のマグダネル将軍は、
  イージス艦の操舵室から羨望の眼差しを霊峰富士に向けたまま ・・・

    まるで遺言のように呟きました。


    「 ・・・ もう思い残すことは何もない。

   皆、この偉大なる炎の神に直々の裁きを受けられるのだ。 
      軍人の死として、これ以上は望めまい。

        おおお、何と言う美しさだ。

   あの神の光輪と闘神の炎の輝きは ・・・ 美の極致だ! 」 


        観念した多国籍軍を他所に、
     火之夜芸様の闘気と怒りが頂点に達しました。


《 愚かな邪霊と、それに同調せし人間共ぉ!
   怒りの炎を浴び、激痛の中で永遠に懺悔するがいい!

       ぬおおおおああああ ・・・・・ 


    憤怒の巨神は富士上空で仁王立ちになり、
  全長七キロはあろうかと思われる炎輪槍を、時に角度を変え、
 時に体制を変えながら頭上で回転させておられます。

次第に加速し、高速で回転するその様は、
真下からでは光の傘にしか見えません。

ただ、その光の傘の縁からは強力な衝撃波が発生し、
 富士周辺の樹海や街を削り取り、炎の海にしています。

  その凄まじい破壊力は形容し難いものがあります。

    衝撃波による爪痕は、
     富士の火口を中心として渦状に広がっていきます。

     その鋭い爪が海に達した時には、
     数百メートルの水柱が上がりました。

    当然、海上の軍艦などは一瞬で粉微塵に砕け散ったのです。


《 あれは 烈 風 炎(れっぷうえん) と言う。 

  あの傘下に入りし物は全て灰となり、
  人間であれば即、地獄の業火に堕ちることになる。

  今回に限っては、明日の午前七時まで執行猶予が与えられる。

  しかし、あのような武具は、わしにはとても扱えん。
  水の神だからな。》

    アタクシモ。

   三十郎様がおっしゃる通り、
   この周辺の気温は肉身を持つ人間が耐えられる
   限界を超えています。

    何しろ、岩まで溶けているのですから ・・・


        焦土と化した富士山周辺。

     その範囲は、凡そ二十キロ圏に及びました。

       当然、生存者はいない模様です。

    地上の部隊は爆発炎上し、海上の艦隊は撃沈され、
      上空の戦闘機も全て撃墜されました。


唯一命拾いしたのは、
駿河湾から数十キロほど離れた海中で様子を見ていた
数隻の潜水艦だけです。

 こいつらはサタンの特命を受けた
 核ミサイル搭載の潜水艦なのです。 馬鹿め!

  辺りから聞こえて来るのは、炎上する木々や建物が焼ける音と、
  焼死した兵士達の悲鳴の合唱のみです。

      皆、不平不満で神を呪っています。

        実に虚しい事であります。


  予告された三十秒など掛かってはいないでしょう。

火之夜芸速男神様の両手の炎輪槍は、超高温の身は収納され、
また右脇に構えておられます。

 その胸の内は、悲しみと憤りが支配しておられるようです。
  炎の神様は、大黒天様の正面に移動し、姿勢を低くされました。


《 大黒天様、頭上での戦闘、御無礼を致しました。
 私は引き続きこの場にて守護をさせて頂きます。》

《 うむ、見事な戦い振りであった。

 御蔭で富士周辺のハラヒキヨメが済み、実に清らかな霊界になった。
 心から礼を申すぞ。

 もう直、光輪は熟成される。

 汝には明日の午前零時まで、この場の守護を任せよう。
 宜しく頼むぞ。》

《 はは、光栄至極に存じまする。》


  因みに、各国の「神の光玉」では、
 聖者達や火之夜芸速男神様への喝采はいいが、
邪神に与して亡くなった者への罵声や罵倒は
控えるよう同志達に厳しく指導されています。

これは当然の措置であります。

そう、我等人類は敗者を蔑むという、
醜い感情を改めなければならないのですから ・・・

それに、手放しで喜ぶことでもありません。

  あ、大黒天様がお顔を顰められました ・・・ 一体何でしょう?


《 むぅ ・・ 奴等め、始めおったか。
 全くこざかしいことを ・・・

 良いか皆の者、邪神軍は日本の各光玉と、この場に核を放った。
 だが心配無用じゃ。

 この円陣の天壁に、叡智晶と言う物で映像を映し出す故、
  神の御業を篤と見るがいい。》

  「「「 ははあ!!! 」」」


    聖者達は半信半疑だが信じる他無い。
    彼等はまだ己の立場を実感してはいない。

   全ての神から示されることを、
   必死で理解しようという想いで一杯なのだ。

  当然、若い拳三、マーフィーは、
  核ミサイルが日本中で爆発するかもしれない時に、
  まるで意に介さない大黒天様の仰せは理解出来る筈も無かった。


《 ところで、おぬしはどう見る?》

「 は? はい ・・・ 既に発射されたということは、
 そこまで神様は問題にせず、
 爆発はさせないか、仮に爆発しても
 光玉の障壁がバリヤーにでもなって、
 内部には影響が無いという事でしょうか?・・

 それと敢えて爆発させ、人間と邪神のあらゆる攻撃など、
 神には通じないということを、見せ付けるおつもりか?

 それに加えて、正神軍に着いた人々に自信と誇りを持たせる為か?

 え~まとまりませんが、それらの何れかで御座いましょうか?」


《 まあ、いい線をついておるぞ。
 ただな・・・実はわしにも、この先どうなるかは分からん。

 これを見よ・・・核ミサイルは、この聖域を入れて十一箇所に、
 それぞれ十基は向かっておる。》 

   ド、ドウナルノカナ?

    叡智晶では、爆撃機からと潜水艦から発射された核ミサイルが、
    あ~もう頭上に迫っています。


「 ぜ、全部で百十個の核とは ・・・
 何にしても大丈夫なのでしょうが、怖いですね。」

《 おいおい、怖がってどうする。
 それに、この件については、ある神様に一任されていてな。

 どのように対処なされるかは、誰にも一切知らされておらんのじゃ。
 きっと、とてつもない演出がおありなのは間違いないがな・・・》

        ウフフ、楽しみですわ。


     う、うわっ、来た~~! め、目ェ瞑らなきゃ?・・・

      それじゃ解説出来ませんね。
       やっぱり開けとこ。

        ああああ、ピカピカって光ったーー ・・・

        次々とぉ、ひか ・・? 
        光ったままの状態で ・・・

        富士山を中心とした周りに、
       十個の核の太陽が閃光を放っています。

      というより、そのまま動きません。

    他の光玉も同様の現象が起きています。
   当然、爆風も衝撃波も伝わって来ません。

  ま、眩しいですが・・・

  もしかして、あの人工太陽は、
  有害な放射線などが見えない障壁で覆われているのかもしれない。


《 む、司令部から分析結果が届いたぞ・・・

 これは、見事に全ての有害な放射線を遮断しておるわ。
 完璧に神気で封じ込んでしまうとは、とてつもない御力じゃ。》

「 そのような御力とは、
 ど、どなたの神様でいらっしゃいますか?
 ・・・まさか、私が存じ上げる神様でしょうか?」

《 し、知らん。口止めされておるでな。直に分かるであろう。》


     あ、やはり ・・・ ということは、
     三人の神様の何れか?でしょう。

      ただ、余りに凄い事です。

    百十個の核爆発を、同時に全て封じ込め制御するなど、
    どうなっているのでしょう?

  う ん? ・・・日本全国の核の太陽が、
  この富士目掛けて移動して来ます。

あ、この真上のやつも上昇して中央に集まり、巨大な塊になりました。
その位置は、神の光輪より更に上にあります。

そこに、東西から集結して来た人工太陽が、まるで引き寄せられるように、
次第に融合し全て一つになっちゃいました。

     エヘーー ・・・あああ、大きいです。

       ど、どうなるんでしょう?

  するとその強烈な光は徐々に弱くなり、直に光は失われ、
      その代わり漆黒の空間が現れました。

   あ、あれってまさか、ぶ、ブラックホール じゃあ?


《 じゃ、じゃろうな。》 ジャローナぁ。


   ぶっぶらぶらブラ、ブラックホール と言えば、
   そう言えば私のお腹にもぉ~。

   あああ、ぱっ、パニくってもしょうがない ・・・

  しかし、ブラックホールって光を吸収したり、放出したり、実に不思議だ。
 きっと宇宙を制御する為には、必要不可欠なものに違いない。

そ、それを神様が使われているのだ。 あ~ロマンと夢だ。
全くもって興味は尽きません! おもしろ過ぎますね~!

あれ、あの黒い塊が縮んでいきます。

だんだん・・・無くなりそうだ。
で、無くなったと思ったら閃光が走って・・・

 な、な、あれは黄金の龍の首に繋がった二つの胴体を持つで、
  伝説の龍がぁ ・・・
   あ、ちゃんと尻尾まで付いている。

     本体までは御遠慮なされたのだ ・・・
      懸命な御措置で御座います。


《 あのねェ、あなた少し黙っておいでなさい。
 いい所なんだから、それ以上申すと、
 そのポケットから鮫を出すわよ。よくて・・・》


    わあ直接、私に言霊が響いて来ました。ヒエェ~~ ・・・


「 ははは、はい、申し訳ございませんでした。
 仰せの通り黙りますので、そればかりは御勘弁願います。」


   エッ、コココ怖いですわ~! さささ サメ いやーっ!

      ああ、何か御言葉を賜れるようです。

        皆様、心してお聞き下さい。


  《 世界の神の光玉に参集せし神の子人よ、大儀でありますね。

 わたくしはこの宇宙全次元を支配せし主神の娘、スミレと申します。

   この場には修行の為に参っておりますが、皆も見ての通り、
  核などわたくしにとっては取るに足らない兵器でしかありません。

       神の偉大さを思い知ったのであれば、
     神を恐れ畏み、お詫びと感謝報恩を徹底して
        行うのは神の子の責務です。

        後一日あらゆる邪念を捨てて、
    主神との間を釣り合わせる術を血と肉にするのです。

         しかと申し渡しました。

     期待しておりますよ。 ほほほほ、では失礼。》


     ああ、何と大愛なる御神勅なのでしょう。
          惚れ惚れ致しました。

    スミレ様の龍体は上空高く昇り、見えなくなりました。


 
 「「「 おおおおおおおおおおお~~~~~~っ!!! 」」」



世界の光玉の皆様からは、割れんばかりの大歓声が響いています。

喝采に継ぐ喝采、泣き叫ぶ声による讃辞は、もう聞き取る事が出来ません。
皆、神に仕える喜びを全身で感じています。

 スミレ様の御声は、各光玉の守護神の魂から聖者の魂を通すことで、
 強い神気の波動が緩和されるのでありますが、
 今の聖域の人でさえ相当苦しかったようです。

これは、我々人間が余りにも魂に曇りを積んだ為に、
神様が大変御苦労なされる結果になったのでありますから、お詫びなのです。

  彼等が直接受けられるのは、脳裏に映った映像のみです。
  これも特別の措置があればこそです。




 いや~~~、さすがはスミレ様、
 問答無用の宇宙外的超常能力というか形容し難い御力であります。

それはともかく、最近は特別寒くないですね~~。
東北やそれ以北は別でしょうが ・・・

私は暑いより寒い方が好きです。

 そして、冬の星座達が夜空を飾り、
 震えながら双眼鏡で観察するのが楽しみなのです。

故郷のシリウスや、オリオン、
プレアデス星団 (スバル) などなど ・・・

地獄の惑星である木星も一段と輝いています。

寒いので5分は持ちませんが ・・・

 そんなこんなで木星と火星の画像を ・・・




 火星よりは増しと言われる木星での転生 ・・・
 いわゆる地獄の星です。

  木星表面には居住不可能ですが、
  地殻天体である木星内部には空洞があり、
  そこには居住可能なのです。

  それは宇宙の恒星を含めた全惑星においても同じことです。

   そこで知的な猿人として永遠に転生を繰り返すのです。

       嫌ですね。そんな生活って ・・・

      地獄の火星では、更に野蛮な首狩り族、
     戦好きな部族がうようよしているのでしょう!

    地球での生活にウンザリされた方のほとんどは、
    火星か木星の転生をお楽しみください。

    火星と木星は、宇宙連合という組織が、
    各惑星に1万人体制で、交代しながら管理されています。

   木星への転生は数年前から受け入れています。
   既に10億人を超えたとのことです。

  火星は随分前から、地球との行き来があり、
  現在の地球人のほとんどは火星からの転生者だそうです。


「カバラの真義」 M ・ドーリル著 / にも記されております。

地獄の星からの転生者が多いのですから、
必然的に社会が地獄化してしまいますよね!

 その割合が格段に多いのは、中国と韓国なのでしょう ・・・

日本人は? 相当危険な堕落度合いでございます。
その自覚がない人が多過ぎて、愕然とします。

神様、申し訳ございません。 あ~~あ!

 しっかし、以前より火星移住計画があるのは知っておりますが、
 進んで地獄の星に移住してどうしようというのか?

 はてさて疑問としか言いようがありません。


それで次回、第三話 ( 策 略 ) のお話に移ります。

 満を持して、悪魔の邪龍が出撃するのですが ・・・
 舞台は、東京湾の海上となります。

さて、どんなおぞましい化物が登場するのか、乞う御期待!

因みに、化物の飼い主は、あの機械悪魔の、ドルン将軍 であります。
当然、邪龍もマシンと生物の融合体なのですが、
悪趣味そのものですよ~~!

 イラストもありますよ~~!

そんなこんなで、ドルン将軍の邪龍に似た生物の画像をどうぞ ・・・
 



 ワニガメちゃんです。
  凄いド迫力でしょう!

   ドルン将軍の好きな動物であります。

     とにかく、でかくて強い!
      素早さは無視であります。

       当然、大艦巨砲主義です!

        ガメラのモデルになったのは有名ですが ・・・

         私はガメラっぽくはしませんよ!
          プライドがありますので ・・・

           ただ、そんなに捻ったデザインでもありません。



《 第三章 》 〈 第一話 〉 希望と絶望

2019年02月04日 17時29分16秒 | 小説



  《 キャラクター&キャスト 》

天神六代  国 万 造 主 大神 ( 大黒天 )  西田  敏〇 
  大黒天が国万造主大神 と同一とするのは私の推測でしかありません。
               
天神七代 天御光太陽貴王日大光日大神 
    ( 天照日 アマテルヒ 大神 )  中村  雅〇 

  東京 「神の光玉」 の守護神。
  こちらの神様は太陽信仰の象徴と思われます。
         

(四大天使)

 大天使長 ミカエル  / トム・クル―〇
  大天使 ガブリエル / キアヌ・リー〇ス
  大天使 ウリエル  / レオナルド・ディカプリ〇
  大天使 ラファエル / ナタリ―・ポートマ〇

(神の光輪の聖者)

日  本    「土門 拳三」 ( 二十五才 ) 
           妻夫木 〇
アメリカ    「マーフィー・ラッセル」 ( 二十五才 )
           ヘイデン・クリステンセ〇
フランス    「カーリー・アモリーノ」 ( 四十三才 )
          ソフィー・マルソ〇 
ロシア     「ミリアム・コルシェフ」 ( 五十一才 )
           モニカ・ベルッ〇
エチオピア   「アジス・ビキア」 ( 四十七才 )
           デンゼル・ワシント〇
ブラジル    「クリスティアーノ・エデュー」 ( 三十八才) 
           ユアン・マクレ〇―
サウジアラビア 「ムハンマド・ハルドゥーン」 ( 五十八才 ) 
           トム・ハンク〇

( 邪神軍団 )

総 帥 サタン (ルシフェル/クラウド) アントニオ・バンデラ〇

司令長官 アンドラスタ / ジョージ・クルー〇―
 将 軍 グリオス   / アンソニー・ホプキン〇
 将 軍 オルゴラン  / トミー・リー・ジョーン〇
 将 軍 バクスト   / ウイル・スミ〇
 将 軍 ドルン    / ウェズリー・スナイプ〇
 将 軍 シアニード  / アンジョリーナ・ジョリ〇
 将 軍 フレッタ   / アン・ハサウ〇イ


アメリカ大統領 「 スタンリー・ミニットマン 」 モーガン ・フリーマ〇
日本首相  「 阿部一郎 」 笑福亭 鶴〇

土門 剣三郎 (五十三才) 渡〇  謙
   ミツエ (五十才)  松坂 慶〇
   拳 三 (二十五才) 妻夫木 〇
   かすみ (二十一才) 成瀬 璃〇

マーフィー・ラッセル(二十五才) ヘイデン・クリステ〇セン
エミリー・マーティン(十九才)  ベッ〇―
ミランダ・マーティン(十三才)  アヤカ・ウィルソ〇

( 豆芝 ) 犬四郎 / 加藤 清〇郎

 今回のお話の中では、
 空恐ろしい描写の部分がございますので、
 お気をつけてお読みください。


         ( 推奨BGM ) 

       グスタフ ・ マーラー作曲 
   交響曲 第5番 嬰ハ短調 第4楽章 アダージェット

     ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
     ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 

     


 


      二〇 X X 年 十二 月 二十 日 (土)

        日本時間 午前十一時十五分
        カウントダウン 43:45



   我等は邪神との対談後、ベニ様と別れ、東京に戻りました。


  お馴染み駒沢公園。「神の光玉」内、「祈りの聖域」 の一つです。
  とうとう 「神裁きの三日間 」 二日目 に突入致しました。


夜が明けても薄暗いのですが、聖域の皆さんの気力は何とか保たれ、
その目には希望の光が輝いています。

とは言え ・・・その魂の入れ物、肉体は悲鳴を上げ力尽きる者多数。
病弱な者、ひ弱な者が先に肉体を抜けて、己の遺体の隣で祈っています。

 昨晩から救いの死を受けた者は、この聖域だけで28名になります。

当然、正座を出来る者もいなくなり、止むを得ずあぐらをかく者、
その体力すらない者は横になっています。

 ですが、彼等は強靭な精神力で祈りの波動を聖者黒須に送っています。
 ただ残念な事に、まだ 「神の光輪」 は熟成されていない事は、
 叡智晶を見て確認しております。

とは言え、あなたも気になるであろう十和田湖の聖者木戸や、
その補佐役の方々、そして土門一家にマーフィーにマーティン姉妹も、
何とか気力を保っています。

    ただ、残念な事が御座います。

  それは不平不満が募り、魂の曇りが一定線を下回った為、
  流星火矢を受けざるを得なかった方がおられたことです。

  裁きの死を受けた者の数、一日経過した現在、
  この聖域では十六人。

    日本全体では、725人。
    全世界では、112,116人。

 裁きの天使は、皆、血の涙を流しておられるのです。

 神の子を裁かねばならない極限の悲しみと憤り、虚しさを、
 あなたも拝察して下さい。

  以前、マリア像やキリスト像が血の涙を流し、
  奇跡と報道され話題になったことが御座いました。

  奇跡は奇跡でしょうが、何の為の涙なのか? 

   偶像崇拝、人物信仰を認めない教えを破り、
   イエスが主と崇めた創造主を祀らず、
   己の姿を祈りの対象にされた嘆きと悲しみから、
   その偶像の目より血の涙を流した。

     それが真相だと私は思います。

    他の聖雄聖者も同じ心境なのです。

     皆、天界で嘆いておられます。

つまり光の道が見えずに迷える子羊、或いは自暴自棄になった
人類の堕落に歯止めを掛ける教えだったのですが、

 キリスト教も仏教も、新興宗教も分裂しては教えを曲げ、
 権力闘争と強引な勧誘に明け暮れ、教えはどこへやら ・・・

  お気を付けください。
  誤った道に人を導くと、その責任を取らねばなりません。

   その証拠として地獄界には、
   政財界に加え宗教団体の教祖や住職という
   聖職者がウヨウヨいるそうです。

  言わば金と権力の亡者共であります。
  今では、おそらく宇宙刑務所に収監されているでしょう ・・・

  その中心者の責任極めて重しと言わざるを得ません。
  それ故、責任逃れは一層曇りを積む事になります。

 呆れた宗教団体の代表、創〇学会と統〇教会は、
 天上界より悪魔指定されているそうです。

  単なる信者の処分がどうなるかは知れませんが ・・・

   あ~~、某団体信者の皆様は、
   自己責任で今後の身の振り方を熟慮して頂きたい!



    さて、重要なお知らせが御座います。
    二日目に入り、新たな封印が解かれたのです。

   それは相手の思念、考えが読めてしまう。
   言い換えれば心の垣根が取り払われる、ということです。

  魂の光と、悪想念からの濁微粒子が見える力に加え、
  思念波 ・ テレパシーという力が、肉体を持ちながら与えられた。

 という事は、幽界での修行と何等変わりない事になります。

創造主、主神様は、神の子人に対し、
何としても己が単なる肉の塊ではなく、
尊い神の子の魂が宿っているという自覚をさせたい。

 その一心である事が伺えます。

その主神の御期待に必死でお応えしようと、各国の光玉の皆様は、
心の中の邪まな部分を捨てる努力をしています。

祈りをより純粋なものにする為には、他人の心が読めるのは好都合で、
祈りの内容の足りない、捉え違いの部分を修正し合って精進しています。

 こうして一人一人の感性や信仰心が高まるに連れ、
 心と魂が浄化され意識レベルが向上していくのです。

  これで、純粋に美しく磨かれた祈りの波動、
  光の帯はより強く 「神の光輪」 に送られるようになりました。

    その光輪は、この聖域からでも視認出来ます。

    富士上空三千メートルに集束された光は、
    相当大きく美しく輝いてはいますが、
    三十郎様に因れば、まだまだ足りないとのことです。



ところで、あの お馬鹿な悪魔共に乗せられ、
各国の軍隊は実弾使用に因る戦争ゲームをしておりましたが、

 結局、東軍 が勝利を収めました。

負けた西軍の大将ドルンの首は、
現在クラウド主催ホワイトハウスの晩餐会に於いて、
テーブルのお皿の上に乗せられ酒の肴になっています。

 その状態でも、マシンボイスで悪態を吐いたり、
 バッドジョークを言ったりするので悪魔共には大うけです。

 しかも、お皿にはクルクル回転する仕掛けが ・・・ 馬鹿だ。

  人間を使い、アメリカ全土を巻き込んでの戦争ゲーム。
  正義や愛国心等とは無縁の殺し合いをさせられた兵士達は、
  どんなにか無念なことでしょう。

    勝っても負けてもです。

  何故なら敗者となった西軍の兵士を、
  東軍の兵士が様々な処刑道具で殺さなければならなかったからです。

    勿論、逆らう奴は殺されるのです。

  その模様は、ホワイトハウスの巨大スクリーンに、
  現在生中継で放映されています。

悪魔達は大きな縦長のテーブルに、
それぞれの部下や人間の娼婦、
有名モデル、女優やイケメン俳優達をはべらせ御満悦です。

  当然クラウドは一番奥の上座に座っています。

その両脇には幾つかの円卓が並べられ、
各国首脳が家族と共に座らされています。

  ただ、当然東海岸、西海岸共に火の海である事は
  言うまでもありません。

アメリカのミニットマン大統領始め、各国の首脳達そして、
その家族の顔から生気は奪われ、何も口を通らないようです。

処刑シーンを見せられているから当然ですが、
それ以前にこの戦争ゲームは彼等には
秘密裏に行われたものだったのです。

  その間、彼等が何をしていたかと言えば、
  天空浮船に乗せられクラウド、アンドラスタの案内の元、
  優雅に家族と共に宇宙旅行をしていたのです。



  主に太陽系内の各惑星を巡る旅を満喫していた首脳達が、
  知る筈はないのであります。

有頂天の宇宙から、奈落のどん底を見させる ・・・
これが悪魔の常套手段なのです。

  その戦争ゲームの編集ビデオや処刑生中継を見ながら、
  大爆笑をする正神の化身という人間達が、
  人知を超えた詐欺師集団であることは、
  鈍い首脳達にも認識出来たようです。

そして、取り返しの付かない選択ミスを犯したということも ・・・


  その後、ミニットマン大統領が復讐の為、

  (( 核を以って邪龍だけでも粉砕出来ないものか? )) 

と考えが及んだ時、
ミニットマンの憑依霊がその事をクラウドに告げ口をしました。

 直ぐに大統領は悪魔の料理人に厨房に連行され、
 凡そ30分で料理されました。

 止めようとした家族は拘束され、
 厨房で料理の見学を強制させられました。

    ただ泣き叫ぶ声が響くばかりです。

  小さなアメリカの国旗を頭に刺された彼の首は、
  哀れな事にドルンの皿の隣に乗せられ、笑いものになったのです。

  そして、モモ肉とムネ肉はステーキとして皆に振舞われました。

    全くもって残酷で下劣極まりない行為です。

 肉体から離脱した故アメリカ大統領の幽体は、
 全身の激痛に悶えている。

但し、肉体を切り刻まれても、
霊・幽体はバラバラにはなりません。

痛みや傷だけはあるのです。

  そのバラバラにされた肉体の持ち主、故大統領の魂は、
  手下の邪霊にクラウドの目の前で正座をさせられました。


        クラウドは右手の指で、
     目の前に垂れた長い前髪を上げ整えると、
      尋常ならざる眼光で睨み付けました。


     「 馬鹿な事は私に直訴するんだ!

       この 悪魔王サタン にな 。

     苦痛と死は我と共に在り ・・・ フフフ ・・・

  しかし、お前等は何度見ても間抜けた面だな。
 鏡を見て、そうは思わんかね、はははは。

 まあ、そう硬くならずに最期の晩餐を楽しめ。
  食べて彼の供養をするんだ  ・・・ 

    でないと浮かばれないだろう 、クククク ・・・」


      と、冷たく首脳達に言い放った。
      声は笑っても表情に笑みは無い。

       他の悪魔共も嘲笑っている。


  二十人の首脳達とその家族、
  並びに浮かれた有名人の精神と心臓は臨界点を超え、
  その場で失禁失神した。
  発狂した者五人。

    ショック死した者一人。無理からぬ事だ。

   それを見た悪魔共と、
   首脳その他の人間に憑依している霊達は大笑いをした。


一人死にやがったぜ! はっはは!! 誰も許可してねえのによう。
 サタン様に申請書を出して、決裁が降りてから殺されろってんだ。
 楽しみが減るだろが。 けっ、全くだらしねえぜ。」


    新しい黒人の肉体を得たバクストが喚き散らした。

   亡くなったのは日本の現首相、阿部一郎その人であります。
   彼の幽体はミニットマンの隣に正座させられました。

    二人で泣き叫ぶ姿は余りに痛々しく、
    お気の毒としか言いようが御座いません。


    「 おい、狂った馬鹿共は静かにさせろ!
     漏らした奴にはオムツを履かせてやれ。

        全く躾がなっていない。

   お前等の国の教育は、親は何を教えたんだ。全く・・・」


        サタンが命令すると、
 直ぐに控えていた部下が発狂した五人を抑えて射殺した。

 失禁した者は女性も含め、裸にされオムツだけ履かされた。


      もはや、されるがままである。


 この首脳達と著名人、その他の人達は、
 今までどのような信仰をされて来たのか?

人間主体の御都合主義、神利用、神雇い信心、神盗人、御利益信仰。
教えの出来る部分だけ、楽な部分だけ行じる、つまみ食い信仰。

  これらの信仰の仕方は、神様は一番お嫌いなのです。

 ただ、邪神様には気に入られます。
 だからこそ晩餐会に同席を許された。

 憧れますか? こんな最期を ・・・

  皆、神理の道に背を向け、堕ちた人間の頂点に立とうとした。
  それが誤りだったのです。

  もう、つまらない醜いプライド、夢や信念など捨てましょう。

テレビには、見栄はったりで自分を飾りたて、
醜い心を隠す著名人が多々おりますが、
直ぐ化けの皮が剥がされているではありませんか。
人にも見え見えです。

  彼等を悪い見本と捉え、真似しないことです。

 我等は常に守護霊・憑依霊に秘めた邪念は筒抜け・・・
 その模様は、自分のアカシックレコードと
 地球のアカシックレコードに随時記録されているのです。

肉体を失った時に生前の所業を正確に見せられるのは、
アカシックレコードがあればこそなのです。

 その際、功績の映像を多く見たいとは思いませんか?
 見せ掛けではない、神が認める功績として ・・・

  その意識を持つ者は、随分少ないように見受けられますね!
  ただ、現実を受け止めざるを得ないでしょう!

    あなたが選んだ道なのですから ・・・

     


       ( 推奨BGM ) 

      モーリス・ラベル作曲
  


    





        日本時間、午後十時。

       駒沢公園 「祈りの聖域」 。


   ここで、ちょっとした異変が御座いました。

  土門家の長女、かすみの体調が優れないのであります。

勿論、開戦前から剣三郎の手足となり、
率先して活躍してきた彼女でありますから、
無理からぬことで御座います。

 ただ、この場合疲労などでは無く、
 どうも持病なのか心臓の具合が悪いようなのです。

  先程から、顔は青褪め胸を押さえていますが、
  周りの人達に気付かれないようにしています。

その想念思念では、ありがたい、辛くない、と思うよう心掛けています。
また、今は夜なので誰にもその顔色から異変は気付かれてはいません。

 彼女の奉仕は、
 剣三郎の指示を周りの約百名の人達に正確に伝えることにあります。

彼女以外にも、同じ役目の者が多数おります。
基本的には、常に立ちっぱなしで周りの様子を伺っています。
どうにも疲れたら座ったりしているようです。

 そして、何か不都合があれば自分の判断で対処したり、
 身近な人と相談したりして乗り越えています。

  大概は皆協力し合ってが前提であります。

 体が元気な者は、辛くて横になった人のマッサージをしたり、
 親を亡くしてしまった幼児の面倒をみたり、
 一人何役もこなしています。

もう、四十時間以上この場に居る人が殆どですから、
身近な人に対する親近感は強くなり、世界人類皆兄弟、
神の子人である実感も相当強くなって来ています。

 この時点では、誰も不平不満を訴える者は居なくなりました。

 それは二日目に入り、他人の思いが読めるようになり、
 卑しい心を持っていることが馬鹿馬鹿しくなったからです。

  皆、常に美しい心でいようと努力しています。
  その為、言葉使いも自然に丁寧で綺麗になってきています。

 その努力が、直ぐ祈りの光に現れ実感できるので、
 楽しくてしょうがないのです。

それと合わせて、その光が世界中から
富士山上空に集束され繋がっているのですから、
その一体感、充実感は半端なものではないのです。

又、その神の光輪の変化は、
東京から直接見えることも団結心の向上の一端を担っています。

 それは、とても喜ばしい事であります。
 既に肉体を失い、幽霊になった幾多の人達も、
 晴れ晴れとした表情で祈っています。

   むっ? 妙な事に ・・・ 信じられない物が見えます。

      い、犬っ?


 犬は居る筈がありません。
 しかも実体肉体では無く、幽体のみです・・・

東京の皇居を中心とした30キロ圏では、
神の光玉に入るに相応しくない人間と動物の肉体と魂は、
強制排除されると同時に、悪魔共の邪龍に取り込まれてしまっています。

 あの犬、豆芝、まさか犬四郎?

  遠目ではありますが、恐らく犬四郎です。
   死んでしまったのか?
    邪龍に取り込まれなかったのは良かったが ・・・

       ・・・  謎だ。

《 わしはその訳を知っておる。今は黙って見ておれば良い。》 チュウ。

  「 はは、仰せのままに致します。」 

    彼は、かすみの所へ向かっている。
    尻尾を振りながら、嬉しそうに ・・・

  『 わんわん。』

「 ・・・・・??? えっ、何 ・・・? 犬四郎?
 どうして、あなた幽霊なの? あたし変だわね。
 他の霊なんて見えないのに・・・?」

    かすみは目を擦り、もう一度良く見た。

「 ・・・ どう見ても犬四郎だわね。
 妙ね、どうなってるのかな?」

『 ぼく、死んだんだよ。』  

「 えっ、しゃ、しゃべったぁーー!」 

   ああ、かすみが気絶しそうだ。

『 ねえねえ、かすみさん、しっかりして・・・
 ぼくは神様から最期のチャンスをいただいたんだよ。』

   犬四郎が、思念をかすみに送っている。

『 これは夢じゃない。今は何でも有りだわ。
 気を確かに持たなきゃ。』

   そうそう、その通り。流石に頼もしい大和撫子だ。

「 あの、かすみさん大丈夫?
 さっきから独り言いったりして・・・?」

   隣の女性が心配している。こりゃうっかりだ。

   ただ、思念が読めると言っても集中しないと読めないのです。
   当然、その能力は人によります。

「 あ、大丈夫です。
 ちょっと飼い犬のこと思い出しちゃったので・・・はは。」

『 そうだ、他の人には見えてないんだ。
 思念の声も聞こえていないみたい。分かったわ。
 私がんばるから、訳を話してくれる。』

『 はい・・・あ、あの、
 さっきミカエル様の使いの妖精が来て、
 ぼくの体を取り上げるけど、
 かすみさんを助けて神様のお役に立てば、
 さばきの死は与えずに救おうっておっしゃったの。

 ぼくは今まですごく悪いことばかりして来たので、
 何度もじごくに行って、
 それからこの世に来て犬の姿になったんだって・・・
 がんばれば、それも許して人に戻してくれるって・・

 それに死ぬ時もぜんぜんいたくなかったんだよ。
 ぼくとってもうれしかった。
 だから、だから、かすみさん、
 ぼく、がんばる・・・ううう・・』

《 犬四郎には特命がある。
 その為、「神の光玉」 内に留まることが許されたのだ。》

「 そうでございましたか。
 なんという神の大愛なる御心なんでしょう。」

    素敵ですわねぇ、 チュウチュウ!

『 まあ、何てことなの ・・・
 犬四郎、けん・・うう、ああっ・・・』

    かすみは、抱きしめられない犬四郎の体を腕で覆って、
    犬四郎と共に泣いた。

  周りの人が、その悲しみの波動を感じたのであろう。
  黙って、かすみの腕や肩に愛を込めて、触れて慰めている。

  一頻り泣いた後、かすみは漠然とした疑問を犬四郎にぶつけた。

『 ねえ、犬四郎。どうして私を助けなきゃいけないの。
 妖精は他に何かおっしゃっていなかったのかしら。』

『 ・・・・・かすみさん、かくせないから言うけど、
 ここでは周りの人が心配するから、
 ちょっとだけ、ここの外へ出てもいいかな?』

『 そうなの、分かったわ。』

  彼女は剣三郎に訳を話し、
  周りの人には急用で競技場の外に行くことを告げた。

 剣三郎は聖者黒須より、
 ある程度の事情は聞かされていたようだ。

かすみは競技場の外に出ると、
犬四郎から、かすみと共に行動する訳を聞かされた。

 彼女は激しく同様した。

だが、彼女は強い意志を持ち、
今まで困難な局面を皆と共に協力し合い、
乗り越えて来た自負がある。

 故に、直ぐに覚悟は決まった。

  ただ ・・・ ただ涙が溢れた。
   犬四郎も共に泣いた。

    直、二人は場内に戻りました ・・・

      訳はまだ、お話し出来ません。

       御了承下さい。


     


        (推奨BGM) 

 ルートヴィッヒ ・ ヴァン ・ ベートーヴェン 作曲

    ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 作品58 
    ツィマーマン& バーンスタイン&ウィーンフィル   
    


    


        


     現在、二十一日に入り、午前五時を迎えました。


 「神の光輪」 の光は、
 富士山火口の直径位の大きさになってきているように見えます。

  世界中の同志からの祈りが、無数の愛の波動が一点に集まり、
   主神様が永きに亘り切望された「間釣り合わせ」の理想が、
     今、現実に成りつつあります。


「 三十郎様、如何で御座いましょう。
 神の光輪の熟成の具合が気になるのですが?」

《 まあ、そう慌てるでない。もう直じゃ。
 後、一、二時間程で熟成されるじゃろう。》

   チュッ、フフ。

「 そ、それは楽しみで御座いますね。」

《 その前にな、準備することがある。直にその現象は現れる。
 これは光輪を完成させる為には、
 必要不可欠な事柄じゃから良く見ていなさい。》

「 はは、畏まりました。」


   現在気になるのは、かすみの容態です。

  心臓の具合は更に悪化し、
  もう与えられたみ役を果たす事が出来ないばかりか、
  横になって一人の女性から世話をしてもらっています。

  犬四郎も側に付きっ切りです。

    そして、例の小さな妖精の姿も見えます。
    妖精は小さなタクトを振っています。

  そのタクトが振られる度に、
  七色の粒子がかすみに降り掛かっています。

    その妖精の悲しげな表情 ・・・

  彼女とは、神議り場となった大霊宮で会ったかもしれない。
  そう思ったら、こちらを向いて心なしか微笑んだように見える。

    やはりそうなのか ・・・

 そうとは知らない拳三・マーフィーが心配して、
 たまに見に来ていますが、
 剣三郎から止められています。

何故なら、人類が皆兄弟同志同胞という観点から言えば、
特定の人ばかりひいきにするのは、神の意に反するからです。

二人は特に人の上に立ち、
導いていかなければならない使命を帯びています。

故に、剣三郎は厳しく説いているのですが、
中々当人達は全て納得いかないようです。

 剣三郎の真意はと言うと、当然気にはしています。

 ですが、この聖域を二日以上統括している彼にとっては、
 人類全体が家族という想いは人一倍強くなっているのです。

 故に、かすみと言えど、その中の一人ということであります。

  既に彼は、多くの家族を失っています。
  今でも数人の人が、息も絶え絶えの状態であります。

  剣三郎は、かすみに加え、それらの人の曇りをお詫びしています。

   妻のミツエも、かすみの命に執着は無いようです。
   良くここまで、神の子の本質に目覚めたものです。


聖者黒須には随時各聖域の補佐役から、
危篤な者、亡くなった者の人数報告がされています。

正神軍司令部 (大霊宮) には、
様々な人数報告が世界中から集まってきます。

各国各地の状況は一時間ごとにであります。
その他必要な報告は随時であります。

 また司令部からは、光の帯が弱い国に対して、
 その国の分を補うよう世界の拠点に指導されています。


  ところで、疑問に思われたかもしれませんので申し上げます。

 叡智晶という万能なものを神々はお使いであります。
 故に、世界どころか宇宙やその他の次元、
 許される範囲まで検索閲覧可能なのです。

そういった物が有りながら、
何故司令部に分かり切った報告が必要かと言えば、
勿論修行の為です。

神を想い、恋慕い、祈り行じる。

この親子なら当たり前の感覚が暫くの間途絶えていた。
神と神の子人の絆を深める絶好の機会が、今なのであります。

この貴重な機会を活かして、魂に永遠に刻み込む。
それが神々の意図するところです。

 甘やかして何でも親が世話を焼いたら、
 子供は立派に成長しません。

  それと同じことであります。

ただ、拳三、マーフィーは若いだけに持ち場を離れ、
かすみの様子を見にいっています。

この時の剣三郎の補佐役達は、
既に強い思念波を使えるようになっておりましたので、
何かあればトランシーバー無しで交信が可能でありました。

 故に彼等の行動は、直ぐに剣三郎の知る事となります。

若い二人は、己の未熟さを反省しておりますが、
かすみへの特別な想いが変ることはありませんでした。

 二人の想いは、今後の神が望まれる文明を、
 かすみや他の家族と共に築かせて頂きたいというものです。
 あくまで全員で、が望みなのです。

  故に、かすみには生きていてもらわなければならないのです。

   ここで、聖者黒須から通信が来たようです。


『 土門さん、重要なお知らせが御座います。心してお聞き下さい。』

『 はい、何なりとおっしゃって下さい。』

『 もう直ぐ、神の光輪は熟成されます。
 それに伴い、その光輪内に入る聖者が必要になります。
 その者は世界中から七名選抜されます。

 光栄なことに、この聖域から二名選ばれました。

 その二名は、あなたの御子息の拳三さん、
 そしてマーフィー・ラッセルさんであります。

 彼等はまだ未熟ではありますが、
 そこは承知の上のことであります。
 その未熟な部分を一日で埋める為の鍛えなのです。

 彼等は今後の次期文明を担う大きな力であると、
 期待されてのことです。
 もう直、二人の額と右掌には赤い十字の痣が現れます。

 そして恐れ多くもミカエル様直々にお迎え下さるのです。
 さあ、誇りを持って二人にお伝え下さい。』

『 何と、そのような大役を頂けるとは私、感無量で御座います。
  急いで伝えます。ありがとうございました。』


   剣三郎の全身全霊には、神の無限の愛が注ぎ込まれ、
   そして、その愛の光は止めどなく溢れ放出されてゆく ・・・

   剣三郎は直ぐ二人を呼び、ほとばしる神の愛を伝えた。

     次の瞬間、二人の額と右掌に激痛が走った。
     赤き十字の痣 が二人の額と右掌に刻まれたのだ。


         衝 撃 に次 ぐ 衝 撃!


    彼等は、まだこの大役に戸惑いを感じていた。

      あれ程望んだ聖者補佐役ではあるが、
 あの「神の光輪」に入る等、彼等の器の範疇(はんちゅう)を超えていた。

  翻弄(ほんろう)される彼等だが、問答無用なのは良く理解している。

  かすみへの想いが後を引くが、今は考えないことにした。



     


          ( 推奨BGM ) 

     ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル 作曲 
     『 メサイア 』 ハレルヤ ・ コーラス     
 


     


   


      「 あああ ~~~、 天使様だあ ~!」


      ああ、場内では驚嘆の声が上がっている。

  上空から、天使の御姿でミカエル様が御出現なされたのです。

   眩い後光を背に纏い、純白の翼を広げながら舞い降りる
 大天使長ミカエル様の荘厳なる御姿に、群衆は声を失っています。

  やがて、ミカエル様は聖域上空十メートル程で止まりました。


      《 我は大天使長ミカエルなり。

   汝等の愛の祈りは、我等神々に心地良く沁みて来た ・・・

         見事な祈りである。

     心から礼を申しあげる。 ありがとう ・・・

 さて、人類の祈りの結晶 「神の光輪」 は熟成されつつある。

その光輪には、神の子人から選抜された七名だけ入る事を許される。
     その者は、この聖域から二名選ばれた。 
                                 
  土門拳三にマーフィー・ラッセル、その場に跪くのだ。》


     拳三にマーフィー、
     そして、立っていた補佐役達は慌てて全員跪いた。


《 土門拳三、マーフィー・ラッセル両名に対し、聖者の称号を与え、
 我と共に神の光輪に入る事を許す。拒否権は無い。両名共良いな!》


     「「 はは、畏まりました!! 」」


 《 うむ、光輪内では世界中からの祈りの波動を受け取り、
  更にその祈りを増幅させて、
 主神様がおられる最高次元、最奥に送り届けねばならない。

 良いか、今より我と共に富士山麓の待機場所に赴き、
  他の聖者達と合流する。

    その前に、この聖域の皆様に勇姿を見せよ!


     そうおっしゃると、
    二人の体は 五メートル程上に舞い上がり止った。


    《 聖域の者達よ。彼等の顔と名を覚えるのだ。

   二人はまだ若いが故に、聖者としては荒削りな所が多い。
  なればこそ、残された時間内で徹底的に鍛える。

 この鍛えを乗り越えられるか否かは、
 当人達の努力と汝等の祈り次第である。

  だが、失敗は許されない。一瞬の隙も見せてはならない。
  その事を胆に銘ぜよ!

   拳三にマーフィー、まずはスメラミコト、
    次に聖者黒須に目通りさせる故、参るぞ! 》


        「「 ははぁ!! 」」


     ミカエル様は二人を引き連れ、
    皇居内宮中三殿におられる天皇、皇后両陛下と、
   その上空3000m、光の十字架となった
   聖者黒須に目通りさせてから、
    富士山麓に降り立たれました。

     ただ、拳三・マーフィーの顔色は優れない。

   あまりの緊張感とミカエル様の強烈な神気に、
   辛うじて正気を保っているという感じだ。

 彼等は必死で、
 これからの重大なる使命を頭に無理やり叩き込んでいます。

我等も一緒に付いて参りましたが、此処は富士の何合目でしょうか?

南側に面した緩やかな斜面に、
ミカエル様と拳三、マーフィーがおります。

直に、三大天使が他の聖者を連れて参りました。
揃ったところで、ある神様をお迎えするようです。

 すると、上空から眩い光を放ちながら、
 大黒天様が御降臨なされました。

あれ、正神軍司令部での甲冑は御召しではありません。

大黒天様は今まで、正神軍司令部を指揮しておられましたが、
今は他の大神様が指揮しておられるのでしょう。

 四大天使の皆様は、大黒天様の両脇に並ばれました。

  次に聖者から一人づつ挨拶を兼ねて自己紹介をしました。
  

  そして、大黒天様から御言葉を賜るようで御座います。


《 皆の者、大儀である。我は大黒天である。

 汝等人類を代表しての聖者のみ役は、とてつもない重責である。

 故に、しっかり役目を果たせば、
 それぞれ四大天使の弟子となる事を許そうではないか。

 それは地球内部世界アガルタで、
 彼等直々に修行の手解きを受けるということじゃ、
 ふふふ、楽しみであろう。》


   七人の聖者達は、
   大黒天様の強烈な神気と言霊は相当苦しいようです。

   ただ、その喜びようは、
   この場で大はしゃぎしたい衝動を理性で押さえながらも、
   皆、口々に御礼を申し上げました。


《 ところで、拳三にマーフィーよ。

汝等はまだ若いが故の未熟さに加え、
心配事を抱えておる。まずは、その執着心を捨てよ。

 人間の血の繋がり以前に、神の血の繋がりが優先されるのじゃ。

でなければ、人類皆家族など夢のまた夢。
そうであろう我が子等よ。

 とは言え急には出来ぬが世の常じゃ。

ただ、残りの時間内に掴め。要らぬ執着心を捨てねば掴めぬぞ。
他の者も胆に命ぜよ! しかと申し渡したぞ!!》

  「「「 ははぁ!!! 」」」


    大黒天様はうなずきながら ニコッ、と微笑まれ、
    ミカエル様に何かの合図をなされました。


《 さっそくだが、我等がこの場にいることは
 邪神軍に既に察知されている。 

奴等は自衛隊や多国籍軍を使って攻撃を仕掛てくる。

神の光輪が熟成され、
我等がそれぞれの配置に付けば邪魔は出来なくなる。

 故に、我等を直接叩く機会は今しか無いと言う訳だ。
 まあ、何も心配には及ばぬ故、私の言う通りにするのだ。》


  そうおっしゃると、大黒天様を中心として、
  その周りに聖者達を放射状に海側を向いて座らせました。

  天使の四人は同じく海側を向き、東西南北の位置に座られました。

    この陣形で邪神軍を迎え撃つようです。




さて、いよいよ 「神の光輪」 が熟成されるようです。
その光の輪に入る聖者は、なんと拳三とマーフィー。

 次の第二話の舞台は、富士山周辺です。

そこで繰り広げられる、凄まじい霊力を持つ炎の正神と、
愚かな人間の最強軍団との対決をお見逃しなく!


  では、富士の画像をどうぞ ・・・
       


その富士神界は消滅しております。

富士の守護神の役目は今、
木花咲耶姫様から、菊理媛様へと交代されています。

 地球のアセンション計画は大詰めを迎え、
 噴火の大浄化現象は準備万端なのです。

  皆様、大いなる覚悟をもって、
  心と魂の浄化の行にお励みください。


次回は、火の神の筆頭といえる、 
火之夜芸速男神(ひのやぎはやおのかみ)の御登場となります。
またの名を、火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)と申されます。

そして、榛名神社の主祭神の一人、火産霊神(ほむすびのかみ)です。
別名の多い神様なのです。
                    
主祭神、もう一人は奥様である、
植山毘売神(はにやまひめのかみ)「土の神」であります。

お二人共、シリウス神人であります。

 参照は、こちらをどうぞ ・・・ 

開運の神社・パワースポット
http://jin-power.com/modules/todoufuken/index.php?content_id=61

本日、その榛名神社に参拝させて頂きました。
( 2019年2月4日 )

晴れ渡る空から太陽の光が燦々と降り注ぎ、
天の恵が霊・心・体共に染み渡りました。

 それに加えての神社境内の神気は、
 冷気による浄化が加わり、尚一層澄み渡っていました。

榛名神社は榛名山の中腹にあります。

その為、平地よりは3度~5度ほど気温が低いので、
参拝の際には、服装に気をつけてください。

みすずの滝は上から下まで凍結していますよ。

ただ、ここ数日、気温が高いこともあり、
氷の量は例年と比べ、随分少ないですね。

 おみくじは、41番、大吉。

菊理媛様の働きが表された数霊の曼荼羅は、
主に、3方陣、9方陣、81方陣がございます。

81方陣は、別名「 弥勒(ミロク)方陣 」とも言います。



「数霊に秘められた宇宙の叡智」
深田剛史&はせくらみゆき 著 / 徳間書店

  67ページから抜粋

これは9X9マスの中に、1から81までがある法則にのっとり埋まっています。

その法則とは、3方陣の配列が元になっていて、縦・横・斜めのどの列も、
その和が「369」になり、別名ミロク方陣とも言います。

弥勒菩薩の “ ミロク ” ですね。

やがて訪れるであろう “ ミロクの世 ” を繙(ひもと)くのに、
大変重要な働きをする方陣です。

また、9X9の中に「真」「道」「摂」といったものが、
秘められているので「九九の理」、つまり「菊理媛(ククリヒメ)」のお働きが、
表された曼荼羅でもあるわけです。

抜粋終わり


その81方陣では、真中心に「41」の数があります。
この「41」は、最大の数霊力を持つということです。

今年は私にとって去年よりいい年になりそうです。


 下のイラストは、お待ちかねの 「神の光輪」 です。

久しぶりにインクスケープで作成致しましたが、
素人の為、時間が掛かり過ぎです。

しかもこのクオリティー。
いまいちですねェ。



全世界から愛の祈りの光線が「神の光輪」に集束しています。
その「神の光輪」は、凸レンズのような形態をしています。

 イメージとしては、太陽の曼荼羅です。
 如何でしょうか?

大黒天様、天使、聖者の入る場所は、黒い円の中になります。
何故なら、太陽の黒点を現しているからです。

 図らずも黒点に大黒天様が入るということになりました。
 これも神のお導きでしょう。

下記の動画を参照してください。
https://www.youtube.com/watch?v=2HoTK_Gqi2Q

 ただし、何度も申し上げますが、
 全ての惑星、太陽のような恒星ですら、
 内部は空洞になっております。


《 第二章 》 〈 第三話 〉 邪神との対談

2019年02月03日 18時12分37秒 | 小説



ところで現在、悪魔共は、アラスカ州以外のアメリカ国内を使い、
多国籍軍を六等分し、東西二手に分かれての 戦争ゲーム を始めました。

 東軍の大将は、ドルン。 本陣はロサンゼルス。
 西軍の大将はオルゴラン。 本陣はニューヨーク。

アンドラスタを除いた悪魔将軍2人づつが、それぞれの軍に加わり、
3 VS 3 の因縁の決戦が始まったのです。

 巻き添えを喰らった人間の兵士と民間人の皆様の地獄は、
 想像を絶するものとなるでしょう。

ただ我等異色のトリオは、なんと地下深くの邪神の巣窟へ赴き、
私がぁ、 邪神アポフィス と 対談 することに ・・・

ベニ様の御指示により、三十郎様は円座に成りきり、
チカチュウ様は私のポケットの中に隠れることに ・・・


 さて、無害で牙の無いウサギの私が、奴と対談して何を掴むのか ・・・

 皆様は、その様子を私の隣に居るような意識で
 静観して頂きたいと思います。


  《 キャラクター&キャスト 》

邪 神 アポフィス  / ブラ〇ド・ピット
 妻  イングリッド / チャーリ〇・セロン
侍 女 ルリエス   / ジェシカ・アル〇

氏神 : スプリングフィールド (三十郎) ジャン・レ〇
湖神 : ナセル (チカチュウ) キャサリン・ゼータ・ジョーン〇
うさぞう : 信造 : 作者 / 伊藤  敦〇


   

      ( 推奨BGM )

   あこがれ / 愛   ジョージ・ウィンストン 

    






      ここは、邪神の移動地下神宮の一室。



     それにしても、どういう部屋なのだろう?


         床の色は艶やかな漆黒。


       部屋を仕切る壁、認識出来ません。

         天井、判別出来ません。



  果て無く続くような闇の中、床に設置されたスタンド照明が、

  直径二十メートル程の円の縁に、等間隔で十箇所確認できます。


    その照明が、この部屋を柔らかく照らしています。



    照明が照らす物の一つは オーディオセット です。

     我等の目の前にありますから良く見えます。


  大きなターンテーブルが三段ラックの一番上に設置され、

     中段には重厚な真空管アンプが御座います。



       下段には何十枚かのレコードが・・・


  その両脇には、大型のタンノイ社製のスピーカーが御座います。


          中々渋い趣味です。


     そのオーディオセットから二メートル程先に、
       豪華で大型の一人用ソファがあり、

        そこから少々離れた場所、
      若干控えめで小さいソファに女性の姿が ・・・


     ただ、どう見ても後妻や愛人という感は無い。

         単なる侍女と思われる。


      彼女はこちら側に背を向けているので、
      我等の存在は気付かれてはいません。


      その先には 大型の盆栽 が御座います。


      恐らくは真柏(しんぱく)だと思います。

       それも相当年代が経った物です。


  その幹は曲がりくねり木質部が白骨化し、表皮は剥がれています。



  当然、盆栽ですから人為的に形を整えられている筈です。

        邪神の趣味なのでしょう。

        この迫力、優雅さ美しさは

     女性の姿を模しているようにしか思えません。



  強いて言えば、日本画の 「見返り美人」 が当てはまります。

       或いは、ト音記号 でしょうか?

  
      
 その隣には、金属製と思しき艶消しで銀色の額縁が御座います。

   床から細く伸びた先の縦長楕円形という重厚な額縁。


    その額縁の中には、美しい女性の肖像画が ・・・


          油絵であろう、その絵 ・・・


  アポフィスの自作であるそうですが、妻がモデルなのだろうか?


     正面を向いた、金髪の長い髪を旋毛の辺りで束ね、
        その髪を胸の前まで垂らしている。


          額にはダイヤやルビー、
     サファイアが散りばめられたアクセサリーが ・・・


  印象的なのは、彼女の青い目が余りにも情熱的で強い反面、

          悲しげであることだ。



     その大きく美しい眼差しが何を物語るのか?


    ・・・ 真っ赤な閉じた唇が語る事は無い。



         もう一つ印象的なのは、

     この 絵自体が鏡に映っているかのような

       描き方をしている という事だ。


           邪神の心情 ・・・


  絵の中の鏡に閉じ込められた美女の心情 ・・・  実に謎です。


    ・・・ 待てよ。 一つ思い付きました。

         妻が鏡に写っている ・・・ 

    その絵を描く事で、邪神がその絵に相対した時、
      鏡に写った妻はあたかも自分の隣に
      実在しているかの様な錯覚に陥る ・・・


      そんな効果を狙ったのだろうか?


   とすれば彼は相当妻に未練があるということになる。

  ただ如何せん、

そこまで夫に愛されているのに逃げてしまう原因が分かりません。


      これはもう作者に問う他ありません。


       その作者が何をしているのか?


         美女の絵の隣で先程から、
  数種類の色鮮やかなイングリッシュローズが絡み付いた
     パールホワイトのピアノを弾いています。

      この薔薇は床の鉢から伸びた枝を、
直接ピアノの側面に這わせるという凝った作りになっています。

        こんなのは初めて見ました。

         実に見事なものです。


 ただ、同じ曲を何度も ・・・


   何かに憑りつかれたように一心不乱という感じです。

      曲名は、ベートーヴェンの月光、第三楽章 ・・・




      乱れた感情が出ているのでしょう、

   難無く早弾きをこなしてはいますが、
  細部の微妙な表現が曖昧になり、

荒々しく叩き付けるという印象しか残りません。

表情は、若干斜め後ろ向きなので読み取る事は出来ません。

ですが、悲しみの波動の音霊が嫌と言うほど
 私の胸に突き刺さって来ます。


  このやり場の無い感情を、
   絵の中の妻に聞かせているのだろうか?


    彼は暫くして、鍵盤を バアン!! と叩き付け、
    そのままの姿勢で放心状態になってしまいました。


   見兼ねた女が歩み寄り、邪神に声を掛けました。



【 アポフィス様、休憩なされては如何でしょう。
 コーヒーをお持ち致しますので ・・・】


【 ・・・ そうか、済まない ルリエス。頼むよ ・・・ 】  


   彼は、力無く答えた。


【 では、少々お待ち下さいませ。】


  彼女が振り向いたその瞬間、我等の姿が視界に入ったようだ。

   キャアッ! と叫んだその驚き様は、無理からぬ事であります。

   何故なら、我等は気配無き侵入者なのですから ・・・


  だが、邪神はそうでも無さそうだ。

ハ ッ! としてこちらを向くと、首を横に振り苦笑している。

つまりは想定内であり、観念しているという事であろうか?


彼は、ゆっくりとした歩調でソファに座り足を組みました。

そこで溜息を一つ付くと、こちらを向き、
 鋭い眼光で私が何者かを探っているようです。


   私には、強烈な邪気による視線が突き刺さって来ます。



    静寂の中、奴が口を開きました。



【 ・・・ 僕はアポフィス、大悪党の党首だ。
       フッ、それでウサギさんの名は? 】


「 関口信造と申します。 訳有ってこのような姿ですが人です。
 正神の命により、失礼ながら勝手にお邪魔した次第で御座います。」


【 ・・・ 円座に座ったウサギの人魂か? 変わった刺客だな。

 まだ猶予期間は残っているが、どうぞ僕は抵抗はしない。
 何時でも拘束してもらって結構だ。】


「 いえ刺客ではありません。
 あなたと対談をせよとの仰せで参ったので御座います。」


【 対談だって? 何故かねぇ ・・・

 そうか君に対する神試し神鍛えの為、ここに送り込んだ。
 曇り無き霊眼で問題の本質を見抜け、とか言われたか?

 ・・・フッ、まあいい。ルリエスよ、コーヒーを彼にも ・・・

 それと、いつもの曲を掛けてくれ。】


【 はい、畏まりました。】



  彼女は慣れた手つきで、レコードをターンテーブルに乗せると、
   静かに針は落ちていった ・・・ 懐かしい光景だ。

     彼女は邪神に会釈すると、フ ッ、 と消えた。


      むっ、この曲は ・・・ マイルス だ。

     


          ( BGM ) 

       ラウンド・ミッドナイト / マイルス・デイビス 


 

 ゆっくり、ゆっくり、写真を眺めながらスクロールしてください。

 でないと、曲と文面が同調しなくなりますので ・・・


 苦肉の策であります。



私は、ここの世界の創造主ですが、まだ不完全、未熟なので、

 

 ご容赦ください・・・


 





       ジャズの帝王、初期のナンバーか ・・・


     凡そ五十年前の曲、ラウンド・ミッドナイト。



  あなたジャズはお好きですか?


 好きか否かに係わらず、お聞き頂く他ありません。

何せ邪神の選曲なのですから ・・・


ただ、これは彼が操作したのか、先程より照明が落ちました。

その邪神 ・・・ 身動ぎもせず項垂れたまま、何も語ろうとしない。


 私を気にする余裕など、もはや無いようだ。

  思念想念といったものは、虚無の世界にあるのだろう。


    その虚しさを癒すものが、この曲ということだ。




   この曲は、トランペットのマイルスとテナーサックスの

   ジョン・コルトレーンとの掛け合いが絶妙なのだが ・・・



  























       






 成る程、今の邪神の心情に当てはまっているようだ。


序盤のマイルスのミュートという消音機を装着したペットの音は、

人のハスキーボイスに良く似ている。



 差し詰め、アポフィスの良心の声を代弁しているかのように ・・・





    『 僕の今までして来た事は、やはり間違っていた ・・・



    だが、もう取り返しが付かない ・・・



   甘い汁を吸い、快楽を追い求める自堕落な理想郷の中で、

  感覚は麻痺し正気を失ってしまった。


 そこから抜け出すことは出来ないんだ。


責めるなよ! しょうがないだろ!


もう遅過ぎるんだ! どうにもならない ・・・



 もはや夢も希望も無い。自業自得だよ。



  笑うんなら笑ってくれ ・・・


   同情など惨めになるだけさ。



     そう、今は覚悟を決めるだけ、覚悟ってやつをね・・・』












     その良心の声に反発するように、

    アップテンポのコルトレーンのサックスが語り掛ける ・・・


















『 おいおい、この期に及んで何だ。女々しいぜ!

   悪の帝王なら、それに相応しい最期ってものがあるだろ ・・・



    そう、己の信念を曲げるな。 


    最期まで、最期まで突っ走れよ。

   その方がお前らしいぜ ・・・

  嘆くな後悔もするな! 邪道を貫け!!


 これじゃあ、手下共に示しが付かないぜ。


正神や己の手下にも笑われ、そのうち忘れ去られる。


 分かっていただろう。


  それを承知で突き進んで来た。


   だから、クールに飛び込めばいいだろう、

   皆を従え紅蓮の炎の中へ ・・・


  さぞかし、さぞかし気分が良いだろうぜ!


それで悲鳴の合唱は不協和音となり、全次元に響き亘るだろう。


  上にいる奴等は、きっと耳を塞ぎ顔を顰める。

    ははは、そういう運命、宿命なのだよ!


     フフフフ、惨めだねえ ・・・ 』






















  


  


   その悪心の声に、良心らしき声が力無く返す ・・・


























   『 言ってくれるねえ。

    僕はそんな気にはなれないよ ・・・


    残された時間はもう無い。タイムリミットだ!!


   お遊びの時間はもう無いんだよ ・・・



 もうたくさんだ! 構うなよ、一人にしてくれ。


何も思い付かない、考えられない、ただ静かに時を迎えたい、



来たるべき時を ・・・ 静かに ・・・


 それが僕の最期の望みだ ・・・』






  異論反論あるでしょうが、あなたも想像してみて下さい。

      極悪非道を行い、自ら指揮し又、

  残虐な手下を野放しにした邪悪なる帝王の最期の心情を ・・・


     


        ( 推奨BGM ) 

        エリック・サティ作曲  
             グノシエンヌ  第1番 (演奏者不明)





 


  


      彼の思考は止まったままのようだ。


    私は素直な疑問をぶつけた。


「 アポフィス様 ・・・ あの絵と言うより、
 鏡の中の美女は何を言わんとしているのでしょう?」


【 フッ、無言で僕を睨んでいるのだよ。
 彼女の名はイングリッド。僕の妻だ。】


「 ・・・その、奥様はどちらへ?」


【 ここにいる。】・・・ 居る筈がない。 気配すらないのに・・・

「 こ、こことは?」


【 あの盆栽、真柏という。

  今年で丁度1000年になる。

   彼女はその真柏に憑依し850年余り。

   あれから一度も、一度も出て来てくれないばかりか、
   一言も発しないのだ!

   夫婦なのに ・・・何度も説得した!
   出て来てもう一度話合おうと・・・

  だが、それは叶わず今日に至ってしまった。】  



   彼は素直に話してくれた。

   それにしても謎だ。


「 そもそも何故、盆栽に憑依し
 心を閉ざされてしまわれたのでしょう?」


【 全ては 約5万3000年前、

 「 全宇宙のアセンションの大祭典 」 という

 大々的な宣伝が全宇宙合意の元で行われたことが原因だった。

  その時点で既に邪神に堕ちていた僕と妻は
  強烈なショックを受けた!

 そして最も恐れたのが、そのアセンションが完了した時、
 正と邪が完全に二極化され、邪道を選んだ者は裁かれることだ。

  何れ宇宙刑務所行きか、
  裁きの死を迎える他無い我等は絶望した ・・・

 故に、妻は主神様にお詫びをして、その証を立て、
 正神に復帰出来るよう力を合わせ精進しよう等と ・・・ 】


「 では、あなたは奥様の深い御愛情に答えなかったのですね。」


【 フン、その通りだよ。 僕にどうしろと?

 どの面下げて正神や、主神様にお詫びしろって言うんだ!
 もう好き放題やって来た癖は治らないし、治す気も無い。

 下座だのお詫びに感謝だの。
 下っ端の神や人間にすらやれって言うんだ!

 そんなことは僕のプライドが許さないよ。】


「 では、奥様はそのプライド、
 我と慢心を捨てようとしないあなたの態度に腹を立て、
 盆栽に憑かり無言の訴えをした。
 ということでしょうか? 」


【 ああそうだ。その通りだ!

 彼女の意志は強くてね。頑固だよ。

 言いたい事は分かるが、
 この僕の地位と権力は手放す訳にはいかない。

 絶対嫌だ! 嫌なんだ! 惨めな負け犬になるのは御免だ ・・・
 帰ってくれ、不愉快だ!


 もう話す事は無い・・・】


   そう言うと、彼は激しく頭を掻き毟った。
   そして、妻が憑り付いた盆栽に縋り叫んだ。


イングリッドォー! イングリッドォー! 頼む最期の御願いだ。

 出て来てくれ。頼む、顔を見せてくれぇ ・・ た、頼 む ・・・ 】


     悲痛に泣き叫ぶ声は、彼女に届いている筈だ。


    だが、850年も自分の意志を貫いて来た彼女には、
   自分勝手な願いが通じることは無い。

 何故なら、
先程から自分は最期まで変るつもりは無いと
宣言しているのだから ・・・


彼女の方が、毎日この堕落した夫を見て、泣き叫んでいたに違いない。

 故に気の毒でならない。


  いつのまにか現れたルリエスが、肩を震わせ泣いていた。


    気付くと、目の前が霞んで来た。

     もう、地上へ戻るということなのだろう。


         さようなら ・・・ ただ、ただ虚しい。




《 第二章 》 〈 第二話 〉 戦争ゲーム ( 後 編 )

2019年02月03日 13時08分38秒 | 小説


 遂に始まった正邪の最終決戦!

邪神軍は、主神が封印を解いた 「 造化の業 ぞうかのわざ 」 を悪用し、怪物を産み出しました。
第一の怪物は、ゴジラ の紛い物。
第二の怪物は、金銀財宝を散りばめたキングギドラ!

その後、世界中に発生した化物は、官庁や公共、軍事施設を除いて破壊しつつ、
次第に合体融合し、七体になりました。

化物の体長は優に3000mを超えています ・・・ 体重は一山分!

邪龍の原料は、強欲という邪気満載の人間と動物の、
魂と肉体により構築されています。

 ただし、何故かアメリカだけは邪龍は発生せず、
 人間も動物も無事なのでした。

  下らない邪神軍の策略に翻弄される人間達。
  これから味わう地獄は想像を絶します!

    ただ現在、悪魔共は休戦中のようです。
    その悪魔共の度を越した戯れを御覧ください!




         ところでドルンにドリル、
    スパナに阿修羅少尉というロボットや男女一体人間は、
        つまりドルン配下の科学者、
   きっと名前は ドクター ・ ヘル ( 地 獄 )でしょう。

    そのドクターが生態実験で作り上げた本物なのか?
  世界中から選ばれた科学者を扱こき使い、研究開発をさせたのだろう。

    ただ実際、狂った正規の科学者が恐ろしい研究を、
   金儲け&人類の為 だと胸を張って推進している現状を、
    良くマスコミ報道で見聞きしております。

      既に存在する 人間クローン に始まり、
     人造人間 や 動物と機械が合体したような
    無感情、無痛兵器 が近い将来誕生することでしょう。 

          あ~こわいこわい ・・・

     その 無痛 ロボ悪魔 が マシンボイス を発した。


  「 みなさん、俺様の持て成しに御満足のようで何よりだ。
   では、そろそろ用意が出来ましたので本題といきましょう。
        阿修羅少尉、始めてくれ。」

「 イエッサー、ドルン将軍!
 お集まりの皆様、お待ちかねの爆笑短編映画を上映致します。
 では、中継のイカした スーウパーアマ~~ン、後はお任せ致しま~す!」

   「 おいおい、何言ってるんだ。 あしゅしゅ・・・?!」


           どういう事?

 何か御機嫌ハイテンションな 金髪のスーパーマン が画面に現れたら、
 ロボ将軍が慌てている。


      ( 推奨BGM )

 プリンシス・オブ・ザ・ユニバース ・・・ クイーン  

 https://www.youtube.com/watch?time_continue=2&v=RnrXiaPVeHY  





   そのスーパーマンはカプセルのような狭い個室で、
 椅子に座ってと言っても、まるでF1のコクピットのようだ。

 しかも彼は、四点式シートベルトにしっかり固定されている。
   それで目の前のテレビモニターを見て笑っている。

        何なのこの茶番は・・・?


    (( 御苦労だった リッグ中佐。
   もう、そんな継ぎ接ぎの肉塊から出ていいんだ。
    臭かったろう ・・ ああ、こっちの話だよ。

       いや~あ皆さん御機嫌よう!

     しかし、この投稿ビデオ最高だねぇ。

   バクストが右足の爪先を出そうとした瞬間に、
    3センチ程地面のタイルを迫り上げた
     スパナ軍曹の妙技、たまらないよ。

  ペンチ少佐の合図もグッドタイミングだったねぇ。

   しかも撮り立てホヤホヤなのにグッドな編集で、
    効果音と音楽がバッチリ決まってるとは ・・・
    流石はドルン将軍の部下だけの事はある。

         実に見事だよ!

 ただネェ、みんながこんなに仲良しだとは知らなかったよ。
        僕だけ仲間外れなのかなあ。
  でも心配御無用ですよ、僕は根に持ったりしないから。

   フッ、では皆さんごゆっくり一日遊んで下さい。

 それから、午後 6 時 のホワイトハウスでの晩餐会 には、
         遅れないでくれ給え。

       ああ自己紹介いる? いるよね ・・・

わたくしが、アポフィス様、サタン様に次いでイケメンで有能な悪魔、
        アンドラスタ様であります!

       ムフフフフ、では アディオス!

  尚、この画面は自動的に消滅する。さ~らばだ諸君!! ))


         言い終わらないうちに皆、
       蜘蛛の子を散らすようにその場を離れた。

    当然、ドルンとドリルは鈍いので、
   ちょっと後ろを向いたに過ぎなかった。

  しかし画面には、ピカッ、ズドーーン!! と、
  水爆の爆発シーンが映っただけであった。




   バクストは一番ビビッていたが、
    ビルの陰から顔を覗かせ喚き散らした。


「 ふざけんな、あの野郎、ぶっ飛ばしてやるぜ! 出て来やがれ!!!」


    すると直ぐにまた、あの野郎 が映った。


    (( 何か言ったかねバクスト君。

  司令官に対して無礼だね。口には気を付けるんだ。
  それに残念だが直ぐには出て行けないんだよねぇ。
        何故かは言えない。

      ククク、では本当にさらばだ ・・・ ))


        奴は画面から消えた。

    ただ、みんなその場から走って逃げ始めた・・・ どして?
    あっ、何か嫌な音が遠くからしている。

   たぶん、間違いなく ミサイル だ!!
   しかも、有りっ丈という感じである。

 うわあ、来た来た~! こりゃあ皆殺しだぁ ・・・ 
 酷いですね~ 悪魔って ・・・

近くのビルを含め、トレーラーを中心半径百メートル一帯に、
ミサイルの雨が降り注ぎました。




 このミサイルは 巡航ミサイル、トマホーク のようです。
 アンドラスタが指示したのであれば、
 予めトレーラー周辺に目標がセットされていたのでしょう。

そのミサイルの姿は、白い翼を広げた堕天使の群れのようで
余りに皮肉が利いています。

 アメリカ陸軍を買収でもしたのかなぁ~?
 それとも、クラウドの許可を得たのか?

仲間外れにされた事を 「 根に持ってはいない 」 とか言うのは、
やはり嘘なのでしょう。

  この悪ふざけにしては余りに酷い憂さ晴らし、
  度が過ぎるというものです。

    それとも軍事演習なのか?

  ただ辺り一面爆発炎上からの煙で覆われ、
  どのような被害かは分かりません。

勿論、悪魔共も魂は無事な筈です。
ただ、肉体がどうかという事です。

 あ、私等は肉体がありませんので、心配御無用で御座います。  

  しかし、私の肉体は大丈夫かなぁ、セコムしてないし ・・・
  確か、自宅で居眠りをしていたら十和田湖にいたんだよなあ ・・・

あれって、スミレ様から十和田湖に、
魂だけ招喚されたんだろうけど ・・・ 

 しかし空爆に因る破壊は、
 見た限りに於いて人間の肉体を無事に済ませてはくれないでしょう。

  ようやく粉塵が地面に降りて、視界が開けてきました。
  うわぁ道路は崩れたビルの外壁やガラスの破片で一杯です。

 私の推測に因れば、無事なのは軟体金属?
 じゃなくて流体金属のような スパナ軍曹 と、
 何が素材なのかは不明だが、頑丈な体の ロボ悪魔二体 であります。

あれっ? 横転したトレーラーの中から、
あのスーパーマンが飛び出て来ました。

     何故だろう?

  もしかすると最初から、
 トレーラーの隅の頑丈な一室に潜んでいたのかもしれない。

それでモニターで中継を見ながらほくそ笑んでいたということだ。

だから阿修羅少尉の魂を何処かに拘束し、
代わって己の部下のリッグ中佐に憑依させた。

それで、ドルン将軍の投稿ビデオも直ぐに見られるようにした訳だ。

 全く、何て奴だ!

   その奴は得意気にコームで乱れた髪を整えている。

        あほらし ・・・


     「 おいおい、自分で言うのも何だが、
      ちょっとやり過ぎなんじゃないか?

    はははは、それはともかく超合金カプセルに
       非難しておいて良かったな。

        備えあれば憂い無しだ。

 治にいて乱を忘れずに~ の精神は~♪ 悪魔で~も必要だぁ♪
       油ぅ~う断大敵雨アラレェ ♪・・・
   でぇ~わぁ奴等に恩でも売ってぇおこうかなぁ♪ ・・・

    ただなぁ、これじゃあガラクタ親父しか
    生きちゃいないだろうねぇ、やれやれだ。」


   彼は悪魔の長官らしい美声と台詞を吐いた後、
  瓦礫の中からロボ悪魔二体を部下達に救出させました。
 多少損傷はあるようですが動くようです。

アメーバロボのスパナ軍曹はやはり無傷でした。
ヘラヘラ笑って御機嫌です。

ところで他の悪魔が憑依した肉体は耐えられなかったようです。

怒りを堪えた将軍達と、その手下、
そして巻き添えを喰らって死んでしまった幽霊が、
 金髪スーパーマンの周りに集結して来ました。
  皆、血だらけで気の毒極まりなし! はあ~あ ・・・

   ところが、その怒りの矛先の当人は悪びれた様子も無く、
    皆に向かって ニヤリ と、白い歯を光らせました。


     「 やあ、みなさん御無事で何よりだ。
     流石は悪魔の代表、天晴れで御座いますよ。

    ところで、わたくしの座右の銘を御存知かな?」


【【【 ジ ョ ー ク は ど ぎ つ く 美 し く ーー!!! 】】】


     「 ははははぁ、君達は実に素晴らしいよ!

    お~い、そんな熱視線を送らないでくれ、
   頭がクラクラするじゃないか。

 では、僕は晩餐会の準備があるので失敬するよ。

 勿論、みなさんの怒りが静まるような、
  取って置きのお持て成しをする為でありますらからぁ、
   乞う御期待あれェ ・・・ 

       ア~ディ オ~ス、アミーゴォー ・・・ 」


     こいつはやはり腐れイケメンだ。

   そして、さっそうとというか、
  え~あまりスピードは出ていませんが、
   空の彼方へ飛んで行きましたとさ、めでたしめでたし ・・・

     あ~ただ、怒りの罵声を浴びながらである事は、
     言うまでもありません。

    あれっ、おかしな事にグリオスとフレッタは妙に感心している。
   その羨望の眼差しは何故だ?
  ドギツ過ぎる演出に感銘でも受けたのか?

   何れにしても、あなた方は特に狂っています。

      自覚して下さい ・・・ も~やだ ・・・



        ( 推奨BGM )

   ショパン: バラード 第1番 ト短調 作品23
         ポリーニ 1999

     (11) Chopin: Ballade No. 1 In G Minor, Op. 23 - YouTube





         日本時刻、現在午後十一時。
        ニューヨーク時間、午前八時。


     次に奴等が何をしたのか?

  まず、それぞれの将軍配下の部下が加わり、作戦会議を開き、
  各国の軍団を六等分しています。

   但し、中心となる軍はそれぞれ違います。
   故に、陸・空の兵器と装備も違ってきます。

    海軍は使わないようです。
    何故なら、各国の海軍は日本に集結しているからです。

  その後、アンドラスタを除いた六人の悪魔将軍は、
  驚くべき事にジャンケンを始めました。

それで、六等分した軍団の割り当てを決めたのです。
更にジャンケンをし、三対三に分かれました。

       結局、何をしたいのか?

   つまり、アラスカ州を除いたアメリカ国内を使い、
 東西二手に分かれて、実戦の戦争ゲームをしようというのです!

ルールは、邪龍や霊力は使わず、
通常兵器のみの使用で敵将の首を取った方が勝ちという、
単純明快なものです。

  ただし、敵将の首を持ち帰ることが絶対条件です。

    故に、ミサイルで ドカン! は無しです。

       激戦必至の戦争ゲーム!!

      大将は、人間の兵士をどう騙して
  士気を高めるかの手腕を問われることになります。

   制限時間は午後四時半までとなっています。

何しろ、それまでの戦況を有りっ丈のビデオカメラで撮影し、
編集を六時の晩餐会までに間に合わせ、
酒の肴にしようという計画なのですから・・・

それ故、撮影隊を誤爆した場合、
 当人と指示した上官は、その場で処刑されてしまうそうです。
  悪魔が相手なのですから、嘘やごまかしは100% 通じません。

   もう一つの注意点は勿論、
  全米五箇所の 「神の光玉」 を避けることであります。

それは遊びで無駄に戦力を失うこと等、
愚の骨頂であるからに他なりません。

ただ、時間内に勝敗が決しなかった場合は結局、
将軍六人のジャンケンに因って決められるそうです。
これは、サッカーの熱戦後のPKみたいで嫌でしょうねェ。

 この晩餐会には勿論、主催者であるサタンが憑依したクラウドと
  アンドラスタを筆頭とする七大悪魔、
   そして騙された各国首脳とその家族が列席されるそうです。

    お気の毒な事ですが、もう逃げられません。

  ところが、邪神アポフィスの名は出ませんでした。
 遠慮でもしたのか?


因みに東軍 は、オルゴラン、バクスト、シアニード。

 大将は オルゴラン。
  そして本陣はニューヨーク。


   何故か自由の女神周辺の攻撃は厳禁との事です。


西軍は、ドルン、グリオス、フレッタ となりました。

 大将は ドルン です。
  そして本陣はロサンゼルス。


   それで、ゲーム開始の時間は午後零時と決まりました。

 何故、四時間後なのかといえば、それぞれの軍隊の移動時間と、
 多国籍軍化した軍の指揮系統の統一、
 それらを踏まえた作戦会議が必要だからです。

オルゴランとバクストは、二人だけでヒーロー遊びをする予定でしたが、
他の連中に邪魔されるので、しぶしぶ付き合う事にしたようです。


「 ところで私達はこれからどう致しましょう?」

《 そうじゃな、
 こいつ等の戦争ごっこを見ていてもアホらしいからのう ・・・
 あれ、あの鳥は ・・・?》   チュッ?


  あっ、パタパタと波状飛行をする小さな鳥が ・・・ べ、ベニヒワ様?
  それで三十郎様の、止まり木と化した角に止まられました。


《 チュチュ、ほほほほ、久しぶりじゃな。
  今朝は世話になったのう。
   挨拶が遅れたが、身分は訳有って明かせんから勘弁してくれ。
    名はベニ様で良い、宜しく頼んだぞ。》

《《 はは、こちらこそ宜しく御願い申し上げます。》》

「 私も宜しく御願い申し上げます。」

《 おお良い良い。
  ところでな、わしは今まで地球の隅々まで見て周っておったが、
   地上だけならおぬし等の力でも行けるから、
    どうじゃ、邪神の所へ行ってみては ・・・》

《 何と、我等全員で行かせて頂けるので御座いますか?》 チュウ?

《 勿論じゃ。 ただ、スプリングフィールドは円座に成り切り、
  ナセルは信造のポケットに隠れていなさい。
   であれば気付かれはしない。

     そして、信造が邪神と対談するのじゃ。
      どうじゃ、出来るかな?》

「・・・はは、出来まする。 
 ただ何を話せば宜しいので御座いましょう?」

《 奴の言動からの波動を通して、問題の大局と本質を掴め。
  話す気が無いようならそれまでじゃ。

   それでも、おぬしの五官と霊眼で掴むことは可能な筈。
    これも鍛えと想うことだ。
     しかと申し渡したぞ。》

「 はは、仰せのままに致します。」

《 うむ、では送ろう。奴は地下のマントルに潜んで居る。
  そこまで次元光廊で一瞬に奴の部屋まで繋げるから、
   直ぐに心の準備をするのだ。

    では二人の神よ彼を頼んだ。
     わしはここで見ておるから頃合を見計らって連れ戻す。
      良いな。》

《《 はは、畏まりました。》》

   「 畏まりました。」

      凄い事になった  ・・・ こりゃあ血が滾る。



( 執筆当時の作者時間 ) 
  二〇〇九年八月二十日(木) 午前二時四十五分

      




   あ、さてェ ・・・

アメリカ国民の皆様、並びに多国籍軍の皆様には、
究極の災難が待ち受けています。

 悪魔共の戦争ごっこに駆り出されるとは ・・・
 謹んでお悔やみ申し上げます。

そして私には、究極の対談が待ち受けています。
「 邪神との対談 」 ・・・ 果たしてどうなるものか?

  乞う御期待!!!


 そして、今日の一枚 ・・・ プレアデス星団 = スバル。
 現在は、夜空に輝いているのです。
 8倍の双眼鏡でもハッキリ見えますよ!

その星団の第一惑星 アルシオーネは、
木花咲耶姫様(このはなさくやひめさま)が守護神なのです。

参照、ウィキペディア ・・・ プレアデス星団
https://ja.wikipedia.org/wiki/プレアデス星団

こちらでは、アルシオーネをアルキオネと表記しております。

皆さんも窓から、あるいは外に出て星空を観察しては如何でしょう?
宇宙は夢とロマンに溢れていますねェ ・・・



 ソンブレロ銀河
 

 M51銀河
 

 星雲 名称不明
 





 


《 第二章 》 〈 第二話 〉 戦争ゲーム ( 前 編 )

2019年02月03日 12時28分49秒 | 小説



   《 キャラクター&キャスト 》

( 邪神軍団 )

総 帥 サタン (ルシフェル/クラウド) アントニオ・バンデラ〇

「 七大悪魔 」

司令長官 アンドラスタ / ジョージ・クルー〇ー
  中佐 リッグ    / ケビン・コスナ〇

 将 軍 グリオス   / アンソニー・ホプキン〇
 将 軍 オルゴラン  / トミー・リー・ジョーン〇
 将 軍 バクスト   / ウイル・スミ〇

 将 軍 ドルン    / ウェズリー・スナイプ〇
  大佐 ドリル    / ダダッダッダダ? 勿論あの方です。 
              シュワアアアちゃ~~ん!?
  少佐 ペンチ    / エディ・マーフィ〇
  少尉 レンチ    / アンデー・ガルシ〇
  少尉 阿修羅    / ヴァンサン・カッセ〇 &
              ミラ・ジョボビィッ〇
  軍曹 スパナ    / ジム・キャリ〇
  博士 ヘルメット  / ジョニー・デッ〇

 将 軍 シアニード  / アンジョリーナ・ジョリ〇
 将 軍 フレッタ   / アン・ハサウ〇イ

    出稼ぎメイド  / AKB4〇? それとも欅か乃木か?
    イケメンホスト / バックストリート・ボーイ〇? 
              んん~~、ちょっと古い!
          止めといて、ジャニー〇選抜メンバー48?


  これから、人間を含む邪神軍団の大抗争が勃発致します。

    いや~~、大変お見苦しいとは思いますが、
   最期まで見届けて頂き、笑ってやってくださいね!

  とは言っても、このお話も長いので二分割と致します。


          《 推奨BGM 》

       イニュエンドウ ・・・ クィーン

https://www.youtube.com/watch?time_continue=10&v=cpys1c3jCNs







     ここは、ニューヨークで御座います。
     辺りは鈍色(にびいろ)の雲に包まれています。


     日本の日時は、十九日午後十時。

   日本とは、約九時間程の時差がありますので、
   ニューヨークでは翌日の午前七時になります。

  え~、つまりややこしいのですが、
  日本では開戦から十五時間経っていますので、
  ニューヨークでは逆算すると、
  前日の午後四時が開戦時刻となります。

 ただ、神様の脳ミソというか想像の世界では、
 時間の概念はどうなっているのだろう?
 これは、きっと人が考えても理解不能でしょうねえ ・・・

   何しろ、太陽系外の宇宙の時間軸は違っているそうです。

   更に言えば、

    「 宇宙には始まりも終わりも存在しない 
     あらゆるすべてが 永久永遠に循環している 」

 これは宇宙根源の 「生命の樹」 の 3 柱の一つ に記されたものです。

 この情報は、K さん からのものですが、K さん 曰く、
 ひまわり銀河のアカシック・レコードからダウンロードされたそうです。

  「 宇宙の謎に挑んでみよう!」参照

  つまり時間に限らず、過去と未来の関係も直線的ではなく、
  循環していることになります。

 そのことを踏まえれば、以下の事柄も納得できるかもしれません。

  地球のアセンデッド・マスターや多くの神々や天使達は、
  時間や空間を超越した存在であるそうです。

 それと同時に、一度に何万人に助けを求められても、
 瞬時に全ての人のそばに現れることができるとのことです。

  ただし、何度も申しますが、

  「 人間の99%の努力に対し、神は1%報いる!」

とはいえ、いつでも祈って助けを求めることが悪いことではありません。

 神と天使との絆を深める為に、
 気軽にお願いしたり、日常の報告をしたりしてみましょう。

 そうすれば声が聞こえるようになったり、後押しや手助け、
 または、何らかの形でお示しを下さるでしょう。

   余談はここまでとします。


では、三十郎様が作成された「 悪魔名鑑 」を元に、
まだ紹介していない悪魔と共に、まとめて邪神軍団の御紹介を致します。

   ただし、私の脚色が入っておりますので御了承下さい。


     《 邪神軍団 》

「 邪神 アポフィス 」
 特徴 : 身長二メーター三十、プラチナブロンド、腐れイケメン。
     負けず嫌い、プライドが高い、臆病、女々しい。
 趣味 : ピアノ演奏、作曲、指揮、絵画、盆栽、芸術全般。
 備考 : 逃げられた妻は行方不明。

「 総帥 サタン 」
 特徴 : 黒の長髪、痩せ型、長身、腐れイケメン。
     銃乱射狂。邪神軍の全権を持つ。クラウドに憑依中。       

「 司令長官 アンドラスタ 」 
 特徴 : 金の長髪、痩せ型、長身、腐れイケメン。   
     冷徹、超自信家、超ナルシスト。『 フェンシングの名手 』

「 将軍 グリオス 」
 特徴 : 金の短髪、中肉中背、超無口、超派手好き、超残忍。
     色情狂。『 絶倫親父 』 の異名を持つ。

「 将軍 ドルン 」
 特徴 : 黒人系、短髪、長身、無口っぽい、機械好き。発明家。
     刀剣と武器マニア、超残忍、無敵の改造人間開発中!

「 将軍 オルゴラン 」
 特徴 : 黒の短髪、中肉中背、多少無口、天然ボケ。
     親日家。ポーカーフェイス。
     多少温厚、でも逆らう奴には容赦無し!

「 将軍 バクスト 
 特徴 : 黒人系、丸坊主、長身、耳が大きい、ラッパー、楽天家。            
     かなり幼稚。誰にでも突っ込む。小心者。
     常に口と手足が動いている。『 歩く騒音 』 の異名を持つ。

「 将軍 シアニード 」

 特徴 : 栗色の長髪、ド派手、全身を女の武器で武装。
     超残忍。超自信家。破壊狂。『 鞭の名手 』

「 将軍 フレッタ 」

 特徴 : 金の長髪、超少女趣味、超天然、超幼稚、超自己中。
     いつも笑顔だが極悪非道。
     日本のアニメのコスプレが好きである。
     部下と着せ替えゴッコをするのが趣味。

   座右の銘 : 『 楽しく可愛く完璧にぃ~ ! 』 ? ブ~。


 え~、突っ込み所が多過ぎますが、この辺に致します。

 では堕落した人類を魔道邪道、
 そして地獄の業火へ道連れにする様を篤と御覧あれ。


 さて、アメリカに出現した 「神の光玉」 は 五つ であります。

  ところが、この国の人間は何と「神の光玉」内の者以外、
  誰一人として死んではいないのでした。

 その為、邪龍は発生せず、聖者は偽善者の極悪非道侵略宇宙人になり、
 その他の話もでっち上げという、とんでもない状況にあるのです。

このようにクラウドのアメリカ人優遇策は功を奏し、
国民は優越感に浸り、
曲がった正義感に燃えているのです。

  「 我等アメリカ国民こそ、神に選ばれた民族だ。」 と ・・・

   これにより、邪神軍クラウド様の支持率は、
   百パーセントを超えているかもしれません。

人間世界を邪神軍支配の世から解放するクラウド様万歳であります。

       恐るべし邪神軍の悪知恵!

その為、全米で軍や民間人が完全武装し、五箇所の神の光玉を包囲して、
その中に拘束された同胞達の解放を訴えているのであります。

  但し、言うまでもありませんが、光玉には百メートルは離れ、
  攻撃してはならないとの命令がされています。

   何せ危ないですから ・・・ 全く、とんだ茶番だ。

  そのような事情により、
  訴える手段はヘリやセスナからの拡声器による呼びかけ、
  または横断幕を垂らしたりと限られてはおります。

 これでは聖者や補佐役、群衆の皆さんは祈りに集中出来ません。

 当然、富士の 「神の光輪」 に送る
 「光の帯」 の光が弱く細くなってきています。

中には、光玉外からの呼び掛けに、主神様への信仰心が揺らぎ、
外へ出てしまうという人が数百人程出てきています。

  一度出れば、二度と入る事が許されない聖域なのですが ・・・

    憐れです。

因みに光の帯の特性は、中継をせずに日本の富士上空に送られます。

故にアメリカの場合、聖者の光の十字架から地中を貫き、
太平洋の下を通り、神奈川県付近の地面から放出されて、
富士上空に繋がるということになります。

地球儀は売っておりますので、どこぞの店でお買い求め下さい。
勿論、大きい事に越したことはありませんが、節約は大事です。

また、グーグルアースなどでイメージ力を高めることもいいでしょう。


  さて、この国の権勢欲、金銭欲、物欲と戦好きが
  他国より勝るという事は、
   過去も現在も含め世界共通の認識と言えます。

  それらが、この事態を招いた要因の一つなのです。

     酷評をして申し訳御座いません。
   それらの悪癖が形になるとどうなるのか?



         『 演 目 』

    1、アメリカ全土を使って遊んじゃおう!
    2、アメリカン ヒーロー大集合!
    3、戦争は世界を平和にするぞ~!

  以上の三本立てというか、まとめてお送り致します。


         (キャスト)

   邪神軍団総出演、多国籍軍人、民間人総出演。







      ニューヨーク時間、午前七時。

    ここは、ニューヨークから百五十キロ程北西に位置する、
    ペンシルヴェニア州スクラントンという街です。

  その街の洒落たオープンカフェに、二人の男の姿が見えます。
  黒いスーツの上下に黒革のコート、それに黒いサングラス。

この二人は、オルゴランとバクストが憑依しているのですが、
自分の魂の姿と瓜二つの人間を選んだようです。
この場合、憑依と言っても完全に肉体を支配しているようです。

 バクストはエスプレッソを注文し飲もうとしていますが、
  オルゴランがコートの内ポケットから
   出した物が気に入らないようです。


「 あのなあ、ただでさえ正神軍が太陽隠しちまったから
 薄暗くて気持ちよくモーニングコーヒー飲めなくて
 苛ついているところに来て
 あんたの飲もうとしている物は何だ!」


      パキャッ!


   「 日本の缶コーヒーだ!」 ぶ ~~~ っ!


「 馬鹿言うなよ、カフェで? ・・・ 缶コーヒー飲む奴がいるか?
 しかも、持ち込みだぞ。

 いくら悪魔だからっていっても人間の体拝借してるんだから
 羞恥心位湧くだろ。

 周りの客がこっち見てる エエ~って、
 おいっ、そこのイカレタ お前、ちくるんじゃねえぞ! ボケが!!

 それに店員に気付かれたら、せっかくの朝食が台無しだろ。」


「 悪いと思ったからハムサンド頼んだろ。
 それより、お前も飲むか? もう一本あるんだ。
 缶でも馬鹿に出来んぞ。」


「 ああ? ふあ~、飲まねえ~に決まってんだろ!
 だから出さなくていいって、しまえよ ・・・ いい加減にしろ!
 それじゃここに来た意味がねえんだよ。

 ええ、いくら日本でCM出たからっていい気になって
 義理立てして何時でも何処でも缶コーヒー飲む奴が居るかっての!
 悪魔が情けないだろって、はああ~ ・・」


「 誤解するな。別に義理立てしてる訳じゃない。
 旨いし手軽だから飲んでるだけだ。

 それに日本のCM出演も楽しかったし、
 一年分の缶コーヒー貰ったしな、ははは ・・・ 

 御蔭で日本攻略の研究も出来た。

 ただ、残念なことにキングギドラ搭乗を、
 グリオスの親父に横取りされて悔しかったぜ。」


「 あ~、まあ気持ちは分かるが、
 あのおっさんはやり手だから敵わないぜ。

 ただ、欲の皮が突っ張って、貴金属で邪龍の体を重くし過ぎて、
 サタンの旦那に大目玉喰らったらしいがな、はっはっはっは!」


「 ああ、全くお笑いだがなぁ、
 あのドぎついセンスは天下一品だ。俺の邪龍が色褪せちまうぜ。」


「 そりゃあ、同じセンスで競っても仕方ないだろ。
 要はクールか否か? じゃねえかと俺は思うぜ。

 う~ん、邪霊共を集めてクールなランキング決めしてえよな。
 そうすりゃあ、俺の邪龍が一番に決まってるぜ。ヘッヘ~イ!

「 ほほほっ、それは面白そうだな。だが俺の邪龍も負けねえぜ!」


   すると、オルゴランの腕時計のアラーム?
    が、ポロッポゥ ・・・ と鳴った。


「 おい、仕事だ。全く遅過ぎるぜ。行くぞ。」

「 何だよ、ちょっと待てよ。まだ、ハムエッグ食ってねえんだよ。」

「 だったら皿ごと持って来い。それと、二人分の代金を払っとけ。」


  ハムサンドをパクつきながら悪魔の親父が言った。
  うだうだ文句を言いながら、バクストはテーブルに代金を置いた。


「 お~い、100ドル置いてくから皿とフォーク持ってくぜ。
 悪く思うな 待てよー! そんな急かすなって・・・」



  その時、さっきバクストに
  「 イカレタお前、ちくるんじゃねえぞ! 」 と言われた黒人男性が、
   慌てて右手に持ったペンチを振りかざしている。

     何で ・・・?

   それでバクストは、急ぐあまり道路の段差に気付かず、
 つまずいて足が縺れて縺れて、見事に丁度あった水溜りにダイブした。


 勿(もち)コース! ハムエッグは元気一杯に皿から飛び出した。

     ぷぷ、なんか誰かのドジとダブりました。
     オルゴランがそれを見て笑いを堪えています。


  「 はあ? オーマイガッ! コ 、こんなの最悪だ。
   新調したスーツにコートが台無しだぜ。

  ああ、あのイカレタ野郎が笑いやがった。
 人間の分際でチクショウー!

あ、あんたも笑ったろ、人で 無 し ~ っ! クソッタレ!

こんな痛い目に会うのは百年振りだ~あ。
  いてえよ~、膝を擦り剥いて血が出たあ。
   食いもんもお釈迦だぁ ・・・ くうう、あぁ~ん ・・・ 」


    いい大人がメソメソ泣き出した。
    呆れたオルゴランが彼の肩に手を掛けた。


「 笑って悪かったな。
 いいか、良く聞け。転んだのはお前のせいじゃない。

 そこの段差に気付かず慌てて走った時、思った以上に足が上がらず ?

 そう、その体が鈍感でお前の脳からの指令が間に合わず、
 爪先が地面の段差に引っ掛かった。

  つまり体の自己管理がなってない上に、
  歩きながら食べようなんて無作法な上に、
  両手が塞がれたことの危険性に気付かず、

   幼稚な子供みたいに走ったことが ・・・ 敗 因 だ!

   いや、何でこうなった? 何処から違ったかな?」


      そう言い終わると、ハムサンドをパクついた。


  「 何だとお、慰めてくれるんじゃねえのかよ~!!
      俺はどうせ駄目な悪魔だあ~!


「 ああ、悪かった。落ち着けよ。
 誰かを慰めるなんて、ここ数百年無かったし、
 お前と合うのも久し振りだしな。

 勘弁してくれ。

 まあ、食い物は俺のサンドイッチを一つやるし、
 旨い缶コーヒーもやるから我慢するんだ。
 それから ・・・ もう泣くな。」


「 ・・・ ああ、分かったよ 。
 そうだ、あんたの言う通り体の反応が鈍かった訳だ。
 結構鍛えているんだが、全く油断も隙もねえぜ、この体 ・・・??

 お、おいっ、あれって、あんたが手下共に注文した品かよ! 」


「 ああ、そうだ。丁度いい大きさだろ。」

「 おい、いいから上見てみろよ!」

「 何だ、何か気に入らないっていうのか?

 ・・・ 何だありゃ、随分だな。
 俺は知らんぞ。こりゃあ、あいつ等のせいだ!」


   当然ですがぁ、上空の異変に気付いた住人達は、
   パニックになりぃ、逃げて行きます。


「 何て言って注文したんだよ。
 あれじゃあ、度が過ぎるってもんだろ!」


「 いや何、適当な大きさのUFO造れって言ったら、
 どのような感じで? と聞かれ、俺はこう答えた ・・・

 ハリウッドの映画でも見て参考にしろとな。はっはぁ!」


「 だ、だからか ・・・
 ありゃあ、インデペンデンス・デイのタコ宇宙人の
 巨大UFOじゃねえかよ。

あんなのどうやって、こんなちっぽけな銃で撃ち落せって言うんだ。
映画が違うだろ。黒ずくめの二人組って言ったら、
メン・イン・ブラックに決まってるだろが!

そりゃあ小さい銃で撃っても
タイミング良く爆発でもすりゃあカッコは付くが余りに不自然だろ。

 人間でもやらせじゃねえか、ならまだいいが、
 遠くからじゃ光線の光が見えないから
 単に自爆したようにしか見えないだろ。

   これじゃあ、ヒーロー遊びにならねえよ!


「 まあ落ち着け。あんな張りぼて直ぐ治る ・・・?
 ・・・ ところでなあ、あれ見えるか?」


  「 え、あれバンジージャンプか? いやスパイダーマン?
    ああ、何か嫌な予感がする。」


       「 俺もだ。」



   二人が見ている物。スパイダーマンっぽいが、
   妙にグラマーであります。

 その彼女は、映画の様に見事な糸? 捌(さば)きでビルからビルへ、
  長い髪を振り乱し、くるっと一回転して二人の前に着地しました。

   彼女は蜘蛛男の首までタイツを着て、
   超ド派手美人な顔を自慢げに晒し、二人をニヤニヤ見ています。


「 おい何の真似だシアニード。
 この州は俺達の縄張りだぜ。遊ぶんなら他行きな。」


「 嫌だね。ふん、あたしが人の邪魔するのが趣味だってこと、
 忘れた訳じゃないでしょうね。オルゴランのおじさん。」


   堪らずバクストは激しく口と手足を動かした。

「 おめえ、相変わらず嫌味で派手なのは
 グリオスのおっさん越えてるぜ!

 邪魔するって言うんなら俺達が相手にな ・・・ 
 な、何だありゃ、ポリ か?」


 ポリ とは、ポリ袋 ではありません! ああ、いやっ、つ い ・・・

  ポリとはサイレンを鳴らしてこちらに向かって来る
  怪しげなパトカーのことだ。

   何しろ、マッドマックスのパトカー並の
   チューンを施されているようなのだ。

  ボンネットから突き出たターボ吸気口に太いタイヤ。
  外見は一言で言うと、
  GMのハマーをハイパーチューンしたパトカーという感じです。

   頑丈で重い車体を高速で走らせる為、
   あらゆるチューンが必要なのでしょう。


  

 かなりドレスアップされたハマーです。



   アメリカの一般的パトカーという感じです。

この二台を、あなたの超絶想像力で、最強のパトカーに仕上げてください!



 パトカーと認識出来るのは、パトライトとサイレンのみであります。
  しかし、その風貌通りに荒々しい吐息が余りに不快であります。

        いったい馬力は如何程か?


      ガルウ、ガルッガウッ、ガロロロロ ・・・・・


   そのパトカーは、揉めている三人の悪魔の前に止まった。

  車の中は、ガラスウインドウが濃いスモーク仕様の為、
  伺い知る事が出来ません。

  そのパトカーの運転席側のドアが、バクッ! と開きました。

    タバコの煙が立ち昇ると同時に運転手の足音が、
    ガツ! っと重く地面に響いて、
     次にゆっくり 銀色に光る頭 が覗いた瞬間、
      バアン! という凄まじい轟音が響き渡った。

何を思ったのかシアニードが、背負っていた鞭 から放たれる 衝撃波 を、
その頭に叩き付けようとしたのだが、奴は右掌で軽々と受け止めたのだ。

    シアニードが悔しそうに唾を地面に吐き着けた。

        そりゃあ奴に鞭は通じない。 

      ロボット だから マシーン だから ・・・

     このフレーズ大好きなので使ってみました。 
        永井豪さん、どうも ・・・

 こいつは単なるコスプレではなさそうだし、相当な重量感である。

  危険を察知したのか、
  知らぬ間にコソコソと悪魔コンビはビルの陰へ避難したようだ。


      「 何しに来た、ドルンのおっさん。
     機械オタクが妙なコスプレしやがって、フン!」


        蜘蛛女は切れかかっている。
      いや、既に切れたのか? 加減が分からない。


   「 無敵の不死身警官を侮辱するとはいい度胸だ。

  それに、これはコスプレではない。俺様の頑丈な体だ。
  これは俺様配下の科学者に作らせた本物だ。

 生身なのは、脳とそれに連なる神経しかない。
 その脳に憑依しているのだ。

  ははは、少々反応は鈍いが中々良く出来ている。
  発音もまずまずだろう。

     御~機嫌だぜ、ハッハァーイ!

   いいか、お前はあの弱そうな二人組みから
  喝上げ しようとした上に、
 殺人未遂 に 侮辱罪、それに 公務執行妨害 を犯した。

因って地獄の閻魔から裁判を受ける事になる。ガッハハハ !」 

     バ コ コ コ ッ!!!


ドルンという偽ロボコップは、何とドア越しに銃をぶっ放した。
  そして ドア と シアニードの腹 に大穴が開いた。
    シアニードは動けなかった。

   何故ならドルンは喋っているうちに
   銃口をドアの内側に当てていたのだから ・・・

  シアニードは血反吐を吐いて悔しそうに仰向けに倒れた。

「 この銃の威力は想像以上だぜ。グフフフ ・・・」

   コスプレ女悪魔は、鬼の形相で幽体離脱し、
   穴が開いた体を捨てて一言叫びました。

      【 スペアーッ!】

 すると、ヘリが何処からともなく現れ、近くの道路に着陸しました。

「 遅くなりました。どうぞ、お好きなスペアをお選び下さい。」

   手下と思われる女二人が、四人のグラマー美女を連れて来た。

   その四人は、目の前の状況を見ても余り驚いてはいない。
   少々目が虚ろだ。   
   覚醒剤でもやっているのか?

【 よし、こいつにしよう。】

   シアニードは、アジア系美女の体に憑依した。

「 ん? ・・ む、ふう ~~、こりゃあ慣れるのに暫くかかるわネェ。
 おい、そいつ等連れて上空で待機しときな。 御苦労だったね ・・・
 全く、このクソオヤジ憶えてな!

   どうやら体の反応を確かめているが、しっくりこないようだ。

「 スペアなら内のドクターに作ってもらおうか?
 勿論、最強の女警官ロボ をだ。」

「 鈍い体なんてまっぴら御免だね。
 馬鹿馬鹿しいったらありゃしない。フン。」


   ロボオヤジはニヤニヤしている。

  そして、助手席の誰かに合図をしました。
  あ、パトカーの右側のドアが開きました。

  出て来たのは、皆さん御馴染みのターミネーター。

  しかもオプションのサングラス付き、それにかなりの重量級です。
   しかし、助手席に相乗りとは似合いませんねェ。


「 おい、紹介するぜェ。
 こいつは俺様の軍団の大佐で、ドリルってんだ宜しくな。
 こいつも俺様同様マシーンだ。イカスだろう!」

   ドリル大佐?って、ドリルが仕込んであるのかな?

「 シアニード将軍、初めまして、私、大佐のドリルと申します。 
 以後お見知り置きを ・・・」


 そう言うと右手を挙げ、
 人差し指を動かし何かの合図をしたようです。


     「 おい、また変な奴が出てきやがったぜ。」

 バクストは、部下にもらったタオルで汚れを拭き取っている。

     「 ほっとけ。飲むか?」 叔父さんが缶コーヒーを渡した。
     「 ああ悪いな。」  パキャッ!

 むむ? メーカーは ブス? インボー満点?

    「 全く何がしたいんだ?
      ズ ビビ ・・ゴク。 おい結構うまいな。」

    「 だろ。しかし奴等は俺達の遊びが、よほど気に入らないらしいな。
     いいか、絶対に奴等の下らない遊びには加わらない
     忘れるなよ。」 

    「 言われるまでもねえぜ。」 何がです。お二人さん? 

       


 間も無く巨大なトレーラーが、ドヒュヒュヒュッ! と轟音を響かせ、
  ゆっくりとドルン達の前に止まりました。
   と同時に荷台左側全体が上に開いてゆきます。

    よくある展示用の車体なのでしょう、
    中からは巨大液晶ディスプレイパネルが現れました。

   ロボット悪魔二体は、随分楽しそうにしている。
  ドリル大佐は続けた。

「 皆さん御注目。特にバクスト将軍には特等席で御覧頂きたいのですが、
 あ~もう安全ですよ。

 そんな影に隠れていないで、こちらにいらして下さい。
 間も無く爆笑短編映画を上映致しますのでェ、遠慮なさらずにぃ~!

    「 おい、ありゃあ何かあるに決まってるぜ。 あんたどう思う?」
    「 止めたほうがいい。 奴等からは悪意しか感じない。」    
    「 ああ俺もそう思う。 止めとくよ。」


「 あ~~、いらっしゃらないようですので止むを得ません。

 では次に私の部下、ペンチ少佐 と スパナ軍曹 を御紹介致しましょう。    
 バクスト将軍、あそこの水溜りを御覧下さい。

 お~い、もういいぞ少佐に軍曹ぉ。こっちへ来るんだ ・・・ ぷっ。」


  ドリル大佐は笑いを堪えている。

    あそこの水溜りとは、さっきバクストが転んだところだが、
     あ~、妙な動きだ。

     さっきのカフェから、
     一人のストリート系ファッションに身を包んだ黒人の男が、
    右手に持ったペンチを振りつつ、
   クネクネ走りながら嬉しそうに挨拶をしました。


「 皆さんどうも~。 少佐のペンチで~す。
 ヨロシク~、ホッホ~ウ。 フンフン♪  フンフン♪ 」


  と言いながら、満面の笑みで投げキッスをした。 
   ウエ~~、小指立てるな。

    ふざけたこいつは、さっきのカフェで
    バクストを人間の分際で笑った奴 だ。

   問題なのは次だ。 水溜りが動いているのだ。

むむ、水を弾いて、
その下のタイルに続いた道路の段差ごと盛り上がり人型になってゆく。

 立ち上がった姿は、映画 「ターミネーター2」 に出演していた
 「T1000」 という液体金属製? の人型ロボットなのであった。

   短髪のオールバック、痩せ型の警官姿である。

    つまり、こいつが スパナ軍曹 だ。

   そいつは大きな目を見開き、
  ゆっくり歩きながらバクストに向かって挨拶代わりに、
 左手に持ったスパナで敬礼をし、ニヤリと笑って上官の元へ向かった。

  これって 怪人マスク か? それに、かなりの顔芸の使い手だ。
   何も言わないのに笑える。


     「 あ、あいつ等 はめやがって、許せねえ!」
     「 ひでえもんだが、相手にすおいおい、止めとけって・・・」 


おい、ドルンの旦那。手下使ってよくも笑い者にしてくれたな。
 上等だぁ! 
俺の邪龍と勝負しやがれぇ!!!



「 まあまあ落ち着けって、悪い事をしたと後悔しているんだぜ。
  なあ、お詫びをさせてくれ。

   お~い、彼にテーブルと椅子を、
   そしてハムエッグにハンバーガー、ポテトにコーラだ。
   ついでにポップコーンもな。

   ヘイ、出て来いメイド! 彼に最高のおもてなしをするんだ。

 オルゴランも缶コーヒーなんか飲んでないでこっちへ来いよ!
シアニードも席を用意するから、ちょっと一服しな。 ドンペリ出すぜ。」


  悪魔がお詫びをする? 有り得ない! 胡散臭さ200%! ですな!

   ドルン将軍は、二人の部下に親指を立て、

「 グッジョブ! 」 と笑って称えた後、拳を合わせた。ゴンッ!

     ペンチ少佐は痛がっている。

   ドルンは、両手で自分のヘルメットを外している。

   黒人の顔だが、人工皮膚であろう表情は硬そうだ。
   次に、何故かサングラスを掛けてニヤリと笑った。

  そうしている内、特設映画館VIP席は、
  悪魔の手下(脅され時給500円で雇われた人間) 共により
  速やかに設置されました。

 嫌がっていたバクストとオルゴランだったが、
美人ロリータのメイド
(日本からの出稼ぎ労働者、48名。こちらの時給は30000円)
達に手を引かれ、満更でも無さそうにVIP席に座った。

 シアニードはと言うと、
  長身のイカれた明太子 (イカしたメンズ、略してイカメン)
   数十人の中の一人に御姫様抱っこをされ、嬉しそうに席に着いた。

    「 悪魔も煽てりゃ木に登るぅ。」 で御座います。

     あれ、ごついパトカー後部座席から、
    黄色い声を発しながら誰か出てきました。

  うわっ、見てはいけない女だきっと!
 後に続いて、葉巻を咥えた バットマンのコスプレマン が ・・・?

  そ、そして遂に、あ~あ、阿修羅男爵 がぁ ・・・
   こいつコスプレ&ペイントじゃない。本物だ。

    顔の中心縦軸から半分男の半分女。多分体もじゃないだろうか?
     男女完全ハーフ? の誰かに、ドルンは声を掛けた。


「 やあやあ 阿修羅少尉。待たせて悪かった。
 ついでに、こいつ等邪魔者二人と一緒にして悪かった。

 どうしても、こいつ等が乗りたいって駄々を捏ねやがったもんでな。
  みんなも勘弁してくれ。

   おーい、二人分の席を追加だ。」


   あ、やっぱり見てはいけない女なのだ。
   無視を続ける悪魔共にキャーキャー文句を言っている。

  ド派手な御姫様ファッション&クルクル巻き毛にこんもり頭。
  それに何故かキティちゃんのイラスト入り
  キンキラデコレーションのランドセル を背負っている。

   ついでに、ピンクの日傘 を差している。
   曇っているのに ・・・

  それに甘ったれた声でファストフード等食べないから、
  鯛焼き と クリームあんみつ と お抹茶 を用意しろ等と ・・・
  それってファストフードだろうに ・・・

 VIP席の悪魔共は、その金切り声に青褪め迷惑そうにしている。
 バクストなどは大きな両耳を手で塞ぎ、

 「 見ちゃ駄目だ。 見ちゃ駄目だ。 見ちゃ駄目だ。・・・・・

   と、声に出して何度も自分に言い聞かせていた。

  オルゴランはこの女を何故連れて来たと、ドルンにまくしたてた。
  温厚そうなオルゴランだが、ヒーロー遊びを邪魔され機嫌が悪いのだ。

  ただ、さっきから黙ったままの バットマン だが ・・・ 気になる。

    が、直ぐにばれた。

   オルゴランが「お前、グリオスだろ!何か言いやがれ!」

  と、催促をするので、
 その男は太巻きの葉巻を咥えたまま、 ニヤッ! と、眩しい口を開けた。

  次に葉巻の先が真っ赤に燃えて、フーッ! と、煙を吐くと、
  太い声が響いて来た。


「 ばれちゃあ、しょうがねえ。
 カワイイねえちゃん に誘われたんで来たまでだ。なあ、フレッタ! 」


    話す度に一本一本に宝石を埋め込んだ金歯が光った。

    そう、誰あろう グリオス だったのだ。

   その歯を自慢気に見せびらかし、
  ついでに ド派手 ( 真っ赤な下地に金糸銀糸のヒョウ柄の刺繍 )
 裏地の羽 を広げて一回転をした。

黒ずくめ のバットスーツ に、赤に金銀 の色が際立ち過ぎである。


しかし ・・・ 妙なことに、ドルン と ドリル だけ立ったままだ。

関節の都合か、不具合が生じて座れなくなったのかもしれない。
まあ、どうせマシーンだから疲れはしないし、座る必要もないのでしょう。

  当然ながら飲み食いをしようという気は無いようだ。

    食欲よりも機械いじりとは気が知れない。