私の記憶が確かならば、外房のアジは、某有名ブランドアジと同じ「瀬着きの金アジ」だという。
さっきまでピンピン泳いでいた活きのいい金アジを口にすることができるのは、まさに外房釣り師の特権である。
さあ、思う存分腕を振るうがいい。
Allez Cuisine!
「さて、今回のテーマは「アジ」なわけですが、解説のハットリ先生、アジの美味しい食べ方というとどんなものがあるでしょうか。」
「新鮮なアジなら、お刺身と、それの派生形としてのナメロウ、これにつきるでしょうなあ。」
「あのう、それでは番組にならないのですが。」
「あとは、一夜干しですかね。私はこれが一番好きです。」
「・・・・。」
「何か?」
「いいえ・・・。おっと!本日の挑戦者が入場してまいりました。千葉県外房郡在住のK.Jさん(仮)。職業はへっぽこ釣り師だそうです。」
「ほほう。」
「挑戦者がクーラーボックスを開けて、アジを取り出しました。あれ?なんだかカチンカチンに硬直してますが、これはいいんでしょうか?まさか冷凍ものでは?」
「死後硬直です。釣り上げてから半日くらいは、あんな風に固まっているんですよ。新鮮な証拠です。」
「ようやくまともなこと言いましたね。」
「おっ、挑戦者がアジの皮剥ぎを始めましたよ。」
「鱗も落とさずに、頭の後ろからぺりぺりと皮を剥いでますね。これは初めて見ました。」
「漁師さんや釣り人はこんな風にやる人が多いですね。ゼイゴまできれいにとれるんですよ。」
「そして、3枚におろして・・・、おおっと!おろした半身をまとめてミキサーにかけました!」
「おそらく、練り物にするんでしょう。」
「かなり念入りに回してますね。そして、ミキサーから出してボールに移して・・・、何かを加えましたね。」
「放送席、放送席。挑戦者が加えたのは、卵、山芋、塩、味醂です。これを両手で、こねこね、こねこね、こねくり回してます。」
「やっぱりね。練り物を作るつもりなんでしょう。」
「挑戦者がボールを持って移動しました。おっ、加熱した油の鍋があります!」
「これから、これを揚げるんですね。いわゆる「つみれ揚げ」でしょう。」
「スプーンで掬って、一口サイズのかたまりを油の中に入れていますね。なんだか適当なやり方に見えますが、形を整えたりはしなくていいんですか?何か理由があるのでしょうか?」
「理由はないと思います。面棟Lいだけでしょう。男の料理なんて、そんなもんです。」
「・・・・。」
「ほらほら、こんがり揚がりましたよ。」
「なんだか鶏の唐揚げみたいに不揃いですが、美味そうですね。あっ、挑戦者、しょうが醤油でつまみ食いしてます。」
「ははは。味見ですよ、味見。」
「ああっ、挑戦者、缶ビールを開けて一服してます。まさか、このまま終わってしまうんじゃないでしょうね?」
「まさか、そんなことはないと思いますよ。」
「そうですよね、これで終わりってことはないですよね。先生の予想では、この後どのような展開になるのでしょうか?」
「そうですねえ。ビールの次はやっぱり日本酒でしょうか。いやいや、寒い時期ですから、焼酎のお湯割りかもしれませんね。」
「・・・(わなわな)」
「放送席、放送席。挑戦者に動きがありました。揚げたばかりのつみれを持って、食卓に向かってます。」
「ええっ?食卓ですか?どういうことでしょう?」
「放送席、放送席。食卓には、「鍋」が用意されています。おそらく、これに入れようとしているのだと思います。」
「なんと、鍋ですか。これは意外な展開ですね。先生、この鍋にはどのような具が合うのでしょうか?」
「何でもお好きなものを入れればいいと思いますよ。」
「こだわらなくていいということですね。」
「そうですね、ただ、私の好みを申し上げれば、マロニーちゃんは必ず入れていただきたい。」
「関西人かよ。」
「放送席、放送席。挑戦者、鍋の中に揚げたばかりのつみれを入れて蓋をしました。そして、大きく手を挙げました。完成、完成です。」
「挑戦者、アジのつみれ鍋を完成させました。いいですねえ。寒い時期には、あったかい鍋を囲んで家族団欒。ほっとしますね。」
「そうですね。でも何か一つ足りないような気がします。」
「マロニーちゃんですか?」
「いやいや、あれです、あれ。やはりあったかい鍋には、きりっと冷えたお酒が必要でしょう。」
「放送席、放送席。挑戦者、冷蔵庫から冷酒の瓶を取り出してきました。九十九里の地酒「寒菊」の辛口男酒です。」
「おお!待ってました!熱い鍋には辛口の酒。私も一緒に一杯やりたいですなあ。」
「ところで先生、鉄人の姿が見えませんが、どこに居るのでしょう?ていうか、最初から居なかったような気もしますが・・・」
「おそらくブログの文字数制限で書けなかったのでしょう。まあ、あまり細かいことを気にしてはいけません。あっはっはっ。」
「・・・・。何だかよくわかりませんが、挑戦者の不戦勝ということで本日の対戦を終わります。それでは先生、最後の締めをお願いいたします。」
「はい、わかりました。それでは一言。鍋だけに、最後の締めは雑炊でお願いします。」
おあとがよろしいようで。
<終わり>
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