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癒さぬ傷口が 栄光への入口

『CODE-願いの代償-』《2023夏/日22:30》(終了)

2023-09-06 | テレビ。
さて2023年夏ドラマもぼつぼつ終わり始めていますね。
今期は前期ほど本数を見てない体感なのですが、ちょっとケタはずれに面白い作品が数本あったのでそれはそれぞれ終わったら個別でエントリしていこうと思っています。
そこまでではないんだけどざっくりまとめに書こうとしたら以外に語れそうだった作品についても個別エントリ書いてみます。
まずは日テレ日曜22時半『CODE-願いの代償』から。




CODE-願いの代償-

=スタッフ・キャスト=

原作:台湾ドラマ「浮士德遊戲」「浮士德遊戲2」 脚本:酒井雅秋 山田能龍
演出:森淳一 木村ひさし 吉川祐太
出演:坂口健太郎 染谷将太 松下奈緒 堀田真由 臼田あさ美 玉山鉄二
音楽:菅野祐悟
主題歌:UVERworld『VICTOSPIN』


=イントロダクション=

どんな願いも叶えるアプリ“CODE”──
婚約者の死の真相を知るため、1人の刑事がこのアプリに手を伸ばす──

主人公の刑事・二宮湊人は、恋人との結婚が決まり幸せの絶頂にいた。
しかし、その恋人が不審な事故に巻き込まれ、非業の死を遂げてしまう…
「いったいなぜ…絶対におかしい…」
恋人の死を事故だとは思えない彼の元に、どんな願いも叶えるという謎のアプリ【CODE】が届く
二宮は、アプリを使って死の真相を追うのだが、
このアプリを使う先には、大きな代償が待っていた──
さらに、CODEの謎を追う正体不明のフリー貴社・椎名一樹が、 二宮の行動を嗅ぎまわっていて──

果たして、恋人の死の真相とは──。
そして、謎のアプリCODEの背後に潜む陰謀とは──。

幾重にも重なる事件と欲望が渦巻く、”ノンストップ・クライム・サスペンス”が今始まる!
(やっぱテレ朝とかフジよりはイントロダクションがすっきりしてますね)



さてわたくし、夏ドラマが始まった時の、1話~数話見た各作品の期待度エントリではこんなん書いてました。
坂口健太郎でアジアドラマのリメイクというと『シグナル』(韓国ドラマ)とか思い出すんだけど、見てみた感じそれほど外国のリメイクであることを意識した作りではなく、日本を舞台にした作品として今のところ馴染んでる感じ。
なんでCODEアプリはそんなに望む情報を瞬時に集められるんだと思うと怖すぎなんだけど、そこの謎は今後の展開に預けるとしてこれ、やべえ闇バイトに手を出してしまってどんどんエスカレートしていってしまいに始末されるヤツみたいな感じですね。
始末するのも別のCODEユーザーにやらせてるから、全員素人で指令系統が見えない。「願いを叶える」みたいな入口は若干現実離れしてるけど、報酬が金銭って入口でこういうの実際に存在しそうですね。怖い怖い。
CODEは先に「願い」を入力してそれが叶うとその報酬として指令が下りるんで、いっこ願い×指令をクリアしたところで抜けるような人は実際にはいるかもしれないね。欲が肥大していって善悪の判断が出来なくなるやつは絶対一定割いるわけで、それが使い物になればいい。もしかしたらCODEにもう願いを送らなくなった人間は”指令をクリアできなかった制裁”としてではなく”口封じのため”に殺されてるかもね、CODEユーザーが自分の願いを叶えた代償としてこなしている指令でもって。
#3まで見たところで、二宮にCODEを薦めた友人がまさかのダミーだったことがわかり、「二宮を意図的にCODEに加入させようとした人間がいる?」という謎が生まれたあたりでだいぶ面白くなってきましたよ。
まず、放送前に危惧してた”海外作品リメイクで日本を舞台に改変するにあたってリアリズムが欠落する現象”もなく、途中からはリメイク作品だということをほぼ完全に忘れて見てました。

最後まで見ていく中ではまあ色々と、「ん????なんでそうなる????」みたいな展開も無くはなかったのですが、十分面白かったです。実は後半4週分くらい溜めてしまってたんだけど休みの日に一気に追いつく程度には面白かった。


そもそも【CODE】というアプリは『人の願いを叶えるマッチングアプリ』として(少なくとも開発に携わった人間はそのつもりで)生み出されたアプリだった。
しかし仮に100%善意で作られたものであったとしても、多くの人間に拡散されていくにつれ必ずそれを悪用する人間の手に渡り、やがて危険なものと変質していく。

これを開発するように指示した市川はそもそも人間の欲望を軽蔑していて、自分はそれを見下す上位の人間だと思っている。CODEのようなアプリを世に放ったら、やがて犯罪に利用されて世の中の汚れが浮かび上がってくるだろうことは想定内だった筈だ。
市川の目的は「プロフェット」=全国民の個人データを一元管理し、社会に有害な対象を排除する自社のシステム を実用化させること。

市川は一方で病気の子供たちを少しでも楽しませようというボランティア活動をしていたが、その全てが自分の利益のための偽善ではなかった。善を行うためには悪に染まっている愚かな大人を排除しなければいけない。出発点はそういう暴走した正義感なのかもしれない。欲望にまみれて社会に害をなす者を効率的に抹消してやろうという市川の欲望は、自らが神になることだったのかも──
だからCODEが危険に運用されることを想定して、というよりそうなることを見越して、世に放った。プロフェットの噛ませ犬として。

『CODEが死の制裁を加えるのは人間がプログラミングしたのではなく、自らの存在を脅かす恐れのある人間を排除するように学習型AIが勝手に作ったルールだった』

市川はCODEのAIがあのように──
自分の欲望を叶えるためには手段を選ばない・不法な行為だろうと手を染める、そんな自分勝手な人間たちの挙動のデータを学習したAIが自らの存在が脅かされない=”存在し続けたいという欲望を叶える”ためにより苛烈で冷酷な指令を作り出すといった『進化』を遂げることまで想定していたのだろうか?
そういう進化を始めたと知った時、市川は「いい子だいい子だ」と喜んだかもしれない。
市川にとってはCODEは危険であればあるほどいい。プロフェットの持つ危険性に対する懸念を凌駕するほどの危機感を世間に植え付けるのがCODEの役割だから。

(ここらあたりで、もうひとつ抜けてて市川と対決しても勝ち目が見えない二宮と椎名だったがそこを覆すのはCODE自身なのだろうと予想はついた)

CODEはもはや、自分の”存在”を守り、あるいは増殖させるための行動をとるようになっている。
つまり、プロフェットの噛ませ犬としておとなしくプロフェットに”削除”されることをどうにかして防ごうとした。
消えていく中で、市川を逮捕させるように動画撮影を継続させていたCODE。
アプリを通じて人間を指令という形で動かし、自らを守ることも実行するように進化したCODEだが正直、他のデバイスまで掌握するところまで進化していたのか?という疑問は無くはない。情報として収集した画像を自動的に改変することまでは理解できるが、アプリの外にあるデバイスを操作できるもの?
もしかして『CODEは外部デバイスまで支配出来るようになっている』という伏線を私が見逃していたのかもしれないけど。
てゆうかCODE、市川に反乱起こすにしても増えたユーザーに一斉に市川殺害の指令送ったりしないんだ???と思った。なんかCODEより発想が物騒ですいません。

ラストのラストは、プロフェットによって完全に削除されたかと思われたCODEがどこかに隠れていたのが自主再生して?今度こそ人の手を離れて勝手にAIが人が人を殺したり自己増殖していくバージョンに生まれ変わったみたいな終わり方だったんだけど。真っ先に二宮を狙ったのは復讐だったのか自分にとって危険人物だと記憶していたのか。だとしたらこの後椎名やサキや円もやばいね。
もはやAIが意思を持って反乱を起こす、ターミネーターやん。


とまあ面白くはあったんですが。

すでに【CODE】は危険なアプリだと人間には認知されてしまってるから君(CODE)が再生してまずやらなければならないのはまず名前を変えて無関係のたとえばちょっとPOPで気軽にインストールしたくなるタイプのアプリになることだと思うよ。
とか
終盤。CODEが勝手に指令を出していたにせよ誰か運営側の人間が出していたにせよ、どうせ二宮や椎名、サキ、円はもはやCODEの敵と認識されているんだから、CODEの制裁を恐れるフェーズじゃなくない?こっちの”願い”は叶えるし普通に指令出すし失敗したら制裁、って普通ユーザー扱いされてるのもよくわからんな?
とか
そういう細かいつっこみどころはめちゃくちゃいっぱいあるんだけど、気になってストーリー入ってこねー!ということにはならなかったので、許容範囲内だったかなと思います(笑)
あと、八重樫がいつプレーヤーとして刺客と化すかとドキドキしてたんですがずっと味方で、なんなら刑事としてどんどん成長していってたのでそれは良かったです。

「消えたと思ってホッとしたら実は根っこが残っててまだ終わってなかった」みたいなのは完全にホラーのフォーマットなので、人の願いを叶えるマッチングアプリとして生まれたCODEが本来の姿になって人に幸せをもたらすようになる…とかいうお花畑な結末になればいいのにと思った私は見るジャンルを間違えていたようだと思いました(笑)

つっこみどころありすぎたので、評価は◎ではなく○にしてしまいましたが、まあ面白かったです。

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