キャンディキャンディが大好きです。

テリィに堕ちたのに、どういうわけかアルバートにはまって、アルバートとキャンディのファンフィクションを書いてます。

悪いクセ (OCメイン)

2021-07-29 20:42:43 | こぼれ話


「こうですか?」

「いや、もう少し顎を引いて…。

「そう。いいよ。」

話し声がした。

稽古場の一室から明かりが漏れていた。

剣を使った殺陣のシーンの練習だ…。

「そこで、ターンだ。そう、それから中央へ出る。」

「大分良くなったよ。」

「ふう!ありがとうございます!」

こんな夜中まで、稽古していたのか?

なぜかおれは、声を掛けられなかった。

2人の間には、不思議な緊張感があった。


「熱いのかい?」

年は50過ぎの中年の…、頭のハゲ上がったベテラン俳優が言った言葉は…微かに、熱をはらんでいた…。

「ええ…。汗をかきすぎました。」

開けっ放しのドアから様子をうかがい見ると、ベンジーは、青年貴族の舞台衣裳の白いひだのたっぷり入ったシャツの前を、大きく開いていた。
衣裳のボウタイをはだけた胸元に差し込み、汗を拭いていた。

ベテラン俳優の目の前に行き…、わざとらしく胸を拭き…、そのボウタイを取り出すと…彼の色づいた小さな突起が少しだけ見えるようだった。

「あなたは?暑くない?」

「わたしかい…?」

ベンジーは彼に更に近づいて、ブラウスの一部であるボウタイを引っ張って、彼を見上げながら、彼の首と顎をゆっくりと拭いた。

ベンジーは、ベテラン俳優よりは背が低かった。

ベンジーは、彼の汗を拭き終わると、彼を見つめた。

彼は、大きく呼吸をしながら、…ためらっていた。

ベンジーが、片方だけ、シャツを肩から落とした。

ベテラン俳優は、ビクッと身体を揺らした。

それから、

ゆっくりと…、

手のひらを、ベンジーの赤い胸の突起の上に置いた!

ベンジーは目を細めて顎を突き出し、片方の腕を、ベテラン俳優の首に巻き付けた!
男優はベンジーの首筋に頭を寄せて、赤い突起の上に置かれた手は胸をまさぐり、胸筋をつかむように撫でた後にその突起を摘まみ上げた!
ベンジーは、喘ぎ声を出した。

そうしながら、俳優の肩に顎を乗せ、俳優の背中がおれの方を向くように半回転させた。そうして目線を上げた。すると、おれと目が遭った。

ベンジーな、色っぽく微笑んだ。それから、悪戯を見つかった子供のようにおれに向かってウィンクした。

ベンジーのこころの声が聞こえて来るようだった。


テリィに見られちゃった。

だけど、それもいい。

彼が堕ちるところ見た…?

ふふっ。可愛いよね。

ああっ!

おじいさんのキスって、巧みで好き。

それから、愛撫も。

弄り方がやらしい!

「なんてきれいな肌だ!」

「あっ!」

かさついた手に、汗ばんで撫でられる。

もっと撫でて!

それから、腰を擦り付けた。

ああ!ちゃんと勃ってるね!

それでおれを楽しませてくれよ?



その、数日後、ベンジーは団長に呼び出されて、厳しく叱責された。

劇団内での恋愛を禁止された。

「恋愛というより、ナンパを禁止されちゃった!」

悪びれもなく、ベンジーは言った。

「だめなんだよねー。落とせそうなヒトがいるとつい、誘っちゃうんだよねー。」

「なーんか、最近、モヤモヤしちゃってさ!ない?そーゆー時!?」

ないよ。
その場限りの関係など、自分から結ぼうと思ったことはないね!

と、思いながら、冷たい目でベンジーを見た。

「ああっ!軽蔑してるー!!」

するさ!

「まー、他所で探すよ。はあーあ!束縛しなくて、遊んでもオッケーで、手軽にやれる相手が欲しい…。」

ベンジーが、ダルそうに言うと、
マックスが、ため息をついて言った。

「…性病には気を付けろよ。かかったら…、直らないからな?」

「本当は、深く永遠に愛してくれる恋人が欲しい。」

ポツリと、ベンジーは寂しそうに言った。
マックスは眉間にシワを寄せて目を細めて嫌な顔をした。

その数日後、おれは偶然立ち聞きしてしまった。

「ベンジー、おれはお前を深く永遠に心配する親友にはなれるからな…。」

ベンジーは、言葉を発しなかった。

たぶん、ベンジーは泣いたんだと思う。






オリキャラの話でゴメン。

ベンジー…ベンジャミン・アーカー
金髪碧眼の柔和な顔立ちの、美形。明るくて優しい愛されキャラ。

マックス…マクシミリアン・ダンテス
若手俳優らのまとめ役的存在。ダークヘア。穏和。真面目で実直な芝居をする。シカゴの中産階級の家の出。