閉め出し!!東福寺

平凡なサラリーマン日記
平成22年11月終了しました。

ドビュッシー バイオリンソナタ

2007-07-02 23:02:21 | ざれごと。
最晩年の作品。
確かこの後にはピアノの小品を1曲書いてるか書いてないか…くらいだったはず。


1楽章
Gm⇒C の和音がピアノによって優しく奏でられ、曲が始まる。
ドミナントモーションで短調から長調になるが、哀しさ、暗さが解決するような雰囲気はなく、この2和音だけで音楽は色彩を薄め、ドビュッシーの世界観を提示されるような感じがする。
バイオリンが主題を奏ではじめ、8小節目でいきなり機能和声の壁を飛び越える。Gm⇒C⇒Em
その意味、晩年でたどり着いたこの自由な精神をポコマルカートで少し際立たせたい。病床にいながらこの作曲者はしがらみをいとも簡単に通り抜けてしまう。

15小節目から練習番号①までは一つの流れとして音楽的な盛り上がりを感じたいが、和声の複雑さや両楽器の距離感は素通りさせてくれない。特徴的な旋律でピアノが上から降りてくる。バイオリンは主題の一部を反復。両者に全く関連はない。fになり、Fm ♭A、♭E、Gmをピアノが厚い和音で奏でる。この機能和声「的」なところと次のシーン、増5の♭B(なのか??)のピアノの和音の差を感じる事。和声的な意味づけの強いところとそれが薄れるところの対比。
ここはバイオリンが♯Fを弾くので聴覚上はV Ⅰ V Ⅰ でGmからまだ降りてきたのかと感じさせる(つまりD)しかしその禁則をドビュッシーはさらりとかわす。
ここからバイオリンはdolce vibrato 、その後アルペジオを弾きだすがこのアルペジオがまた独特。上昇は全音音階、下降は…何だろう、教会旋法の一種なのか、何か民謡的な雰囲気もある。その伴奏、ピアノは表情豊かに、とあるがここで半音の溜息をうるさく弾く輩がいるのは嘆かわしい事です。♭A⇒G から二回目 A⇒Gになるのは、僕は二回目の色彩を薄める方がいいと思う。一回目は民族的で特徴的、さらにCodaのバイオリンの G⇒♭A⇒G を想起させる。それを二回と弾かせないで色合いを薄めてくださいというのがドビュッシーの意図だと思う。必然的に次のメロディー ♭シ~ラ~ソ~も弱くから始める。…とはいってもバイオリンは八分の連符の音域を下げてきているのでここの音の聞こえ具合、そしてスラーのつけ方が変わっていることへのバイオリニストの弾き方に柔軟に合わせる必要がある。二回目は少しcrescして次三回目バスに声部が移るのを聴かしてもいいかもしれない。そしてdim.
そしてドビュッシーらしいS⇒D⇒Tで主和音をはっきり訴えながら練習番号①へ。


ウーーーン…和音の意味がわからん。練習番号①の四つ前の右手のように、和声が前までと違うところ(ここなら長調的になったので鋭さが減り、よってdimがついてる=それまでの鋭い半音はどっちかというとcrescしてもいいと考えられる?)を慎重に慎重に見ていかないと表現しなければならないところを素通りしてしまう可能性が高い。。。

難しい~~~~でもいい曲だ☆


一、二度久々に音源を聴いてみた。
本当は音作りの時に音源聴くのは嫌なのだけど。。。
久々にフランクのバイオリンソナタも聴いたのだけど、これもとてもいい曲。
フランクはワグネリアンだったらしいが、作曲は晩年から認められている為、ワーグナーのような、そしてリストの多くの作品にみられるような無駄な煌びやかさはない。半音階的な進行、どこまでも転調しながら落ちていくような旋律にワーグナーの影響が見られるくらい。なので僕も聞きやすい。ワーグナーはダメなんだけど。




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