『源氏物語』53帖 手習(てならい)
実は生きていた浮舟、出家を決意
薫27歳-28歳夏 薫君の大納言時代
[浮舟、発見される]
そのころ、初瀬詣での帰り、急病の母尼を看病するため、横川僧都が宇治院に立ち寄った。
※写真は、「宇治平等院」/無料(フリー)写真素材を使用
その後、弟子の阿闍梨が院の森かげで倒れている浮舟を発見した。
※写真は、「水しぶきをあげる宇治川の流れ」/無料(フリー)写真素材を使用
[浮舟、小野に移る]
浮舟は僧都たちにつれられて小野に移った。
(小野は現在の京都・大原あたり、比叡山の西の麓。)
妹尼はなき娘の生まれ変わりと思って、浮舟の世話をした。
[浮舟の出家]
浮舟は、尼たちの不在中、訪れた僧都に懇願して、剃髪した。
一方、薫は浮舟の噂を聞き、夢かと驚き、小君(浮舟の弟)をつれ、横川へ出かけた。
※横川は、延暦寺(えんりゃくじ)本堂にあたる横川中堂を中心とする区域。滋賀県大津市坂本本町
【源氏物語53帖に出てくる主な登場人物】
薫(かおる)
源氏物語第三部の主人公。
表向きは光源氏と女三の宮の子どもであるが、本当は柏木と女三の宮の子どもである。
生まれつき体から良い香りを放っており、「薫の君」と呼ばれている。
自身の出生の秘密に悩み、宇治八の宮を訪れ、娘の大君に恋をする。
後に大君によく似た浮舟にも惹かれるが、恋は成就しない。
浮舟(うきふね)
宇治八の宮の姉妹(大君・中の君)の異母妹。大君によく似ている。
薫と匂宮の二人から愛され、悩んだ末に宇治川に身を投げる。
横川の僧都に助けられ、出家する。
横川僧都(よかわのそうづ)
多くの弟子を持ち比叡山の最も奥にある横川中堂を拠点に修行しているしばしば宮廷に呼ばれるほど徳の高い僧都の位を持った僧侶である。
今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』や『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。
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