筑紫の国から『花つくし日記』

福岡から情報発信の山野草・庭の花などをテーマにしたブログです。
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●『源氏物語』18帖 松風(まつかぜ) 明石の姫君を紫の上の養女に

2024年08月09日 | xx源氏物語

『源氏物語』18帖 松風(まつかぜ)
明石の姫君を紫の上の養女に
光源氏31歳秋 内大臣時代
紫の上23歳/明石の君22歳/明石の姫君3歳/夕霧10歳

[二条院東院の造営]
秋、二条院の東院が造営され、光源氏は西の対に花散里を、東の対に明石の君を移そうと思っています。
しかし、明石の君は身分が低い自分がどのように待遇されるか不安だったため、東の対には入らず母の明石の尼君と姫君とをつれて、父入道の大堰の別邸に移ります。
明石の君明石の姫君と共に、大堰の邸に移りましたのに、光源氏の訪れはなく、虚しく時は過ぎていきました。涙を抑え形見の御琴を弾きますと、松風が琴の音に合わせ悲しく鳴り響き……
『変わらじと 契りしことを頼みにての響きに音を添へしかな』


巻名は明石の尼君が詠んだ和歌にちなむ。
「身を変へて一人帰れる山里に
           聞きしに似たる松風ぞ吹く」


※写真は、「松の木」/無料(フリー)写真素材を使用


光源氏紫の上明石の君母子が上京したことをそれとなく伝え、口実を作って大堰を訪れます。
初めて対面した明石の姫君の可愛らしさに、長い別居生活を悔やみます。
光源氏明石の姫君の将来のためにも、紫の上の養女として二条院に引きとりたいと相談します。
紫の上明石の君に対する嫉妬に苦しむものの、子ども好きのため明石の姫君を養育することに同意します。


【源氏物語18帖に出てくる主な登場人物】

光源氏(ひかるげんじ)
第一部、第二部の物語の主人公。亡き母にそっくりと言われている藤壺の中宮恋をしてしまう。
その後も亡き母・桐壺更衣の面影を求め、様々な恋愛遍歴をたどる。
紫の上も、女三の宮藤壺の姪である。光源氏は藤壺中宮の血縁者に強く心を惹かれる人生だった。

紫の上(むらさきのうえ)
幼い頃は、「若紫」と呼ばれる。
藤壺中宮の姪であり、顔がよく似ている。光源氏が生涯で最も愛した女性。光源氏は、紫の上が幼い頃に自宅にひきとり、育てて結婚した。
正妻ではないが、正妻格として周囲から扱われている。子はできないが、光源氏と明石の君の娘明石の姫君を養育する。

明石の君(あかしのきみ)
光源氏が須磨・明石に退去していた際に出逢った明石入道の娘。
源氏が帰京してのち明石の姫君を出産する。真面目でプライドが高い。

明石の姫君(あかしのひめぎみ)
光源氏と明石の君の娘。
紫の上に引き取られて養育される。東宮妃として入内し、四男一女を出産する。
夫の東宮が天皇として即位し、中宮となる。


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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