ラーメンを食べ終え、再び東京国際フォーラムの中に入ると、卒業式はすでに終わっていた。
仕方ないので卒業式会場を後にし、僕は、潤と卒業証書を貰いに行くことにした。
卒業証書は各学部毎に用意された部屋で、業務的に配られていた。
学生証を見せ、卒業証書を貰う、というだけで、なんとも素っ気ないものだった。
見たことある顔が次々と卒業証書を受け取っている。
しかし、見たことはあるが、話したことのない顔ばかりだった。
僕は、学部に友達が極端に少なかった。しかし、その事に対して後悔はなかった。
何故なら、もし僕が、同じ学部の同じクラスの人と仲良くなっていたら、僕はアールに入っていなかったはずだからだ。
しかし、一人寂しく授業を受けていたあの日々を思い出すと、悲しくなるのも事実だった。
しばらくその風景を眺めた後、僕も卒業証書を貰うため列に並ぶことにした。
本音を言えば全く欲しくない。
僕には、卒業証書が社会行きの切符にしか見えなかった。
皆、何の躊躇いもなく卒業証書を貰い、帰って行く。社会に出ることの不安など微塵も感じさせずに。
遂に僕の番がやって来た。
受付の人に学生証を見せると、受付の人は僕の卒業証書を探し始めた。
どうやらなかなか見つからないらしく、手こずっている。
僕は、受付の人が卒業証書を探している間、学生証の写真を見た。そこには、高校三年時分の僕が映っていた。この時の僕は知らない。まさか僕が、こんなに東京にしがみついて往生際の悪い奴になってしまうなんて。
「卒業おめでとうございます。」
その言葉で僕は我に返り、差し出されてた卒業証書を受け取った。
それを受け取ることで、卒業する、という実感がジワジワと湧いてきた。
しかし、手にした卒業証書は、どうしたって社会行きの切符にしか見えなかった。
こうして社会行きの切符を手にした僕は、大学を卒業した。
仕方ないので卒業式会場を後にし、僕は、潤と卒業証書を貰いに行くことにした。
卒業証書は各学部毎に用意された部屋で、業務的に配られていた。
学生証を見せ、卒業証書を貰う、というだけで、なんとも素っ気ないものだった。
見たことある顔が次々と卒業証書を受け取っている。
しかし、見たことはあるが、話したことのない顔ばかりだった。
僕は、学部に友達が極端に少なかった。しかし、その事に対して後悔はなかった。
何故なら、もし僕が、同じ学部の同じクラスの人と仲良くなっていたら、僕はアールに入っていなかったはずだからだ。
しかし、一人寂しく授業を受けていたあの日々を思い出すと、悲しくなるのも事実だった。
しばらくその風景を眺めた後、僕も卒業証書を貰うため列に並ぶことにした。
本音を言えば全く欲しくない。
僕には、卒業証書が社会行きの切符にしか見えなかった。
皆、何の躊躇いもなく卒業証書を貰い、帰って行く。社会に出ることの不安など微塵も感じさせずに。
遂に僕の番がやって来た。
受付の人に学生証を見せると、受付の人は僕の卒業証書を探し始めた。
どうやらなかなか見つからないらしく、手こずっている。
僕は、受付の人が卒業証書を探している間、学生証の写真を見た。そこには、高校三年時分の僕が映っていた。この時の僕は知らない。まさか僕が、こんなに東京にしがみついて往生際の悪い奴になってしまうなんて。
「卒業おめでとうございます。」
その言葉で僕は我に返り、差し出されてた卒業証書を受け取った。
それを受け取ることで、卒業する、という実感がジワジワと湧いてきた。
しかし、手にした卒業証書は、どうしたって社会行きの切符にしか見えなかった。
こうして社会行きの切符を手にした僕は、大学を卒業した。