虫倉の里、どこのお宅にも母屋の際に土蔵があり、柿の実がたわわになっている。この晩秋の季節が、霧に覆われた古民家、古い土蔵そして柿の実、一年で一番哀愁を感じさせてくれます。
夕日を映す土蔵
家紋が落ちてしまっている土蔵
地震の都度、崩れ落ちている土壁
<土蔵の構造など>
土蔵の多くは、明治から昭和初期の時代に建てられ、太く頑丈な梁や地元の土を壁材として、技術力の高い大工が手間隙をかけて作られてきと言う。
虫倉の土蔵は、各家ごとに土質等の違いからか壁の色も種々であり、漆喰で塗られている土蔵も有るが殆どが土をそのまま仕上げ材としていている。
分厚い土壁は、木や竹を荒縄で編んだ網目(コメと呼ばれる。)に土を塗り付けてあり、厚いものでは約7寸(約20cm)ぐらいの壁もみかけた。
お年寄りに聞いてみると、貴重な財産や食料を火災や盗難そして雪害から守るために使用している土蔵も有ったが、養蚕が盛んな大正から昭和の時代には、蚕さ
んにくれる桑を畑から切って来ては保管庫として使用して、雨の日など濡れた桑を乾かすため火を燃やしたことから屋根に煙出しの有るものもあるという。
残念であるが、土蔵を修繕されているお宅は少なく、殆どが地震の都度壁が崩れ落ちて母屋と共に朽ちて行こうとしている。
<柿の実>