サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

岡山の魚と気候変動(地球温暖化)

2019年04月14日 | 岡山の地域のこと

 岡山で食べる魚は美味しい。穴子(あなご)、蝦蛄(しゃこ)、飯蛸(いいだこ)、鰆(さわら)、そし飯借(ままかり)という別名で知られる鯯(さっぱ)。どれも岡山の漁港で水揚げされ、岡山らしい食文化に貢献してきた。

 

 しかし、瀬戸内での穴子や蝦蛄、飯蛸等の水揚げの減少が著しい。現在の瀬戸内海の水質は改善されているとはいえ、かつての汚染物質が底泥(これを漁師さんは“ヌマ”という)に蓄積しているためという声もある。

 

 水がきれいになりすぎて、プランクトンが減り、生態系に影響を与えている可能性もある。加えて、気候変動(地球温暖化)の影響もある。例えば、鰈(かれい)が減っているが、鰈は高温を好まないことも一因であろう。

 

 一方、気候変動で増えている魚もある。例えば、鱧(はも)。鱧は水温が高い所を好む。鱧が増えて、その食害が穴子等の減少の原因ではないかという説もある。京都の初夏の食として、人気にある鱧であるが、日生で獲られた鱧が港に持ち帰えられることはない。流通がないからである。

 

 近接する徳島や淡路島では取れた鱧をブランド化し、京都等に流通させている。日生でも鱧の流通を確保し、稼ぎを得ていくという道を描くことができる。消費者側から日生の鱧を食べる活動をしていくことも、日生の漁師や漁村、そして海を守ることになる。

 

 山陽学園大学では、新設の地域マネジメント学部の他に、食品開発ができる先輩学部がある。学内で連携して、鱧料理の開発と普及を図り、瀬戸内の海の魚とそれを稼ぎとする人々、地域の文化と自然を守ることに貢献することができればと感じている。

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