サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

地域環境力とソーシャル・キャピタル 

2008年08月02日 | 環境イノベーションとその普及
 地域づくりを考える上で重要なことは、地域を活性化させる事業を成功させ、生産額を高め、雇用創出を図ることだけではない。そうした目先の成果ではなく、それを支える地域力を高めることが大切である。

 地域力とは、地域を活性化させる事業を生み出すインフラであり、地域づくりの波及や連鎖をダイナミックに生み出す潜在的なものである。

 地域力が高い状態とは、次のような側面で整理できる。

  ①各主体が関心や意欲をもち、主体的に参加し、

  ②主体間の信頼関係が築かれ、連携が積極的になされ、

  ③これにより地域環境の保全・活用に係る活動が適切になされ、

  ④健全な共生や循環が築かれている。

 地域力のうち、①は主体の力、②は主体間の関係の力、③は環境と主体の関係の力、④は環境の力ということもできる、

 このうち、②は、ソーシャル・キャピタルともいわれる。
 
 ソーシャル・キャピタルとは、パットナムが「協調的行動を容易にすることにより、社会の効率を改善しうる信頼、規範、ネットワークのような社会的な組織の特徴」と定義している(Putnam 1933)。

 ソーシャル・キャピタルには、農山村型コミュニティに特徴的な結合型のものと、異なる集団間の異質な人の結びつきによる橋渡し型のものがあるとしている。特に、橋渡し型のソーシャル・キャピタルが地域活力を生み出す上で重要であると考えられる。
 
 地域にイノベーションが普及することで、地域力あるいはソーシャル・キャピタルを高めることができる。

 逆に、地域力あるいはソーシャル・キャピタルは、イノベーションの普及速度に重要な影響を与えるものと考えられる。

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