サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

環境情報戦略とオントロジー

2007年12月12日 | 環境と情報
環境情報科学会の情報委員会に出席した。夕方18時から、30分ほど遅れて入ると、慶応大学の先生2名、環境情報科学センターの職員1名、事務方2名のみの参加であった。いつも通りの出席率・

議題は、環境情報科学の過去の特集原稿を検索するための、オントロジーを用いた検索システムのテスト版のこと。このシステムは、検索したい用語を入力すると、それに関連する用語が立体的に表示されることに特徴がある。

例えば、水俣病と入力すると、有機水銀とか阿賀野川とか、関係用語が30くらい、画面に表示される。用語間の関係は階層構造でなく、n対nの構造となる。なんとか見せられるものができあがったということだろう。私は何もしなかったが、ご苦労さまでした。

さて、環境省が現在、環境情報戦略を検討している。私は、富士通FIPさんとの共同体制で企画書コンペに応募し、採択され、事務局支援業務の委託先となっている。環境審議会の専門委員会が検討の場。

私同様に情報戦略に思い入れのある委員から、様々な意見が飛びかう委員会である。主なキーワードは、利用者の視点、情報の質や使いやすさ、収集・蓄積・提供の効率性向上、信頼できる一次情報の提供、あらゆる主体が環境情報を利用するためのリテラシー向上等である。

また、環境政策の情報的手法について、達成目標と手段の体系化、情報的手法の位置づけ、経済的手法との組み合わせ等を戦略的に検討することも、検討課題である。例えば、環境配慮商品の普及のためには、商品の質、市場の枠組み、商品情報の提供、消費者の啓発等が必要となる。これに対して、情報面では何をすべきか、他の施策との連携の中で、検討をしていく必要がある。

つまり、環境情報戦略には、円滑かつ適正な情報流通を支える基盤整備と、環境政策の手法としての戦略的な情報提供の2つの側面がある。オントロジー等の情報技術の応用は、まだこれからであるが、環境情報戦略という全体像を意識しながら、情報技術の効果的な活用を考えていかなければならない。

白井信雄
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