サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

近代環境史 ~時代変化という眼鏡を通して見えるもの

2008年08月06日 | 講義・講演
写真:アリストロメリア


東海大学大学院での近代環境史の集中講義は、9名が受講してくれた。うち、1名はインターンシップで欠席。一方、昨年度の受講生が2名、参加してくれた。

昨年度受講生の金子さんには、水俣の視察に行った報告をしてもらった。水俣大使に任命され、自分の見聞きしたことを人に伝えるのが役目だという。律儀な子だ。

今年の受講生も、暑い中、それなりに熱心に聴いてくれた。1日中、講義をしていると話をしている私自身が眠くなったのだが。

学生さんの感想を合間合間に聞きいてみた。印象に残ったのは、江戸時代の話や足尾銅山の話だという。

他には、トヨタ自動車の戦略や、ITによる脱物質化、林業の衰退、外部依存型の暮らしの問題、ロハス、自然とふれあう遊びの希薄化等が印象に残ったという。

一人ひとりの回答が異なるのがいい。

「仕事に追われて、自分のことをする時間がない。そうすると外部依存型の暮らしになり、それが環境負荷を増大させることになる。」

「ITによる脱物資化については、物を自分で直接扱えなくしている面がある。手におえなくなっているものが増えていることが問題だ。」

等という感想もあった。時間の使い方、技術の巨大化等という観点で、近代環境史を整理することも面白いだろう。時間論、技術論を、来年はとりあげてみようか。

時代の流れを俯瞰すると、今の時代に、当たり前と思っていることが、たかだか数10年、ながくとも100年くらいのスパンで築かれたものであることに気づく。

今の時代の構造や、問題の根本に目をやる機会に少しでもなったなら、私の講義の意味もあったのかと思う。




 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 環境の学生さん | トップ | 採用者の分類 ~普及の壁を... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

講義・講演」カテゴリの最新記事